Mar. 28 〜 Apr. 2
コレクター癖 をポジティブに捕らえるために・・・
今週末のアメリカは、時計を1時間進ませて、サマー・タイムに突入するデイライト・セイビング。
コンピューターやDVDレコーダーを始めとする電器製品は、今では自動的に時間を直してくれるものの、
壁掛け時計や腕時計等、手作業で時間を調整しなければならない時計の数は、私の場合10個。
1つでも直し忘れていると、それが原因で遅刻することになるので、私は一気に全ての時間を直すようにしているけれど、
これは結構な手間であるし、加えて春のデイライト・セイビングは睡眠時間を1時間失うものなので、
さらに面倒に感じられるものである。
でもサマー・タイムが始まると、それまでの午後の4時が 午後5時になる訳だから、突然 日が長くなった思いを実感するし、
仕事が終わってオフィスを出てきて、未だ外が明るいと、家に真っ直ぐ帰るのがもったいない気がして、
ドリンクや食事、もしくはショッピングに出掛けたくなるものである。だからサマー・タイムが経済効果を生み出すというのは、
アメリカに住んでいると本当に実感するものであったりする。
さて、サマータイムと共にアメリカでスタートするものと言えば、ベースボール・シーズンであり、
「春」という季節。
アメリカの春は、日本の新学期のような意味合いはないけれど、「スプリング・クリーニング」という言葉があるとおり、
身の回りの要らないものを捨てて、掃除をする季節であり、同時にビーチ・シーズンにそなえて、エクササイズやダイエットに励む時期。
アメリカでは、ジムが混み合うのは、1月と4〜5月と言われており、
1月は、多くのアメリカ人が「今年こそは健康的に!」と目標を掲げたり、ホリデイ・シーズンに増えた体重を
落とすためにジムに通うけれど、その意気込みも3月になる頃には衰えてくるもの。
でも春を迎えて、ビーチ・シーズンが近付いてきたのを実感すると、またワークアウトやダイエットに取り組む人たちが増えてくるのである。
私自身、2月半ば頃から何となく 身体が重たいと思ったら、案の定、体重が増えていて、
2月3週目に久々にジムに出掛けたところ、私のデータをチェックしたジムのマネージャーに、
12月21日以来、2ヶ月ぶりのワークアウトだと告げられてしまったのだった。
身軽にしなければいけないのは、体重だけでなく、部屋の中、私の場合、クローゼットの中も同様で、
スプリング・クリーニングで、私が毎年行うのは、着ない服をリセール・ショップに持って行くものと、サルべーション・アーミーに寄付するものに
分けて、クローゼットに隙間を作ることである。
そもそもサンプル・セールで服を買うことが多い私は、着ない服に早めに見切りを付けてリセール・ショップに持っていくと、
買った値段の半分くらいが戻ってくることも珍しくなく、それを思うからこそセールだとポンポン服を買ってしまう傾向が強いのである。
でも、一度も着用しないで、プライス・タグがついたままリセール・ショップに持っていく服も少なくないため、
時に自分のした投資が無駄になったことを情けなく思うこともあるけれど、
そもそも私には蒐集癖があるし、ファッションは小さい頃からすごく好きなものなので、
お金が許す限りは、気に入った服を買うというポリシーを続けてきた訳である。
とは言っても、私を含め、多くの女性は、毎シーズン、コア(中軸)になるアイテムやコーディネートがあって、
その服装で、季節の殆どを過ごしている訳である。
私の場合、秋冬シーズンに関してはタートル・ネックとレザー・スカートで殆どのオケージョンを片付けており、
それだけに、タートル・ネックは長袖、半袖、ノースリーブを、ブラック、ブラウン、グレー、ホワイトの4色で揃えており、
レザー・スカートもスウェードやパイソンも含めれば11枚がクローゼットに下がっているけれど、
考えてみれば その中で特に着用頻度が高いのは、上下それぞれ4枚程度である。
すなわち、タートルネック8枚とレザー・スカート7枚は、ワードローブに無くても暮らして生けるアイテムな訳だけれど、
ゴミを捨てられない人の言い訳によく用いられる 「いつか使うかもしれない」的な、「いつか着るかもしれない・・・」という
気持ちから、これらをクローゼットから追い出せないのである。
また、厄介なのは、ブラック・ドレスというカテゴリー。ニューヨークに暮らしていると
ブラック・ドレスほど便利なものは無い訳で、様々なオケージョンやシーズンを考慮してこれを増やしていった結果、
私のクローゼットには、現在22枚のブラック・ドレスが存在していることが判明したけれど、
これらは、毎シーズン増えて行くことはあっても、決して減ることは無いのである。
さらに、どうしてもクローゼットから除去できないのはメモラビリア的アイテム。
生まれて初めて買ったシャネル・スーツや、生前のジャンニ・ヴェルサーチがデザインしたカクテル・ドレス、
成人式で着物の代わりに着たサンローランなどは、
自分の中で価値があり過ぎて、これから1度も着用しないことが分かっていても、クローゼットに置いておきたいものなのである。
そこでふと気が付くのは、私にとっては、服やシューズというものは、実生活で着用する用途だけでなく、
ある種 オブジェ的な役割や、クローゼットに下がっているだけで気分的に楽しませてくれる、満足させてくれるという精神面への効用も
持ち合わせていること。
今年のスプリング・クリーニングで、私はピンク色のマーク・ジェイコブスとシャネルのドレスをプライス・タグが付いたまま
リセール・ショップに持って行ったけれど、一度も着用しなかった服としては、本当に馬鹿げた金額を数年前に支払っているのである。
この2枚は、「着ようと思う度に、結局は別の服で出掛ける」 という繰り返しで、一度も着用せずに終わったので、
私とはほとほと縁が無かったのだと思うけれど、これらがクローゼットに下がっていたお陰で、
