Apr. 11 〜 Apr. 17 2011

” Lash Dip Experience ”

今週のアメリカでは日本の震災、原発関連のニュースはかなり減って、 ローカル・ニュースが中心の報道になっていたけれど、そんな中大きく報じられたニュースの1つは、 メジャーリーグ最多ホームランの記録を持つバリー・ボンズが、ステロイド使用の裁判で、 有罪判決を受けたという報道。
とは言っても、バリー・ボンズが有罪となったのは司法妨害の罪で、検察側が最も立証したがっていたステロイド使用、 及びその偽証罪を含む3つの容疑については審理無効(裁判不成立)が判事から言い渡されているのだった。
なので、今後 検察側が判決を不服として裁判のやり直しを求める可能性も高いと言われているけれど、 司法妨害の懲役は最高で10年。15〜21ヶ月の刑期が一般的と言われているけれど、 バリー・ボンズの場合は、執行猶予付き有罪判決になることが有力視されているのだった。



もう1つ、金曜に大きく報じれらたのは、USポスタル・サービスが、 昨年12月に発売した「フォーエヴァー」というシリーズの 切手に、本来フィーチャーされるはずのNYの自由の女神の替わりに、ラスヴェガスのカジノ&ホテル、ニューヨーク・ニューヨークの フェイクの自由の女神をフィーチャーしていたというニュース。
この間違いに気付いたのは、切手の愛好家だったというけれど、写真上左側がその問題の切手。 そして右側が正真正銘のニューヨークのリバティ・アイランドにそびえ立つレディ・リバティこと、自由の女神。
比べてみると、ラスヴェガスの偽物はちょっと威厳に欠く印象だけれど、ニューヨーク・タイムズ紙は、15日金曜の第一面で、 「This Lady Liberty Is a Las Vegas Teenager (このレディ・リバティはラスベガスのティーンエイジャーだ)」という見出しで、 切手にフィチャーされた自由の女神が、150年以上の歴史を持つニューヨークの本物ではなく、 築14年のラスヴェガスのカジノのアトラクションであると非難。
ニューヨークのメディアは、特にこれを大きく批判していたけれど、USポスタル・サービスは、誤りを認めながらも、「写真のイメージを 気に入っている」、「大切なのは自由の女神のシンボル性であって、それは本物、偽物を問わず存在している」という理由で、 この切手を回収しない姿勢を見せているのだった。


ところで、日本の震災が起こってからというもの、私は自宅の中の節電グッズや、被災グッズを随分買い揃えてきたけれど、 それと同時に考えたのが自分をもっとローメンテナンスにしたいということ。
ローメンテナンスとは具体的には、メークやヘアスタイリングに時間、電力、道具や手間が掛り過ぎないことで、 そもそも、ドールド・アップ/ Dolled Up (ファッション、ヘア&メークで、美しくすること)するのに、 時間と手間が掛かるというのは、贅沢ではあるけれど、そういう人に限って、手を抜いている時との落差が激しかったり、 ウェザー・プルーフでなかったりするのだった。 この”ウェザー・プルーフではない状態”とは、湿度が高かったり、大雨だったりすると、ヘアやメークが崩れて、 見場が衰える人のこと。

日本のような震災が起こらなかったとしても、何か事が起こって 外観に手間暇をかけている状況ではなくなった時、 鏡の中のメンテナンスが行き届いていない自分の姿を見て アグリーだと思うのは、ストレスや精神的落ち込みの原因にもなるのは言うまでも無いこと。
また、日ごろ外観に気を遣っていればいるほど、何かの理由でそれが出来ない場合、自信喪失の度合いが激しくなることも 指摘されているのだった。
なので、私は災害対策の一環かつ、タイム・マネージメントの目的も兼ねて、手が掛らないパーソナル・ベストを模索し始めたのだった。

私より2〜3歳年上の友人は、「年々、出かけるまでのメークやヘアに掛る時間が長くなってきた」と言っている人が多いけれど、 私自身はそもそも何年もアートメークをしているから、メークは極めて簡単。 でも、問題はマスカラ。どのブランドのものを使っても、必ず時間が経つと目の下が黒くなってきてしまって、 しょっちゅう目の下を気にしていなければならないのだった。
またマスカラを使うとメーク落としも面倒になるので、マスカラは外出時にしかつけないけれど、 私が日ごろから愛用するウォーター・プルーフのマスカラは、実はまつ毛にはあまり良くないのだそうで、 友達からは、エクステンションか、まつ毛パーマを薦められていたのだった。

