Jan. 11 〜 Jan. 17 2010




” Searching For The Perfect Wallet ”


今週のアメリカで 主要なメディア報道の殆どを占めていたのが、 ハイチ(英語の発音はヘイティ)で火曜日に起こったマグニチュード7の大地震と、その膨大な被害のニュース。
カリブ海エリアで起こった、歴史上最大規模の地震の死亡者数は5万人が見込まれており、メディアでは 街中に放置された死体や、崩れた建物の下敷きになっている人々の映像が生々しいほどに ショッキングに 報じられていたのだった。

私は恥ずかしながら、ニューヨークで暮らし始めるまでハイチという国が存在することさえ知らなかったけれど、 ハイチは、キューバに次いで カリブ海第二の面積を誇る イスパニョーラ島の西半分に位置する島国。 イスパニョーラ島の東半分はドミニカ共和国である。
かつてはフランスの植民地で、1804年に独立したハイチであるけれど、経済的な貧しさと 政治的不安定が続き、 20世紀前半にはアメリカの軍事支配下に置かれたこともあり、そのせいもあって アメリカとはその物理的な距離同様に 近い関係にある国である。

特にニューヨークは最大のヘイシャン(ハイチ人)移民のコミュニティがある都市で、 ハイチにも多くのアメリカ人が移り住んでいるだけでなく、現在アメリカでは 約900組のカップルが ハイチからの養子縁組手続きを待っていることも伝えられているのだった。
オバマ政権は、ハリケーン・カトリーナがニューオリンズを襲った際の ブッシュ政権の対応の遅れに対する世論の非難を 繰り返すまいとしたようで、早急に1億ドルの救援予算を打ち出しただけでなく、 救援物資と救援部隊を即座に送り出しているけれど、現地での混乱ぶりは想像を絶するもので、 大統領宮殿が崩れた様子に象徴されるように、政府が全く機能していないことが伝えられているのだった。
メディアでは、各国から派遣された救援部隊が 生き埋めになった人々を救出している様子が伝えられる一方で、 現地では救援物資を奪い合う暴動が続発。また、無政府状態を利用して地元のギャング団が支配力を強めていることも報じられており、 首都、ポルトープランスにはヒラリー・クリントン国務長官や、米国メディアのトップ・ジャーナリストらが 現地入りしているものの、 セキュリティ面で極めて危険な状態であることが伝えられているのだった。

ところで地震の後、全てのライフラインを失ったと言われたハイチであるけれど、唯一機能していたのがツイッター。
現地の人々は、ツイッターを利用して助けを求めたり、家族に無事を知らせていたとのことで、 正直なところ、今回ばかりは アンチ・フェイスブック、アンチ・ツイッターの私も 少々考えを改めたのだった。
また、今回 別の意味で時代とメディアの変化を感じさせたのが、救援資金集めの手段としてテキスト・メッセージ(携帯メール)が用いられ、 僅か2日間で、アメリカ国内だけで約3億円の寄付が集められたこと。 このシステムでは、テキスト・メッセージを送るだけで自動的に5ドルが救援資金に寄付されるというもので、 この5ドルは電話料金に加算されるというもの。
通常、こうしたチャリティに寄付をしようとすれば、クレジット・カードの使用や小切手の送付をしなければならないけれど、 このやり方であれば、クレジット・カードを持たない人でも簡単に寄付をすることが出来るようになっているのだった。

私がこのコラムを書いている1月17日に行われたゴールデン・グローブ授賞式でも、 ハイチに対する寄付が呼びかけられていたけれど、ゴールデン・グローブを運営するハリウッド・フォーリン・プレス・アソシエーションも 日本円にして約1000万円の寄付を表明。
マドンナ、ブラッド・ピット&アンジェリーナ・ジョリー、ジゼル・ブンチェンなど多くのセレブリティも多額の寄付を行っており、 1月22日金曜にはジョージ・クルーニがハリウッドの友人達の協力を仰いで、 9・11のテロやハリケーン・カトリーナの際にも行われた 寄付金集めの特番がMTVと主要ネットワークで放映されることになっているのだった。
でもハリウッド内には、こうしたセレブリティが 自分達はミリオネアでありながら、特番で一般の人々に寄付を呼びかける一方で、 自分は一銭も寄付しないといった姿勢を批判する声もあり、「人に寄付を呼びかけるならば、まず自分が寄付をするべき」といった 厳しい意見も聞かれているのだった。

