Apr. 19 〜 Apr. 25 2010




”First Date = Last Date ”


先週はアイスランドの火山のニュースが盛んに報道されていたけれど、今週末はメキシコ湾海上の石油掘削施設爆発事故による 大量のオイル流出と、ミシシッピー州を襲った竜巻の大被害の様子が大きく報じられているのがアメリカ。
特にミシシッピー州の竜巻は、既に10人の死者と、数百世帯の崩壊、数千世帯の停電という惨事になっているけれど、 今回の竜巻はその幅が1.6キロという巨大なもので、風のスピードも時速240キロ。 大きな車が簡単に数キロ飛ばされてしまうほどのパワーで、風の強さを示すバロメータとなる木の枝の折れ方も、 むしりとられるような折れ方ではなく、すっぱり切り落としたようなもので、いかに竜巻が強力なものであったかを示しているのだった。
ちなみに、ミシシッピー州は年間に平均で26の竜巻が起こっていて、これは近隣のアーカンサスやルイジアナ州も同様のこと。 でも2008年には 史上最高の108回の竜巻を記録しているのだった。 なので地元の人々は、竜巻の避難方法については熟知しているけれど、大切なのは車を運転していたら、それを乗り捨てて 建物の中に逃げること。家の中に居る場合は、一番下のフロア、地下室があれば 地下に避難するのがベストで、 必要とあれば 自分の身体を柱などに縛り付けるようにするのが命を守る方法であるという。
とは言っても、今回の竜巻は 竜巻に慣れているはずの地元の人々も驚くほどの規模で、 復旧作業にはかなり時間が掛かることが見込まれているのだった。


今週、金融の世界では オバマ大統領がニューヨーク入りして、ファイナンシャル・リフォーム(金融改正)についての スピーチを行ったけれど、そのスピーチの会場には 先週、詐欺罪でSEC(米国証券取引委員会) の訴追を受けたゴールドマン・サックスのCEO、ロイド・ブランクファイン氏を始めとする、金融業会のVIPが顔を揃えており、 盛んに取材陣からのフラッシュを浴びていたブランクファイン氏は「自分がこんなに人気者だったなんて・・・」と余裕のコメントをしていたのだった。
そのオバマ大統領のスピーチはと言えば、「金融システムが2度と今回のような危機を繰り返さないための規制を儲けるべき」 としながらも、「ウォールストリートとメインストリート(ウォールストリート以外の一般の人々)の間に違いは無い。我々(政府)と戦うのではなく、 協力して欲しい」というメッセージで、当初見込まれたよりも ずっとトーンダウンした、柔らかい内容になっていたのだった。
そのオバマ大統領や民主党が、今金融業会に対して厳しい姿勢を見せなければならないのは、秋に中間選挙を控えているため。 アメリカ国民の金融業会に対するフラストレーションや怒りは一向に収まらない上に、何らかの 制裁を求める声が強いだけに、 国民の支持を取り付けるためにもオバマ政権は ここで金融改革を推し進める必要があり、 通常ならば、これを断固として反対しなければならない共和党側も、選挙を控えているだけにこれに反対するのは自殺行為に等しいと言われているのだった。

ところで、先週のゴールドマン・サックスの詐欺罪の訴追を受けて、来週には同社のCEO、ロイド・ブランクファイン氏が議会で証言をすることになっているけれど、 それに先駆けて今週末に公開されたのが、ゴールドマン・サックスの社内Eメール。 公開された5通のEメールではブランクファイン氏や、COO(チーフ・オペレーティング・オフィサー)のゲーリー・コーン氏らが、債務担保証券のショート・セリング(空売り) によって 同社が多大な利益を上げていることを 勝ち誇っているような やり取りが見られたけれど、 これは見ようによっては、何百万人ものアメリカ人が家を失うのを高みの見物をしているだけでなく、そうした人々の不幸に投資をして 多額の収入を得ている訳で、普通の人ならば記事を読んでいるだけで気分が悪くなるもの。
これに対してゴールドマン・サックス側は、SECが200万ページにも及ぶ書類から、たった5通のEメールをピックアップして 責任を追及していると反論しているのだった。 とは言っても 通常、訴追された被告側が提出する書類というのは、原告側が問題の本質になかなか触れられないように、 わざと必要以上に量を膨らませるもの。なので、この反論はそれほど説得力が無いのが実情だったりする。
でも、以前ゴールドマンに勤めていた私の友人によれば、ゴールドマン・サックスは どんな高いところから振り落とされても、ちゃんと足で着地するネコのような企業なのだそうで、 彼女も、今も同社に勤める彼女の友人達も、ゴールドマンが今回のSECの訴追を乗り切れると信じて疑わないとのことなのだった。


