Jan. 7 〜 Jan. 13, 2013

” Women and Alcohol ”

今週のアメリカで最大の報道になっていたのは、今全米で猛威を振るっているインフルエンザのニュース。
週末には、カリフォルニア、ハワイ、ミシシッピーを除く、全米の47州で インフルエンザの大流行がレポートされており、 中でも感染者が、昨年現時点の10倍になっていることがレポートされていたのがボストン。 ボストンの病院では、金曜に2時間で400人に予防接種を行なったことが伝えられているけれど、 写真上で、ニューヨーク・ポストが報じているように ニューヨークもその例外ではなくて、 週末にはアンドリュー・クォモ州知事が パブリック・ヘルス・エマージェンシー ( 州民の健康における緊急事態 )を宣言。
そのニューヨークは、2009年にもインフルエンザが大流行しているけれど、 現時点の感染者数は昨年同時期の4倍。 全米規模で これだけインフルエンザの感染者が激増したのは、60年ぶりと言われているのだった。

そんな中、インフルエンザ報道に新情報を提供しているのがソーシャル・メディア。 フェイスブック上には、今週、インフルエンザの感染情報のアプリが登場して話題になったけれど、 グーグルでは 「Flu / フルー(インフルエンザの英語の略語)」、「Flu Symptoms / フルー・シンプトンズ(風邪の症状)」、 「Flu Medications / フルー・メディケーションズ(風邪薬)」といったインフルエンザ関連の言葉のサーチ数を 地域別に纏めて、それによってインフルエンザ感染が拡大していると見られるエリアのデータを発表。
それによれば、ニューヨークで感染者が最も多いと見られるのはヘルス・キッチン(ミッドタウンの西側)とアッパー・ウエストサイドになっているのだった。

医療専門家は、今年のインフルエンザ・シーズンが春過ぎまで続くことから、「今からでも遅くないので、 予防接種を受けるように」と薦めているけれど、予防接種を受けても 感染が防げる確率は62%。
週末の時点で、予防接種を受けているアメリカ人は約37%と言われていたけれど、 ここへきて突如 需要が増えたため、一部のエリアではワクチンの不足が問題になり始めているのだった。


話は変わって、今週は写真上右側のニューヨーク・ポスト紙の表紙に見られるように、 アカデミー賞のノミネーションが木曜に発表されているけれど、 今年は例年よりも2週間早いノミネーションの発表。
これは、今年からオスカーの投票がオンラインで行なえるようになったためで、 その影響で集計速度がスピードアップしたことにより、実現したのがこのスケジュール。
私がこのコラムを書いている1月13日、日曜日には、ゴールデン・グローブ賞の 授賞式が行なわれているけれど、その前にオスカー・ノミネーションが発表されたのは初めてのこと。 その結果、オスカーにノミネートされなかった ゴールデン・グローブのノミネート者が、賞取りレースの見地から 若干色褪せて見えるという現象が生じているのだった。

さて、 ゴールデン・グローブ賞といえば、授賞式の最中に4コースのディナーと、 アルコールがサーブされる唯一の授賞式イベント。
このため、スピーチをする受賞者や、プレゼンターが若干酔っ払っているケースも 珍しくないけれど、それもそのはずで、授賞式でサーブされるシャンパンの量はグラスにして9,000杯分。
授賞式に列席しているハリウッド・スターや監督、プロデューサーの数が300人であることを考えると、 これはとんでもない量であるけれど、実際にはその300人に加えて、彼らのエージェントや、プレス関係者など、 その他大勢が加わるので、列席者1人当たりが30杯のシャンパンを飲んでいるという訳ではないのだった。



それとは別に、今週、アメリカでメディアが大きく報じたのが、 アルコールが女性の健康に及ぼす悪影響。
女性の身体は、男性よりもアルコールの影響を受け易く、男性より遥かに少量のアルコールで 肝臓や脳のダメージを 引き起こす上に、1日1杯のアルコールで 乳がんにかかる確率が10%もアップすることが 指摘されているのだった。
女性が男性よりもアルコールによるダメージを受け易いのは、男性より小柄なだけでなく、そもそも男性よりも 体内に蓄えている水分が少ないため。したがって同じ身長、体重の男女が同じ量のアルコールを摂取した場合でも、 女性の方が血液中のアルコール濃度が高くなるという。

このため女性は、男性より少量のアルコールで依存症になったり、肝臓障害、心臓病、記憶力の低下を招くことになるけれど、 それ以外に ホルモン・バランスの違いも影響しているとのこと。
にも関わらず、過去数年で急速に増えているのが女性によるアルコールの暴飲なのだった。

