Feb. 8 〜 Feb. 15 2016

”Perfect Swimwear Body in 2016”
SIスイムウェア・イッシューに見る、
アメリカにおけるボディ・イメージの変化



今週末のニューヨークを始めとするアメリカ東海岸エリアでは、過去22年で最低気温を記録する厳寒に見舞われてており、 セントラル・パークで史上最低気温が観測されていたのが日曜のヴァレンタイン・デイ。
そのヴァレンタイン・デイは、欧米は日本とは異なり 主に男性が女性にプレゼントを贈る日。この日にプロポーズをする男性も非常に多いけれど、 ここ数年のアメリカが日本のヴァレンタイン・デイに似てきたのは、チョコレートの売上げが大きく伸びるようになったこと。 これはリーマン・ショック以降の リセッション時代の低バジェット・ヴァレンタインからスタートしたトレンドとも言われるけれど、 ヴァレンタイン・デイのアメリカ国内のチョコレート売上げは今や11億ドル(1,320億円)。 過去5年間でダーク・チョコレートが45%、ミルク・チョコレートが16%それぞれ売上げを伸ばしていることが伝えられているのだった。

その一方で、週末に大きく報じられたのが最高裁判事、アントニン・スカリア(写真右、前列左から2番目)死去のニュース。 最高裁は9人の判事によって構成されており、今後 人工中絶や移民法改正といった世論の関心を集める審議を控えているけれど、 その後任の指名権を持つのはオバマ大統領。しかしながらその承認権を持つのは上院、下院で多数を占める野党、共和党。 スカリア判事の死後の最高裁判事は、保守派とリベラル派がそれぞれ4人ずつという構成で、 オバマ氏が指名をすることになるのは当然のことながらリベラル派の判事。
しかしながら人工中絶に反対し、厳しい移民政策を進めようとするだけでなく、昨年合憲とされた同性婚の判決も覆そうとしている共和党側は、 何とかオバマ大統領による新判事の指名を阻止して、共和党の新大統領による保守派判事の指名に漕ぎ付けたい思惑。 このため2016年大統領選挙の行方には、合衆国憲法改正の行方も絡むもことになるという見方が強まっているのだった。




そんな中、今週末に発表されたのが2016年版のスポーツ・イラストレーテッド・スイムウェア・イッシューのカバー・モデル。
アメリカ国内だけで7,000万部を売り上げるスイムウェア・イッシューは、スポーツ・イラストレーテッドにとって最も売上げの高いイッシューであると同時に、 古くはエル・マクファーソン、最近ではジョン・レジェンド夫人のクリシー・ティーガンや デレク・ジーターと婚約したハナ・デイヴィスなど、 多くの人気モデルがカバーを飾ってきただけに、モデル界ではスイムウェア・イッシューのカバーを飾ることは かなりのステイタスと見なされているのだった。

その2016年のカバーは、今回初めて3人のモデルをフィーチャーした3種類で登場。 このうち従来のタイプのモデルと言えるのは、写真上左のヘイリー・クローソン。 彼女は昨年のスイムウェア・イッシューにも登場している20歳で、15歳の時からランウェイ・モデルとして活躍し、 グッチやトップショップの広告、イタリアン・ヴォーグ等のグラビアにも登場している一流モデル。

もう1人は、今回メディアの注目が最も集っている アシュレー・グラハム(写真上中央)。何故彼女に注目が集るかと言えば、 彼女はアメリカ・サイズ14号で、スポーツ・イラストレーテッドが初めてスイムウェア・イッシューにフィーチャーした プラスサイズ・モデルであるため。ちなみにサイズ14号は 最も平均的なアメリカ成人女性のサイズと言われているのだった。

3人目は写真上右側、UFCの総合格闘家のロンダ・ラウジー(29歳)。 彼女のショットは実際にはスイムウェアを着用しておらず、ボディ・ペイントで描かれたスイムウェア。 昨年11月にホーリー・ホルムにKO負けしたものの、それ以来逆にメディアの注目を集めているのが彼女で、今年に入ってからは SNL(サタデー・ナイト・ライブ)のホストも務めているのだった。

