Dec. Week 5, 2012
★ Bad Luck & Superstition


長年、「キャッチ・オブ・ザ・ウィーク」を読ませて頂いています。もう10年近くになるかと思います。
このコーナーが出来たことを とても嬉しく思っています。 と言うのも、ご相談とご指南を仰ぎたいことがあるのです。

ここ9ヶ月ほど、とても悪い運が続いています。 仕事、私生活共に 不運が続き過ぎたせいで、いつも 何か悪いことが起こるのでは?という恐怖心さえ常に感じるようになりました。 きっかけは、友達に私が悪くないことで 逆恨みされて以来でした。 別に確証はないのですが、その友達が執念深い人なので、呪いをかけられているのではないかと真剣に心配しています。
以来、大切な物を失くしたり、ペットが車に轢かれてしまったり、大怪我ではないですが、怪我をしたり、 原因不明の肌の発疹にも悩まされています。

それと、私は3という数字がらみで悪いことが起こる運命にあるようで、友達の逆恨みから不運が始まったのも今年3月から。 お財布を掏られたのも3番線で、13日とか、午後3時とか、悪いことがある時に3という数字がついて回ります。 先週には好きじゃない友達(私を呪っていると疑っている人とは別の友達)から、キャンドルの3個セットをプレゼントされて、 不幸の手紙を貰ったような気分になりました。
来年は2013年なので、一年中こんな不運な思いをするかと思うと、気が重くて、どうやって1年を凌ごうかと今から不安です。

何年か前のコラムで、秋山さんがお財布について書かれていらした時に、 ご自身を「縁起をかつぐタイプ」だと 言っていらしたように覚えているのですが、 秋山さんは、アンラッキー・ナンバーとか、不運な状況とどうやって対処していらっしゃるのでしょうか。
2013年がもう直ぐやってくるので、その前にどういう心持ちで望んだら良いかだけでも伺えたら嬉しいです。

−E −





私も不運が連続したことは、今まで何度もありますので、Eさんのお気持は良く分かります。
不運が続くと、「また悪いことが起こるのでは?」という気持が働いて、自分に自信が持てなくなって、 消極的になりますし、エナジー・レベルがダウンするので、本来備わっている実力や魅力が発揮出来なくなって、 その結果、チャンスを逃したり、人に奪われたり という負の連鎖的な状況に陥るのは、 非常にありがちなシナリオです。
私の友人は、そんな不運のサイクルに陥った際に、ちょっとした体調不良をパラノイア的に深刻に捉えてしまって、 その結果、自分で奇病をデベロップしてしまいました。

まず、呪われているのでは?とご心配なさっている点ですが、一般に言われているのは 「呪いの効き目があるのは、呪いを信じる人」ということです。 言い方を替えれば、物事を信じ易く、暗示に掛り易い人、呪いの存在を信じる人に ”呪い”の効果がある一方で、 物事を疑ってかかる人や 呪いを信じない人は、”呪われることも無い” ということです。
呪いというのは自分で 自分の心の中に作り出すイルージョン、すなわち幻想や妄想です。 なので、「人を呪うとそれが自分に返って来る」と言われるのは、呪いに効き目があると信じて、人に呪いをかけようとする人は、 自分も誰かに呪われたら 不幸になると信じて、それを恐れる気持があるためです。そのため、誰かに呪われていると信じてしまうと、 その恐怖に駆られて、まるで呪いが効いているかのように 自分で自分を追い込むようになってしまいます。

Eさんも、そんな呪いの存在を信じていらっしゃる方かとお察しします。 お友達が逆恨みをしているとのことでしたが、Eさんに非が無いのならば尚のこと、呪われる筋合いなどありません。
まずは「呪われているのでは?」という疑いが、Eさんの精神状態が生み出している幻想、妄想に過ぎないということを ご自分に言い聞かせることが大切です。 よく、悪魔祓いや、呪いのリバースなどを行なうビジネスがありますが、それをやって何が変わるかと言えば、 「呪いが消えたはず」という安心感を得るだけの違いです。その安心感は、ご自身が気持の持ち方を変えるだけで得られます。

