Jan.15 〜 Jan. 21 2018

”Fast Mimicking Diet”
食事をしているのに身体は断食していると思い込む
”ファスト・ミミッキング・ダイエット”



今週末は、早いものでトランプ大統領が就任してから1周年目。その日を暫定予算の期限切れによる政府閉鎖状態で迎えることになったけれど、 それと同時に1月20日 土曜日に全米各都市で行われたのが、昨年も大統領就任式の翌日に行われた大々的なウーマンズ・マーチ。 これは女性団体のネットワークが主催するトランプ氏に対する抗議デモで、今回は#MeTooムーブメントも重なって さらにパワーアップした印象。 私は、その土曜日の午前11時頃にセントラル・パークを走っていたけれど、あまりに大勢の人々がセントラル・パーク・ウエストを埋め尽くしている様子に驚いてしまったのだった。 NYPD(ニューヨーク市警察)の発表では、ニューヨークでのウーマンズ・マーチに参加した人々の数は約20万人で、これはニューヨーク・メッツの本拠地、シティ・フィールドを 5回満員に出来る数。
一方アメリカ議会は、何とか800万人と言われる ”ドリーマー”(子供時代に親に連れられてアメリカにやってきて、自分の意志とは無関係に不法移民となった人々)を 国外追放から救おうとする民主党側と、移民政策に厳しい姿勢を打ち出しながら メキシコとの国境に 1兆8000億円を投じて壁を作りたいトランプ大統領、 そのトランプ氏に振り回される共和党の折り合いが全くつかない状況で、私がこのコラムを書いている日曜の段階では決着の目途はついていないのだった。




さて今週の月曜から金曜までの5日間、私が取り組んでいたのがファスト・ミミッキング・ダイエット。
このダイエットについては2週間前のこのコーナーでも少し触れたけれど、 食事をしているのに 身体が断食をしていると判断して反応する結果、断食と同じ効果が得られるというもの。 私がトライしたのはこのページの1番上に写真が掲載されている、L-ニュートラのダイエット・キットで、これは医療機関でも実際に使われている安全なもの。 その開発に約29億円を投じたというキットは、大きな箱に入って届けられて、 その内側は写真上のように5日分の食料が日ごとに5つの箱にコンパクトに収められているのだった。 それ以外にウォーター・ボトルが届くけれど、これはLドリンクと呼ばれる液体を水で薄めたものを1日中持ち歩いて飲み続けるために使われるもの。

食事内容は基本的に朝食がLバーと呼ばれるナッツ・ベースのプロテイン・バーに似たもの。ランチとディナーがスープに加えてバーやクラッカー。 ランチとディナーの間にスナックが含まれる日もあるというプログラム。 初日は1110カロリー、残りの4日間が690〜770カロリーで、断食明けの食事はついてこないものの、 1日は軽い食事をして、その翌日から普通の食生活に戻ることが奨励されているのだった。

私は、これまでに何度となく断食をしてきたけれど、金曜にこのプログラムを終えた感想としては、 もしこれが本当に断食と見なされるのならば、こんなに簡単に5日間の断食をしたのは初めて。 それほどまでに、「こんなに食べて本当に断食なのだろうか?」と思うようなプログラムなのだった。 ちなみに5日間で減った体重は、1.9キロで、今日0.1キロ減ったので、今のところ合計2キロ。 私の身体はサバイバル・モード系なので、断食やダイエットの効果が現れるのが遅い体質であるけれど、 6日間で体重の4%が落ちたのは 私としては断食並みの数字と言えるのだった。




このプログラムはさすがに開発に大金を投じているとあって、 メニューの開発には栄養士だけでなく シェフも関わっており、それがテイストに反映されているのは紛れもない事実。
通常、断食や超低カロリーのダイエット中は、食べるのを心待ちにしているにも関わらず、 酷い味のシェイクや、ケミカルの味しかしないジュース、食べるのがストレスになるようなプロテイン・バーなどを 味わう羽目になるのは珍しくないこと。
でもこのプログラムのキットに含まれているは、グルメとは言わないものの、極めてまともなテイストで、 それを空腹で味わうこともあり、十分に ”美味しい” と言える味。 ナッツとチョコレートのバー、ケールのクラッカーなどが ちょっとゴワゴワした食感であるけれど、それはあえて咀嚼させるためにそのようにデザインされたもの。
私は何度かレモネードやジュースを飲む断食を試みたけれど、 それをやっている最中に一番食べたくなるのが 噛んでから飲み込む食べ物。 それほどまでに咀嚼というものが、人間の食欲や 食事の満足感に大きな影響を及ぼすことを痛感している私としては、同プログラムのバーやクラッカーは、 極めて計算された食感を提供していると思うのだった。

