Jan. 29 〜 Feb. 4




” Two Of A Kind ”



今日2月4日、日曜日はスーパーボウルが行われるスーパー・サンデー。
この日は、クリスマス・イヴよりもニューイヤーズ・イヴよりも多くのパーティーが全米で行われる日であるけれど、 そのパーティーとは もちろんスーパーボウル・ウォッチ・パーティーのこと。
スーパーボウルはアメリカでは毎年ダントツで最高視聴率を獲得するプログラムで、 ウォッチ・パーティーは通常ビールを飲みながら、トルティア・チップスとディップ、ピッツァやフライド・チキンなどを食べて、 勝利チームとそのスコアの賭けをしながら 試合を楽しむもの。 約4時間のスーパーボウルの放映時間中に アメリカ人が摂取するカロリーは 1200〜2000カロリーとのことで、超ハイ・カロリー・イベントとも言えるのがスーパーボウルなのである。

さてアメリカでは スーパーボウル・パーティーを始め、様々なパーティーをきっかけにカップルが出逢うケースが多いけれど、 先週報道されてニューヨーカーの顰蹙を買ったのが リッチな男性とグッド・ルッキングな女性をマッチメイキングするというパーティー。
”ナチュラル・セレクション・スピード・デート” とネーミングされる このパーティーは2月7日に開催されるもので、 会場となるのは会員制レストランとしてオープンしたアッパー・イーストサイドのブルーノ。
参加費用は女性が50ドル、男性が500ドル。参加資格は女性はグッド・ルッキングであること、男性はリッチであること。 パーティーにつけられたサブタイトルは「‘Rich Guys & Hot Girls / リッチ・ガイズ&ホット・ガールズ」というものである。

同パーティーへの参加資格を得るために 女性は顔や全身のプロポーションがはっきり分かる写真5枚の提出が義務付けられており、 学歴や年齢など それ以外の情報は一切明らかにする必要はないという。
一方の男性側は、25歳以下は年収20万ドル(2400万円)以上、26〜30歳までは年収30万ドル(3600万円)以上、 30歳以上は年収50万ドル(6000万円)以上が条件で、年収以外に $1ミリオン(1億2000万円)以上の投資資産がある、 もしくは$4ミリオン(4億8000万円)以上のトラスト・ファンド(主に財産分与を目的に使われる 課税されないファンド)があることが条件。 男性側は財産を証明するための書類の提出を求められるけれど、それ以外のルックス、学歴といった条件を問われることはないという。
既に女性、男性とも300人を超える参加希望者からの申し込みがあったとのことで、 この中から男女共に40人ずつの参加者に絞り込んで行われるのが ”ナチュラル・セレクション・スピード・デイト”である。 同パーティーのウェブ・サイトでは、審査を通過した参加者のプロフィールが掲載されているけれど、 女性は写真右のアリッサ・ジョー・カプート嬢など、モデル・タイプが殆ど。 一方の男性陣は、不動産業やファイナンス系で占められており、審査を通過してプロフィールがサイト上で公開されている12人の男性のうち 年収50万ドル(6000万円)以下は2人だけ。そのうちの1人はトラスト・ファンドが$2ミリオン(2億4000万円)、 投資資産が1.5ミリオン(1億8000万円)の金融ビジネスマン、もう1人は24億円を相続する起業家となっており、 最も資産のある男性は 不動産業で年収が50万ドル(6000万円)以上、投資資産が$2ミリオン(2億4000万円)、 トラストファンドが$30ミリオン(36億円)とのことである。

このパーティーはウェブサイト ”ポケット・チェンジ” と 「ニューヨーク」マガジンの協賛イベントで、 主催者側は同イベントについて「女性が男性に財産を求め、男性が女性に美しさを求めるのは歴史的に証明された事実。 どんな男性でも”女性を紹介する” と言えば ”彼女はルックスが良い?”と訊いて来るし、 女性に男性を紹介すると言えば ”どんな仕事をしている人?” と尋ねて来るもの。 なので、リッチな男性と 美しい女性を選りすぐることは最も有効なマッチ・メイキングである」 と語っている。
それでも、こうした企画が報道されて 人々が眉を吊り上げるのは、やはり 「表面的な条件だけで相手を選ぶ」 という 人間的魅力 を無視した軽薄さが故。 実際に、街頭で同パーティーについての意見を求められたニューヨーカーからは、 「女性にルックスだけを求める男性と、男性にお金だけを求める女性だったら きっとお似合いのカップルになると思う」 というシニカルなコメントも聞かれていたのだった。
とは言っても、実際の参加女性がお金だけを求め、男性側も女性に美しさだけを求めているかと言えば それも違うようで、 女性側は「たとえ大金持ちでも性格が悪くて、馬鹿げた男性だったら付き合わない」と言い、 男性側も「どんなにスタイルが良い 美人でも、話していてつまらないような女性じゃ困る」などと語ってるから、 それぞれに「グッドルッキング」、「リッチ」というのは必要条件ではあっても 「必要十分条件」ではないようである。