次に、アンラッキー・ナンバーについてですが、私にはラッキー・ナンバーはありますが、 アンラッキー・ナンバーというのは無いのです。
そもそも、”縁起をかつぐ”とか、”ラッキー・ナンバーにこだわる”という行為は、幸運を呼び込むことを目的に行なうものです。 「あの時、これを着ていてラッキーだったから、今日もこれを着て 幸運を呼び込もう」とか、 「これを持つようになってから、ツキが回ってくるようになったから、いつも持ち歩くようになった」というのが ”縁起をかつぐ” という行為で、 これは 幸運を呼び込むために必要な 自信を得るために行なう行為です。
人間というのは、そんなに強い生き物ではありませんから、勝負時に緊張している際、 失敗が許されない大切な瞬間、そこまでの大事でなくても、日常生活の中で 自分が抱く不安や恐怖心と戦うために、 心の支えを必要としています。 そんな時、「自分は大丈夫」と思える何かがあるだけで、人間のパフォーマンスには大きな差が出るのです。
そんな心の支えや、自信を与えてくれるのが、”縁起をかつぐ”という行為や、守り&ラッキー・チャームです。

逆にEさんがおっしゃる 「この番号が不幸を運んでくる」というリバース・コンセプトは、”縁起をかつぐ ”という行為の本質から外れているように思えます。
自分が自信を持てなくなったり、消極的になったり、ネガティブな気持になる要素、要因を自分で作り出して、未だ起こっても居ない、起こるとも限らない 悪いことや不運を 恐れるのは賢明とは言えません。

特に、「3」という番号は あまりにいろいろなところに登場する数で、時間を考えても、1分間だけで 3秒、13秒、23秒、33秒、43秒、53秒と 6回も3という数字が絡みます。
もし、Eさんがおっしゃるアンラッキー・ナンバーが 例えば ”752”のように、滅多に遭遇しない番号でしたら、 それをアンラッキー・ナンバーと お考えになるだけの、 もっと深い偶然性が見い出せるのですが、 一桁の「3」という数字だと、あまりにいろいろなところに溢れているだけに、何か悪いことが起こるたびに、 その出来事と「3」という数字に関連性を持たせようと思ったら、自分でいくらでも でっち上げることが出来てしまうように思います。
逆の見方をすれば、これだけ世の中に「3」という数字が溢れているのですから、それがEさんに不運をもたらした回数は、確率にしたら非常に微々たるものです。 なので 「3」をアンラッキー・ナンバー扱いする必要はないと思います。

以前キャッチのコラムにも書きましたが、幸福というのは 気持のコンディションであって、置かれている状況ではありません。 どんなに恵まれた境遇でも不幸な人も居れば、周囲が同情するような状況の人が、意外にも心穏やかで幸福だったりするのです。
なので 「大切な物を失くしてしまった」、「ペットが車に轢かれてしまった」と、ショックなことが続いて気持が落ち込む状況は とても理解出来るのですが、それを必要以上に関連付けて、これから新しく迎えようとしている年まで 不運なものと考えてしまうのでは、不運を呼び込んでいるようなものです。
肌に原因不明の発疹が出来たとおっしゃっているのも、そんなストレスが原因かもしれません。 怪我をされたことについては、大怪我ではなかったとのことですので、それをむしろをラッキーだとお考えになってはいかがでしょうか。

かく言う私は、占い師の母に「事故運は無いけれど、怪我運がある」と言われて育ってきて、ふと気付くと、子供の頃から今まで、本当によく怪我をしていて、それは 学生時代からの友達やCUBE New Yorkのスタッフにも指摘されるほどです。でも「怪我運がある」という意識のお陰で、怪我をしても ”運勢通り”と思うだけで、 運が悪いと考えたり、不運のサイクルに陥るようなことはありませんし、それが事故運でなくて 本当に良かったとさえ思っています。
そう考えると、不運というのは対処法を心得たら、自分の中で幾らでもそのインパクトを小さく出来るものと私は考えます。
現在のEさんは、不運にフォーカスを置いて、過去に起こった不運を分析したり、これから起こる不運を恐れることにお時間を割いていらっしゃいますが、 まずはそのフォーカスを幸運に切り替えて、何が自分を幸せにしてくれるかをじっくり分析してしてみてください。 ラッキー・ナンバーでも、ラッキー・チャームでも、幸運を運んでくれるものがあったら、それをどんどん生活の中に取り入れることを お薦めします。 それを続けていくうちにEさんにとっての不運への対処法が見つかるものと思います。


Yoko Akiyama


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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。


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