Dec. 29 2014 〜 Jan. 4 2015

” Selfie, Juicing, and Brooklyn are So Last Year!? ”
セルフィー、ジューシング、ブルックリンのバズは去年まで!?


2015年を迎えたアメリカは、アジア航空機事故のニュースが大きく報じられているけれど、それ以外で報道時間が割かれているのは もっぱら多くのアメリカ人がニューイヤー・レゾルーションに掲げる、健康的なライフスタイルのためのニュースや情報。 加えて2014年を数字的に振り返る報道も見られているけれど、それによれば 2014年は、「セルフィーの年」と言われた2013年を上回る セルフィーの年。
ツイッター上では、昨年1年間に「セルフィー」という言葉を含んだツイートの数は9200万。 また「セルフィー」という言葉が検索された回数は2013年の10倍。 クリスマス・シーズンには、「セルフィー・スティック」(写真左)が 2014年を象徴するギフトに選ばれるなど、 セルフィー・ブームが2回目のピークを迎えたのが2014年。
その2014年にはセルフィーをカテゴライズするトレンドが浮上して、 エクササイズや健康的な事をしている時のセルフィーを”Healthie / ヘルシー”と呼ぶなど、 セルフィーにバラエティが登場していたのだった。 その中にあって、プレステージが高いが故に 2015年に入ってからも もてはやされると言われるのが ”Wealfie / ウェルフィー”。 これは、財力、権力、ソーシャル・ステータスの高さや、そのコネクションの広さを見せ付けるセルフィーのこと。




写真上3枚は、誰でも撮影出来るセルフィーとリッチでソーシャル・ステータスが高くなければ撮影できないウェルフィーの違い。
一番左のように駐車しているフェラーリの前でセルフィーを撮影するというのは、フェラーリさえ停まっていたら誰にでも出来るので、 ウェルフィーとは見なされないもの。 ウェルフィーと呼ぶからには、写真上中央&右のように、プライベート・ジェットをバックに、 もしくはラグジュアリーなリゾートでのヨット上などでセルフィーを撮影するべきもの。 でも写真上右の場合、もしビキニ姿でセルフィーをすれば、休暇を利用してリゾート地でヨット・クルーのアルバイトをする学生のセルフィーと変わらない訳で、 高額ジュエリーやウォッチを身につけて、優雅に撮影するからこそウェルフィーと認められるもの。
セレブリティとのセルフィーにしても、何時間も並んだ末に 映画のプレミアで撮影すれば、単なるセルフィー。 でもオスカーやゴールデン・グローブ賞のアフター・パーティーなど、お金やコネクションがある人だけが招かれる場所で セレブリティとセルフィーを撮影すれば ウェルフィーとなるのだった。

その一方で、2014年には”インスタ・エンヴィー”という言葉も生まれているのも事実。 インスタ・エンヴィーとは、インスタグラムでラグジュアリーなリゾートや、VIPルームでのパーティーの様子などを アップして、ジェラシーを買うこと。
こうしたジェラシーを抱くのは、そんな思いが出来ない庶民的な人々と思ったら大間違いで、 意地の悪い書き込みや、指摘をするのは、むしろ同じようにラグジュアリーなライフスタイルを送っている友人、知人など。
こうした人々は、自分が見せびらかしたいウェルフィーよりも、更にアップスケールでゴージャスなセッティングでのウェルフィーをサイト上にアップする 知人、友人に 並々ならぬ競争心を抱いているとのこと。 それだけでなく、自分がアップしたウェルフィーよりも劣るセッティングのウェルフィーの方が 書き込みなどリアクションが多い場合にも 神経を逆撫でされるようで、 ウェルフィーには インスタ・エンヴィーが付き物と言えるのだった。




さて今日、1月4日付けのNYポストでレポートされていたのが、ヘルス・コンシャス・レストラン、Hearth/ハースのシェフ、 マルコ・カノラが2014年11月にオープンしたブロス(出汁スープ)のショップ、Brodo/ブロドに 毎日のように長打の行列が出来ているというニュース。
実は、2014年秋頃から盛んにヘルス関連のウェブサイトが特集していたのが、自宅でのブロス(出汁スープ)の作り方。 現在トレンドになっているブロスは、ヴェジタブル・ブロスではなく、ビーフ、チキン等の動物の肉、脂、骨を使ったブロス。
何故これが突如、大人気になっているかと言えば、ブロスに含まれるコラーゲンやゼラチンが肌や髪質を大きく改善するため。 ジューシングをしても一向に改善されなかった肌や髪の毛が、ブロスを飲み始めた途端に一気に若返ったというリアクションは、 既にネット上に溢れていて、髪質が改善されるだけでなく、脱毛が減って、髪の毛が増え始めるとも指摘されるのが このアニマル・ブロス。