さて、全米の中ではワシントンDCに次いで シングルが多いと言われるニューヨーク・シティであるけれど、 一般的にシングルのニューヨーカーが どういう異性観を持っているかと言えば、 昨年末にニューヨーク・ポストが5ヶ月を掛けて行ったアンケート調査を纏めた結果によれば、 まずシングルのニューヨーク・ウーマンが男性に求める”最も大切な部分” として挙げたのは 「センス・オブ・ユーモア」 。 これに対して、「女性のユーモアのセンスが最も大切」と挙げた男性は33%であったという。
そして女性が 男性の立場になって 「女性に求める最も重要な部分」を推測した場合、最も多かった回答は「グレイト・ボディ」。 70%以上の女性が 男性は女性を選ぶ際に ”ボディに最もこだわる” と考えている結果が得られたという。 しかしながら、実際には「ボディが最も大切」と答えた男性は、女性が想像するほど多くはなくて43%。 さらに、別の調査では「グレイト・ボディ」と「プリティ・フェイス」のどちらかを選ぶとしたら? という質問に対して、 80%以上の男性が「プリティ・フェイス」を選んでいるので、男性にとって「グッド・ルッキング」というのは 先ず「顔」のことのようである。
その一方で、お腹が出た男性が堂々ときれいな女性を連れて歩いているのを頻繁に見かけることからも分かる通り、 「男性を選ぶ際に グレイト・ボディにこだわる」と答えた女性は13%。なので男性は 英語で ”シックス・パックス” と呼ばれる腹筋を鍛えても、 ガールフレンドが簡単に捕まる訳ではないことになる。
興味深い調査結果としては、「最初のデートは男性が払うべき」と考える女性が53%と意外に少なくて、 男性はそれより多い63%が 「初めてのデートは自分が支払うべき」 と考えていること。
身体ではなく身に付けているものに関しては、女性が男性に対して最もチェックするのはシューズ。65%の女性が 「生活が現れる」、「性格が現れる」などを理由にシューズをチェックしているのである。 これに対して男性側は意外にもジュエリーという答えが多く、僅少差でシューズという回答が得られているという。
女性がシューズと同じくらいお金を掛けている「バッグ」という回答をした男性は1%以下で、 やはり男性は手に持つものよりも 肌に付けるものに目が行くようである。

さて先日、 友人達と ”ナチュラル・セレクション・スピード・デイト” の話をしていた時に ちょっとした論争になったのが、男性と女性では どちらが”恋愛で恵まれるか?”という問題。
女性に言わせると、有利なのは「男性」で 理由は 「どんな顔形に生まれようと、頑張ってお金さえ儲ければ、いくつになっても 若い美女とデートが出来る」というもの。それに引き換え女性は、「生まれ持った顔形で勝負をしなければならず、 ダイエットやエクササイズをして、ネールやヘアカットなどメンテナンスも大変で、 しかも若いうちでないとチヤホヤされない」というのが女性の言い分。
これに対して、男性に言わせれば 「女性は美人だったら たとえ一文無しでも ミリオネアと結婚した途端にミリオネアになれてしまう」、 「高いレストランに行きたかったらデートで連れて行ってもらえば良いし、家賃が払いたくなかったら男のアパートに転がり込むだけ」なのだそうで、 それに引き換え男性側は「映画を観に行くにも 食事に行くにも常に2人分を払わせられて、誕生日だ、記念日だ、バレンタインだと言っては プレゼントを買わせられる」上に、「DVDプレーヤーが壊れたとか、重たい荷物を運んで欲しいと言っては呼び出される」のだという。
それに対する女性側のカウンター・パンチは 「男の人は自分の力でお金を稼ぎさえすれば、美人が寄ってくるから、 自分で状況をコントロールできるけれど、女性の美しさというのは生まれ持った資質に依るところが大きいから、女性の恋愛は 自分でコントロール出来ないものによって決まってしまう」というものだったけれど、 男性側も「金持ちになんてそんな簡単になれるもんじゃない」と反論して、取り留めない論争を繰り広げていたのだった。
でもふと考えてみれば、リッチな男性も美しい女性も、そんなに簡単に巡り会えるものではないからこそ 500ドルもの会費を取ったパーティーが出来る訳で、 「男性はお金さえあれば・・・」、「女性は美人でありさえすれば・・・」という状況は、それほど世の中では頻繁に起こるものではないのである。

そこで女性と男性の恋愛観を比較した場合、人柄やルックス、経済状況、バック・グラウンド、自分との相性などを総合的に判断したり、 相手を徐々に学習するうちに恋愛感情を抱くのが女性で、要するに女性の恋愛は情報と知性を使ったもの。 時に打算的であったり 妥協的なものでもある。
これに対して、男性が異性に惹かれるまでの所要時間は4分の3秒といわれ、直感的、もしくは感性で人を好きになるのが男性である。 なので 視覚的に惹かれるものがない女性との間には恋愛関係が芽生えることは無いとも指摘されるけれど、 男性の恋愛感の方が理屈を伴わないピュアなもの とも言うことが出来る訳である。
そしてこの男女の異なる恋愛観を考えてみると「リッチな男性を求める女性」、「グッドルッキングな女性を求める男性」 というのは、確かに聞こえは悪くても 、そう責められたものではないのも事実なのである。



Catch of the Week No.4 Jan. : 1 月 第4週


Catch of the Week No.3 Jan. : 1 月 第3週


Catch of the Week No.1 Jan. : 1 月 第2週


Catch of the Week No.1 Jan. : 1 月 第1週






執筆者プロフィール

秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。
丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、1989年渡米。以来、マンハッタン在住。
FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。
その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.設立。以来、同社代表を務める。