Mar. 2 〜 Mar. 8 2015

"Traveling Alone to NYC? Why Not!" ”
NY 1人旅の薦め 2.0 ヴァージョン


今週は、政治面では 2016年の大統領選挙の最有力候補と見なされている ヒラリー・クリントンが国務長官時代に、 政府から支給されたEメール・アドレスを使用せず、 政府がらみの連絡事項も個人のEメール・アカウントで やり取りしていたことが、大きなスキャンダルになっていたけれど、 ニューヨークで 今週最大の報道になっていたのは、 木曜日にラガーディア空港で起こったデルタ航空の着陸事故のニュース。 ラガーディアと言えば、風が強く、滑走路が短いことで知られ、ただでさえ着陸が難しいことで知られる空港。 加えてこの日は、大雪のせいでその滑走路が滑り易く、視界も非常に悪く、運良く 乗員、乗客は全員無事ではあったものの、 果たして管制塔の着陸許可が適切であったか?などが捜査の対象になっているのだった。
この事故が起こった木曜には、サンタモニカ空港を飛び立ったハリソン・フォードが操縦するヴィンテージ・エアプレーンも エンジン故障で空港まで戻ることが出来ず、空港近隣のゴルフ場の不時着するというアクシデントが起こっており、 ハリソン・フォードも重傷を負ったものの、命には別状なく、無事病院に運び込まれているのだった。 ちなみに、ハリソン・フォードはセスナとヘリコプターの ライセンスを持つ飛行歴50年のベテラン・パイロット。近隣の民家やハイウェイを避けて ゴルフ・コースに不時着した彼の非常時の操縦ぶりは、プロのパイロットからも評価されていたのだった。




さて、アメリカは私がこのコラムを書いている3月8日、日曜日から、時計の針を1時間進めてサマー・タイムになったけれど、 昨日までの午後4時が、午後5時になるので、突然日照時間が長くなったという印象を受けて、何となく気分も明るくなるもの。 実際、サマータイムを導入する理由の1つは、アフター・ファイブに外が明るいと、 人々が積極的に外食やショッピング、シアターに出掛けるので、その経済効果を狙ったもの。

とは言っても、ニューヨーカーは世界で最も外食をする人々。 このため厳寒の真冬でも人気レストランは全く予約が取れない状況が続いていたけれど、 徐々に暖かくなってくると ただでさえ観光のシーズン・オフが無いニューヨークが、 ますます旅行者で混み合ってくるのは毎年のこと。 そのニューヨークの旅行者で、昨今最もお金を落としていくのは、 2年ほど前にダントツだったブラジル人を抜いて、今は中国人。 そして特に買い漁って行くのがラグジュアリー・アイテム。

そんな中、今週ロサンジェルスで摘発されたのが、中国の富裕層の間で3〜4年ほど前から大流行になっている、 アメリカ国籍目当ての出産旅行のビジネス。 これは「バース・ツーリズム」と呼ばれるもので、アメリカ国内で生まれれば、 例え親が外国人旅行者でも子供はアメリカ国籍を取得できるという合衆国憲法を利用して、 生まれてくる子供のアメリカ国籍取得を目的に、アメリカで出産しようとする中国人妊婦を対象としているのだった。
バース・ツーリズムは 出産医療費を含めない 滞在費と手数料だけで500〜900万円と言われており、 中国人妊婦に米国入国審査で妊娠を悟られない方法を指導し、 審査の甘い空港を狙って入国させ、その後は 出産までの滞在を世話すると同時に、 子供の出生証明書の提出、アメリカ人パスポートの手配などを請け負うのがその業務。 これに申し込む中国人は富裕層なので、妊婦が滞在するのはホテルのようなサービスを提供する高級アパート。 滞在中にはショッピング・ツアーやスパ・トリートメントが別料金でプログラムに組み込まれているとのこと。
移民政策を担当するホームランド・セキュリティが頭を痛めているのは、 たとえ国籍取得目当ての計画出産であっても、旅行者がアメリカ国内で子供を出産するのは合法であるため、 出産費用の踏み倒しや、移民法違反行為でもない限りは、その取り締まりが出来ないこと。 でもこのトレンドを受けて、今後上院では旅行者が出産した子供には国籍を与えない法案が審議される可能性が浮上しているのだった。
中国人の富裕層が子供にアメリカ国籍を持たせようとする理由は、 社会的ステータスに加えて、子供がアメリカで高等教育を受けられるようにするため。 滞在/出産地として人気なのは、やはりニューヨークとロサンジェルスなのだった。




