Dec. Week 2, 2013
★ Surprise Party For My Friend Who Hates Surprises


こんにちは、 目下、アメリカに留学中です。
留学する少し前に友達に キューブ・ニューヨークのサイトを教えてもらって、以来、アメリカに来てからも ほぼ毎日のようにアクセスしています。 特に、アメリカやニューヨークの時事情報について書かれているキャッチ・オブ・ザ・ウィークはとても勉強になります。 それと、このアドバイスのセクションも、日本的な配慮とアメリカ的な割り切りの良さや、発想の転換がとてもバランス良くミックスされていて、 読むたびに感心したり、勉強させて頂いたりしています。

そんなアメリカの事情や人間関係にも通じていらっしゃるYokoさんを見込んで、是非アドバイスを頂きたいことが出来てしまいました。
今、友達のためにサプライズ・バースデー・パーティーを企画しているのですが、その友達というのがサプライズ・パーティーが大嫌いなのです。 サプライズのプランは、彼女がルームメイトと住んでいるアパートで、何か事件があったかのように見せかけて、彼女がアパートから飛び出してきたところで サプライズ!という感じで、40人もの友達が参加することになっています。
サプライズが好きな友達だったら 楽しい企画ですが、その友達を仮にXとすると、Xは凄くセルフ・コンシャスで、ヘアとかメークにもすごく気を遣っています。 以前同様の企画のサプライズ・パーティーがあったのですが、その時は主役の友達がパジャマ姿のノーメークで 慌ててドミトリーから飛び出してきたところを サプライズ!といって驚かせました。 その友達は Xほどはファッションやメークを気にしませんが、それでも皆が普通の格好なのに、1人だけパジャマで、しかもバースデー・ティアラを被せられて、 ノーメークの写真がフェイスブックに載ってしまったのを愚痴っていました。 もし、Xも同じようなノーメイクのパジャマ姿のサプライズになってしまったら、パーティーの間中 トイレにこもって、少なくとも完璧にメークをするまで 出て来ないことさえ 私は予測しています。

そこで、パーティーを企画する段階で 「Xは、外観を気にするので、そういうサプライズを喜ばないのでは?」と友達に言ったのですが、 友達の言い分は「Xはいつもヘアやメークを気にしすぎるからこそ、あえてサプライズ・パーティーをする価値がある」と言われてしまいました。 私には、そんな女友達が いつも外観に気を配る Xに対して 面白半分だったり、ちょっと意地悪な気持もあって サプライズ・パーティーを プランしているようにさえ感じられてしまうのですが、Xのボーイフレンドに話してみても 「皆がXのバースデーをお祝いしてくれるんだから、 やりたいようにやらせてあげれば」という感じです。

私が悩んでいるのは、サプライズ・パーティーをXが喜ばないのが分かっているからだけでなく、本人が誕生日が近付いてきて 自分にもサプライズ・パーティーをされるかもしれないと思って、私に「もしサプライズ・パーティーを企画しているんだたら、 こっそり教えて欲しい」と言ってきたためなのです。 そもそも最初は パーティーを主催するのが大好きな Xが自分で自分のバースデー・パーティーを企画しようとしていました。 ところがサプライズ・パーティーを企画しているために、皆が彼女の誕生日前夜の都合が悪いと断わっていて、 本人のパーティーは、サプライズ・パーティーの翌日に 私を含めた10人程度でイタリアン・レストランに出かけるだけになりました。 そんなこともあって、本人は「サプライズ・パーティーを企画されているのでは?」と勘ぐり始めたのだと思います。

パーティーを企画している友達は、Xに内緒で準備をするのを楽しんでいて、パーティーの準備の話になると 活き活きしています。 もし私が本人にそのサプライズをバラしてしまったことが分かったら、暫く口をきいてくれなくなると思います。
でも、私がXにサプライズ・パーティーの事を事前に教えてあげなければ、今度はXが私と口をきいてくれないどころか、絶交したがると思います。
Xは、確かに外観には気を遣いすぎるところがありますが、とても面倒見が良くて、私がアメリカに来て一番最初に仲良くなった友達です。 アメリカに来たばかりで、友達が少なかった頃には、週末に何もすることが無かった私を何度も誘ってくれました。 それを思うとXにサプライズ・パーティーについて告げるべきだと思うのですが、どうしても準備をしている友達からのプレッシャーを感じて 話せずに居ます。

