Dec. Week 1, 2015
★ After Our Baby Was Born...
子供が出来てから夫婦仲が悪くなりました


秋山曜子さま
初めまして、いつもこのコーナーだけでなく、キューブ・ニューヨークのウェブサイトをずっと拝見して、お買い物もさせていただいています。 子供が出来てから、あまり外に出られなくなったので、キューブさんのウェブサイトの更新が以前より楽しみになりました。
私も恥をしのんでご相談したいことがあります。
今、外国に暮らしていて、ほぼ1年前に こちらで子供を出産しました。 言語の問題で慣れないだけでなく、本来だったら頼りに出来る実家の母などに病院にいてもらっても仕方がないので、 普通に日本で出産するよりも 大変だったように思っています。
妊娠も特に後半のお腹が大きくなってからが 身体にきつかったのですが、そのくらいの時期から夫婦仲が悪くなってきたように思えています。 原因は まず夫があまり妊娠中の女性の立場を理解してくれなかったことです。 お腹が大きくなって 歩くのも大変な時期に、彼のご両親が1ヶ月近くも 家に泊まりに来ることになって、 最初は義母が私の面倒を見てくれるかのようなことを言われていたので、それも良いかと思ってOKしましたが、 実際に夫の両親が到着すると、私は家政婦扱いで食事を作る量が増えて、買出しの量も増えて、 夫だけなら朝はスターバックスなどで済ませてもらうのに、彼の両親の朝食を毎朝作ることになってしまいました。 義母は、「私が妊娠していた時は、一日中働きづめだったけれど、かえってその方が気が張って 体調も良かったから、貴方も 自分を甘やかさないで、もっと動くようにしなさい」などと言って、疲れた私に同情さえしません。
そんなこんなで、私は疲れとストレスが溜まって爆発してしまって、途中で夫の両親にホテルに泊まるようにと夫を通じて言ってもらいましたが、 それを言わせるまで夫を説得するのも大変で、すごくストレスになりました。 夫は外面が良いタイプなので、妊娠中の妻よりも自分の両親への体裁を優先させるような感じで、これまでにも 私が妻として一番冷遇されていると思える時が何度もありました。

子供が生まれてからも、子供の世話で私が疲れきっているのに、会社の人に頼まれたことを安請け合いして、私の仕事を増やしたりしましたし、 専門業者を雇おうという私の反対を押して、近所の家のティーンエイジャーに頼んで、かえって出費やストレスが増えたこともありました。 子供のことについても、夫が手や口を出すと、いつもろくな事が起こらないので、「私がやるから」といっているうちに、 私だけがやることになってしまって、 ママ友には 「夫のしつけを間違えた」とまで言われています。 最近では、あまり夫とは口も利かなくなってきて、口を開く時は 夫に注意をする時で まるで夫が子供で、私が母親みたいです。

本当の子供は 私の保護が本当に必要ですし、どんなに疲れて、手が掛かっても にっこり笑った顔をみると報われる思いがします。が、夫はそうはいきません。 何かあるたびに「どうしていつも私を困らせるようなことばかりするの?」とか、「どうしてそんな事 やってみるまで分からないの?」と 言いたくなるようなことばかりしてくれますし、実際に我慢できずにそう言ってしまう例が増えてきました。 先日は、お友達の家に子供連れで集る会があったのですが、私に聞こえないと思って夫が「ウチの奥さん、怖いからな〜」 と言っているのを聞いて、その時は頭に来たのですが、段々悲しくなってきて、 帰りの車の中で 「私が日頃からこんなに一生懸命やっているのに、人前で恥をかかせるような事を言うなんて」と涙ながらに抗議をしてしまいました。

今の私達は必要なことしか話しませんし、夫が何を話してきても 興味がそそられないというか、「そんなことに構う時間があったら、もっと別のことをすれば良いのに」 と思えることもあって、 「どうしてこんな人が良いと思って結婚したんだろう」と不思議になることもあります。 最近では、私が手抜きの料理しか作らないせいか、夫は帰宅時間が遅くなってきて 私もそれは一向に構わない感じです。 友達には「そこまで来たら離婚だ」という人も居て、私も このままだと 離婚してしまいそうな気がしていました。
それで、先日サイキックとタロット占いで 将来を見てもらいましたが、私は金運が弱いので 主人と一緒に居たほうが経済的に安定すると どちらにも言われて、私もそれは認めざるを得ません。それだけでなくタロット占いの人には、夫に愛人がいるかもしれないとまで言われました。

