Feb. 28 〜 Mar. 6 2011

” ダイエットの前に、Detox の薦め ”

今週のアメリカは、特に大きなニュースが無かったこともあり、そのメディア報道はチャーリー・シーン一色。
何故チャーリー・シーンがこんなに大きく報じられたかと言えば、先週のこのコラムにも書いたように、 彼は出演番組のディレクターを批判し、反ユダヤ教と取れるコメントをしたためにCBSから事実上解雇された形となったけれど、 週明けからスタートしたのがチャーリー・シーンのメディア・インタビュー攻勢。 通常、ドラッグの問題を抱え、元ポルノ女優を含む2人の女性と同居するというスキャンダルに加えて、 仕事をクビになったとあれば ハリウッドのスタンダードでは、雲隠れするのが常識。 ところが、チャーリー・シーンはTVの報道番組、芸能番組、ラジオのトークショーなどありとあらゆるメディアに毎日のように登場しては、 自由奔放なトークを展開。週半ばには離婚した妻との親権問題で、2人の幼い息子と引き離されるというドラマまで加わり、 ネタに乏しかった今週のメディアに格好の報道材料を提供し続けたのだった。
また、チャーリー・シーンはツイッターでめまぐるしく変わる状況をファンに発信し始めた結果、彼は ツイッター史上、最短で100万人のフォロワーを獲得したセレブリティとなり、ツイッターからギャラまで受け取る有様。 ちなみにツイッターは、そのアメリカでの普及に大きく貢献したデミー・ムーア、アシュトン・クッチャーなど、 フォロワーの多い一部のセレブリティには、ギャラを支払っており、、 今週のメディア・センセーションのお陰で、チャーリー・シーンも ギャラを支払われてツイートするセレブのリストに加わっているのだった。
その一方で、彼が主演していたCBSのコメディの再放送は高視聴率を記録。 お陰で彼のもとには、仕事の話が舞い込んできているだけでなく、俳優仲間からもサポートが寄せられ、 彼を解雇したはずのCBSとも復縁交渉がスタートしていることが伝えられているのだった。
この一連のチャーリー・シーン報道のせいで、今週のアメリカでは 彼が事あるごとに、インタビューの中で連発していた ”Winning / ウイニング (勝つこと、勝利)” という言葉があっという間に流行語になった他、 ”チャーリー・シーイング”という彼の名前の動詞まで出現。またメディアは彼を ”テフロン・チャーリー” (スキャンダルによる悪評判がくっつかないという意味) などと呼んでおり、かなりの社会的インパクトをもたらしていたのだった。


さて、週末のニューヨークはかなり春らしい陽気になってきて、特に晴天に恵まれた土曜日には、 セントラル・パークで 多くのランナーが既にタンクトップ姿で走っている姿が見られたほど。
こんな気候になると、ダイエットを始めないと・・・という気分が盛り上がってくるけれど、 実際、ダイエットを始めるのに最も適していると言われるのが春の初め。 これは暖かくなってくると、人間も動物と同じで 活動的になってくるのに加えて、食の好みが軽くなってくるため。
私は今年に入ってから、体重が1.5キロほど通常より重たくなっていたのを気にしていたのに加えて、 2月に日本に1時帰国をして、その時に食べ過ぎたこと。 さらに4月からセントラル・パークのテニス・シーズンがスタートするので、 テニスウェアを着たボディが少しでもスリムに見えるようにするためにも、ダイエットを始めようとしているところなのだった。

そこで先週末、ブランチをした友人とダイエットの情報交換をしていたけれど、私達2人の共通した意見は、 年々痩せにくいボディになってきているということ。
彼女曰く、「20代のパーソナル・トレーナーのダイエット・アドバイスなんて全く役に立たない」のだそうで、 「20代で、トレーナーになれるほどエクササイズをしていたら、何を食べても痩せていて当たり前」と、不服交じりのコメントをしていたのだった。
実際のところ、20代で太っているというのは、健康上の問題が無い限りは 食べ過ぎか、運動不足、もしくはそのコンビネーションで、 エクササイズをして、食事を減らせば、誰でも痩せられるのである。
でも、それが難しくなってくるのが30代の終わりから。 そして、女性なら誰でも身体の変化、ホルモン・バランスの変化を自覚せざるを得なくなるのが、プレメナポーズ(更年期前)であるけれど、 今や30代後半にして、メナポーズ(更年期)の症状を訴える女性が増えている時代。往々にしてメナポーズを早く迎えるのは、 ワーカホリックの完璧主義者、ストレスに弱い女性、睡眠を十分取らず、休むことを知らないアドレナリン・ジャンキー・タイプの女性と言われているのだった。