こういった場合、私はどうしたら良いのでしょうか? 学生の下らない悩みで申し訳ないのですが、アドバイスをいただけたら大変助かります。 よろしくお願いします。

−N−






Nさんの置かれた状況、お察しいたします。
私も、以前 ベイビー・シャワーやバースデー等、何度かサプライズ・パーティーの企画に加わったことがありますが、 いずれもサプライズを好むオープンな性格の友達のためでした。 でもその都度に感じたのは、サプライズ・パーティーは 一部の例外を除いて 企画する側が楽しむためのパーティーだということでした。
何も知らない友達が、部屋に入ってきた途端に「サプライズ!」と言って、参加者で迎えるパターンが殆どでしたが、 主役が登場する前に全員が集合して、主役の到着を待つ間に さんざんソーシャライジングを楽しんで、 主役が到着したのを見計らって シーンと静まり返って、 本人が扉を開けた途端に 「サプライズ!」というプロセスは、 言ってみればニューイヤーのカウントダウンのようなものです。 年が明ける前の僅か10秒のカウントダウンのために、何時間もタイムズ・スクエアでワイワイとお祭り気分で 騒ぎながら待っていて、 年明けと同時に「Happy New Year!」となったところで エキサイトメントがピークに達して、後は人々が去っていくだけなのです。

要するにサプライズ・パーティーの醍醐味は、主催側にとっては秘密で準備をする段階、参加する側にとっては主役の登場を待っている時間と そのアンティシペーション(期待感)、そしてサプライズの瞬間です。 その醍醐味を味わうことなく エキサイトメントのピークが去ってからパーティーに加わる主役にとっては、 さほど凄く楽しい企画ではない場合が少なくありません。 実際、私が参加したサプライズ・パーティーの1つは、主役の登場が大幅に遅れたために、主役が登場して30分もしないうちに、ゲストが帰宅し始めるというような 状況になってしまったことがあります。

またNさんが指摘されていたように、サプライズ・パーティーというのは、企画して喜んでもらえる人と、そうでない人が居るものです。 そうでない人に対してパーティーを企画する場合は、よほど本人の都合を考えない限りは、サプライズ・パーティーほど迷惑な物はなかったりします。
今回 Nさんにご相談いただいたのは、まさにそのケースだと言えます。

さて、本題のNさんがどうするべきかですが、私がNさんであれば お友達のXさんに サプライズ・パーティーが企画されていることを話します。 でもそのプロセスが大切になってきます。 Nさんが 「Xさんに事前にパーティーについて教えてくれるように頼まれたから 話してしまった」ということになれば、 サプライズを企画していたお友達から 顰蹙を買うことになってしまいます。でも人間というのは 時に 「口を滑らせる」という過ちをしてしまうものです。 「口を滑らせたことなど一度も無い」と言いきれる人間などは世の中に存在しないとさえ言えますので、 表面的には あくまで「Nさんが口を滑らせてしまった」、「Nさんの態度からXさんがサプライズを察知してしまった」という状況を 貫くことをお薦めします。そうすれば、Nさんは企画しているお友達を裏切ることなく、Xさんに頼まれたことを果たすことが出来る訳です。

その結果、Xさんがサプライズ・パーティーで驚いたふりをするか、それとも「薄々感じていた」と言って あまりビックリしないようにするかは 本人次第ですが、Xさんの立場になって見た場合、「カンが鋭いので、サプライズ・パーティーをしても、あまり驚いてもらえない」という印象を この機会に 周囲に与えておいたほうが、今後 有り難迷惑なサプライズ・パーティーを防ぐことが出来ると思います。

サプライズ・パーティーというのは、その規模やどの程度手の込んだサプライズを企画するかにもよりますが、 予定通り物事をきちんとこなすのを好む性格の人のためには、全く向かない セレブレーションです。
Nさんは、Xさんのそんな性格をきちんと察知して、お友達やボーイフレンドに掛け合った訳ですから、 Xさんにとって良いお友達と呼べる存在だと思います。 またNさんのメールの文面からして、XさんもNさんにとって とても良いお友達であると思います。
それに対して、Xさんの性格を考えずに 自分達の楽しさを優先させてパーティーを企画しているお友達については、 私個人としては 配慮の足りない、身勝手な印象を受けてしまいました。  ですから 私がNさんの立場であったら、どちらかの顔を立てなければならない場合に 優先させるのはXさんとの関係です。

もしパーティーを企画したお友達が、 Nさんが Xさんに故意にサプライズについて知らせたと勘付いて、腹を立てた場合、 その後何日かは Nさんがメールに書いていらしたように 冷たくされるかも知れません。 でも 人に配慮しない人というのは、自分に気に入らない事をされても、 意外に簡単にそれを忘れる人でもあります。 ですから、腹を立てても一時的な現象である場合が殆どです。

逆に人に対して親切で、思いやりがある人にとっては、裏切られたという気持や、恩を仇で返されたという思いは そう簡単に払拭出来るものではありません。それだけ人間関係に 感情やエネルギーを注いでいるということなのです。 メールの文面からお察ししたところ、Xさんはそういった類の人物だと思われますので、 Xさんに対して 友達としての義理を果たすことは、その意味でも大切だと思います。

Yoko Akiyama


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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。


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