Mar. 19 〜 Mar. 25, 2012

” What Men And Women Notice On Dates? ”

今週のアメリカで最も話題になっていたのが、2月26日にフロリダで 地元住宅区域の警備によって射殺されたティーンエイジャー、トレイヴォン・マーティン(写真左上、オバマ大統領の隣の写真の少年)の事件。
この事件は、ストアで買い物をした後、住宅街を歩いていた17歳のトレイヴォン・マーティンが、その区域の身回りの警備である、ジョージ・ジマーマンに 正当防衛を理由に射殺されたというもの。しかしながら、彼は武器など一切持っておらず、そのポケットの中に入っていたのはキャンディとアイス・ティーのボトルだったというもの。 しかしフロリダの現地の警察は、ジマーマンの正当防衛を覆すだけの証拠がないとして、彼を不起訴処分にしており、 これを不服としたトレヴォンの両親が、 ツイッター上で彼の逮捕と起訴を求める署名運動を起こしていたのだった。
この事件は、今週火曜日朝に最もツイートされたトピックになり、この日に署名を行なった人々の数は、1時間当たり1万人以上。 火曜の夜の段階では、何と63万8000人が署名するメガ・ムーブメントになったのだった。
ジマーマンがトレイヴォンを 不審に思う きっかけとなったと言われるのが、彼が黒人少年で、フードを被って うつむいており、怪しげであったということ。 これを受けて、NBAのマイアミ・ヒートは、チーム全体がフードを被ってうつむいた写真を撮影して、ツイッターにアップした他、 シンガーのシエロ・グリーンもフードを被った自分の写真をアップして、「これで自分も怪しげに見えるだろう?」と 皮肉交じりのツイートをしているけれど、 今週は、ニューヨークやシカゴでもこの射殺、及びこのところ頻繁に起こる 警官による黒人少年の射殺と、それに至るレイシャル・プロファイリング (主にアフリカ系アメリカ人に対して、挙動とは無関係に不審を抱くこと)に対する 抗議デモが行なわれていたのだった。

また金曜にはオバマ大統領もこの問題について言及し、人種については触れなかったものの、「もし自分に息子が居たら、 トレイヴォンのようなルックスだっただろう」として、息子を失ったトレヴォンの両親を気遣う一方で、 事件について納得の行く捜査がされるようコメントしていたのだった。
捜査については、ジマーマンを不起訴処分にしたフロリダの地元警察はあてにならないとして、 FBIが動くことが見込まれてるけれど、実際のところ何故、ジマーマンがトレイヴォンを射殺に至ったのか、 そのプロセスは現時点では謎に包まれているのだった。

今週、もう1つ大きな話題になっていたのが、昨シーズンのNFLでセンセーションを巻き起こし、「ティーボーイング」のトレンドを 生み出したティム・ティーボー(写真上右側)がデンバー・ブロンコからニューヨーク・ジェッツにトレードされたというニュース。
そもそも彼が全米にセンセーションを巻き起こしながらもトレードされたのは、彼より遥かに優れたクォーターバック、 ペイトン・マニングがフリー・エージェントとなり、デンバー・ブロンコが彼の獲得に動いたため。 ペイトン・マニングは、過去にリーグMVPを史上最多の4回受賞している名クォーターバックで、ニューヨーク・ジャイアンツのクォーターバック、 イライ・マニングの兄。父親のアーチー・マニングも、カレッジ・フットボールの殿堂入りを果たしており、 セカンド・クラス・クォーターバックのティム・ティーボーとは DNAの段階からレベルが違うと見なされるプレーヤー。
ニューヨーク・ジェッツも 当初ペイトン・マニング獲得に動いたものの、あまりに望みが無いために断念。 現在のクォーターバック、マーク・サンチェスをキープすることにしたけれど、今週、彼のバックアップ・クォーターバックとして契約したのが ティム・ティーボー。
でもシビアで知られるニューヨークのスポーツ・メディアと、同じくシビアで知られるニューヨークのスポーツファンは、 ジェッツのティム・ティーボー獲得を諸手を上げて歓迎しているわけではなく、 「レベルの低いクォーターバックを2人も揃えてどうする?」といった指摘も聞かれる状態。
自称ヴァージンの敬虔なクリスチャンとして知られるティーボーが、果たしてニューヨーク、それも チーム内がガタガタになっていることで知られるニューヨーク・ジェッツで、どう生き残っていくかが 興味深く見守られるところであるけれど、スポーツ・メディアにとって、彼が格好の報道ネタであることは間違いないのだった。