年々痩せ難くなる状況を実感するアメリカ女性の間で、密かに支持を集めているのが スザンヌ・サマーズ著の一連のダイエット本。
どうして「密かに」なのかと言えば、スザンヌ・サマーズは主に40歳を過ぎた女性をターゲットにダイエット本を出版しており、 そのメイン・フォーカスとなっているのがホルモン・バランス。 彼女のセオリーでは、「40歳を過ぎたら ホルモン・バランスを理解しない限りは、どんなにダイエットをしても痩せられない」とのことで、 その著書では、メナポーズ、プレ・メナポーズを迎えても、セクシーであり続けるためのメソッドなども伝授しているのだった。
したがって、この本を手にする女性というのは、ホルモン・バランスが崩れかかっている30代後半か 40歳以上ということになる訳で、 ブック・ストアで彼女の本を手に取っている姿は、普通の女性ならば あまり人に見られたくないのが実際のところなのだった。

スザンヌ・サマーズの著書は、映画「セックス・アンド・ザ・シティ 2」にも登場し、 キム・カトゥラル扮するサマンサが、彼女の本に従ってホルモン・バランスを整えるためのサプリメントを多量に摂取するシーンが登場していたけれど、 そのスザンヌ・サマーズ本人は現在63歳。 これまでにも様々なエクササイズ器具やサプリメントを商品化しては、自らが出演するTV通販で販売してきた存在。
若さと、スリムな体型を保つことをライフワークにしてきたことでも 知られるセレブリティでもあるけれど、 私自身は、彼女のルックスがあまり好きではないのと、かつて極端なダイエット論を展開していた時期があっただけに、 それほど彼女の著書に興味を持つことは無かったのだった。

でも、私の友人はスザンヌ・サマーズの最新本「セクシー・フォーエヴァー:ハウ・トゥ・ファイト・ファット・アフター・フォーティー(40歳を過ぎて脂肪と戦う方法)」(写真左上) を読んで、そのメソッドを彼女なりに実践することによって 実際に体重を落としており、そのダイエット内容を熱っぽく解説してくれたのだった。
それによれば、彼女がスザンヌ・サマーズの本から得た最大の収穫は、ダイエット前にデトックスをするべきであるということ。
彼女はそれまで、デトックスというのはストレスが溜まった時や、不規則な生活が続いた時にするものだと思っていたというけれど、 ダイエットを効率良く行なうためには、デトックスをすることによって内臓、特に消化機能を高めておくことが非常に大切であることを 実感したというのだった。
デトックスを行なうと、消化機能が高まる結果、新陳代謝能力が自然に高まるのに加えて、快眠が得やすくなり、ストレス・ホルモンと呼ばれる コルティゾンの分泌が妨げられるとのこと。ちなみにコルティゾンは食欲を刺激するホルモンであり、 アメリカでは肥満との戦いはコルティゾンとの戦いとも言われるほど。
さらに、デトックスを行なうと胃が小さくなり、食欲がコントロールし易くなると同時に、食の好みが軽くなるので、 低カロリーの食事でも満足感が得やすくなるという。
逆に体内に毒素が溜まっている状態というのは、ストレス・ホルモンの影響で常に食欲が沸いて、それが抑えられなくなるのに加えて、 体内のトキシックが細胞のエイジングを早めるのでめ、新陳代謝能力が低下し、太り易く、軟弱な体質と精神力の衰えを招き、 ダイエットやエクササイズが非常に難しくなっていくという。

なので、私の友人はまずデトックスを行なってから、ダイエットをスタートしたのだそうで、そのデトックス・プログラムはCUBE New Yorkでも扱っている デヴィッド・カーシュンの48アワー・スーパー・チャージド・クレンズ。 これは私がかつて自ら実践して、彼女に薦めたことがあったもの。
やはりデトックス・プログラムがパッケージになっているのは、忙しいライフスタイルには非常に便利で、 彼女はサーモ・バブルスやプロテイン・シェイクを飲みながら、食欲を散らして 48時間のデトックス・プログラムを半日ほど延長して行なったというのだった。
その後は、ビックリするほど食欲がコントロールできるようになったのを実感したのだそうで、便秘も解消されたとのこと。 そして彼女は、その後1日1200〜1500カロリーの食事を続けて、ジムでエクササイズを週4〜5回行い、体重を6キロ落としたと話していたのだった。

