Dec. Week 3, 2015
★ Why He Chose Her Over Me?
何故 夫が私と別れて あの人と再婚するのか分かりません


秋山さま、
キューブ・ニューヨークを愛読して6年くらいが経ちます。いつも秋山さんが書くコラムを目当てにアクセスしていて、 何度かお買い物もさせて頂きました。 一番好きなウェブサイトで、本当に内容が充実していて、素晴らしいと思います。 長くこのクォリティを保ち続けるのは、とても大変なことと思います。
このコーナーは最初から欠かさず読んでいて、いつも皆さんの悩み事を読ませていただいて、いろいろと大変な状況があるご様子を垣間見ては、 秋山さんのアドバイスを読んで、なるほどと納得したり、感心したり、 私にもこんな親身なアドバイスをしてくれる友達がいたらと思って来ました。

私はつい最近離婚したばかりで、離婚の原因は夫に別に好きな人が出来たからでした。 突然「好きな人が出来たから 別れたい」と言われて、夫婦仲が悪かった訳ではないと 少なくとも私は思っていたので、 正直びっくりしました。
夫が好きになった人というのは、私よりいくつも年上で、はっきり言って 見た目もきれいという感じの人ではありません。 どちらかというと地味で、「どうしてあの人と?」 いう感じなので、私はダブルで傷つきました。 若くて、私よりずっとキレイな人を好きになるのなら 仕方ないと思いますが、 私より年上で、見た目がパッとしない女性を夫が選んだというのは、まるで私の性格が悪いとか、 私が妻として至らなかったとしか受け取れません。

夫には、「この人の何が私よりもそんなに良かったの?」と泣きながら尋ねましたが、 「そんな比較の問題じゃない。自分にとって何がベストかの選択だから、理解して欲しい」と言われて、 私の事が嫌いになった訳でも、私に不満な訳でもないと言われました。
夫は その女性と来年再婚することになっていますが、 子供達のためにも 私と上手くやって行きたいので、 少し落着いたら その女性に会って欲しいとも言われています。

私は今は離婚のショックが強すぎて とてもその女性に会う気になれません。 妹や友達など、相談した人はすべて 夫のわがままを聞き入れるべきでないという意見で、 夫を私から奪った泥棒猫のような女性に無理に会っても仕方ないとも言います。 でも子供のことを思うと 夫と絶縁状態になるのはどうかと思っています。
私が その女性に会いたくないのは、もしその女性が良い人だったら、 「私にはこんなところが欠けていた」と、自分の問題を思い知らされることになりますし、 もしその女性があまり良い人でなかった場合は、逆にどうしてこの人に夫を取られたのかと思って、また落ち込むと思います。

秋山さんに是非アドバイスを頂きたいのは、私はその女性に会うべきなのかということと、 会う場合も、会わない場合も、その女性と夫のことを どうやって割り切ったら良いのかということです。
私には夫の言う離婚の理由がきれい事の言い訳のようにしか聞こえなかったのですが、最近では段々と夫が 私と全く次元が違う考え方をしているように思えてきて、結婚したことが間違えだったのかもしれないと考え始めています。 1人でいろいろ思い返していると、夜も眠れなくなったり、昼間でもボッとしてしまって 全然解決にならないので、どうしても秋山さんのお考えが聞きたいと すがる思いでメールしています。
アドバイスが頂けたら、心から感謝します。 どうか、よろしくお願いします。

−R−





私は 以前 このコラムに書いたことがありますが、離婚した友達から その事情を打ち明けられることが多くて、 そんな友人にとっては 既婚者や、同じ離婚経験者よりも、 結婚さえしていない私の方が話し易いと感じるようです。
なので、私は一般の人よりは様々な離婚のストーリーを聞いてきたと思いますが、 Rさんのご主人がおっしゃるような理由で離婚に至るというのは、私が知る限りでは特異なケースではないのです。
私が知る同様の離婚ケースの1つは、9・11のテロがターニング・ポイントになったものでした。 テロがきっかけで ニューヨークでは、結婚せずに 一緒に暮らしているだけだと、家族と見なされないので 集中治療室に愛する人を見舞うことも出来なければ、 遺書を残さない限りは 自分が突然先立った場合に財産を残すことも出来ないことを悟って、 結婚したカップルが多かったのは当時ニュースでも報じられていたことでした。
でも私が知る夫婦は ご主人が金融で、知人の何人かがテロの犠牲者になったことから、 「自分の人生も何時終わるか分からない。人生に悔いを残したくない」と考えて、 学生時代からずっと好きで忘れられなかった女性にアプローチしたところ、 ちょうど相手の女性も同じように思っていて、お互いに円満な結婚生活を送っていたものの、共に離婚をして、 再婚したというのがそのストーリーでした。

