Feb. 06 〜 Feb. 12 2017

"Single Culture in Ameria & NYC"
アメリカ & ニューヨークのシングル白書


ヴァレンタイン・デイを控えた今週のアメリカでは、様々なヴァレンタイン関連報道が行われていたけれど、 欧米のヴァレンタインは日本とは異なり、男性が女性にプレゼントを贈る日であり、 結婚のプロポーズする男性が年間で最も多い日。
アメリカは現在、歴史上最もシングル人口が多いとあって、ヴァレンタインの時期になると様々な カップル&シングルの調査が行われるのがこのところの傾向。 ユニークなところでは今週、全米でオンライン・フード・デリバリー・ビジネスを展開する”グラブハグ”が ヴァレンタイン・デイにオーダーされるフードを カップル&シングルで比較しているけれど、 それによれば ヴァレンタイン・デイにシングルが最もオーダーするのがフライド・ポテト。 次いでベーコン&エッグ・サンドウィッチ、ジャイロ・ピタがトップ3(写真上、上段3アイテム)。
これに対してカップルが最もオーダーするのは、インディアン・フードのサグ・パ二ア(チキンとほうれん草の煮込み料理)。 次いでタンドリ・チキン、3位はエビ天ぷらの巻きずしであるダイナマイト・ロール。(写真上、下段3アイテム)。 カップルに人気のメニューの4位から10位は全てスシで占められており、 ヴァレンタインである、無しに関わらず、ニューヨークのカップルに最も人気なメニューがスシ。 ニューヨークにおいては、スシをオーダーするカップルほど関係が長続きする傾向にあるというデータも得られているのだった。




その一方で、もっと広範囲のサーヴェイをライフスタイル・ベースで行って発表したのが デートサイトの先駆者的存在であるマッチ・ドット・コム。
調査の対象になった5500人のシングルは、全米50州のBoomers / ブーマーズ(ベビーブーマー:1946〜1964生まれ), GenXers / ジェネクサー(ジェネレーション・エックス:1964 〜 1981年生まれ)、 Millennials / ミレニアルズ(1981〜2001生まれ)の3ジェネレーション。 必ずしもマッチ・ドット・コムのユーザーではないとのこと。
それによれば、2017年に真剣な恋愛をしたいと考えている男性は68%。12%の男性のみが 特定の相手に縛られないカジュアルなデートを楽しみたいと答えているのだった。 男性の方が女性よりもセックスに価値を見出す傾向は顕著で、 セックスによって相手への恋愛感情の深さを認識すると回答する男性は女性より73%多いとのこと。 またセックスによって関係が深まると考える男性も女性よりも43%も多いことが明らかになっているのだった。
とは言っても、男性が女性に最も惹かれるポイントと回答したのは、 特定のボディ・パーツやセックスへの積極性ではなく、女性のアントレプレナーシップ。 全体の38%、ほぼ4割の男性が「女性アントレプレナーに惹かれる」と回答しているのだった。

この調査で、特にフォーカスが当てられていたのは最も若いミレニアル世代。
調査結果によれば、テクノロジーで最も恩恵を受けているミレニアル世代でありながらも、 彼らは「テクノロジーのせいで恋愛が難しくなっている」と考えがちで、57%のミレニアルズが孤独を感じているとのこと。 その孤独の反動か、熱心に恋愛相手を探す傾向が他の世代よりも125%も高いことが明らかになっており、 新しいデート・アプリにプロフィールをアップする確率は他のジェネレーションよりも57%も高くなっているとのこと。
またミレニアル世代は、他のジェネレーションよりも2度目のデートをする確立が30%高いけれど、 オンラインなどで出会った相手と 初めてのデートの前、すなわち食事や映画等に出かける以前に、まずはセックスをしてしまう確率が 他の世代よりも48%も高くなっているのだった。 そうなってしまうのはミレニアル世代のうちの28%が、 セックスを自分が本当に相手を好きかどうかをジャッジする指針として 使っているため。要するにセックスをしてみないと相手が好きか分からないという不思議な恋愛感覚を持っているのがこの世代。
また、ミレニアル世代は自分と同じTVドラマをビンジ・ウォッチングしている相手に対して 強いコネクションを感じることも明らかになっているのだった。




さて今や既婚&未婚を問わず、ソーシャル・メディアが生活に大きな影響を及ぼしているけれど、 シングルの57%はソーシャル・メディアをチェックして精神的に落ち込んだり、自分が取り残されている気分を味わっているとのこと。 でも、そんなソーシャル・メディアのポストはデート相手をジャッジするポイントにもなっていて、 そのフィードの内容や写真のクォリティで相手をジャッジすると答えた人は42%、フィードに書かれた文章やその文法の間違いで 相手をジャッジするという人は39%、写真に写っている服装で相手をジャッジすると答えたのは35%。
そしていかにもアメリカ的なのは、写真のスマイル&歯並びで相手をジャッジするという回答が37%あったこと。 アメリカには 貧しい家庭の子供が歯並びによってジャッジされて、社会的なチャンスを失わないようにするチャリティが存在するけれど、 スマイルが重要なコミュニケーション手段であるアメリカにおいて歯並びや歯の白さは、育ちや教養のレベルまでをジャッジするポイントになっているのだった。

