Jan. 28 〜 Feb. 3, 2013

” Diet and Aging ”

私がこのコラムを書いている2月3日はスーパーボウルが行なわれたスーパーサンデー。
この日は、ハロウィーンと並んで、アメリカ国内で最もパーティーが行なわれる日でもあるけれど、 そのパーティーとは、言うまでもなく スーパーボウルのウォッチ・パーティー。
スーパーサンデーは、年間で最もピザの売り上げが高い日でもあり、大手チェーンのピザ・ハットが この日1日に見込んでいたピザの売り上げ枚数は200万。 ピザ・ハット以外にも、ドミノ・ピザ、パパ・ジョン等の大手チェーンが、 いずれも通常の日曜日より 80%増しの売り上げを見込んでいるのだった。
ナショナル・レストラン・アソシエーションの調べによれば、スーパーボウルの日に、 デリバリーやテイクアウト・フードをオーダーする人々の数は4800万人。 でも、ピザが一番人気のスーパー・ボウル・ウォッチ・フードかと言えばそうでも無くて、 63%の人々が、チキン・ウィングを No.1のマスト・ハブ・フードに挙げているのだった。

今や、ピザ・チェーンの多くが メニューに加えているのが そのチキン・ウィングで、ピザ・ハットが今年の スーパーボウルに販売を見込んでいるチキン・ウィングは500万ユニット。一方のドミノ・ピザは250万ユニットで、 アメリカ全体でスーパー・サンデーに消費するチキン・ウィングは、10億本以上と言われているのだった。
そんなチキン・ウィング市場に今後参入してくるのが、ファスト・フードの最大手、マクドナルド。 これによって、アメリカ国内で生産されるチキン・ウィングの約1%が、 マクドナルドの新規メニューに当てられることになるという。



週末のニューヨークで最大の報道になっていたのは、70年代の 破産寸前だったニューヨークの市長となり、3期、12年間に渡って街の建て直しに貢献した、 エド・コッチ氏死去のニュース。
かの有名な「アイラブNY」キャンペーンも彼の任期中にスタートしたもので、 コッチ氏が死去したのは金曜日早朝。この日は、奇しくも NY州下院議員からNY市長になった同氏の半生を 描いたドキュメンタリー「Koch/コッチ」の封切日。
当然のことながら、翌日、土曜日のニューヨーク・タイムズ、ニューヨーク・ポスト紙を 始めとするローカル紙は、 コッチ氏の追悼報道に大きく紙面を割いていたけれど、特にニューヨーク・ポスト紙は、 17ページに渡って、コッチ氏の功績や彼の市長時代のエピソードをフィーチャーする 過去最大の追悼報道を行なっていたのだった。
ニューヨークの政治家というのは、アクが強くて、ユーモアのセンスがあって、人間的にチャーミング でないと 務まらないけれど、エド・コッチのキャラクターは、 まさにそんな政治家を絵に描いたような存在。
彼は、TV版の「セックス・アンド・ザ・シティ 」の シーズンNo.3、サラー・ジェシカ・パーカー扮するキャリーがランウェイ・ショーで 転倒するエピソードで、グッチのタキシードを着用してランウェイを歩くなど、 メディアと人々の注目を集めるのが大好きだったのは 自他共に認める事実。 それだけに、月曜に行なわれる彼の一般葬儀には、大勢の市民の参列が見込まれているのだった。



ところで今週は、それ以外に ダイエットに関する2つのニュースが大きく報じられたけれど、 そのうちの1つは、スペインで420人を対象に行なわれた、20週間に渡るダイエットのトライアルで、 全く同じカロリーの食事をしていても、ランチを食べる時間が早いグループの方が、 顕著にウェイトを落としたという実験結果。
被験者が食べていたのは、いわゆる地中海ダイエットで、野菜、フルーツが中心で、調理にオリーブ・オイルを用いたフード。 スペインでは、ランチが1日で一番ボリュームがある食事となっており、 これを正午に食べていた人々の方が、午後3時に食べていた人々よりも 落とした体重が多かったとのこと。 当然のことながら午後3時にランチを食べていた人々は 宵っ張りで、朝食を食べない、もしくは朝食が少ない人が多く、 早くランチを食べる人は、朝食をしっかり食べて、朝からエネルギッシュに動く人が多かったとのこと。
この実験結果は、同じカロリーを摂取しても、食べるタイミングによって減量の度合いが異なることを立証しており、 従来の「何時、何回に分けて摂取しても、カロリーは身体に入れば同じ」という説と、真っ向から対立しているのだった。

もう1つ話題になっていたのは、先週行われたサンダンス映画祭でプレミアとなった、 スティーブ・ジョブスの自伝の映画化 「Jobs / ジョブス」の主演、 アシュトン・クッチャーが、スティーブ・ジョブスを真似て、 フルータリアン・ダイエットを行なった結果、すい臓の痛みが原因で 入院を強いられたというニュース。
菜食主義の中でも、フードの75%以上を果物で摂取し、それ以外は野菜やナッツ類を、 調理しないロウの状態で食べるのが、”Fruitarian / フルータリアン”。
でも、健康そうに思えるフルータリアン・ダイエットは、実はハイ・フルクトース・ダイエットで、 すい臓に非常に負担が掛る食生活。 実際、スティーブ・ジョブスが2011年10月5日に死去したのは、彼が長く患っていたすい臓がんが原因となっていたのだった。

