Apr 29 〜 May 5, 2013

” Get Rid Of Toxic Frenemies! ”

今週金曜に発表されたアメリカの4月の雇用統計によれば、アメリカ国内ではこの1ヶ月で 16万5000の新しい雇用が生まれたとのことで、 これによってアメリカの失業率は、過去4年間で最低の7.5%。 これを好感したウォールストリートでは、ダウが史上初めて1万6000ドル台を上回ったのだった。
でもエコノミストの間では、数字で見るほど雇用状況が改善された訳ではないという見解が大半。 アメリカでは未だに1,170万人が職探しをしているのに加えて、800万人がフルタイム勤務を希望しながら、 パートタイムの仕事に甘んじているのが 実情なのだった。

その一方で、週明けに大きく報じられたのが、アメリカのプロ・スポーツの4大リーグ(メジャーリーグ、バスケットボール、フットボール、ホッケー) の現役選手として初めて、NBAワシントン・ウィザードのジェイソン・コリンズ(写真上、右側)が 自らがゲイであることを明かしたというニュース。
ゲイに対する理解がここ数年で急速に高まり、同性婚を支持する国民が始めて過半数を上回ったアメリカであるけれど、 スポーツの世界では、カレッジ・バスケットボールの コーチがゲイ差別用語で選手を罵る様子が問題になる一方で、 プロ・スポーツの世界においても、その根強いゲイに対する偏見は メディアが指摘し続けてきたこと。
そんな中、スポーツ・イラストレーテッド誌のエッセイ記事で、ゲイであることを告白したジェイソン・コリンズに対しては、 ゲイ&レズビアン・コミュニティはもちろんのこと、オバマ大統領、クリントン元大統領、NBAのスーパースター、コビー・ブライアント等、 多くのセレブリティが支持を明らかにしただけでなく、NBAのリーグ自体も 彼に対するサポートを表明。 でも、メディア記者や 一部の保守的なコメンテーターからは、 「ゲイであることを明らかにしただけで、ジェイソン・コリンズをヒーロー扱いするのは間違っている」 といった厳しいコメントも聞かれていたのだった。



今週は様々なトキシック関連のニュースも伝えられたけれど、その1つが環境問題グループEWG(Environmental Working Group)が ナショナル・アンチマイクロバイアル・レジスタンス・モニタリング・システムが行なった食肉のリサーチ結果を分析したところ、 81%のターキー(七面鳥)の挽肉、69%のポーク・チョップ、55%の牛の挽肉、39%の鶏の胸肉に、抗生物質が効かない サルモネラ菌、カンピロバクター菌が含まれていたというニュース。
それ以外にも53%の鶏肉全般から Eコーライ(大腸菌)が見つかったこともレポートされていて、 健康目的でターキー・バーガーやチキン・バーガーを食べるのは、むしろ逆効果にもなりかねない状況が明らかになっているのだった。
アメリカの食肉がこれほどまでに 汚染されている要因となっているのが、食肉業界が 抗生物質の過剰投与に頼って、劣悪環境での飼育を行なっているため。 アメリカでは年間に人間に処方される抗生物質が約350万キロ分なのに対して、 食用の家畜に対しては約1,360万キロが投与されているとのこと。 したがって、出所の分からない肉を食べていると、病気に掛った際に抗生物質が効かなくなるだけでなく、 抗生物質が効かない病原菌に感染する可能性も高まるのだった。



もう1つ今週大きく報じられたのが、カリフォルニア大学バークレー校パブリック・ヘルスが32種類の人気ブランドのリップスティックとリップグロスを調査した結果、 全てに鉛、クロミウム、カドミウム、アルミ二ウム、マンガンといった9種類のトキシックが含まれていたというニュース。
アメリカでは 2012年にも、食品医薬品局が400種類の リップスティック&リップグロスに含まれるトキシックを調査し、 その危険性をレポートしていたけれど、今回の調査によれば アベレージのユーザーで、 1日にリップスティックやリップグロスから 体内に吸収されているトキシックは 24mg。 頻繁に化粧直しをする女性の場合、87mgが体内に入っているとのこと。
もちろん、これ以外にもシャンプー、ローション、モイスチャライザー、ソープ、ファンデーション、マスカラ等からも 様々なトキシックが体内に 入っているけれど、特にリップスティックやリップグロスが問題視されるのは、肌からではなく、口から食べ物のように体内に入っているため。
これらのトキシックは、使用を直ぐに止めるべきほど多量ではないものの、鉛などの金属は体内に蓄積されるため、 長期的 かつ頻度の高い使用に警鐘が鳴らされていると同時に、メークをした状態での乳幼児とのコンタクトにも 注意が必要であることが指摘されているのだった。

