Mar. 3 〜 Mar. 9 2008




” 私の選民思想 ”



今週末のアメリカはデイライト・セイヴィング。 時計の針を1時間進ませることによって 日曜の午前2時が午前3時になり、再び サマー・タイムに入った訳だけれど、このサマー・タイム入りは今年から 例年よりも3週間ほど早くなっている。
これは2005年に経済刺激策の一環としてサマー・タイムを長くする法案が可決されたためで、それまでは4月第1週の日曜に行われていた デイライト・セイヴィングが3月2週目に早められたのである。したがって アメリカに暮らしている側としては あっという間にまたサマータイムになったという印象なのである。
既に何度かこのコラムに書いているように、秋のサマータイム終了時は 時計を1時間遅らせることによって余分な時間が1時間増えるのが嬉しく感じられるけれど、 春先のサマー・タイムに突入する際は逆に1時間を失うことになる訳で、これは多くのアメリカ人にとって1時間睡眠時間を失うということ。 規則正しい生活をしていれば しているほど、この春先のデイライト・セイヴィングは身体に堪えるようで、 人によっては軽い時差ぼけ状態になって 身体のリズムを取り戻すのに2週間ほど掛かる場合もあるという。

そのデイライト・セイヴィングの日曜のニューヨークは前日の大雨とは打って変わっての晴天。 しかも、昨日までの午後5時が 時計を調節したことで 午後6時になっている訳であるから、突然日が長くなったように感じられて、 街を歩いていても 風こそは冷たくても 春の到来を実感してしまうもの。
さて過去3〜4年、春を感じる季節に企画していたのがCUBE New York が主催する ニューヨーク・エリア在住女性のネットワーク・パーティー。 既に昨年の秋頃から「次のネットワーク・パーティーは何時でしょう?」といったお問い合わせを頂いたり、 ニューヨーク州外に住んでいる方からも、パーティーのためにニューヨークに出てきて下さる という ご連絡を頂戴していたけれど、 今年は諸事情で 秋以降に延期となってしまったので、この場を借りてご報告いたします。
理由は、昨年まで使わせて頂いていた会場が 使えなくなったので、パーティーの場所探しからスタートすることになってしまったことが1つ。 しかもパーティーを行うのに適した日を 縁起をかつぐ私が3月、4月の週末の中から占いで選ぼうとすると、候補日が たった1日しか無くて、 その日までに会場探しをするのは、会社と個人の税金申告に追われている現在の私には不可能な難題。
5月が近づくと、日本のゴールデン・ウィークが始まるので その間は日本に一時帰国したり、日本から友人や家族がやってくる人たちが多いので 5月の前半までは計画出来ないし、5月末にはアメリカのメモリアル・デイの3連休ウィークエンドを控えており、 その間の開催も厳しいスケジュール。6月に入ると私自身が日本への一時帰国を計画していて、 7月、8月は夏休み期間なので、この時期の開催も不適切ということで、9月以降に延期を決めてしまったのだった。
現時点ではハリケーンのシーズンが一段落した10月半ば頃の開催を考えているけれど、 気に入った会場と、占いで良い日を選んで開催したいと思っているので、良い候補日が無い場合は、来年春まで持ち越しということも 考えているのだった。

私が会場や日にこだわるのは、過去にそれほど気に入らない会場や、占いでは奨励されない日にパーティーを行って 後悔した経験があるからで、年に1回しか行わないパーティーで、しかも準備も頭で思い描く以上に大変な部分があって、 会社の経費も使っている訳だから、「どうせパーティーをするならば 最善のオプションでパーティーを行うべき」と 心に決めているからである。
もちろん顔見知りだけに声を掛ける小さな集まりであれば それほど日や場所に気を使う必要が無い場合も多いけれど、 ネットワーク・パーティーの醍醐味は この狭いニューヨークの日本人社会で、それまで会ったことが無い新しい 人たちに出会って、新しい交友関係を広げること。 そのためには、参加してくださった女性達が お友達になりたいと思うような方たちが集まってくれなければ 有意義なパーティーにはならない訳で、 それを叶えるには占いで良い日を選ぶ事はマスト!なのである。
良い日を選ぶと、素敵な女性達が集まってくれるのはもちろん、会も盛り上がるし、生まれた交友関係が その場限りにならずに発展するという相乗効果を生み出すけれど、 逆に日が悪ければ、全てが逆のパターンになって せっかくパーティーを行う意義が無くなってしまう訳である。

ネットワーク・パーティーに限らず、初めての人に出会う日というのはその後の人間関係のバロメーターになるもので、 良い日に出会った人とは、長くビジネスが続けられたり、良い友達になったり、付かず離れずでも交信が途絶えなかったり、 後になって思わぬ縁が出てきたりするもの。 反面、あまり良くない日に縁が出来た人とは、努力してもしっくり行かなかったり、結果的に嫌な思いをすることになるケースが多いのである。 なので、仕事で人に会う時は極力良い日を選ぼうとするけれど、それが相手の都合であまり良くない日になった場合、 用心して見ているとやはり相手がそれなりの人だったり、良い人でも縁が無いケースが殆どで、 非常に感じ良くミーティングを終えたとしても、それ以上何処にも進まないものである。

