Dec. Week 1, 2013
★ My Husband's EX'mas


いつもとても楽しくサイトを拝見しています。 毎日のようにチェックしては、ニューヨークならではの情報を得たり、Yokoさんのコラムなどでお勉強をさせていただいています。 ドクター・アルカイタスもYokoさんのコラムで読んでから使い始めて、とても気に入っています。 いつも素敵な商品を紹介してくださってありがとうございます。

私もこのコーナーでどうしてもアドバイスを頂きたいことが出来てしまいました。
私は今、アメリカに住んでいて アメリカ人の夫と今年結婚しました。 夫はバツイチで、前の奥さんとの間には11歳になる男の子が居ます。 夫に出会ったのは彼が離婚訴訟中のことでした。
今年は夫婦2人で初めて迎えるホリデイ・シーズンで、サンクスギビング・デイは夫の両親のところに出掛けてターキー・ディナーを頂いたのですが、 その時に夫が両親に見せたのが 息子のビデオ・メッセージで、 今は離婚した妻と暮らしている孫が可愛くてたまらない夫の両親は、目を細めてそのメッセージを見入っていました。 そして、そのメッセージの最後に出てきたのが彼の前妻で、「孫に会いに、何時でも遊びに来てくださいね」と、 満面の笑顔で彼の両親にメッセージを送っていて、もし私がその場に居なかったら 前妻のことをベタ褒めしそうな勢いでした。
私は一応微笑んでいましたが、その時は自分でも顔がこわばるのが分かるような居心地が悪い思いをしました。

そしてその2日後には、彼もその息子のビデオ・メッセージを観て息子に会いたくなったのか、クリスマスは西海岸に住む夫の前妻の家を訪ねて、 息子と過ごしたいと言い出しました。 それは構わないと思ったのですが、何と 夫は1人で前妻と息子の家に行きたいと言います。
理由は、前妻が付き合っていたボーイフレンドと分かれたばかりで、私が一緒に行くとあてつけているみたいになるし、 両親の離婚で ショックを受けているかもしれない息子に対しても、もう少し時間を掛けて私を紹介したいというのです。 私は彼の息子に会ったことが無くて、結婚式の時は その日に息子の大切なサッカーの試合があるために息子は出席できませんでした。
私としては、そろそろ息子に紹介してくれても良い頃だと思っていただけに、夫がクリスマスは1人で息子に会いに行くといったのは、 正直言ってショックでした。
私は友達が居るので、夫が居なくても クリスマスが1人ぼっちということは無くて、夫もそれで安心しているところがありますが、 それでも結婚して初めてのクリスマスに離れ離れというのは抵抗があります。

それだけでなく、私が心配しているのは前妻のことです。
夫の知人によれば、前妻はとてもやり手の女性で、離婚にしても 主人のお金で前妻が生まれ育った西海岸に戻って 自由な生活をするためのものだったみたいです。それに今は別れたようですが、直ぐにボーイフレンドを作ったりして とにかく行動が早そうです。 夫はといえば優しい反面、ちょっと優柔不断なところがあって、結婚していた頃も 彼より強い前妻がイニシアティブを握る関係になっていたそうです。
ですので、もしクリスマスに夫を1人で前妻と息子の家に行かせたら、 上手く操られて、家族の絆を取り戻してしまうような気がします。 サンクスギビング・デイのビデオ・メッセージにしても、私が 夫と一緒に両親のところに行っているのを承知で、 わざわざビデオに出てきて、孫に会いにくるようにと彼の両親を招待しているのですから、前妻はかなり したたかです。
夫は「そんなことは無い」と言いますが、私は女の勘で前妻が 夫とまた上手くやっていこうとしているのは良く分かります。 それが経済的な理由なのか、それとも離婚してみたら 夫の方がボーイフレンドより 良く思えてきたためなのかは分かりませんが、 とにかく前妻はクリスマスに 私には夫と一緒に来て欲しくなくて、息子の心情を理由に 私が来ないように 仕向けているようにしか思えません。

既に夫はクリスマスに息子に会いに行くことは決めています。
そこでなのですが、私は夫を1人前妻の元に行かせて良いものでしょうか?それとも「息子の心情を省みない」と言われても、一緒に行くべきでしょうか?