ソーシャル・メディアのアクティヴィティで嫌われるのは、頻繁にポストやツイートをすること、そしてソーシャル・メディアを通じて 不満や不服などネガティブな意見を発信すること。 逆に全くソーシャル・メディアに関わっていない人、アカウントはあっても殆どアクティヴィティが無い人の方が デート相手として好まれる傾向にあるのだった。

調査対象となった約3分の1のシングルが、デート相手とのコミュニケーションで好むのはEメールやテキスト・メッセージ(ショートメール)よりも 電話の会話。 その一方で、75%がデート中に掛かってきた電話に相手が出るのを嫌い、66%がデート中にテキスト・メッセージを打つのを嫌うと回答。 電話をテーブルの上に置くのも58%が「好ましくない」と回答したマナー。 逆に電話をオフにして相手との会話に集中するのは45%に好感を持たれるのだった。

その電話については、スマートフォンのスクリーンが破損しているのは非常にイメージが悪く、 特に女性の86%が相手にネガティブなイメージを抱くと回答。 世代別ではブーマー、ジェネクサーが破損したスクリーンを非常に嫌うのに対して、ミレニアルズは比較的この問題にオープンマインドである 結果が得られているのだった。
アンドロイド・ユーザーとアイフォン・ユーザーを比較すると、アンドロイド・ユーザーに対してネガティブな偏見を持つ アイフォン・ユーザーはその逆のケースより40%も多く、電話のブランドも相手の性格、時に経済レベルをジャッジするポイントになっているのだった。




さて、年齢に関わらず最も難しいのがデート代は誰が支払うかという問題。
調査対象の女性の78%がデート代の割り勘をオファーすると答えているけれど、男性側はその71%がデート代を割り勘にする女性の方が 興味深いキャラクターが多い、強いアピールがあると答えているのだった。 でも女性側はデートを割り勘にする理由について、その86%が「後腐れの無いデートをするため(デート後の面倒を省くため)」と ドライなリアクションを見せているのだった。
ニューヨークにおいては、かなり以前からドリンク程度は男性が支払っても、ディナー・デートは割り勘、もしくは交互に支払うというのが 多くのカップルの間で一般的になっていること。これはニューヨークでは女性のキャリア志向が高く、 男性に経済的に依存する必要が無いのに加えて、ニューヨークにおけるヘテロ・セクシャル・シングル・マーケットは 今も変わらず男性が数的に圧倒的な優位。 したがって、男性側も特にデート代を支払う必要を感じていないのがニューヨークで、 その傾向はミレニアル世代に特に顕著なのだった。

世代に限らず、オンライン以外でデート相手に出会う場所のトップ3は、 バー、ランドロマット(コインランドリー)、ジム。
それを象徴するかのようにニューヨークのジムの中には、 金曜夜のワークアウトの後に、ジムのラウンジでドリンクを提供するクラスも登場しているけれど、 ニューヨークで最も男女の出会いが多いと言われるのはクロス・トレーニングのクラス。 また昨今ブームのボクシングも、男性との出会い目当てでスタートする女性が少なくないのがニューヨーク。
女性がハードなワークアウトのクラスで男性との出会いを期待するのは、 そんなクラスに参加する男性の方が、 ヘルシー志向で鍛えられたボディの持ち主であり、 上昇志向が強いことが挙げられているけれど、 「ヨガ・クラスにやってくる男性はゲイと既婚者が多い」というイメージも ニューヨークのシングル女性の間で定着しつつあるのだった。


ところで、大統領選挙後に登場したのが写真上の「トランプ・シングルズ」というデート・サイト。 これはトランプ支持者同士が出会うためのデート・サイトであるけれど、これがデート・サービスとして意味を成しているのは、 現在のアメリカにおいて、トランプ支持派とアンチ・トランプ派ほど歩み寄れない存在は無いため。
ヤンキーズとレッド・ソックスのファン、もしくはニューヨーク・ジャイアンツとダラス・カウボーイズのファンといった スポーツの世界での宿敵同士は交際、結婚に至ることはあっても、 トランプ支持を巡っては 選挙戦の最中から 長年の友人関係や家族関係までもが 拗れてきたのはアメリカ人なら誰もが知るところ。
もしアンチ・トランプ派がデート・サイトやデート・アプリで トランプ支持者と出会ってしまった場合、 どんなに相手のルックスが気に入って 共通の話題があっても 「人種差別主義者、性差別主義者」というレッテルを貼って 2度と会いたくない存在になるのは必至であるだけに、 トランプ支持者同士が巡り合うデート・サイトというのは非常に理に適っているのだった。

その一方で新大統領就任から3週間目を迎えた今週も、 全米各都市で大規模な抗議デモが行われていたけれど、こうした抗議デモは 自分と同じ政治ポジションの相手に出会う恰好のチャンス。 したがって これらのデモや抗議活動は、”アンチ・トランプ・シングル・イベントとも解することができるのだった。

執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。

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