このアシュトンの報道を受けて、アメリカン・キャンサー・ソサエティは、「フルーツを食べることが原因で、 ガンになることは無い」と、従来の「野菜・果物中心の食生活がガンを予防する」というポジションを 主張していたけれど、「野菜・果物中心の食生活」と、「ほぼ全ての食事が果物」とでは、 かなりの違いがあるのだった。


ところで、以前から何度もこのコラムに書いているように、私は125歳以上まで、五体五感満足に生きるのを目標としているので、 健康やエイジングについては、かなり自分でリサーチしているけれど、 いつも思うのは、「若さを保つ」と 「長寿」は イコールでは結べない コンセプトであるということ。
すなわち、長寿の人々が 必ずしも年齢より若いルックスであるとは限らないということで、 私が見ている限り、長寿の秘訣は、生きることに対する執着と精神力。体型の条件としては身長180cm以下。
若さについては、心身ともに若く保とうという努力が物を言う というのが、今のところ辿り着いている結論なのだった。

もちろん、誰もが若々しく、健康にありたいという願望を持っているから、ヴェジタリアン、ヴィーガン、フルータリアン、パレオ・ダイエット、 グルテン・フリーなど、様々な食事療法をトライしているけれど、 私がいつも思うのは、全ての人に共通の効果をもたらすダイエットは存在しないということ。
前述のアシュトン・クッチャーにしても、ルックスは、写真上のように 若かりし頃のスティーブ・ジョブスに 本当にそっくりであるけれど、 彼がスティーブ・ジョブスに成り切るために実践したダイエットが、 全く彼の体質に全く合わなかったことは、入院という事態が物語っていること。

私自身にしても、健康食の代名詞である玄米を食べると太る体質で、ウィート系もダメ。 朝、ヨーグルトを食べると便秘になり、逆にコーヒーを飲むと便通がスムースになるけれど、 実際にコーヒーには、便通を促す効果があるという。
私の友達は、ロー・フードを実践するようになってから、健康になるかと思いきや、冷え性に拍車が掛かり、 昨年は暖冬だったので乗り越えられたけれど、今年の冬はあまりに寒いので、 遂にロー・フードを断念して、火の通った食事を食べるようになったと言っていたのだった。

たんぱく質を例に取っても、動物性が良いという意見と、植物性が良いという意見に分かれているけれど、 以前CUBE New York で特集した、Peter J. D'Adamo / ピーター・J・ダダーモ博士の、血液型別ダイエットによれば、 O型、B型は、胃酸が多いので動物性たんぱく質の消化、吸収に適した体質。 一方、A型は基本的に胃が強くないので、植物性たんぱく質が適していると同時に、 ヴェジタリアンにも適している血液型。
私のリサーチでは、玄米食の恩恵を最も受けるのも A型の人々が多く、 体重が比較的簡単に落とせるのがA型の体質なのだった。
これに対して、B型、O型の方が ダイエットに時間が掛るけれど、 その替わりA型より 骨が丈夫である というのが私が得ている印象なのだった。

私の知る限り、日本人に関しては 40歳を過ぎてもエナジー・レベルが高いのは、B型、O型で肉を食べている人々。 もちろん、内臓のコンディションは定かではないものの、一般に ”元気”、”若い”と言われる人は、 菜食主義のA型よりも、圧倒的にB型、O型の肉食なのだった。
私が、「日本人に関しては」と但し書きをつけているのは、アメリカ人は その殆どが自分の血液型を知らないため。 また年間の肉の消費が世界一多いアメリカ人と日本人では、同じ「肉食」で くくれないほどに 消費量が異なるのだった。



ところで、私が個人的にエイジング・プロセスを研究するのに参考にしているのは、年齢よりも遥かに若く見える人に加えて、 年齢に比べて老けて見える人。
輝くような肌の24歳の美容の秘訣は全く参考にならないけれど、 28歳なのに35歳に見える人が、どんな原因でエイジングを早めたのかは、非常に参考になる場合が多いのだった。
もちろん、エイジングの大敵は、喫煙、バランスの悪い食生活、睡眠不足、過度の飲酒や、 ドラッグの常習などの不摂生。このライフスタイルを実践しているリンジー・ローハン(写真上右)は、現在26歳にして 様々なメディアから「40歳過ぎに見える」と指摘されるルックス。 顔もさることながら、首のシワの深さは とても20代とは思えないのだった。
そうした不摂生以外で、年齢よりも老けさせる要因は 以下のようなもの。


写真上、左側は現在75歳、昨年新たにヨガのDVDを発売したばかりの女優のジェーン・フォンダであるけれど、 彼女は、誰もが驚く若さを誇っている存在。
そんな彼女によれば、若さの秘訣は 「恵まれた遺伝子と、お金」。 さすがに若い頃から有名女優だった彼女は、お金で苦労をしたことが無いだけに、 彼女が言っているお金の意味は、「お金さえあれば 高額のスキンケアや、 ボトックスなど、外観の若さを保つことをどんどんトライできる」という意味。
もう1つの「遺伝子」という若さの秘訣は、実に”言い得て妙”で、 若さを保てる遺伝子というのは、40を過ぎた頃から どんどん威力を発揮してくるのだった。
その遺伝子を持つ人が、食生活とエクササイズ、お金を掛けたスキンケアといった 努力を惜しまなければ、ジェーン・フォンダのようになれる可能性がある訳だけれど、 これを達成するのが 大変なライフタイム・プロジェクトであることは 紛れもない事実なのだった。





執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。


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