これを聞いて、私もデトックスの必要性を大いに感じてしまったけれど、女性の場合、生理があるのでデトックスを始めるのに適しているのは生理の直後。 生理前や生理中に行なうと、効果が下がるだけでなく、必要以上に苦しい思いをする場合があるのだった。
デトックスというと、最も有名なプログラムは、ビヨンセが映画「ドリーム・ガールズ」の出演に際して、減量に成功したと言われる ”マスター・クレンズ・ダイエット” 。 レモネードを飲み続けるのがこのデトックスで、先述のデヴィッド・カーシュも叩き台はこのプログラムである。
でも、危険なのはデトックスとダイエットのコンセプトをゴッチャにして、痩せたいからといってデトックス・プログラムを続けること。 これは身体に負担を掛けるだけでなく、苦しい思いをしながら痩せ難い体質を作ってしまうだけ。 ビヨンセにしても、マスター・クレンズ・ダイエットは減量に弾みを付けるために行なったもので、 その後はカロリーを制限したダイエットを行なっており、そうでなければ「ドリーム・ガールズ」の振り付けのダンス・レッスンなどには、 耐えられなかったことが指摘されているのである。

デトックスを行なうと、その後、ある程度の低カロリー・ダイエットでも食欲がコントロール出来ると同時に、体力が沸いてきて、身体が軽く感じられるため、 エクササイズがこなせるようになるもの。そして、それがカロリー制限をした食生活との相乗効果を生み出して 体重が落とせるというのが ダイエットをスタートする前にデトックスを行なうべき理由。
でもデトックス・プログラムは低カロリー過ぎるのに加えて、マスター・クレンズ・ダイエットの場合、身体に必要な十分なたんぱく質が摂取できないので、 をダイエット・プログラムとして続けてしまうのは、大きな間違いなのである。
ちなみに、人間の身体に必要なたんぱく質の量は、体重1キロにつき1グラム。すなわち体重50キロの人であれば、50グラム。 植物性たんぱく質は、動物性たんぱく質に比べて吸収が悪いため、ヴェジタリアン、ヴェガンの人は、 それ以上を摂取する必要があることが指摘されているのだった。


フィジカル・セラピストによれば、デトックスは最長で1週間。それ以上続けても、効果には変化が無いとのことだったけれど、 定期的に行なうならば、例え1日でもジュース・ダイエットを行なって、消化器官を休めることは 非常に効果的なデトックスであるという。
またジュース・ダイエットでなくても、800キロ・カロリー程度に抑えた食事も消化器官に休息を与えることが出来るので、 野菜、果物を中心に食べて、アルコールとカフェインをカットすればデトックスの効果があるという。
スザンヌ・サマーズの著書では、デトックスは食事だけでなく、化粧品、洗剤、鍋、ペット・ボトルやプラスティックの容器など、 ありとあらゆる生活の中のトキシック(毒素)の排除に努めることが大切であると説明されていたというけれど、 これを実践することは、エコ・コンシャスなライフスタイルに切り替えること。 なので、身体だけでなく地球にとっても好ましいことなのだった。

ところで、私自身は週50キロを走りながらも、週に30キロしか走っていなかった頃に比べて 1.5キロ体重が増えてしまうという 状況になってしまったのだった。
これはホリデイ・シーズンにアルコールと高カロリーの食事が増えたしわ寄せもあるけれど、 走る量が増えた結果、身体がランニングというアクティビティに対してエフィシェンシー(効率化)をデベロップしてしまい、 以前より苦も無く1日10キロが走れる代わりに、以前ほどは カロリーを消費しなくなったことが理由の1つ。
さらに、走る時間が長くなった分、ウェイト・トレーニングの時間が激減してしまい、その結果筋肉が落ちてしまったことも 体重が増えた要因となっているのだった。
筋肉質な身体というのは、座っているだけでも余分にカロリーを燃やせるもの。 したがって 筋肉をデベロップしない限り、ハイ・メタボリズムは望めないのである。
ランニングなどの有酸素運動は、運動中にカロリーを燃やすけれど、カロリーを燃やし易い体質は作ってくれないもの。 でも、心臓の錆びが落とせる上に、脳に酸素を送り込み、細胞を活性化させるには最も有効な手段。
したがって、「筋力トレーニングと有酸素運動を組み合わせる」という誰もが唱えるエクササイズのセオリーは、 非常に正しいと思えるのだった。





執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。


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