ブロドでは、連日の行列に対応するために生産体制を拡大したとのことで、ブロド以外にも、昔ながらのブッチャー(ミート・ショップ)が、 オーガニック・チキンやグラスフェッドのビーフのブロスを販売したり、1ヶ月162ドルでブロスを毎週のようにデリバリーするサービスが 登場するなど、 今やファッション&ビューティー業界を始め、かつて真っ先にジューシングに飛びついていたような超ヘルス・コンシャスな人々が、 こぞってシフトしているのがアニマル・ブロス。
ブロドについては、ブロスにカリビアン・チリオイル等のスパイスを加えて、テイストをカスタマイズできることもレポートされているけれど、 多くの人々はブロスにココナッツ・オイルやバターを加えて味わうのが一般的なのだった。
今、ブロスがもてはやされるのは 季節柄の寒い気温のせいもあるけれど、 2015年の年明けには、従来までのジュースをブロスに替えて、ダイエットに取り組む人々も多いようで、 これからはジューシングよりも”飲むコラーゲンの時代”と言えそうなのだった。



さて、今日日曜日のニューヨーク・タイムズ紙の不産セクションによれば、「2015年はコンドの年」。
2014年にマンハッタンで売り出されたのは、59のビルディング内の約2500ユニットのコンドミニアム。 それが2015年には、100のビルディング内の6000ユニットに増えるとのことで、スーパー・ラグジュアリーだけでなく、 ミドル・ラグジュアリーのニーズを満たす物件が数多く市場に出ることとのこと。 「過去数年マンハッタンで続いていた新コンドミニアム不足が一気に解消される」とレポートされているのだった。
これによってここ2〜3年、ブルックリン(写真上、上段左)に流れがちだった不動産ブームが 再びマンハッタンに戻ることが見込まれているけれど、 ニューヨークの5ボローの中で 2015年に最もホットになると言われているのは驚くなかれ、クイーンズ(写真上、上段右)。

旅行サイト、ロンリー・プラネッも 2015年の旅先のベストシティとして クイーンズを選んでいるけれど、 そのクイーンズは世界中で最も多国籍の人々が暮らすエリアで、住人の話す言語の種類は149と言われるほど。 そして、その数に等しいエスニック・フード・レストランのバラエティが安価で楽しめるのもクイーンズで、 フラッシングにあるチャイナタウンを始め、B級グルメの宝庫と言われる存在。 その一方で、2015年版のミシュランでは クイーンズのスタード・レストランは4軒に増えているのだった

またクイーンズのもう1つの魅力はアート。 クイーンズ美術館や、アストリア地区の24ブロックに及ぶアート・ディストリクト、コーフマン・アーツ、 ミュージアム・オブ・ザ・ムービング・イメージ といったアート・メッカに加えて、エマージング・アーティスト・フェスティバルの開催など、 アート・シーンの盛り上がりぶりは、今後大いに注目されるところ。

もちろん不動産開発も進んでいて、写真上、下段左のように、 イースト・リバーを挟んでマンハッタンのミッドタウンが眺められるのがクイーンズからのリバー・ビューであるけれど、 写真上、下段右のレンダリングのように、2016年にはハイライズのビルが次々と 完成することになっているのだった。

更には、先週のこのコラムでもふれた ハドソン・ヤード(写真上、右)の 存在も、クイーンズをホットにしている理由。
ロックフェラー・センター以来の大開発と言われるハドソン・ヤード・プロジェクトであるけれど、 ここに通じている唯一の地下鉄、7番は、クイーンズとマンハッタンを結ぶライン。 したがって、6本のオフィス・タワー内に勤めてはいるものの、ハドソン・ヤード内の約5000世帯のコンドミニアムに 住む財力が無い人々にとって、7ライン沿いのクイーンズは、 理想的な通勤エリアになることが見込まれているのだった。

2015年も様々なトレンドや、ホット・スポットが生まれると思うけれど、たとえ一時的なものでも、どんなに下らないと思えるトレンドにでも、 世相や、人々の潜在意識が表れているもの。 したがって、フォローするより分析することによって、世の中が学べる場合が多いと言えるのだった。

最後に遅ればせながら、明けましておめでとうございます。
本年もCube New Yorkをよろしくお願いいたします。


Will New York 宿泊施設滞在



執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。




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