長くなりましたが、秋山さんにご相談したいのは ここまで落ち込んだ夫婦関係を一体どうやって修復したら良いかということなのです。
離婚を考えないようにするとなると、夫との仲を何とかしなければ、子供が可愛そうだと思いますし、私も今のままの結婚生活では 自分が腐っていくような思いで一杯です。 それと、タロット占い師が言ったように 夫が本当に浮気をしているのなら、それをどうしたら良いのかも 私には分かりません。放っておいたら 別れるのか、それとも夫に尋ねてみるべきなのか、でもタロット占い師に言われたから 愛人がいるんでしょ?なんて口が裂けても言えません。
情け無い質問で本当にお恥かしいのですが、秋山さんにどうしてもアドバイスをしていただきたくて、メールをしています。 他のかたのご質問でお忙しいかも知れませんが、このコーナーで取り上げて頂けたら光栄です。
どうかよろしくお願いします。


−M−





頂いたメールの文面を拝見して、Mさんがあまり結婚して日が経たないうちにお子さんを妊娠されたのでは?とお察しいたしました。
夫婦としてのお互いのあり方や、スタイルが固まらないうちに 子供が出来たカップルは、2人の関係が3人の関係になることによって、 一時的にギクシャクしたり、試練に直面するケースが多いようです。
また、ご主人が浮気をしているか、していないかは別として、男性が妻やガールフレンドに不満を感じて、別の女性に惹かれたり、安らぎを求めるケースで 往々にしてこぼす文句が、妻やガールフレンドが「口うるさい」、「自分に批判的」、「いつも疲れている」、「自分の言うことや、やる事に興味も関心も示さない」 ということで、Mさんの場合、これにいくつか当てはまる部分があるだけでなく、 昨今ご主人の帰宅が遅いとのことでしたので、 愛人がいても不思議ではない状況であるのは確かです。

でも、一時的に ろくに目も合わせなかったようなカップルが、ラブラブとはいかなくても 良きパートナーとして、 仲の良い友達のような関係に戻った例を 私は幾つか見ているので、どんなに悪化した夫婦関係でも 修復は可能だというのが私の意見です。 そのためには主導権を握らなければならないのは、妻であるMさんで、このコーナーで何回も書いている通り、 男性というのは、状況に応じて自分を変えられるほどフレキシブルな生き物ではありません。 Mさんが夫婦関係の手綱をしっかり握れるポジションに自分を置くこと、そして夫婦だけでなく、お子さんを含めた家族を 自分が守って、その舵取りをしていくという 意識を持って取り組むことが必要になってきます。

メールから私が受けた印象は、Mさんも ご主人も 妊娠、出産を含めた 夫婦間やその周囲で起こっていることに 行き当たりばったりの対処しているという印象で、お互いのテリトリーも 力関係も、お互いにとってお互いがどんな存在であるべきかも分からないまま、 2人して個々に状況に振り回されて、カップルとしての足並みが揃っていないというものでした。
それと同時に私がMさんから感じたのが被害者意識で、「私が日頃からこんなに一生懸命やっているのに…」 という言葉に特にそれが現れているように思いました。

私がご提案する夫婦関係改善のファースト・ステップは、まずそんなMさんの被害者意識を払拭する事です。 夫婦間で 被害者意識が生まれるのは、どちらかが労力、愛情、時間、手間などを相手より 注いでいると考える一方で、相手に自分のような努力や献身が見られないケースです。
これは子供が生まれて、関係が悪化する夫婦間にありがちな傾向ですが、 Mさんの場合、2人の占い師のアドバイスにもあったように、 ご主人がMさんには無い”経済力=金運” をもたらしてくれていることは ご自身も 認めていらっしゃる訳です。したがってMさんが日頃からご主人やお子さんのためにしている様々なことや 時間、労力等を、 その金運との等価交換だと考えて、ご主人とはそれでバランスが取れたフェアな関係であるという意識を持つべきだと思います。
世の中には尽くしても、尽くしても 自分が求めるものが得られない関係は幾らでもありますので、自分に出来ることを相手に提供して、 自分に欠けているものを相手に補ってもらえる関係をありがたいと思うべきです。