ところで、今週のニューヨークは春を通り越して、まるで初夏のような陽気。
私が土曜日にセントラル・パークを走った時点で、サクラはほぼ満開。その他 水仙、つつじ、もくれん等が 一気に花開いて、パーク内が様々なトーンのピンクや イエロー&ホワイトに染まっていたのだった。
なので、パークを走るランナーの数も何時に無く多かったけれど、セントラル・パークは パークを1周するループを 時計と逆周りに走る人が殆ど。 したがって、私より早いランナーでも、遅いランナーでも その後ろ姿を見ながら走ることになるけれど、 女性ランナーを後ろから眺めていて、まず目が行くのが髪の毛。 それから身体全体の印象、着ているウェア、ウエストからヒップ、脚、走り方などに目が行くことになるけれど、 時々、惚れ惚れするような素晴らしいロングヘアで走っている女性を見かけると、その艶や 走るモーションで動く髪の毛の様子に 目が釘付けになって、家に戻った途端に、思わずカルシウムやバイオティンのサプリメントを飲んでしまうことさえあるのだった。

でも、女性の髪の毛にまず目が行くのは私だけではないようで、今週報じられた 「男性、女性は、それぞれ異性の何処に最初に目が行くか?」の 調査結果によれば、男性の何と74%が、女性に惹かれるきっかけとなる 外観のポイントとして挙げていたのが髪の毛。 60%もの男性が 胸が大きな女性よりも、髪の毛が素晴らしい女性とデートをしたいと考えていることがレポートされているのだった。
また、女性に対して興味がある、無いは別として、44%の男性が初対面の女性に対して 「まず目が行くのが髪の毛」と答えており、 髪の毛以外で、男性の目が行く箇所としては、服装と答えた男性が26%、脚と答えた男性が25%になっているのだった。


この調査結果は、メディアにはかなりショッキングに受取られていたけれど、 同調査とは別に行なわれたアンケートでも、年齢を問わず男性が好んでいたのが美しい髪の毛、中でもロング・ヘア。
昨今はエクステンションのブームで、時に日本円で数十万円を掛けて フェイクの完璧ヘアを演出する女性も少なくないけれど、 中にはそれを熟知している男性も居て、アンケート調査の結果の中には、”ナチュラルでヘルシーなヘア” という注文をつける声も聞かれていたのだった。
特に男性が弱いとされるのは ヘア・フリッピング。これは首を振ってヘアに動きを与える仕草で、 タイミング良くこれを行なうと、男性を誘惑することが出来るとさえ言われるのだった。
ところで、欧米の男性は ヘア・カラーの好みまで はっきり決まっている場合が多いけれど、 ヘア・カラーによって人気のヘア・スタイルも異なっていて、 ブルネットの場合、ケイト・ミドルトンに代表されるようなストレート・ヘア、もしくは毛先だけをカールした、髪質のヘルシーさをアピールする ヘア・スタイルが圧倒的な支持を集めているのに対して、ブロンド&ダーク・ブロンドは、ジゼル・ブンチェンに代表されるような 整いすぎない ナチュラルでボリュームのあるスタイルがセクシーとされているのだった。


ひと度、会話をするくらい距離が近づくと、男性の視線が行くのが 意外にも目よりも唇。
これは 50人の男性を対象に、目の動きを追うことによって得た調査結果で、女性と会話を始めて 10秒が経過すると、その後 話している間に、男性の視線が最も注がれるのが唇。
この際、重要なポイントになってくるのがカラーで、ピンクの唇は男性の視線を平均で 6.7秒惹きつけるとのことで、 これがレッドの唇になると、それが7.3秒に伸びるという。 でも何もつけていないリップは、僅か2.2秒で男性の視線が他に行ってしまうそうで、ヌード・カラーのリップもピンクやレッドに比べると、 パワーが弱まるとのこと。
カラーのパワーは かなり強力なようで、そもそも男性はふっくらした唇を好むものだけれど、唇が薄い女性でも ひとたびピンクやレッドのリップ・カラーをアプライすれば、男性の視線が止まる時間が40%も増えるという。
さらに言えば、マットなリップスティックよりは リップ・グロスでウェットに仕上た方が、男性の視線が長く唇に注がれることも報告されているのだった。