スナックやランチのサイドとして味わうオリーブは、既に種が取ってあって、ハーブやガーリックの風味で漬け込まれたもの。 スープは 昼間用がトマト・スープ、野菜スープなどで、カップ1杯の水に溶いて、2分煮詰めれば良いもの。 ディナー用はミネストローネやキノア・ミックス・スープで、1.25カップの水で15分煮込むもの。 いずれも120〜130カロリーであるけれど、そんな低カロリーとは思えない味わいで、一時的な満腹感や満足感を提供してくれるのだった。

5日のプログラムの最中は、激しい運動、サウナ、長時間の入浴、アルコールやカフェインの摂取が禁止され、 キットにはノン・カフェインのティーバックが含まれているのだった。でも1日に1杯程度であれば コーヒー等のカフェイン飲料を飲むのはOKとのこと。 またプログラム期間中は、日ごろから服用している医薬品は別として、サプリメントの摂取が禁じられていて、キットに含まれているサプリメントを 決められた食事と一緒に摂取する必要があるのだった。

私の場合は、このプログラムの期間中も日ごろと同じエクササイズを続けていたけれど、それというのは以前も断食中に 普通にエクササイズをしていたことがあるのに加えて、690〜770カロリーを摂取しているのなら運動をしても大丈夫と判断したため。 でも夜になるとエネルギー不足になってくるので、お陰でこのプログラムをやっている最中は 就寝時間が早くなっただけでなく、 しっかりと熟睡が出来たのだった。




ふと考えると私にとって このファスト・ミミッキング・ダイエットが非常に楽に思えた理由の1つは食事のスケジュール。 私は日ごろから朝食抜きをしていて、胃に食べ物を入れない時間をなるべく長くしたいと考えているため、 正午過ぎにナッツ・バー&ティーのブレックファストを食べて、その3時間後にランチのスープを飲んで、 更にその3〜4時間後にディナーを食べるというのが食事のタイミング。 そのせいでこの5日間は、満腹にはならなくても しょっちゅう食べているという感覚を味わっていたのだった。

同プログラムの食料は全て1つ1つがポーション別にパッケージに詰められているので、持ち運びに非常に便利。 スープは電子レンジでも調理が可能な上に、保温容器に入れてオフィスに持参することが出来るため、オフィスに働く人でも 断食/デトックスのクリニックに入ることなしに 安全に断食ダイエットが出来るようにデザインされている優秀なプロダクト。
その代わりお値段は決して安くなくて、若干高めのレストラン・ディナーを毎日食べるような出費になるけれど、 レストラン・ディナーよりも遥かに健康的なのは言うまでもないこと。 また 断食中に自分では決して毎食作れないようなフードが、きちんとポーション・コントロールされて パッケージに収まっているので、挫折や失敗が無いようにデザインされているという点でも、このお値段には納得なのだった。

ファスト・ミミッキング・ダイエットが断食よりも優れている点と言われるのは、ウォーター・ウェイトではなく 体脂肪が落ちるということで、 それは私の体重計でも立証済の事実。加えて低カロリーとは言え食事をしている感覚があるので、通常の断食よりも普通食に戻るのが簡単というのも 大きなメリット。固形食を食べた途端に、突如食欲が目覚めて大食いをしてしまい、体重がリバウンドというシナリオが防げるのだった。

またコレステロール値や、血糖値など、ありとあらゆる健康基準値や、体内のインフラメーション(炎症)が 改善するのも同ダイエット。それを一時的ではなくパーマネントな状態にするには、月に1回、最低3回の ファスト・ミミッキング・ダイエットをする必要があるとのこと。 また体重を保ちたい人、定期的なデトックスでエイジングを防ぎたい人は、月に1度のファスト・ミミッキング・ダイエットを習慣にすることが奨励されているのだった。

私は何等かの断食プログラムをする度に 人間は時々断食をするべきだと思うけれど、その理由は「食べる」ということを 食欲を満たす以外の視点から捉える良い機会になるため。 世の中には「自分が好きなものが食べられなかったら、死んだ方がマシ」などという人も居るけれど、 私は何時 病気になっても不思議じゃないような不健康食を食べて エイジングを早めるよりは、理性的な食事で健康的な長寿を目指したいという考えの持ち主。
そもそも食べ物から得る幸せというのは非常に刹那的なもの。食べている時は幸せであっても、その食べ物が消化吸収される段階では 自分の身体の毒や負担になっているケースが非常に多い訳で、理性が伴わない限りは”食べる楽しみ” と ” 健康の幸せ” は 決して同時に味わえないと思うのだった。 そうした食べることに関する価値観やまともな判断力を思い出させてくれるのが断食で、 それがいとも簡単に出来たという点で、このプログラムは凄いと思うのだった。


執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。

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