Dec. Week 4, 2012
★ Cure for Broken Heart


2年半付き合った彼氏と、2ヶ月ほど前に別れました。 別れた原因は、彼氏に別に好きな人が出来たためで、一方的に「今まで楽しかったけれど、別に好きな人が出来た」と 言われました。
あまりに突然でショックでした。 別れる前の2週間ほどの間、ちょっとよそよそしくなったのを感じていたのですが、 仕事で忙しい時期なので、そのせいだと思っていました。

別れを言い渡される前に会った時は、とても楽しいデートをして、朝まで一緒に過ごして、本当に幸せだったのに、 その後直ぐに、よそよそしくなって、2週間後に会った時に、別れを言い渡されました。 新しい人とは、この先どうなるか分からないけれど、二股を掛けたくないからと言っていて、 その人とは 完全に付き合い始めた訳ではないようでした。
彼と私は、同じ職場ではないのですが、仕事上、時々これからも顔を合わせる機会がある関係なので、 それもあってか、彼には 「直ぐには難しいかもしれないけれど、これからは友達になりたい」と言われました。 それが彼の優しさなのか、仕事絡みで気まずい思いをしたくないのかは定かではありません。

以来、裏切られたという気持や、女性として侮辱されたという気持は強いです。 でも、もし彼が二股を掛けていたら、私がもっと傷つく状態で別れていたと思うので、 それを思ったら、私なんかより素敵な女性を見つけた彼を祝福してあげてるべきなのかも・・・と思うし、仕事で会った時も、ギクシャクした様子を見せたくないと思います。
なんとかこの気持を消化しようと思って、友達に随分相談しましたが、 最近は、だんだん私に相談されるのにウンザリしてきたようで、私が苦しんでいても、 ”彼を別の女性に取られたグチ”としか思ってくれていないようです。 最初は、慰めてくれていた友達が、最近は 「いつまでも悩んでいないで・・・」みたいにお説教するようになったので、友達がウンザリしているのはよく分かります。

最後のデートがあんなに幸せでなくて、もっと徐々に関係がこじれたりすれば、私もこんなに 混乱しなかったと思っています。別れる時って、普通、そういうものだと思っていました。 私の何が悪かったのか、新しい人の何処がそんなに良かったのか、本人に訊けるものなら訊きたいですが、 そんな勇気もありません。
別れた数日後までずっと泣いていたので、それ以降は泣かないように務めて、それだけは実行してきました。 でも、彼に対して引きずっている気持や、突然別れを宣告されたショックからは、どうしても立ち直れません。
何とか解決法を見出したくて、メールしています。よろしくお願いします。

−T. −





恋愛感や、恋愛が精神状態に及ぼす影響というのは、人によって異なりますが、 T.さんのお気持は、女性でも、男性でも、様々な形で 最低1度は味わっているものと思います。
冷たい言い方に聞こえたら申し訳ないのですが、こうした状況では、直ぐに効果をもたらすカンフル剤のような解決法はありません。 なので、解決法があるという考えを取り去ることからスタートして頂きたいというのが私の意見です。
解決法があると思えば、それにすがろうとして、訳の分からないセラピーや、クラス、 指南本などに不必要なお金を払うことになりますし、こうしたハートブレークがきっかけで、 親切そうに寄って来たカルト宗教の勧誘に巻き込まれる人もいるのです。

恋愛の傷を癒すのに最も効果的なのは 恋愛、具体的には 別の恋愛で、誰か別に好きな人が現れたら、別れた彼のことなど、頭をかすめさえしなくなると思います。 でも現在のT.さんは、まだ他の男性に関心を注いだり、自分を新しい恋愛に駆り立てる状態ではないように思います。
よく 「時間が解決してくれる」という言葉を、恋愛の傷に対して使う人が居ますが、私の友人は4年前に フィアンセが心変わりして、婚約を解消したことを、いつでも2週間前のことのように語るので、気持の整理がつかない状態を続ける限りは、 「時間が解決する」ということにも さほど期待は持てません。
また、恋愛感情が理性でコントロールが出来るものなら、そんな苦しい思いはしないはずですから、お友達に相談して、 一時的に気持が落ち着いたように感じることがあるかもしれませんが、これも解決法ではありません。
私がTさんに 心掛けて頂きたいと同時に、考え直したり、実行して頂きたいのは以下の5つのことです。

1. ネガティブな気持を残さないこと
Tさんの状況で、「裏切られた」というお気持を抱くのは、もっともだと思います。でも、恋愛というのは先着順に優遇されるものではありません。 Tさんとて、彼と交際し続けるうちに、運命的と言えるような相手が現れたら、きっと同じことをしていると思います。 なので、「裏切られた」という気持や、新しい女性に彼を取られたといった意識は、取り去って下さい。