ところで今週、アメリカに住む移民にとって非常に気になる報道となったのが、アリゾナ州で アメリカ市民以外は 合法移民であることを証明する書類を持ち歩くことを義務付ける法案が可決したというニュース。
この法律によれば、アメリカ市民以外が合法移民である書類を所持しないことは軽犯罪として取り扱われ、 警官には 違法移民と疑わしき人物に対して職務質問をし、 違法滞在が発覚した場合、逮捕、国外追放の措置を取る権限が与えられるというもの。
すなわち、この法律が施行された場合、例えグリーン・カードを持っていても、ジョギングに出かける際でも合法移民である証明を所持しなければならず、 1日に何度と無く、警官に呼び止められて その書類の提示を求められる可能性が出てくる訳であるけれど、 これについては、オバマ大統領が直ぐに批判のコメントを発表しただけでなく、 アリゾナ州でも反対デモが行われ、各方面から同法律に対するバッシングの意見が続出しているのだった。
一部にはこの法律が第二次大戦下のナチスのようだという声も聞かれているけれど、こんな法律が可決されてしまうのは メキシコからの不法移民に悩まされているアリゾナ州ならでは。
でもメディアや、この法律に反対する人々が 危惧する以前に、首をかしげるのは、 果たして警官がどうやって不法移民と 旅行者、不法移民とヒスパニック系のアメリカ市民を見分けられるのか?、 ヒスパニックのアメリカ市民が不法移民と疑われた場合、どうやってアメリカ市民であることを証明するのか?、 警官は何を基準に職務質問をするのか?といった疑問。
この法律が施行された場合、警察に多大な権限が与えられ、ヒスパニックの人々に対する 差別や虐待が見込まれるだけに、これを潰しに掛かる動きが既に始まっているけれど、 先述のように中間選挙を今年秋に備えて、不法移民はアメリカ国民の間で最も関心の高い問題。
アリゾナ州の法律は、極めて厳しい上に 人権を脅かす危険がある として大きな報道になったけれど、 不法移民を取り締まる法案が目下、全米各州で検討されているのは紛れも無い事実なのである。


さて、話を全く変えると、ニューヨークは女性にとっては男性の数が足りなくて、出会いが少ない街であるけれど、 男性にとっては 次から次へとデートが見つかる街であることを 私はつい最近、実感させられてしまったのだった。
というのも、テニスなどを通じて 最近知り合ったシングル男性達が、しょっちゅう相手を変えては デートをしているためで、 彼らは 時にラウンジ等で出会った女性とファースト・デートをする前に、既に別の女性とデートの約束をしていたりするのだった。
そのうちの1人の男性は、1ヶ月に大体4人の新しい女性とデートをすると言っていたけれど、 それでもガールフレンドと呼べる存在になる女性は非常に少なく、往々にしてファースト・デート=ラスト・デートになるのだという。

そんな男性側からの視点で ファースト・デート=ラスト・デートになる女性というのは以下の通り 。



これは私に言わせればかなり納得のリスト。
加えて、興味深かったのは 話すことが一杯あっても長過ぎたデート、男性側が自分で喋りすぎたと思うデートというのも、 ファースト・デート=ラスト・デートになるという。