私は個人的に、今回のハイチの災害のチャリティで お金が無い一般の人々が生活を切り詰めてまで 寄付をしている割には、 企業による寄付が少なく、特に2009年度に歴史的な利益を記録した 金融機関が今のところ一切の寄付を打ち出していないことを不満に思っているけれど、 そのアメリカの金融機関に対しては、今週オバマ大統領が リスク取引の割合に基づいて課税する法案を打ち出しているのだった。
オバマ大統領は議会がこの法案を承認すると自信を強めているけれど、 金融関係者は この課税によって、銀行による中小企業に対するビジネス・ローンの貸し渋りに益々拍車が掛かり、結果的に失業者が増える、雇用が増えない状況が 続くことを予測しているのだった。
でも現在のアメリカの金融機関を見ている限り、課税されようと、されまいと中小企業に対するローンを増やすとは考えられないので、 搾り取れるものは 搾り取るしかないように感じられるのも また事実であったりする。


さて2010年を迎えて、アメリカだけでなく、世界各国の多くの人々の新年の目標や願掛けの対象となっていたのが、お金や経済状態に関すること。
借金を減らしたい、貯金を増やしたい、収入を増やしたいと考えるのは、資本主義経済の世界では もはや人間の本能。
そこで、人々はいろんな形で金運を呼ぶ 縁起を担ごうとする訳だけれど、私が今、時間を見つけてはリサーチに励んでいるのが 新しい財布選びである。
2007年1月のこのコラムで、財布選びについて書いたことがあったけれど、 あれから3年が経過して、財布を買い換える時期がやってきたのである。
2007年の時点で私が購入したのは 写真右のグッチ。 写真ではシルバーに見えるけれど、実際にはシルヴァーとゴールドの間のようなトーンで、正直なところ それほどボロボロになった訳ではないので、 十分に使えるコンディション。
でも、これを購入した当時に囲まれていた人間関係が嫌だったのと、同じ財布3年も使うとそろそろ新しい財布で、自分の経済状態に新風を吹き込みたいと 感じるようになるもので、新しい金運を運んできてくれるラッキー・ウォレットを探し始めたのである。

私が財布を購入するポイントをざっと纏めると以下の通り。


人によっては、財布を使い勝手だけで選ぶようであるけれど、私の場合、よほど収納が悪くない限りは使い勝手よりも 見た目が自分好みであるかの方が大切なポイント。
実際、写真右上のメタリック・レザーのグッチも使い勝手という点ではそれほど良くはなかったけれど、 見た目を気に入っていた上に、以前グッチの財布が大きな金運を運んできてくれたこともあって、 購入に至ったのだった。
さらに 私はメタリック素材とはめっぽう相性が良いのに加えて、風水の世界では お金を意味するのは ”メタル”。 風水の本の中には、お財布の中にメタルのエレメントを意味するもの、例えば小判のお守りなどを入れておくと 金運が上昇すると書いてあるものが多く、 メタリック・レザーのお財布が金運を運んできてくれるものと夢を託したのも 現在のグッチを購入した理由なのだった。
この財布を使ううちに、ゴールドマン・サックスに務める友人から、グッチの財布は 「G=Gain (儲け、獲得)」を意味する 縁起の良いものとして、彼女の周囲のゴールドマンの人間に好まれ、逆にルイ・ヴィトンは 「L=Lose, Loss (失う、敗れる、損失)」を 意味するので好まれない と言われて、さらにグッチの財布への信頼を深めてしまったけれど、 過去3年使ったこの財布の金運は、決して悪い訳ではなかったものの、ちょっと期待はずれという感じなのだった。

もちろん財布が全ての金運を左右する訳ではなく、私個人の運も大きく影響している訳だけれど、 それでも開運のために何かを変えたくなるのが人情というもの。
そこで、昨今は時間を見つけては財布に関する様々なリサーチを自分で始めていたのだった。
一般的に財布のカラーとして最も嫌われるのはレッド。 レッドは日本でも欧米社会でも、損失や赤字を示すものであるけれど、 風水の世界で赤の財布が好まれないのは、赤が 火 を象徴するカラーであるため。
この火の何が悪いか?と言えば、火は メタル=お金 を溶かしてしまうもの。 したがって火のエレメントを持つ財布にお金を入れると、それが火で溶かされて、どんどん消滅していってしまうというのがそのセオリーであるという。

風水の世界には、火(ファイヤー)、水(ウォーター)、木(ウッド)、金(メタル)、土(アース) という5つのエレメントが存在しているけれど、 それぞれのエレメント同士の関係には プロダクティブ・サイクル(生産的なサイクル)というものと、デストラクティブ・サイクル(破壊的なサイクル)というものがあり、 「火のエレメントがメタルを溶かしてしまう」というのはまさにそのデストラクティブ・サイクルなのである。
この2つのサイクルは以下の図を見れば分かるけれど、青の線と文字で5つのエレメントをサークルで結んでいるのがプロダクティブ・サイクル。 赤の文字と線で、星の形に描かれているのがデストラクティブ・サイクルである。


