Nov. Week 3, 2012
このセクションのスタートにあたって・・・


2002年より 「キャッチ・オブ・ザ・ウィーク」のコラムをスタートし、これまでお買い物のお客様や、読者の方々から、 様々なご感想や類似した体験談などのメールを頂戴して参りました。 中には、開始当初から10年以上読み続けてくださる方がいらっしゃることは、私自身とても感謝すると同時に、誇りに思っていることです。
でも なかなかご対応できず心苦しく思っていたのが、メールを下さる方々が個人的にお悩みのご質問や、ニューヨーク社会、及び欧米におけるマナー、 言葉の言い回しなどについてのご質問でした。
私はセラピストでもマナーの専門家でもありませんが、ニューヨークに20年以上暮らして、様々な人々と接した経験上でお答えできる ご質問については、あくまで ”Answer / 回答”ではなく、”Advice / アドバイス”という形で、 お応えさせて頂き、何らかの形で お役に立てればと考えて、同セクションをスタートすることに致しました。
もちろん、ご質問者のプライバシーは保護する形で掲載をさせて頂きます。
ページの下に同コーナーのご質問のためのリンクを設けておりますので、 ご質問はそちらからお寄せいただければと思います。

秋山 曜子


★ 自分の責任でなく、待ち合わせに遅れた場合の
レストランでの支払いマナーは?


仕事で、これまで何度もNYに長期滞在しています。
仕事関係以外にNYには友達が居ないので、NY滞在中は 日本の友達から紹介されたブラジル人男性と良く出かけるのですが、 彼はとにかく友達が沢山居て、いろいろな人を紹介してもらって、助かっています。
でも、前回滞在していた時、私と彼、彼の新しいガールフレンド、私が未だ会ったことがない彼の友人3人の、計6人でディナーに出かけることになって、 彼から誘いの連絡があった時点では、未だ行くレストランが決まっていなかったので、 私と彼の新しいガールフレンドが、先ずは彼のアパートに集合ということになりました。
私は時間通りに彼のアパートに行ったのですが、ガールフレンドはなかなか現れず、やっと到着したのが予定より30分遅れ。 私は何度も、ブラジル人の友達に「ガールフレンドに携帯メールで出かけるレストランを知らせて、私たちは先に目的地に向かった方が、 現地で待っている3人の友達に迷惑が掛らないのでは?」と言ったのですが、 彼は、「ガールフレンドが地下鉄に乗っていたら、メールが受取れないから、ここに来るのが無駄足になる」と譲らなくて、 私たちは、タクシーで大急ぎでレストランに行ったのですが、待ち合わせ時間を40分以上オーバーしていました。

レストランで待っていた彼の3人の友人は、私と新しいガールフレンドが彼らと初対面ということもあってか、 特に腹を立てているという訳でもなかったのですが、支払いの段階になってブラジル人の友達が、 「あんなに待たせたんだから、このディナーは僕らが払うべき」と言って、会計書を取って、 全体の会計の3分の1を私が払うことになってしまいました。
40分以上 待たせてしまったのは悪いと思うのですが、でも私は時間通り彼のアパートに行っていて、私も待たされていた側です。 しかも遅れた張本人のガールフレンドの分は、ブラジル人の友達が払ったので、彼女は遅れても何のペナルティも無しで、 私1人が損したような思いをしてしまいました。
ブラジル人の友達には、人を紹介してもらったりして、お世話になってはいるのですが、どうしても納得が行きません。 でもその場の雰囲気は、「私は遅れていないから払いたくない」と言えるような感じではありませんでした。
他の友達は、私が待たせた人の分を支払う必要が無かったと言いますが、 その場で思い切って言うべきだという人も居れば、後から彼にだけ 「私は払う必要がなかったと思う」と言うべき という人も居て、 どうするのが良かったのか 全く分かりません。私としては、遅れたという理由で 待たせた側の食事代を全て払うのは行き過ぎだと思うのですが・・・。"タイム・イズ・マネー"というほど時間が貴重なNYでは、こういうものなのでしょうか?
出かけたのはピザがウリのカジュアルなレストランですが、1人分のディナー代は55ドル弱で、 私は110ドル近くを払っています。食事とワインは全てシェアでしたが、私と友達の新しいガールフレンドは他の人たちに比べて、全然食べて飲む量は少なかったです。