そんなバース・ツーリズム以外でも増えているのが中国人旅行者で、かつては身なりが良いアジア人旅行者と言えば、 往々にして日本人であったけれど、今ではすっかりそれが中国人になりつつある状況。
日本人旅行者について言えば、私がNYの街中で見かける日本人女性旅行者は圧倒的に2人で歩いている例が多いけけれど、 旅行を趣味にしている人に言わせると、最も不完全燃焼になりがちなのがカップルではなく、友達、 それも旅慣れていない相手と2人で出掛ける旅行。 というのは、この手の相手は絶対に1人で行動したがらないので、 往々にしてせっかくの旅行時間の50%を相手のやりたい事、行きたい場所に取られてしまうため。 まだこれが3人、4人の旅行であれば、友達と分かれて個人行動をするオプションがあるので、 50%を付き合いで無駄にすることは無いのだった。

かく言う私は、以前から「ニューヨークほど1人旅に適した街は無い」という意見の持ち主で、 Cube New Yorkスタート当時に 私が書いたのが 「ニューヨーク、一人旅の薦め」という記事。
この記事はその後3年ほど、サイトの中で最もアクセス数が多い記事になっていて、 それに関するお問い合わせも多数頂いたことを記憶しているけれど、 私に言わせると 「マンハッタンは東京よりもはるかに安全」。 日本人だけでなく、多くの外国人や、州外から来るアメリカ人でさえ、「ニューヨークは危険」という強い先入観を持っているけれど、 ニューヨークでは、地方の学校やショッピング・モールで頻発する銃乱射事件などは起こった事が無いのが実情。 また地下鉄の駅でも、ストリートでも、常に多くの人々が居るので、それだけでも安心感が得られだけでなく、 1人で困っていると 必ず誰かが助けてくれるのがニューヨーク。 見て見ぬふりをして、誰も助けてくれないようなことはニューヨークではあり得ないとさえ断言できるのだった。

さらに、街は道が碁盤の目のようになっているので、 ウエスト・ヴィレッジ以外はナビゲーションが非常に簡単。 雨の日以外は簡単にタクシーがつかまる上に、 運賃は日本と比べたら格安。
そもそもマンハッタン島は東京の世田谷区のサイズ。 さほど広いエリアではないので、歩き易いシューズさえ履いていたら、交通機関を使わずに移動もできるのだった。
要するに自分で興味がある場所や、一度は行っておきたいスポットに、 1人でも臆する事無く簡単に行きつけて、それが1人でも楽しめるのがニューヨーク。 特に人と一緒に行動する必要が無い街と言えるのだった。