同様に 結婚相手に不満があった訳ではなくても、 自分のソウル・メイトのような存在に出会ってしまったために離婚するというケースは 決して少なくありません。 伴侶を愛していたとしても、「自分が求めていたのは この人だった」という存在が現れた場合、 人生に妥協をしたくない真面目な人ほど 伴侶が傷つくのを承知で苦渋の決断をするものです。
でも 日本語で言う ”赤い糸で結ばれた人”が先着順で現れる訳ではありませんし、人はいろいろな経験をするうちに 価値観や人生観が変わるケースもありますので、それはそれで仕方がないことなのです。
こうしたケースは 誰が誰より優れているというような 優劣の問題ではなくて、 言ってみれば 似たような形のピースを埋め込んで完成したと思い込んでいたパズルが、 ある時 本来のピースを見つけて それを埋めてみたところ、初めてしっくりした完成の満足感を得るようなものです。

私が Rさんのメールを拝見していて、個人的に興味深く思ったのは 相手の女性に対して 「浮気相手」という言葉を使っていないことでした。 このケースでは、Rさんと結婚している最中に ご主人と ”恋愛=不倫”関係になっているのですから、 普通ならば お相手の女性のことを「不倫相手」、「浮気相手」と表現するものですが、Rさんは”その女性”という表現に終始していました。
その理由は 恐らく ”その女性” が単なる「浮気相手」ではなく、もうすぐご主人の再婚相手になる方だからかとお察ししますが、 これは見方を変えれば、Rさんも ”その女性”が単なる ご主人との浮気のはずみで再婚相手になったのではなく、 2人の間に何かもっと深いコネクションがあることを潜在的に意識していらっしゃるということだと思います。 だからこそ、お友達や妹さんが「泥棒猫」というような言葉を使う相手に対して、蔑む表現を避けてメールを書かれたものとお見受けしました。

いずれにしても、私は Rさんが お子さんのためではなく、ご自分の女性としてのプライドのために ご主人の再婚相手にお会いになるべきだと思いますし、ご主人とその女性とは ご自身のために できる限り良好な関係を続けて行くべきだと思います。
アメリカでは離婚するカップルが非常に多いのは周知の事実ですが、離婚の原因や 財産&親権等をめぐって 泥沼の争いをした挙句、 憎み合うように別れるカップルは周囲に「結婚そのものが失敗」という印象を与えます。 でも離婚後も友達関係が続けられるカップルというのは、「何らかの理由で結婚生活が続けられ なかっただけで、結婚そのものは間違いではなかった」という印象を与えますし、それが事実なのです。
したがって、お2人と良好な関係を保つことは、Rさんが 「ご主人との結婚が無駄や間違いでなかった」と自覚するためにも必要ですし、 ご自分が ”夫に浮気&離婚された妻”ではなく、”夫が求める幸せに理解を示した 寛容で思いやり深い存在”であることを認識するためにも 大切なことだと思います。 Rさんはご主人と再婚相手に感謝されて然るべき存在であって、相手の女性と比較してご自分を卑下する必要など全くないのです。

そうは言っても、しばらくは Rさんが離婚を消化するために 時間が必要かと思いますし、 今は ご主人の人生の選択に振り回されているという気分を味わうかと思います。
でも 自分が求める幸せを掴むチャンスやシナリオというのは、誰の人生にも用意されているものです。 ですから それが訪れた時に 自分が求めるものをしっかり掴んで 幸せになる術や、そこで払う犠牲との駆け引きについて、 この機会にしっかり学んで頂けたらと思う次第です。
どんな大女優でも脇役からスタートするのですから、大きな幸せや人生のサクセスを掴むためには、 人の幸福のサポート役を務めなければならない時があります。 その結果、ご主人と再婚相手の女性が 「自分達が幸せになった分、Rさんにも幸せになって欲しい」という気持ちを抱いてくれれば、 Rさんにも必ず幸運と幸福が訪れます。幸せになって欲しいと願ってくれる人が周囲に居ればいるほど、幸せの達成率は高まりますので、 目先より 長い人生にフォーカスして、ご自分を幸せに導いてください。

Yoko Akiyama


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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。

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