そんな中、出会ったのがラッシュ・ディップというネーミングの最新のトリートメント。
昨年11月にデビューしたばかりのラッシュ・ディップは、言わばセミ・パーマネントのマスカラ。 その効果が4〜6週間長持ちするというもので、 もちろんその間は、マスカラを塗る必要は無し。 しかもまつ毛をカールする効果もあるというもの。
メンテナンスは3〜4日に一度程度、ラッシュ・シールと呼ばれるセラムを塗って、まつ毛をコートするだけ。 2週間を過ぎたところで、1度 ”リタッチ”と称するメンテナンスをして、まつ毛にラッシュ・ディップをアプライし直すことになっていて、 料金は このリタッチを含めて250〜270ドル程度。
アメリカの場合、ビューティシャンにチップを支払うので、私の場合、それを含めて290ドルを支払ったのだった。



このラッシュ・ディップがアプライされている間は、顔に向けてシャワーを浴びたり、目を擦ったり、泳いだり、サウナに入ること等を 避けなければならず、アイメークアップ・リムーバーも、オイル・ベースでないものを使わなければならないとのこと。
またラティースや、CUBE New York でも扱っているラピッド・ラッシュのようなまつ毛育毛剤を使用するのはOKであるけれど、 ラッシュ・ディップをアプライして72時間は、その使用は不可。 アプライ直後は最低4時間は顔を洗ったり、雨に濡れるなど、まつ毛に水分に触れるのを防がなければならないことになっているのだった。

このラッシュ・ディップとは、具体的には ブラックのジェル状の液を まつ毛につけるもので、そのジェルは 目に入るとしみるので、細いガラスの管から空気を送り込んで、乾かしながらのアプライになるけれど、 所要時間は大体1時間。
ジェルが、マスカラよりもずっと濃く、リッチなテクスチャーなので、その効果はかなりドラマティック。 私はこの施術の日、サロンにノーメークで出かけたけれど、ラッシュ・ディップをしただけで、 ビシッと化粧をした顔になったのにはビックリしてしまったのだった。
それくらいマスカラというのは、メークに大きなインパクトを与えるものであるけれど、 ラッシュ・ディップの場合、マスカラよりさらに濃くアプライされるので、アイラインを書いたのと同じような効果が目元にもたらされて、 目の印象が本当にクッキリするのだった。

ラッシュ・ディップをアプライしてからというもの、女友達やCUBE New Yorkのスタッフの目が、 私のまつ毛に釘付けになっているのを感じて、随分いろんな人にラッシュ・ディップの説明をしてあげることになったけれど、 誰もが指摘したのは、やはり通常のマスカラよりもずっと長く、インパクトのあるまつ毛になっているということ。
ラッシュ・ディップがアプライされている間は、マスカラやビューラーが必要ないのはもちろん、化粧落としや、アイメークのにじみを心配する必要もないのは 大きな魅力。 なので、スキンケアをして、パウダーを叩くだけで、出かけられるので、物凄いタイム・セービングになるのだった。
トリートメントを行なってから数日は、朝起きて 鏡を見るたびに、自分の顔があまりにはっきりしているので、 ちょっとビックリしていたけれど、それは同時に 気分が良いことでもあったのは事実なのだった。

でも、もちろん問題点もあって、それは後から徐々に出てきたのだった。
まず、目の周りにシャワーが掛らないようにしたり、目を擦らないようにするのが大変なのに加えて、 ラッシュ・シールを使ったところ、まつ毛同士がくっつき始めてしまって、それをピンセットや爪楊枝を使って 切り離さなければならなかったけれど、そもそもプロのビューティシャンがアプライしてくれた時点で、一部のまつ毛同士はくっついていたので、 その部分は決して離れてくれないのだった。
加えて まつ毛というのは、大体6〜8週間の命と言われるけれど、1本1本伸び方が違うもの。 このため時間が経つにつれて、長く伸びようとするまつ毛にくっついている、伸びの悪いまつげが引っ張られるようになってしまい、 瞬きをする度に、まつ毛が引っ張られるような 不愉快な感触を覚えるようになってしまったのだった。
さらに、抜けたまつ毛がラッシュ・ディップによって、他のまつ毛にくっついているので、それを取るのが非常に難しく、 時にそのまつ毛が 瞬きをする度に目の中に入ってきたり、変な方向に突き出たりするのも不愉快だった点。 でも、それを取り除こうとすると、他のまつ毛まで何本も一緒に抜けそうになるので、そう簡単に除去できないのも 問題なのだった。