でも一人旅で一番困るのは、やはりディナー。1人で美味しいカジュアルなランチを楽しめるスポットはいくらでもあるけれど、 せっかくニューヨークに来たのなら、有名レストランや、人気のレストランでディナーを楽しみたいと思うjのは当然のこと。 でもそういった有名店や人気店ほど、一人で出掛けるのに向かない場合が多いのもまた実情。
例えば、かなり以前に どうしてもピーター・ルーガーに行きたいという 日本からの一人旅の女性がいらしたけれど、ピーター・ルーガーは一人で出掛けるべきでないレストランの代表選手。 ステーキ2人前とサイド・ディッシュ2皿程度が日本人女性3人のディナーに適した量なので、 1人では量が多すぎる上に、女性1人で勝手が分からないブルックリンに夜間地下鉄で出掛けるのはお薦めしないこと。 だからと言ってタクシーを使えば、ただでさえシェアが出来ずに割高になっているディナーが 益々高くなってしまうのだった。
この女性は「ランチのハンバーガーでも良いから行きたい」とまで言っていらしたけれど、 ピーター・ルーガーのバーガーはわざわざ川を越えて食べに行くほどは美味しくないので、それだったら マンハッタンのシェイクシャックに行く方が、「近い、安い、美味しい」という メリットがあるのだった。
結局この時は、私の友人がピーター・ルーガーのディナーの企画をしてくれて、私がその女性をお誘いして、 ご一緒することになったけれど、彼女はステーキの美味しさもさることながら、 私の友人達と様々なニューヨークの話をしながら味わう食事の楽しさを後々まで語っていたのだった。


この時から私が考えていたのが、一人旅でニューヨークにいらっしゃる女性のサポート・サービスであったけれど、 実は私の知人が、ディナー相手の派遣サービスを日本からの出張者などを対象にやっていた時期があって、 その時に語っていたのが、「派遣者がどんなに良く喋る人でも、共通の話題が無い場合は、さっさと食べて、さっさと帰るだけのつまらないディナーになる」ということ。
そんなこともあって、このサポートについてはしばらく忘れていたけれど、昨年 Cube New Yorkの留学ビジネスである Will New Yorkをスタートした際に、ふと思ったのが 「Will New Yorkのサービスなら、1人旅でいらっしゃる方の様々なサポートが出来るかもしれない」ということ。
そこで、今年からサービス・ラインナップに加えたのがレクチャー・ディナーというアイデア。 Will New Yorkでは、1週間、2週間、4週間の留学プログラムの間に、 様々なクラスやセラピー、レクチャーを受けて頂くことになっているけれど、これらのクラスは今後、普通にご旅行でニューヨークにいらっしゃる方や、 ニューヨーク在住の方々にもオファーしていくもの。 なので ご旅行でいらした場合にも、クラスやセッションを取っていただくことが可能であるけれど、それと同等のセッションを レストランでのディナーを楽しみながらでも受けていただけるのが ”レクチャー・ディナー” のプログラム。 このレクチャー・ディナーには、私のお友達で NYerのセクションにご登場下さった 不動産ブローカーの村松京子さん風水師の正子 アマーティさんにも ご協力頂くことになっているけれど、 NYで実際に活躍している気さくな日本人女性と、自分の興味がある題材を中心にお話をすることは、 楽しい経験になるだけでなく、非常に良い勉強の機会。
私が思うにニューヨークにやってきたら来たら、ブロードウェイ・ミュージカルや夜景が見えるラウンジなど 旅行者の定番スケジュールだけでなく、現地のニューヨーカーと何らかの交流を持つのが旅の醍醐味。 そして現地のニューヨーカーだからこそ知るスポットやイベントに出かけて、本当のニューヨーカーがどんな風にナイトライフを過ごしているか、 どんなファッションを身につけて、どんな会話をして、どんなドリンクをオーダーして、どんな風に社交をしているかなどを 実際のニューヨーカーから体得するのは、非常に得がたい経験。
「ニューヨークに行って、そんな事をしたところでどうなるの?」と冷めた事を言っていた人でさえ、 一度ニューヨークでそういう思いをすると、「人生が変わる」とまで言ってくれるので、 友達とではなく、1人でニューヨークにやってくることは、私が絶対にお薦めする人生のトライアル。

そういう自立心や、チャレンジ精神を持っていらしてくださる方々を応援するのもWill New Yorkのサービスなので、 ニューヨークに1人旅でやって来たいという方は、是非お気軽にご相談いただけたらと思います。
ちなみにWill New Yorkの2015年の 1週間、2週間、4週間の留学プログラムは今週中に発表されます。 是非こちらもチェックしていただければと思います。


Will New York 宿泊施設滞在



執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。




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