では、どの程度の飲酒が暴飲に値するかと言うと、 女性の場合は 「1オケージョンに4杯以上のアルコールを飲む」というのがその定義。 男性の場合は、5〜6杯。
昨今の高額レストランでは、 ワイン1杯のポーションが どんどん少なくなっているけれど、 通常は、ワイン4杯で ワイン・ボトル1本、すなわち750ml。
アメリカ疾病管理予防センターの調査によれば、アメリカの140万人の女性が 月に3回はアルコールの暴飲をしているとのことで、18歳〜34歳の女性の8人に1人、 高校生の5人に1人が、暴飲の傾向にあるという。 その結果 アメリカで飲酒が原因で死亡している女性の数は、毎年約2万3000人にも上っていることが明らかになっているのだった。

これを受けてアメリカ疾病管理予防センターでは、アルコールの暴飲を 新たに ”女性の健康問題”として定義付けているけれど、 特にアルコールの暴飲が激しいのは、18歳〜34歳の白人、ヒスパニックの女性。 それも年間の世帯収入にして7万5000ドル以上のローワー・ミドル〜ミドル・クラス以上の女性が圧倒的に多いと言われていて、 これは ある程度の収入がなければ、何杯もドリンクをオーダーできないことを考えれば当然と言えること。
女性のアルコール消費量が増えている理由は、リカーやワインのマーケティングが女性をターゲットにし始めたことに加えて、 学生時代から、週末に羽目を外して暴飲する習慣がついていること等が挙げられているけれど、 依存症になるほどに、アルコールを過剰に摂取しているのは学生よりも、 むしろ主婦やキャリア・ウーマン。 比較的教養のある女性が多いことも指摘されているのだった。
こうした女性達がアルコールを暴飲する理由は、ストレスや日常生活のプレッシャー。 また なかなか寝付けないために、毎晩飲んでいたナイト・キャップの量が 徐々に増えていくという例も多いという。



先週のこのコラムでもお伝えしたように、アメリカでは 2013年のニューイヤー・レゾルーション(新年の決心)として、「アルコールの量をカットする」を掲げたアメリカ人は、 例年に無く多かったけれど、 アルコールの暴飲は今や男女を通じてアメリカの健康問題になりつつあるのが実情。
アメリカ疾病管理予防センターの調査によれば、 アメリカの成人男女の6人に1人が月に4回はアルコールを暴飲しており、 頻繁にアルコールを飲むと回答した成人については 92%が、月に最低1回は 暴飲に値する量を飲むと答えているという。
また、未成年者の飲酒についてはその90%が 2時間に4杯以上を飲む暴飲であるとのこと。
こうしたアメリカ国民の過剰なアルコール摂取は、健康問題や、飲酒運転による事故、 仕事の生産力の低下などを含め、アメリカ経済に年間で 2,235億ドル(約19兆9,315億円)のダメージを与えていると言われるのだった。

かくいう私は1月2日以降、アルコールをカットしているけれど、 今週末、女友達2人とブランチをしたところ、彼女らも同様にアルコールをカットしていて、 珍しく 誰もミモザ(オレンジ・ジュースとシャンパンをミックスしたモーニング・カクテル)やホワイト・ワインを オーダーしない状況。
そのうちの1人は、年末に家で飲むワインの消費量が1週間で3本になっていて、 それ以外に外食やパーティーで飲んでいたという、かなりのアルコール消費量。 それを反省して、年明けから一切アルコールを飲んでいないそうで、 2月末まで それを続けると言っていたのだった。

私のゴールは 友達よりも短くて、アルコールの完全カットは3週間が目処。それ以降、外食ディナーの際は ワインをオーダーする予定だけれど、 昨年末まで続いていた 夜眠る前に自宅でワイン飲む習慣は 引き続きお休み。 そしてこれを出来る限り長く続けようというのが目下の目標になっているのだった。
先週のこのコラムでも書いたように、年末に飲みすぎて、どんどん頭脳と記憶力の低下を感じた私であるけれど、 アルコールをカットして、確実に実感するのは 夜深く眠れること。 そして朝起きた時に、夢を鮮明に覚えていること。
逆に眠る前にワインを飲んでいた頃は、ワインを飲んで眠気が襲ってきた時に直ぐに眠らないと、 その酔いが醒めた時には逆に眠れなくなるという問題が生じていたのだった。 私はアルコールに強いのを自負してきただけあって、アルコールの分解が比較的早いのか、 ワイン1杯程度だと あっさり酔いが醒めてしまうケースが多くて、 一度醒めてしまうと、たとえ2杯目を飲んでも目が冴えてくる一方。 ナイト・キャップで飲んでいたワインのせいで、逆に眠れない思いをすることが決して少なくなかったのだった。
加えて ワインを飲むと、夜中に一度目を覚ますケースが多くて、 アルコール・カットを始めてからは、朝まで熟睡という日が続いているのだった。
なので私の場合、快眠のために止めることにしたのがナイト・キャップ。

私はワインを集めていたことさえあるほどワイン好きなので、ワイン無しの人生は考えられないけれど、 「長く健康を維持して、長くワインを楽しむためには節度が必要」というのが、 昨今、痛感することなのだった。





執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。


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