− Anonymous −





私も、Anonymousさんが全体の会計の3分の1を支払う必要はなかったと思いますし、40分待たせたのは先方に対して失礼でしたが、 だからといって先方の食事代全部を支払うオファーをするのは、たとえピザ・レストランでもトゥー・マッチだと思います。
通常は、待っていた側が 待ち時間にテーブルやバーで飲んでいたドリンクの支払いを、遅れた側が オファーするのがエチケットですが、 この必要があるのは、30分前後を越える大幅な遅れの場合、居心地が悪い状態で 比較的長く待たせてしまった場合です。
こうした類のマナーには国境はありませんので、「NYでは・・・」と特別に考える必要は無いかと思います。

どうすれば良かったのか?についてですが、もう終わってしまったことには 策の講じようが無いので、 今後、どうしたら同様の事態を防げるかを考える方が 前向きです。
どうしたら防げるか?の最善策は、一度こうしたことが起こったことを教訓に、 ブラジル人のお友達とは、必ず目的地のレストランで待ち合わせをすることです。
Anonymousさんのケースでは、ブラジル人のお友達が 新しいガールフレンドに、彼が住んでいるアパートを見せたかったので、 食事の待ち合わせを その機会に利用したのかもしれませんし、 新しいガールフレンドが遅れた理由も、ひょっとしたら 彼のアパートで 彼と2人になりたくなかったのかもしれません。
それはどうであれ、通常、ニューヨーカーは時間に追われているので、1つの場所に出かける前に、もう1度余分に待ち合わせをしようという人はあまり居ません。 なので、ブラジル人のお友達に「直接レストランに行きたいから、場所が決まったら携帯メールで知らせて欲しい」と言っても全く問題は無いはずです。

そうすれば、今後ブラジル人の友達が何らかの理由で遅れた場合、今度はAnonymousさんが食事を支払ってもらえる立場になれるかも知れませんが、 その場合は、「時間に遅れただけで、食事代を全て払ってもらうのは行き過ぎだから」と言って断るのが まともな人間の行動で、 彼のお友達3人のように、それをあっさり受ける、ましてや初対面の人に ディナー代を支払わせるというのは、その3人が 女性でも男性でも、たとえ40分待たされたとしても、私にはあまり常識的とは思えません。
したがって、このケースではブラジル人のお友達も行き過ぎでしたが、それを受けたお友達にも配慮が無かったというのが私の意見です。

食べる量、飲む量については、食事をシェアする場合は、均等に割り当てられた分を支払うのは 仕方が無いと思って諦めてください。 ただし、男性と女性がテーブルに混在している場合、食べる量&飲む量が多い男性が進んで多目に支払うのは、暗黙のマナーだと思います。 それをしない男性は、女性に冷たかったり、純粋にケチであったりするので、よく観察してみると面白いです。

私にも Anonymousさんのブラジル人のお友達のような人物が知人に居ますが、 こうした交友関係が広く、気前と面倒見が良いタイプは、 面倒見が良すぎて いつも損をしていたり、その面倒を周囲に押し付けて、自分が面倒を見た気分になっている ケースが少なくありません。 
この手のタイプは、お友達程度でしたら人畜無害の域ですが、結婚してしまったら 家計を省みずに後輩におごってしまうとか、お祝いに分不相応な金額を包んでしまうなど、 ストレスの原因を運んでくるので、もしAnonymousさんがシングルでしたら、お友達としてこのタイプを熟知しておくことは 良い事だと思います。

このタイプに一番してはいけないのは、後から問題や不満を蒸し返すことで、 「あの時、私に払わせたのは酷い」などと、時間が経ってから文句を言えば、本人が反省するよりも 「そんなことを根に持つタイプだったのか・・・」と思われてしまうのがオチです。

結果的に Anonymousさんが その場で波風を立てずに、ディナー代を支払ったのは、 多少不満はあってもベストだったと私は考えます。Anonymousさんは、これからもニューヨーク滞在中に、ブラジル人のお友達に お世話になるかもしれない訳ですので、この教訓を生かして今後同様の事態を防ぐことが出来さえすれば、 今回余分に支払った約55ドル以上を将来的に節約できると思います。


Yoko Akiyama


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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。

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