この風水のセオリーが正しいとすれば、お金=メタル を増やす、生み出す ために必要なのはアース=土 のエレメント。 私はこれまでお金=メタルなので、メタルのエレメントを財布に選ぶべきだと思って、 メタルを意味するメタリック・レザーや、ホワイトの財布を選んできたけれど、 どちらもそれほどサクセスフルではなかったし、特に以前のコラムにも書いている ホワイトのルイ・ヴィトンのヴェル二の財布は、どんどんお金が 出て行く財布なのだった。
これはルイ・ヴィトンの Loseとメタルの エレメントがくっついて、「お金が無くなる財布」という意味だったのだろうか?などと真剣に考えてしまったけれど、 いずれにしても今回の財布選びでは、アースのエレメントを取り入れようと固く誓ったのだった。

ではアースを取り入れるには、どんなものを選べば良いかと言えば、まず四角いシェイプ。財布と言えば四角と相場が決まっているので、 これはこだわる必要は無いけれど、もし三角形の小銭入れなどがあったとしたら、三角形が意味するのは炎=ファイヤー。 なので3角形のものを財布に入れておくのも薦められないことであったりする。
カラーで言えば、アースが意味するのは薄いイエロー、ベージュ、薄いブラウン。
濃いブラウンはウッドに属するようで、濃いレモン・イエローなどは太陽に通じることもあり ファイヤーを意味するので、これは避けた方が無難なチョイスであったりする。
茶色の財布という意味では 私は既にルイ・ヴィトンのモノグラムの財布を何年も使ってきていて、既に3スタイル使っているけれど、生まれて初めてスリにあったのも ヴィトンのモノグラムなので、以来ヴィトンのモノグラムだけは避けるようになってしまったのだった。

ここまで読んだ人は、まるで私がルイ・ヴィトンの財布を 金運の悪さの象徴のように考えていると思うかもしれないけれど、 実は私が今購入を考えているのがルイ・ヴィトンの財布。
これは ルイ・ヴィトンを L=Loseとは考えずに、LV=Love & Victory と解釈することにしたせいもあるけれど、 財布を買いたいブランドを 丈夫さやスタイル、使い勝手で選んでいくと、やはり私の場合 ルイ・ヴィトンということになってしまうのである。
未だ候補を絞っている段階であるけれど、旧暦のニューイヤーを過ぎた後の金運に恵まれる日に、金運に恵まれる方位で購入することにしているのが 2010年から私が使い出そうとしている財布なのである。

ちなみに以前のコラムにも書いたけれど、私は赤い財布を使ってもそれほどお金が儲からないというような思いはしていなくて、 むしろ相性は悪くなかった方。私の友人にも財布は バッグの中で探しやすいので 必ず赤と決めている人も居るけれど、 風水で分析すると、私が赤を持ってもそれほど影響が出ないのは、私自身が強烈に水の要素を持っているため。 しかも、私は日ごろから、水を象徴するカラーであるブラックのアウトフィットを着用していることが非常 に多いので、 こうしたウォーター・エレメントが赤い財布のファイヤー・パワーを消してしまっているのでそれほど影響が出ないようなのだった。

でも、財布に限らずいろいろなことを考えて、縁起を担ぎながらショッピングをすると 時々忘れてしまいがちなのは、 それが本当に自分が好きなものか?ということ。
自分が嫌いな財布に入れておいたら、お金だって居心地が悪くて出て行ってしまうわけで、 愛情が注げる財布を選ぶのはとても大切なこと。
さらに 「金は天下の回りもの」とはよく言ったもので、「お金が入ってくるためには お金が動かなければならない」 というのは大切なコンセプト。 有益にお金を使って、その見返りをたっぷり得るのが金運であり、 ちまちまお金を節約して、出て行くお金も、入ってくるお金もどんどん萎んでいくのは、経済的には悪運。 なので、「お金が出て行かない財布を選ぶ」という縁起の担ぎ方は、私は決して薦めないコンセプトなのである。





Catch of the Week No. 2 Jan. : 1月 第 2 週


Catch of the Week No. 1 Jan. : 1月 第 1 週


Catch of the Week No. 4 Dec. : 12月 第 4 週


Catch of the Week No. 3 Dec. : 12月 第 3 週





執筆者プロフィール

秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。
丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、1989年渡米。以来、マンハッタン在住。
FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。
その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。





© Cube New York Inc. 2009