アメリカでは、初対面の異性に対する男女のアティテュードの違いを 「Men Look, Women See / メン・ルック、ウィメン・シー」という 表現で言い表す場合があるけれど、これは正に言いえて妙。
「Look」も「See」も 共に”見る” という意味の動詞ではあるけれど、「Look」という言葉が単に外観を眺める場合に使われるのに対して、 「See」という言葉は、「I see」というセンテンスが「分かりました」という意味になることからも分かる通り、 知覚的に眺める、すなわち 「見て理解する」という意味合いがある言葉。
すなわち、男性がヘアやリップなど、外観のポイントに気を取られている間に、女性は 相手がどんな仕事をして、どんな育ちで、どんな人間性であるかを、外観、仕草、身なり、会話の内容から観察しているというのが 「Women See」と 表現される要因になっているのだった。

したがって、男性の方がシビアな視線で見られていることになるけれど、女性の目の方がさらに厳しいと言えるのは、 例えば明らかに高価な持ち物やファッショナブルな服装の男性を見ても、 「外観ばかりに気を使うナルシストにちがいない!」、「自分にだけお金を使う ケチかもしれない!」 といった偏見を抱く場合があって、必ずしも「経済力がありそう!」と飛びついて来る訳ではないこと。
加えて、女性は真剣な付き合いを求めている場合、結婚後の生活を考えるので、「金遣いが荒らそう」という印象や、 「より多くの女性を引っ掛けるために、高級品で身を固めている」というような印象を与えた場合は、せっかくの高額時計やシューズ、 ファッショナブルなアウトフィットも、逆にマイナスになるのだった。

また、同じ理由で 過度にお金を使うデートをするのも、よほど稼いでいない限りは 「経済観念が無い」と判断される要因。 なので、高額レストランでよそよそしいディナーをするより、 バラの花一本をタイミング良くプレゼントしたり、 バースデーや出会った日を覚えているというようなロマンティックな心遣いを見せる方が、 女性に好感を抱かれることが指摘されているのだった。

男性にとっても、女性にとっても、「コレだけはお断り!」というのは不潔、不衛生であること。 特に、口臭と体臭は 男女が共に嫌う不衛生のポイントになっているのだった。
逆に、男女共通して「魅力を感じる」と答えたのが、フィットした健康的なボディ。 シングル男性の47%は、「ガールフレンドが肥満になったら別れる」 と答えているというけれど、 男性でも女性でも、自分自身がエクササイズを定期的に行なって、健康やボディに気を遣っている人ほど、 相手の体型を プライオリティに挙げているのだった。
さらに、アクティブなライフスタイルを送っている男女は、一緒にスポーツが出来る相手を求める傾向も強いとのことで、 鍛えたボディをしていて、デート兼エクササイズが出来そうな相手というのは、 好印象を与えるとのこと。 その反面、いくらヨガ・クラスで出会ったとしても、男性がビール腹であったりすれば、女性が惹かれる可能性は極めて低いといわれているのだった。

基本的には、女性はそこそこちゃんとしたメークをして、ヘアさえ整えておけば、何らかの出会いがあると言える訳であるけれど、 実際にヘアとメークというのは、TV番組のメイクオーバーでも、最も力が注がれるポイント。
リアリティTV、「アメリカン・アイドル」でもコンテスタントが勝ち進んで、どんどん垢抜けたルックスになっていくのは、 ヘア・スタイリストやメークアップ・アーティスト、そしてファッション・スタイリストがついて、毎週のようにヘア、メーク、ファッションのメークオーバーを 繰り返していくため。 なので、男性の注目を集めたいと思ったら、これらのメイクオーバーが 最も確実な解決策と言えるのだった。


でも出会いから交際の段階に進むと、そこから物を言ってくるのが人間性。 これが特に要求されるのは、やはり男性の側。
カップルとして行動した場合に、マナー、社会性、金銭感覚などにおいて、恥ずかしい思いをさせられる相手とは、 結局は破局を迎えることになるもの。 例えば、友達に紹介した際に社交性が無い、人に合わせられず 常にマイペース、食事の食べ方が汚い、マナーを知らない、必要以上にケチ、 必要以上に周囲に気前が良い、感情の起伏が抑えられないというような男性は、どんなに好条件が揃っていたとしても 遅かれ早かれ、女性が去っていくのが シナリオなのだった。