結婚したばかりで、こんな問題に直面しているのが何となく恥ずかしくて、あまり周囲に相談したくありません。 「藁(わら)をも掴む気持」といったら 大袈裟ですが、タイムリミットがある決断なだけに、 Yokoさんに アドバイスをいただけたらと思ってメールをしています。
それに加えて、これからも夫の両親と一緒に居る時などに 前妻の話題が出た場合、 私は会話に加わるべきなのか、黙って聞いているべきなのかも教えて頂けると助かります。
Yokoさんもホリデイ・シーズンを控えてお忙しいことと思いますが、どうかよろしくお願いします。
Cubeの益々の発展と、新しいWill New Yorkの ご成功をお祈りしています。

−K−






Kさんの状況で、私が「ご主人を1人で前妻と息子のところに行かせるべき」とアドバイスするケースは、 Kさんが 離婚した場合に備えて、無条件に高額の慰謝料を受取れる プレナップ(プレナプチャル・アグリーメント:結婚前に 離婚時の財産分与を決めた協約)を結んでいて、Kさんがご主人との結婚生活にそれほど固執していない場合のみです。

Kさんがご指摘の通り、ご主人の前妻はかなりしたたかな印象を受けます。 加えて、アメリカ社会は離婚が多いとは言え、「子供が居る夫婦が元のさやに戻れるならば、戻った方が良い」的な 見解が強いので、もしKさんがおっしゃる通り、前妻がご主人との関係修復に取り組んでいて、ご主人も段々その気になってきた場合、 周囲は結婚して日が浅い Kさんより、ご主人の 11歳の息子さんを育てている前妻をサポートする可能性が高いと言わなければなりません。
ご主人が 前妻に対してどんな気持を抱いていらっしゃるは定かではないとしても、息子さんには愛情を注いでいるはずですので、 前妻が今回のクリスマスの件だけでなく、今後も息子さんをオールマイティのカードとして使って、 ご主人を上手く コントロールしてしまう可能性が高いことも見込まれます。

ここで一番やってはいけないのは、Kさんとご主人が対立してしまうことです。そうすれば前妻が もし本当によりを戻したがっている場合は、その思う壺です。 ご主人は優柔不断なご性格とのことでしたが、優柔不断というのは強い意志を持っていないということなので、 「何が起こっても Kさんと上手くやっていこう」 とするよりも、 「こちらと上手く行かなければ、あちら」的に、心の安らぎが得られる方になびいてしまう可能性があるのです。 ですから、まずは ご主人には 努めて気持良く接するようにしなければなりません。
その上で、Kさんがクリスマスにご主人に同行したいことを伝えることになりますが、 もし、Kさんがご主人のガールフレンドであれば、「息子の心情を察して」とか、「時間を掛けて紹介したい」と言われて、 引き下がることになるのは仕方がないと思います。 でも、Kさんは れっきとした妻なのですから いくらご主人が「いずれは紹介するつもり」でいたとしても、クリスマスにKさんに会わせたくない というのは筋が通りません。

また「息子の心情を察して」という理由にしても、アメリカの子供ならば 11歳にもなれば、周囲に親が離婚している友達が何人も居るものです。 したがって子供の方が 親が察しているよりもずっと冷静に両親の離婚を受け止めていることは多いのです。 逆に傷ついたふりをして、成績が下がったり、ドラッグに手を出したことを 親の離婚のせいにするような したたかな子供も少なくないご時勢ですので、 11歳にもなる息子さんの「心情を思いやって」というのは、単なる都合の良い言い訳のようにしか聞こえないのが実際のところです。
息子さんとて Kさんとご主人が再婚したことは分かっているはずですから、逆にあまり長く Kさんと会うチャンスが無いと、 息子さんの方が「自分が前妻との子供だから、Kさんに嫌われているのでは?」などと勘ぐってしまう場合さえあります。

ご主人に 同行についてアプローチする際に最も大切なことは、全てをポジティブに伝えることです。
もしKさんが同行して 前妻と息子さんとの 楽しいはずのクリスマスが台無しになるような気配を感じさせるようなことがあれば、 ご主人は トラブルを避けるためにも1人で 行きたがると思います。
サンクスギヴィング・デイのビデオ・メールの際に、Kさんが「こわばるのが分かるような居心地が悪い思いをしました」と メールで書いていらした心境は、ご主人も ご主人のご両親も 少なからず感じ取っているはずです。 たとえKさんがどんなに普通に装っていたとしても、先方は「Kさんが心穏やかではないはず」という先入観を持って見ると思いますので、 Kさんが実際に感じた以上に Kさんの居心地の悪さを察していたかもしれません。
そんな先入観を持たれている状態で、「貴方の妻なんだから、私も一緒に行く!」的な強引なアプローチをしたら、 ご主人と揉める、もしくは同行を断わられるのは目に見えています。