2. 恋愛において、「別れを言い渡す側が 上の格付け」という訳ではありません
一般的に恋愛においては、ふった側が ”格付けとして上” という見方になるのが普通ですし、噂として広まる場合にも、そういう筋書きになるのが常です。 というのは、別れを言い渡す原因が、「相手に何らかの不満を抱いていた」、「別に好きな人が出来た」というものが殆どで、 その意図が 「自分はふった相手では満足ができなかった」、「もっと自分に相応しい人を見つけた」と解釈されるためです。
なので、世の中には 相手より下の格付けにされるのを嫌って、「ふられる前にふってしまおう」と、別れ急ぐ人も居ますが、この考えは非常に短絡的です。
恋愛に長けている人ほど、相手の立場を良く見せる別れ方を心得ているものですし、恋愛上手というのは その後、友達付き合いをする、しないは別として、決して憎めない存在です。
Tさんが、彼に別れを言い渡されて侮辱された気持になったのであれば、「彼は恋愛に長けている訳ではない」と判断されますが、 恋愛関係の解消は、相手を蔑むという行為ではありません。侮辱されたという意識はTさんが一方的に、そして不必要に抱いているお気持だと思います。

3. 「自分の何が悪かったか?、新しい女性の方が何かに優れていたか?」という考えを捨ててください
彼の気持がTさんから、新しい女性に移ったことは、女性として、人間としての優劣とは全く無関係です。 1人の男性の気持では、女性や人間の優劣などは決まりませんし、彼の好みが世の中のスタンダードでもありません。 そもそも世の中には、間違った相手を選んで不幸になったり、別れている人は沢山居ますから、新しい女性が彼にとって本当に 良い相手とも限りません。
また、私の母はプロの占い師ですが、これまで母から学んできたのが、人間には持っている星で 相性があるのはもちろん、 ”蛇に睨まれたカエル”のように、どうしても相手に主導権を握られて ”逆らえない関係”、 どうしても離れられない ”腐れ縁になる関係” 等などがあり、 さらに 人には一時的に、特定のタイプに強く惹かれる時期などもあります。
人が相手に惹かれるのは、相手の魅力や人柄、外観以外の要素もあるのです。 したがって、彼の気持が他の女性に移ったことは、Tさんの女性や人間としての魅力をジャッジする基準にはなり得ません。

4 .彼のベンチ・ウォーマーにならないこと
「彼が新しい女性と、これからどうなるかは分からない」と語っていたとのことでしたが、それは 彼が二股を掛けていないことを立証するための 説明=言い訳と考えて、鵜呑みにしない方が賢明です。 そうでないと、彼が新しい女性と上手く行かなかったら、自分に戻ってくるかもしれないと、出番を待つベンチ・ウォーマーになってしまいます。 そうなれば彼への気持を引きずるだけでなく、新しい出会いに背を向ける体制を作ってしまいかねません。


5. 彼のことを気遣う必要はありません
辛い思いをしているT.さんが、その辛さの原因の張本人を気遣う必要は、一切ありません。 ましてや、彼は新しい女性と幸せな思いをしていると思しき訳ですから、尚のことです。
彼と仕事で顔を合わせた際に、取り乱したり、周囲に迷惑を掛けるのは問題がありますが、 Tさんの状況を思えば、 彼を避けても、目を合わせなくても、笑顔がこわばっても、 私は構わないと思います。無理に平静を装って彼を安心させるより、Tさんの心の痛みを感じてもらうべきだとさえ思います。
彼の気持より、自分の心の健康と安定を最優先に考えてください。

それと、Tさんのメールで2点、気になった点がありました。
まず1点目は、「私なんかより素敵な女性を見つけた彼を祝福してあげてるべきなのかも・・・」という点なのですが、 たとえ言い回しでも、「私なんか」という表現は、ボキャブラリーから消し去ってください。 こういう言葉を使っているうちに、自分を卑下するキャラクターが身についてしまいます。 そもそも、新しい彼女がTさんより素敵であるという確証もありません。

それともう1点、「別れた数日後までずっと泣いていたので、それ以降は泣かないように務めて、それだけは実行してきました」という点ですが、 私は、泣くという行為をそれほど悪いと思ったことはありません。 泣いて吹っ切れるのなら、泣くべきですし、辛かったら泣いても良いのです。
泣きたい気持を抑えることに精一杯で、肝心の彼への気持に吹っ切りがつかないのでは、 本末転倒です。 泣いても良いので、自分の心の痛みと向き合って、前向きになっていただきたいというのが、私の提案です。

Tさんのような思いは、時代や性別を問わず、誰もが味わっているものです。
歴史上の多くのアーティストや、作曲家などが、そんな恋愛の心の痛みを芸術活動に傾けて、 人々の心に訴える素晴らしいアートや楽曲を生み出しています。ですから Tさんも、そんな心の痛みを忘れて 情熱を傾けられるもの、 その心の痛みや、苦しみを乗り越える過程で学んだことがあれば、それがキャリアや人生の転機になるかも知れません。


Yoko Akiyama


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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。


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