私がこのコラムを書いている3月25日に、タイガー・ウッズが アーノルド・パーマー・インヴィテーショナルで セックス・スキャンダル以来 初の 勝利を収めているけれど、2日後、3月27日発売されることになっているのが、 2010年まで6年間、タイガー・ウッズのスイング・コーチを務めたハンク・ヘンシーによる タイガーの暴露本、「Big Miss / ビッグ・ミス」。
この本によれば、タイガー・ウッズはメディアでチャーミングに振舞える一方で、非常に冷たく、ヘンシーを含む彼の周囲のスタッフを「友達」と 言いながらも、決して友達として扱ったことが無かったという。 タイガーは、イレン元夫人を含む、彼のスタッフ数人で食事をする際、1人で物凄いスピードで食べ終えて、他のメンバーが未だ食事をしていても、 「全員 自分と一緒に立ち去らなければいけない」という雰囲気で、テーブルを立ってしまうのが常であったとのこと。
またフードのデリバリーをオーダーした際に、タイガーが支払うことは全く無く、彼は自分がケチであることが面白いとさえ思っていたという。
さらに、ヘンシーはタイガーがPGAツアー中に滞在しているホテルで、24時間のポルノ・チャンネルのパッケージをオーダーするなど、 そのポルノ好きにも触れていたけれど、その一方でライバル・ゴルファーのフィル・ミケルソンの体型を馬鹿にするなど、 仲間のゴルファーに対して フレンドリーとは ほど遠い態度であったことも明らかにしているのだった。

こんな内容を読むと、彼が愛人スキャンダルで窮地に立ったときに、周囲があまりプロテクトしてくれなかった理由が察せられるけれど、 タイガーのように若くして有名になったり、サクセスを収めた男性、もしくは生まれながらにして億万長者というようなトラストファンド・ベイビーと呼ばれる メガリッチ・ファミリーの子息というのは、表向きはチャーミングでも、実はとんでもなく 我がままであったり、社会性が無かったり、 暴力的と言えるほど短気であったりするというのは、時に指摘されること。
かつて、私の友人のブロンド美女が、ニューヨークにあるミリオネア・マッチメーキング・サービスを通じて紹介された大金持ちの男性も、 タイムワーナー・センター内の数億円のコンドミニアムに暮らし、マセラティを所有し、ハンプトンにビーチ・ハウスを構え、 10万円以上のシューズに、数十万円のカスタム・メイドのスーツを着用する40代前半で、ルックスも悪くなかったというけれど、 一緒に居て恐ろしいほどに社会性や常識が無く、会話が成り立たなかったと言っていたのだった。

果たして、タイガー・ウッズがスキャンダルをきっかけに こうした態度を改めたかどうかは定かではないけれど、 あんな愛人スキャンダルの後も、「アグレッシブに迫ってくる女性が 後を絶たない」と彼はヘンシーに語っていたという。
とは言っても、離婚したイレン夫人は、当初タイガーに興味を示さないことで、彼を射止めているので、 彼にアグレッシブに迫る女性のサクセス率がどの程度であるかは疑わしいけれど、 時にこうした女性が狙っているのは、一度でもタイガーと関係して、それをメディアで明らかにして有名になることであったりするもの。
また、あれだけのスキャンダルの後だと、 彼に理想の伴侶としてのクォリティが求められないことも 女性は理解しているはずであるけれど、 それでも セレブリティの場合、やはり ”ケチ ” というのは、 いろいろな形で 後から足を引っ張られる要因になると思うのだった。

最後に、異性を射止めるにはルックスが良いに越したことはないけれど、アメリカ人の男女を対象にした調査で、 グッド・ルッキングよりパワーがあるという調査結果を得たのがスマイル。
70%以上の男女が、表情の無いグッド・ルッキングよりも、多少ルックスが劣っても頻繁に微笑んで、表情が活き活きしている方が 魅力的だと答えており、「腐っても鯛」は人を惹きつけるのには通用しないコンセプトになっているのだった。





執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。


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