ピンクの服に対する私の欲求は打ち止めになっていたし、これらが無ければ、この2枚を着用しようとしていたオケージョンの数々のために、
別の無駄な出費を繰り返していたと思うのである。
この2枚のドレスが、もしリセール・ショップが付けた価格通りで売れてくれた場合、私の手元には700ドル程度が戻ることになるけれど、
服やシューズというのは、売値が買値を上回ることは まずあり得ないアイテムで、自己満足以外のためには蒐集しても利益をもたらさないアイテムである。
ファッションの中で唯一例外と言えるのはバッグで、私の友人は以前、エルメスのバーキンを売って、
20万円の利益を上げたことがあるけれど、私自身も、フェンディのバゲット・ブームの際、所有していた7つのバゲットの売り買いを
繰り返して、4000ドルほど儲けたことがある。
かつて、知人が、「ものを集めるのが好きで、実際に使ったり、着用したりしなくても、手元に存在しているだけで、
満足感や楽しみが得られるのであれば、コインや切手を収集した方が財産になるのでは?」と 冗談半分で
アドバイスしてくれたことがあるけれど、集めて楽しみが得られるのは、集めている物に対して愛情が注げるからであり、
私はコインにも切手にも興味はないし、これらの市場は既にコレクターが多すぎて、よほどレアなものを持っていない限り、
大した財産にはならないのが実情なのである。
その意味で、今、私がコレクターには程遠いものの、少しずつお金を注いでいるのは、以前にもこのコラムに書いたワインである。
ワインは、プロデューサーとヴィンテージを選べば、置いておけばおくほど価値が上がるもので、味も向上するもの。
数年後に興味が薄れて売ろうとした場合も、価格が下がっているというということは先ずないのである。
ワインを集めるようになってから知ったのは、アメリカにはワイン・ショップではなく、個人でワインの売買をして収入を得ている人達が
沢山居るということ。
もちろん私は飲むことを前提にワインを買っていて、投資目的ではないけれど、
ファッションとて、着ることを前提に買っていても、貯まって来れば 売ることを考えなければならない訳で、
ワインもファッション同様、売ろうとした時に売りやすいブランド=プロデューサーを選ぶのが私の購入戦略である。
そこで私が集め始めているのが当たり年とラベルにコレクター性のあるヴィンテージのムートン・ロスチャイルド(ロートシルト)と
カリフォルニア・カルトのハーランだけれど、どちらもアメリカで買えば、マノーロ・ブラーニック1足より安く、
飲んでも良いし、将来 売っても良いし・・・と思いながら、ワイン・リフリジレーターに入れて眺めているうちに価値が上がって行くというのは、
今の私にとっては新鮮な喜びだったりするのである。
私の場合、常に何かを蒐集していなければならないのは、生まれ持った性分あり 宿命でもあるけれど、
同時に何をやっても顔を出すのがバーゲン・ハンターという性分。
だから、ワインも市場価格より必ず安い値段で手に入れることに、生き甲斐を感じていたりする。
つい3週間ほど前のクリスティーズのオークションでは、あのロバート・パーカー氏が100点満点をつけたムートンの82年を、
アメリカの小売価格で800〜1000ドル、日本では私の友人が何処を探しても見つからないとボヤいているところを、
450ドルで落札してしまった。
もちろん この落札価格にはクリスティーズへの手数料が加算されるけれど、それでも、今まで喉から手が出るほど欲しかったボトルが
このお値段で手に入るのは、私にとっては”至福の喜び !!” 的イベント。
ワイン・オークションについては、次回、クリスティーズの渡邊順子さんが連載の「ワイン・ソフィスティケーション」の中で
説明してくれることになっているけれど、高値の落札ばかりが報道されるオークションも、
上手く使えば、ワインの”サンプル・セール”並みのお値段になってしまうのである。
ニューヨーク・エリア在住女性のためのネットワーク・パーティー開催のお知らせ
前回の開催から1年が経過してしまいましたが、来る4月9日、日曜日、午後2時より、
CUBE New York主催のニューヨーク・エリア在住女性のためのネットワーク・パーティー開催を予定しています。
レジデンシャル・ビルディングのパーティー・ルームが会場となりますので、セキュリティの関係で、
参加御希望の方には事前のご登録をお願いすることになります。既に過去のパーティーにご参加いただいた方には、
Eメールでご案内を差し上げていますが、今回初めて参加を御希望になる方、もしくはEメール・アドレスを過去1年の間に
変更された方は、Eメールでの お申し込みを頂くようお願い致します。
また、既にRSVPをされているにも関わらず、当社より参加確認のメールを受け取られていらっしゃらない方は、大変お手数ですが、
RSVPを再送してくださるようお願いいたします。
詳細はこちらをクリックしてご覧下さい。

執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。
丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、1989年渡米。以来、マンハッタン在住。
FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に
ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。
その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.設立。以来、同社代表を務める。
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