私がご提案するポジティブなアプローチのポイントは以下のようなものです。


アメリカでは離婚した夫婦同士が、お互いに新しい伴侶やパートナーと一緒に 子供達や親の世代と一緒に集まって、 ホリデイを一緒に過ごす例は 全く珍しくありません。 私の友人は、離婚した夫の現在のガールフレンドの良き相談相手になっていますが、 アメリカ社会は離婚が多い分、よほど泥沼の離婚でない限りは、別れた夫婦が 子供の親権をシェアする家族として、お互いが別の相手と結婚したり、 一緒に暮らしたりしながらも、 上手くやっていくケースは非常に多いのです。
Kさんが 前妻や息子さんと上手くやって行きたいと思うことは、ご主人にとって歓迎すべきことですから、理由をつけて断わるべき状況ではないのです。 前妻にしても、もし Kさんが上手くやって行きたいと希望しているにも関わらず、 それを拒むような反応をしてきた場合は、やはりご主人とよりを戻したがっているとしか思えない訳で、 そういう状況になれば、ご主人もそれを否定できないと思います。
もし、ポジティブなアプローチをしてもご主人が同行を拒むようなことがあった場合には、怒ったり、怒鳴ったりせず、 むしろ悲しそうにしながら、「どうして自分の妻を 家族として認めてくれないのか?」を訪ねてみるべきです。

ご主人の優柔不断さは、一度前妻の家に行ってしまった場合には、前妻に有利に働いてしまうかもしれませんが、 Kさんとご主人が一緒に暮らしている限りは、それを利用できるのはKさんなのです。
ですから押してもダメな場合は 引いて、引いてもダメな場合は 更に強く、でも 優しく押し続けてみることが大切です。
そうやっていくうちに、Kさん自身が 今後ご主人との間で意見が分かれることがあっても、どうやって説得したり、 納得させるべきかを学ぶことが出来るかと思います。 優柔不断な男性との結婚関係というのは、往々にして女性が諦めたり、嫌気が差した時に終わるものですが、 逆に女性に結婚を続ける意志がある場合は 少なくとも私が知る限りは 続くものなのです。

最後に、今後ご主人のご両親と一緒に居る時などに 前妻の話題が出た場合、 「会話に加わるべきなのか、黙って聞いているべきなのか?」というご質問ですが、 ご両親が前妻を褒めている場合には会話に加わって、ネガティブな批判などの場合には 黙って聞いているのが一番です。
サンクスギヴィングのビデオ・メッセージの際にも、Kさんが 前妻の姿を見て 「She looks very nice!」、「I love to meet her!」 等、ポジティブなコメントをしながら、ご両親同様にビデオを楽しんで見てしまうのが良かったように思います。
また、この先も前妻の話題が出た場合は、彼のご両親に前妻がどんな人柄かを尋ねてみるなど、 前妻の話題が Kさんの前で決してタブーでは無いという印象をつけることをお薦めします。 でも、これもポジティブに行わないと Kさんが前妻の事で悩んで、ご両親を味方につけようとしているような印象を与えてしまうので、 その点は注意が必要です。

ご主人の前妻は、したたかでいらっしゃるだけに、Kさんさえ ここでしっかりしていれば、時間の無駄になるような 余計な争いは仕掛けてこないように思います。 今はボーイフレンドと別れたばかりで、ご主人のとの関係修復に取り組もうとしているかもしれませんが、 Kさんが「思ったより手ごわい」となれば、事を荒立てるよりも、停戦協定を結ぼうとするかもしれません。
相手にそう思わせるには、徹底抗戦よりも ”邪魔だけれど、憎めない存在” になる方が遥かに 有効な手段ですので、 前妻への接し方も、そう思いながら いろいろ考えてみることをお薦めします。
Good Luck & Have a Merry Christmas!


Yoko Akiyama


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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。


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