Apr. 11 〜 Apr. 17 2016

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”Rich Men (Like A-Rod) Don't Date Models Anymore? ”
リッチな男性達がモデルとのデートを止めて 切り替えた新たな恋愛対象の条件とは?



今週のアメリカで 物議をかもしていたニュースの1つが、大統領選挙の争点にもなっている男女の給与格差の排除の問題。 現時点でアメリカでは同じ仕事の男性の給与1ドルに対して、女性の給与は79セント。仕事の能力に関係なく、 女性だというだけで21%の給与カットを強いられている状態。 このため、2015年の1年間に男性に支払われた給与と同じ金額を稼ぐためには、 女性は平均で2015年1年間に加えて、2016年4月12日まで働かなければならないとのこと。 これがワーキング・マザーになると、更に延びて6月4日まで働く必要があり、アフリカ系アメリカ人女性になるとそれが8月23日。 ラテン系の女性になると2015年+2016年11月1日まで働かないと男性の2015年の給与に追いつかないことが指摘されてるのだった。

先週にはUS女子サッカー・リーグのプレーヤーが男子サッカー・プレーヤーとの給与格差に対して 全米サッカー協会に正式に抗議を申し立てたけれど、それによれば女性プレーヤーがワールドカップに出場する際の ベース・サラリーは、1人当り3万ドル(約330万円)。これに対して男子プレーヤーが受け取るのは6万8750ドル(約756万円)。
またワールドカップは勝ち進むとボーナスが支払われるシステムになっているけれど、US男子チームは2014年大会で ベルギーに敗れて準々決勝進出を逃して 900万ドル(10.8億円)のボーナスを受け取ったのに対して、女子は2015年大会のワールドカップ・チャンピオン。 オバマ大統領からホワイト・ハウスに招待されたにもかかわらず ボーナスの金額は200万ドル(2.2億円)。
通常、プロスポーツは男子リーグの方が断然利益を生み出しているものだけれど、アメリカのサッカーに関して言えば、女子リーグが年間1800万ドル(19.8億円)の 利益を生み出しているのに対して、男子リーグは200万ドル(2.2億円)の赤字経営。 プレーヤーの知名度も女子リーグの方が有名プレーヤーが多いとあって、女子選手が給与格差を抗議するには十分な理由があるのだった。


さて今週は、4月19日火曜日に多数のデリゲートの獲得を賭けたニューヨーク州大統領予備選挙を控えて、 各候補が凌ぎを削っていたけれど、その前日4月18日、月曜日はアメリカの確定申告締め切り日。
今週末に慌てて申告準備を済ませる人々も少なくないようだけれど、 アメリカでは確定申告をオンラインで行うようになって久しいので、 かつてのように締切日の夜中まで 人々が申告書送付のために郵便局に大行列をする様子は見られなくなっているのだった。
そのアメリカの税金は収入に応じて支払うパーセンテージが決まっているけれど、 チャリティへの寄付やキャピタル・ロスなどで税額の控除が出来るシステム。 タックス・リターン(税金の申告書)は、クレジット・スコアと共に 個人の財力の指針となるものであるけれど、 ニューヨーク・ポスト紙が数週間前に報じたのが、昨今のリッチなアメリカ人男性が 自分と同じ税率の女性、すなわち経済的に豊かな女性を求め始めたというニュース。

その最たる例として挙げていたのがヤンキーズのアレックス・ロドリゲス(40歳、写真上左)。 今年のオフシーズン中に来年一杯での引退をほのめかしたA・ロッドであるけれど、 彼の最新のデート相手と報じられているのが、遺伝子テストのベンチャー”23andMe”の共同創業者で CEOであるアン・ウォシッキー(42歳、写真上右)。 彼女はグーグルの共同創業者であるセルゲイ・ブリン(写真下、一番左)の元夫人であり、彼との8年間の結婚生活の間に2人の子供を設けたものの、 セルゲイ・ブリンの不倫が原因で 2015年6月に離婚。 その個人資産は軽く10億ドル(約1100億円)を超えるビリオネア。
一方、A・ロッドと言えば これまではキャメロン・ディアス、ケイト・ハドソンといったセレブリティやモデルとばかり交際してきただけに(写真下、右から3枚)、 今回のアン・ウォシッキーとの交際については、メディアが「この2人に果たして共通の話題があるのか?」と 首を傾げる状態なのだった。
2人が出会ったのは、今年2月のヴァニティ・フェア誌主催のオスカー・アフター・パーティーでのことで、 その後 A・ロッドがアン・ウォシッキーのスピーチ会場に姿を見せたり、共通の友人と一緒にディナーを楽しむ様子が目撃されており、 A・ロッドはアン・ウォシッキーのことを「頭が良くて、話が興味深く、インスパイアリング。彼女のような女性はとても新鮮」と 友人に語っているという。




一部では、個人資産3億ドル(約330億円)のA・ロッドが 「引退後の生活を考え始めた」というような意地悪な指摘も聞かれていたけれど、 同様のデート相手のチョイスはA・ロッド以外のアメリカ人男性も行うようになってきているのだった。
そもそも女性については、「自分より収入が劣る男性と結婚して生活レベルが下がるのならば、 結婚する意味がない」という考えが珍しくなかったけれど、男性については自分よりも遥かに若く、収入が少ない女性と結婚して、 カップルとして税金を申請することにより、課税率を下げることを税金対策にする傾向が顕著であったのがこれまで。 でも昨今では経済的に自立しているだけでなく、経済的に潤っている女性、自らがビジネスでサクセスを収めている女性を リッチな男性が求め始めた結果、UCLAの社会学教授、ロバート・D・マレの調査によれば、 現在のアメリカは「1900年代同様に、社会的地位が対等のペアリングをが行われる時代になってきている」とのことなのだった。