でも自分で会社を経営しているメリットと言えるのは、自分が嫌いな人間や、信用できない人間とは一切ビジネスをする 必要が無いことで、私は個人的には会社経営はプレッシャーがあって大変だし、人一倍働かなければならないので 決してお奨めはしないけれど、 この部分だけは非常に 救いになっていたりする。
私の場合、嫌いな人とビジネスをしようとしても決して話が進まないし、利用されるだけ という経験をフリーランス時代に 随分してきたので、会社をスタートする時点では、自分が人間的に好きで、信頼できる人とだけビジネスをしようと心に決めていたのだった。 これはイタリア人の友人に言わせれば、当たり前のことだそうで イタリア人は友達になれる人とでないと仕事をしないのだという。
でも日本のコーポレート社会で仕事をしていた経験を持つ私としては、散々フリーランスとして利用されたり、雇い主に裏切り行為的な事をされるまでは、 「仕事は仕事と思って割り切って、嫌な人間とも上手くやっていかなければ・・・」という考えを持っていたし、 「職場には嫌な人間関係は付き物」と思ってきたのだった。
それでも自分で会社を興そうとした時点では、そういうネガティブ要素は一切自分のビジネスに持ち込まないと心に決めたので、一度雇ったロイヤーも、 一度仕事を依頼した会計士も、不安や信頼できない部分を感じたので替えてしまったし、 クレジット・カードのプロセス会社も、最初にアプローチした会社と埒が明かない思いがしたので、縁が無いと思って あっさり 現在も使っている会社に替えてしまったのだった。
無理な関係や、難しい相手とは 同じ事をするにも時間や労力を余分に取られるだけで、常にストレスを感じていなければならないもの。 でもそんな相手にあっさり見切りをつけて一度、信頼できる、話が通じる業者やロイヤーに出会うと、 単なるミーティングでも楽しく出来るし、全てがシンプルで、ストレス・フリーになるのである。

なので、私はCUBE New York で扱う商品も自分が気に入って愛用するような、自分が愛情が持てる商品しか取り扱わないことに決めていて、 「こんな物の何処が良いんだろう・・・」と自分が思うものは一切サイトには載せない主義である。 しかも、私はそれを自分の好きな人間から仕入れたいと考えていて、そういう自分が好きな人たちとの縁は往々にして長続きするもの。 ダイヤモンド・ディストリクトでも同じ4社とのビジネスをもう8年続けているし、 パシュミナも同じ業者から買い続けているし、ジェリー・ケリーやその他のバッグでCUBE New York に多大な利益をもたらしてくれた ベッソも以前の社長と とても仲が良かったので信頼していた会社。その仲良しだった社長は 彼のパートナーである現在の社長に会社を売ってベッソを去ってしまい、 それ以来あまりベッソからヒット・バッグが出てこなくなってしまったけれど、 要するに会社というのは人なのである。
最近はBKの売り上げがベッソを大きく上回っているけれど、付き合いは1年半ほどで比較的短くても BK は信頼できる人たちで運営されているので、 私にとってはビジネスをしていてとても楽な会社である。

とは言っても、会社も商品も好きで仕入れていた会社が、アメリカ支社のマネージャーが代わった途端に 仕入れのルールが厳しくなって、優秀だったスタッフが新体制に嫌気が差して辞めてしまい、 そういうケースに限って後任が愛想も無ければ、機転も利かない人間で、会社自体がすっかり嫌な存在になってしまうケースもあったりする。 その場合、たとえ商品が優秀でも どうしてもその会社とは疎遠になっていってしまうもので、その意味でも やはり会社というのは 人が大切なのである。

私が好きな商品を好きな会社や人間から仕入れたいと思うのは、別に仕事で楽をしたいと思うからではなくて、 自分の会社からポジティブなオーラを持つ商品を出荷したいと思うためである。 私は自分の体験から、ネガティブ要素がある商品やショッピングというのは、買った人を幸せに出来ないと 考えていて、自分がそういう嫌なショッピングをしたカタログや、ショップは 往々にしてその後 落ちぶれたり、閉店しているのである。 なので、会社の繁栄のためには 購入して下さった方がハッピーでリッチでリピーターになって下さるような ポジティブ・オーラを商品と一緒に送り出すことを とても大切だと思っているのである。
そもそも、私は幸福と不幸は伝染病みたいなものだと思っていて、文句や人の噂や悪口ばかり言っている人と一緒にいると、 自分も人の噂ばかり気にする、了見の狭い不幸な人間になっていってしまうけれど、その逆にハッピーで前向きで視野の広い人と一緒に居れば、 自分も世の中のいろいろな事に興味が持てて、下らない小さな事など気にせずに、楽しく生きていけるもの。 だから、不幸でネガティブな人が作っていたり、売っていたりする商品は買いたくない反面、 自信を持って商品を作っている業者や、常にハッピーなオーラを出している人からは、そのポジティブ・オーラごと買い取って、 そのままCUBE New York のお客様のところに発送したいと考えているのである。
なので、私は占いの日に加えて、会った人の雰囲気や電話の声などから受ける 直感で、 ビジネス・デシジョン(決断)を下してしまう場合も少なくないけれど、理屈や常識を優先させて これらを無視する方が 失策が多いだけに、こうした全く主観的な選民思想は、まんざら捨てた物ではないのである。

最後に、秋にネットワーク・パーティーを行うことが決定した場合は、なるべく早くこのコラムでお知らせします。 その時期に日本からニューヨークを訪れる予定がある方の参加も大歓迎です。





Catch of the Week No. 1 Mar. : 3 月 第 1 週


Catch of the Week No. 4 Feb. : 2 月 第 4 週


Catch of the Week No. 3 Feb. : 2 月 第 3 週


Catch of the Week No. 2 Feb. : 2 月 第 2 週






執筆者プロフィール

秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。
丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、1989年渡米。以来、マンハッタン在住。
FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。
その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.設立。以来、同社代表を務める。