上記のリストは、女性にとってのファースト・デート=ラスト・デートになる男性のタイプにも重なる部分が多いけれど、 男性が女性に対して「ファッションとメークが頑張りすぎ」と言うのとは正反対に、女性から男性を見た場合は、 ドレスダウンのし過ぎが問題になるケースが殆ど。 例えば 通称 ”マンダル” という名称で嫌われる男性のサンダル履きや、膝丈ショーツなどでデートに現れるのは例え夏でもご法度。
また男性の場合、ファーストデートの食事やドリンクを支払わないというのも大きなマイナス。 更にデートに適切な場所を選んでおかなかったり、会話の最中に他の女性 をチェックするのも論外と言えるのだった。

私のテニスの女友達は、かつてファースト・デートでテニスに誘われたので、てっきりコートを予約してくれたのかと思って 待ち合わせ場所に行ったところ、相手の男性がテニスのネットを肩に担いで現れて 2人でコートを探すところから始まり、 結局、ひなびたパブリック・コートで彼が持ってきたネットを張ってプレーをしたことがあるそうだけれど、 当然のことながらそれは ファースト・デート=ラスト・デート。男性は思いの他 テニスは上手かったそうだけれど、 彼女に言わせれば、どんなにテニスが上手くても テニス・デートにネットを担いで現れる男性は「冗談でも御免」とのこと。
確かに話として聞いている分には面白かったけれど、もし自分の身に起こったら 私はネットを担いだ男性とコートを探して歩くより 家に帰ると思うのだった。

ニューヨーカーの場合、ファースト・デート=ラスト・デートが特に多くなるのは、女性も男性も それぞれがピッキーな(好みにうるさい)のに加えて、 お互いが忙しくて、よほど相手を気に入らない限りは デートの後 フォローアップをしないこともその要因として考えられるのは事実。
先述の デート相手をくるくる変えている男性にしても、気に入ったデート相手には一晩眠って忘れるといけないので、 デートの直後に携帯メッセージを送付するというけれど、相手から返信が来なければそれっきり。 時間が経って返信が来た場合、時に相手のことが思い出せないケースもあるそうで、そういう場合も彼からは返信せずにそれっきりになるという。
2週間前のこのコラムでHard To Get Game について書いたけれど、 彼のようにデートで忙しい男性の場合、女性がHard To Get Game などをやっていると 完全に忘れ去られてしまうのが実情なのだった。

でも 次から次へと相手に困らない分、男性側には 気に入った女性を追いかけようという 気持ちはあまり無いようで、 「相手が自分を気に入らなかったとしても、それは個人の好みの問題だから仕方が無い」 程度にしか考えていない男性は ここニューヨークでは少なくないようである。

ところで、この男性側にしてみれば、気に入った女性とまたデートをしたいと思ったら、自分が相手を特別だと思っているという 意思表示を 失敗しない確実な方法でしなければならないけれど、それに有効なトリックとして教えてくれたのが、 相手との会話が盛り上がっている最中に、ブラックベリー(携帯端末機)に手を伸ばして、届いたメールを無視する仕草を見せること。
そうすることによって、彼女との会話を楽しんでいる、もしくは彼女との時間の方を有意義に感じている意思表示が出来るのだそうで、 このトリックを使った相手とは2度目のデートをする可能性が高まるとのこと。
実際、ニューヨークの女性ならば誰もが 男性がブラックベリーで引っ切りなしに携帯メールをしている姿を見慣れているだけに、 このジェスチャーはかなりポイントが高いと思われるのだった。





Catch of the Week No. 3 Apr. : 4月 第 3 週


Catch of the Week No. 2 Apr. : 4月 第 2 週


Catch of the Week No. 1 Apr. : 4月 第 1 週


Catch of the Week No. 4 Mar. : 3月 第 4 週





執筆者プロフィール

秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。
丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、1989年渡米。以来、マンハッタン在住。
FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。
その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。





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