すなわち ”玉の輿”も”逆玉”も望めない世界ということになるけれど、それが分からなくもないのは 私のユダヤ系の男友達と話していた時のこと、新しいガールフレンドを探しているとのことで、好みのタイプを尋ねたところ、 同じユダヤ教の女性で、出来れば長身&スリムなブロンド美女というのがその答え。 そこで私の友達を紹介しようとしたところ、ヨガ&ダンス・インストラクターである彼女の収入が低過ぎるといって却下されてしまったのだった。
その男性は、常に弁護士やファイナンス・トレーダーなど、高収入の女性としか付き合ったことがなく、 旅行やグルメ、ワインへの造詣、アートなどで話が合う女性、いつも自分が払わなくても高額レストランに一緒に行ける女性を好むとのこと。 彼は以前モデルと交際したこともあったというけれど、デート代はいつも自分の負担で、 頻繁に900ドルのルブタンのシューズや3000ドルのシャネルやフェンディのバッグを買わされるのに嫌気が差して、 モデルとは付き合わないポリシー。
とは言っても彼はケチな訳ではなく、最近まで付き合っていたガールフレンドのバースデーには、 日本円で200万円近いパテック・フィリップの時計をプレゼントしていて、誕生日やヴァレンタインにはきちんとギフトを贈る礼儀は心得ているのだった。
彼曰く、デート代を節約したいのではなく、女性とは同等の関係でありたいというのが、 高収入の女性を求める理由なのだった。




そんな自分の収入やソーシャル・ステータスに見合う相手を探したいという リッチな男女のニーズに対応して生まれたのが、 ハイエンドなデート・アプリ、”Luxy / リュクシー”。 2014年にスタートし、 今では全世界に60万人のアクティブ・ユーザーが居るという同アプリは、税金の申告書を提出して、 20万ドル(約2200万円)以上の年収か、100万ドル(1億1000万円)以上の総資産がなければメンバー登録ができないシステム。 でもメンバーの中には、「ミリオネアのためのデート・アプリと言っておきながら、その5分の1の収入で登録が出来るなんて」と ハードルの低さに文句を言う人々も居るとのこと。

同アプリに登録したリッチな男性たちによれば、「ルックスの良いモデル・タイプだったら、クラブに出掛けるだけで簡単に引っかかる」として、 同アプリで出会う女性には学歴&教養、会話の興味深さ、ビジネスのセンスやウィットに富んだユーモア、健康的なライフスタイルを 望んでいるとのこと。 さらに、自分がこだわりを持っている時計やシューズを含むファッション、車やアートなどの マニアックな価値を理解してくれる女性、社交のマナーを心得ていて 何処へ行っても 知的レベルの高い会話が出来る女性、食やワインの知識があって自分と一緒にそれを楽しんでくれる女性など、 自分の趣味やライフスタイル、交友関係がシェアできる女性というのが大切な条件で、彼らがモデル・タイプとは異なる女性を探し始めているのは 事実のようなのだった。



では、リッチな男性達から以前ほどお声が掛からなくなったモデル嬢たちはどうしているかと言えば、 彼女らにしても 30代、40代のファイナンス系の男性をお目当てにして、 趣味や話題が合わなくても、お財布代わりと思って我慢をしてきたのは過去の話。 現在彼女らが狙っているのは20代のエンジニア上がりのニューリッチ・ビリオネア。
彼らの方がモデル嬢達と年齢が近いとあって、同じ音楽を聞いたり、映画を見て育ったジェネレーション。 交友関係も自分たちの年齢に近いため、遥かに交際が楽なようで、そんな好例と言えるのはミランダ・カー。 彼女は昨年その交際相手を、現在マライア・キャリーと婚約中のオーストラリアのビリオネア、ジェームス・パッカー(48歳、写真上左側)から。 スナップチャットの共同創業者、エヴァン・スピーゲル(25歳、写真上中央)に乗り換えてたのは有名な話。 したがって、モデル側はモデル側で、そのターゲットをシフトさせていることも伝えられているのだった。

アプリの”Luxy / リュクシー”に話を戻せば、全世界に60万人のアクティブ・ユーザーが居たとしても、 デートが可能なエリアに居るユーザーとなると かなり限られているようで、 目下全米で最もユーザーが多いデート・アプリ、”ティンダー”のように 相手のチョイスにヴァラエティが無いというのは同アプリの深刻な問題点。 要するに収入のトップ1%が 同じ収入層の枠内でペアリングをするのは、さほど簡単ではないことが指摘されているのも事実なのだった。

そんなリッチな女性を狙う男性にとって、理想のバチェラレット(独身女性)のNo.1と言われるのは、 元アップルCEOスティーブ・ジョブスの未亡人、ローレン・ポーウェル(52歳、写真上右)。 約670億円相当のアップル社の株式、ディズニー社の7.8%の株式、 約160億円のヨット、2台のプライベート・ジェット、53億円の邸宅を含む総資産 約2兆円の彼女は ヒラリー・クリントンのトップ・ドナーとして知られる存在。不法移民の子供の合法化など、 チャリティにも熱心な彼女であるえけれど、インタビューでは「故スティーブ・ジョブスを毎日のように思い出しては、 彼の志を引き継いで生きている」と語っているので、Aロッドにはチャンスが無さそうな感じなのだった。

いずれにしても、そんな高収入同士のペアリングが進むことで 「リッチ・ゲッツ・リッチアー」、貧富の格差が開く傾向に 益々拍車が掛かることは確かなのだった。



執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。

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