以下の写真は、SIスイムウェア・イッシュー・カバーのお披露目イベントでの3人揃ってのショットであるけれど、 中央のヘイリー・クローソンが身長180cm、体重56キロ、左側のアシュレー・グラハムが身長175cm、体重91キロ、右側のロンダ・ラウジーが身長168cm、体重61キロで、 3人三様の体型となっているのだった。






でも身体というのは 筋肉と脂肪のつき方やその割合で、同じ体重でもボディ・プロポーションが全く変わってしまうのは言うまでもないこと。 筋肉質な60キロと脂肪体質の60キロでは、脂肪体質の方が見た目に7キロ前後重たそうに見えると指摘されるのだった。
その一方で 体重とは無関係に、採寸による女性の理想体型とこれまで言われてきたのが 以下の数値。


とは言っても、徐々にこの数値は時代遅れになりつつあるとのことで、 今や理想のボディの条件は 男女共にウエストが引き締まった体型。 男性の場合はそれに加えて 広い肩幅、厚い胸 と 6パック(腹部の筋肉)、それとバランスした筋肉質な腕が魅力的な体型。 女性は、一般的にアワーグラス(砂時計)体型と呼ばれる、細いウエスト、 豊かなバストとヒップが 男性にも女性にも魅力的と見なされるボディ。
でも女性の体型における男女の見解の違いは、女性はより細い手足&ウエストを好み、男性が理想とするサイズより大きめのバストを望み、 胸とヒップがあるバービーのような体型を理想としているとのこと。これに対して男性は、腕や太腿にもっと肉付きが良い体型を理想としており、 女性が描く理想体型より小さめのバスト、大きめのヒップを好んでいるとのことで、男性の方が現実的な女性のボディ・イメージを描いているとのこと。
これに対して理想の男性ボディにおける男女の見解の相違は、男性の方がボディ・ビルダーとまではいかなくても、 より筋肉質で、筋肉のサイズが大きめのボディを理想としていること。一方の女性側は、写真上右のデヴィッド・ベッカムのような 筋肉質であっても 筋肉隆々ではないボディを好んでいることなのだった。



すなわち、男性の場合も 女性の場合も 昨今の理想のボディは、メリハリのあるボディ。
写真上左2枚は、今もモデル長者番付のトップに君臨するジゼル・ブンチェンであるけれど、 ソーシャル・メディア上では、「ウエストのくびれがなくて、男のような体型」と男性からの評価が 極めて低いのが 彼女の世界一高額なモデル・ボディ。
逆にここ数年、男性からも 女性からも理想体型とされているのがビヨンセ、キム・カダーシアンなどで、 要するにカーブのあるボディが もてはやされているのが現状。 こうした理想のボディ観というのは、美容整形の世界に直ぐ反映されるのが常で、 目下 豊胸手術を上回る勢いで増えているのが、”ブラジリアン・バットリフト”とよばれる ヒップのインプラント。
インプラントとは言っても、ヒップにインジェクトするのはライポサクションで吸い取った自らの脂肪で、 痩せている女性の場合、まず体重を8〜10キロ増やして、 腹部、太腿、ウエスト、背中、腕から脂肪を吸引し、それをヒップに形良く戻すというのが施術のプロセス。 こうすることによって、ウエストや腕、背中の脂肪細胞が減っているので、 今後体重が増えた場合、これらの箇所には脂肪がつかず、ヒップやバストなどに 脂肪が蓄積されるようになるのだそうで、これはカダーシアン一家がこぞってやっているといわれる施術。 ニューヨークで この施術をした場合、約120万円程度が掛かると言われているのだった。

写真上一番右は、私が昨年マイアミに出かけた際にスナップした一般女性であるけれど、 ロサンジェルス、テキサスと並ぶ美容整形のメッカであるマイアミでも、こうしたカダーシアン・ヒップの女性を何人も見かけたのだった。
美容整形医によれば、既にブレスト・インプラントで、胸にボリュームがある女性ほど ブラジリアン・バットリフトをして、バストのバランスを取りたがるとのことで、 同時に腹部の脂肪を吸い取って、アワーグラス体型を実現出来るのが大きな魅力になっているとのこと。
でも、こうした女性たちがダイエットやエクササイズをせずに、美容整形に頼っているかと思ったら大間違い。 これらの施術を受ける女性たちほど、日頃から理想のボディや美しさを手に入れるための 努力を惜しまないケースが殆どなのだった。

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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。

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