とは言ってもラッシュ・ディップは2週間が経過しても、マスカラ効果をばっちり保っており、とりあえずは満足しながら、リタッチを行なったけれど、 そのリタッチが 惨憺たる結果になってしまったのだった。
リタッチは、追加でアプライするだけの場合と、一度専用のリムーバーでラッシュ・ディップを落としてから、再びアプライするケースがあって、 私の場合はリムーバーで除去してもらうことになったけれど、 その状態から再びアプライしてもらったら、今度はビックリするくらいまつ毛の本数が減っただけでなく、長さも短く、 左目まつ毛の一部のエリアは、他のエリアより3ミリほど短くなっているため、その部分だけまつ毛が生えていないように 見えてしまう始末。
私はこの状態を見て、知らない間にまつ毛が随分抜けていたことに気付いたけれど、 とにかくリタッチの結果は、写真上のアフターとは程遠いコンディションになっていたのだった。

私は、以前にもこのコラムに書いた通り、ラピッド・ラッシュを使い始めてから、まつ毛が劇的に長くなって、それに非常に満足していて、 以来、まつ毛のパワーを実感するようにさえなったけれど、 せっかくラピッド・ラッシュで育てたまつ毛も、ラッシュ・ディップのアプライですっかり台無しになってしまったのだった。 おまけに、まつ毛がそこまで短く不均等だと、マスカラをつけてもあまり効果がなく、 最初はエクステンションをつけようかと思ったけれど、まつ毛が抜けて減った状態で、エクステをしても大した効果が望めないと思ったので、 まずは、ラピッド・ラッシュを使って まつ毛の再生を目指すことにしたのだった。

なので、約300ドルを投じた私のラッシュ・ディップのトライアルは、最終的には実を結ばなかったけれど、 リタッチをアプライしてから、約3週間が経過して、オイルのリムーバーを使っているのに 未だかなりの量がまつ毛に残っているのには 少々驚いているのだった。
でも、この経験を通じて1つ学んだのは、ラッシュ・ディップを守るために目の周りの皮膚を 洗わずにいたお陰で、 その部分のシワが目に見えて減ったということ。
洗顔については、ビューティー業界では賛否が分かれているけれど 特にデリケートな目の周りの皮膚は、洗わずに軽い拭き取りだけにしていたほうが、肌の調子がずっと良いのである。
私はかなりのオイリー・スキンであるけれど、この経験から、朝は洗顔料を一切使わず、シルクタオルで拭き取るだけにしたころ、 生理前でもニキビが出ず、肌の調子が非常に良くなっているのだった。
実は、朝、洗顔料を使わないというのは、私の母が何年も前から続けていることで、母は肌が若いと評判だったりするけれど、 まさかオイリースキンの私にとっても、これが肌に良いとは思ってもみなかったので、これは大収穫と言える発見なのだった。

この話を友人にしていた時に、肌だけでなく、髪の毛もシャンプーで洗うという行為が逆に髪を傷める原因になっていることを教えてもらったけれど、 彼女によれば、髪の毛は水洗いと毛先に少量のコンディショナーを使う程度で、ヘアダイとシャンプーの使用を1ヶ月控えていると、 ティーンエイジャーのような健康的な髪質に戻れるとのことなのだった。
ちなみに、これを続けているとヘアジェルなどのスタイリング剤は必要無いという。
実際に、ニューヨーカーでは 現在若い世代を中心に、ドライ・シャンプーを使って、髪の毛を洗わないようにするのが2年ほど前からトレンドになっていて、 これを実践している人は、皆、「髪の毛が扱い易くなる」、「髪質が健康になる」と異口同音に語っているのだった。

ところで、ラッシュ・ディップに話を戻せば、私のプロダクトに関する不満を報告したところ、 最初のアプライの仕方が不適切だった可能性が高いから、別のところでまたトライして欲しいというメールが、 同社のパートナーの1人、ジュリー・リーダーから来たのだった。
お値段が決して安くないのと、また失敗したら、まつ毛が薄くなるダウンタイムがあると思うと、ちょっと躊躇するけれど、 最初の2週間は、本当に何時でもマスカラをしているようなルックスと、何もしなくて良い便利さに多いに満足していたのは事実。
なので、もう1度トライするかは 「 Never Say Never 」 という状態なのだった。





執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。


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