次に、Mさんはメールに「まるで夫が子供で、私が母親みたいです」と書いていらっしゃいましたが、 以前このコーナー でご紹介したココ・シャネルの 「As long as you know men are like children, you know everything! / 男性が子供のようなものだと分かれば、 全てを理解したということ」 という語録を頭に浮かべれば、それがあるべき男女の姿だということがお分かりになるかと思います。
私が知る円満な夫婦は、奥様がご主人を”大きな子供”として面倒を見たり、心を広く持って接しているケースが殆どですが、 私はそれが恋愛感情から家族愛に変わった後の 妻の愛情だと思って見ています。 「学んだり、育ったりはしない代わりに、稼ぎがある子供が主人」とはっきり言う奥様もいますが、 自分が幸せに割り切れる形で夫婦関係を考えるのは、円満を維持して行く上で不可欠です。

大人だと思ったら役不足に感じられたり、余計なことばかりしてくれると思えるご主人でも、 ココ・シャネルのように「男性は子供のようなもの」と解釈して接してみたら、 今までは「それくらい言わなくても、分かってくれるべき」と不満に感じてきたことが、 実は「教えてあげないと分からない」ことであったと気づくかと思いますし、 「どうしていつも私を困らせるようなことばかりするの?」という状況も、「これをこうやってくれる?」とか 「これはそのままにしておいてね」 という事前の簡単な指示や連絡で 180度変えられることが分かってくると思います。

Mさんのお子さんが男の子であった場合は、この先 育児に際しても男の子は 女の子よりも、おだてたり、褒めたり、勇気付けてあげることが必要かつ 大切であることを 実感されると思いますが、それは大人になっても同じことです。 男性に自分の主張を聞き入れて欲しいと思った場合には、まず褒めたり、おだてたり、感謝することによって相手の心を開いて、 聞く耳を持たせなければなりません。
たとえ主張が正しくても批判的なことや、否定的なことを言い続けていたら、疎ましいと思われてしまうだけで、どんどん心が離れていってしまいますし、 何を言っても 「またか!」と思われるだけです。 「余計なことをしてくれた」という状況でも まずは感謝をして、相手の気分が良くなって 「もっと何かをしてあげたい」という気持ちになった時に、 正しいリクエストをすれば、必ずその通りにしてもらえる、もしくはそうなるように努力をしてくれるものです。
またご主人が 明らかに間違った判断を下していると思われる時でも、いきなり否定するのではなく、まず理解を示して相手の心を開いてから 問題点を自ら悟らせるようにすれば、ご主人は自分の意思で判断を変えてくれるようになります。

Mさんの現在の状況では、いきなりご主人を褒めたり、感謝する気になれない、理解を示す会話が難しいと お考えかもしれませんが、その場合には、 お子さんの言葉として「パパありがとう!」、「パパ気をつけてね」、「パパお仕事、お疲れさま」などと言ってみることをお薦めします。 そうやって、ご主人の「自分が家族を支えている」、「自分が家族に頼られている」という意識を高めることは、 一家の主としてのメンタリティを育むためにも必要なことです。

最後に、ご主人が「ウチの奥さん、怖いからな〜」と人前で言ったとしても、Mさんはそれを全く気にする必要はありません。 普通に人生を生きている人ならば、そんなコメントを聞いて内心思うのは「それは、アナタがしっかりしてないからでしょ」程度のリアクションです。 同じ恐妻家的なコメントでも「ウチの奥さんには 頭が上がらない」と言った場合には、かなり周囲の心象、特に女性ウケが良くなります。
要するに夫婦というのは人前でも、周囲に誰も居なくても、日頃からお互いを気遣う言動を心掛けるだけで、関係が大きく改善するものです。 そしてどんな関係でも、気持ちの良い会話のスタートは気持ちの良い挨拶です。 ですから、「おはよう」、「いってらっしゃい」、「おかえりなさい」という基本的な挨拶を気持ち良く行えば、そこからお互いを気遣う会話が出来るようになると思います。
そして そんな会話が出来る関係に戻れば、ご主人の浮気など心配する必要はなくなるはずです。

Yoko Akiyama


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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。

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