そんなアメリカの子供達の間で、目下 激増中なのが、アレルギー症状。
今では、子供の20人に1人の割合で ピーナッツ、乳製品、卵等のフード・アレルギーの症状が見られており、 これがアトピー等のスキン・アレルギーになると12人に1人の割合。 フード・アレルギーは1997年から2011年までの間に50%のアップ、スキン・アレルギーは同じく1997年から2011年までの間に 69%増加しているのだった。
加えて、今や10〜17歳の青少年の20%が花粉症とのことで、これほどまでに子供達のアレルギーが増えている 要因の1つに挙げられているのは、以前よりも親達が過敏なまでに子供達にアレルギー検査を受けさせていること。 これによって、かつては数値に含まれなかったレベルのアレルギー症状がカウントされるようになっているという。
さらに、親達が 子供が幼い頃からアンチ・バクテリア・プロダクトを使い過ぎていることも アレルギー増加に拍車を掛けているとのことで、昨今の子供は抵抗力の低下が顕著であることも伝えられているのだった。


ところで、私の友達が先週受けていたのが、デトックス・ライフスタイルのレクチャー。
その中では、食事から生活環境まで、ライフスタイル全般をデトックスして、よりピュアで ストレスフリーな 日々を送るための 様々なテクニックやアイデアが伝授されていたというけれど、中でも私の友達が「最も深く考えさせられた」と語っていたのが、 人間関係のデトックス。
そのレクチャーでは、ストレスを払拭しない限り ライフスタイルのデトックスはあり得ないこと、そして日常生活のストレスの大半が 人間関係から来ていて、その中には自覚症状があるものと、無いものがあること。 また 長い付き合いや、親族・家族の付き合いでも、自分にプラスにならない関係が非常に多いことが語られていたという。

私の友達は、そう言われてピンと来る人物が 何人も居るそうで、そんなトキシックな友人と ディナーをすると、その後 精神的にドップリ疲れてしまったり、ディナーで食べた物の消化が悪くなったり、 会話の内容が頭に引っかかって 夜眠れないだけでなく、翌朝目覚めが悪くなる等、健康に害を及ぼすことが多いという。 中には、会う度に頼み事を押し付けられてしまうケースもあるとのことだけれど、そんな自覚があるにも関わらず、 「何故か付き合いを続けてきた自分が情けない」というのが 昨今 感じ始めたことだったという。

彼女が陥るストレスフルな人間関係の典型例は2パターン。
1つ目は、知り合った時点で 相手を実際よりずっと良い人間だと勘違いしてしまうこと。 私は このケースを2年ほど前にニューヨーク・タイムズ紙の記事で読んだことがあるけれど、人間は 時に相手の性格や人柄を 思い込みで判断して 友人関係を続けしまい、 やがてその友人が自分が思い描いた人物ではないことに 気付かされるプロセスで、ストレスを溜めていくという。
この記事の中で心理学者が例として挙げていたのが、我がままで横柄な性格の人物。 こうした人物は、人間関係が新しいうちは 社交的に好ましく振舞うので、その結果、自分を大胆でダイナミックな人柄に見せることに成功するケースが多いとのこと。 でも、そう思って周囲が 我がままや横柄さに 寛容に接したり、振り回されたりしているうちに、やがては ストレスが溜まるので、最終的には 友人関係が続かない というのがお決まりのシナリオのようなのだった。

彼女が陥るもう1つのパターンは、悪い人間関係が、更に悪い人間関係を運んでくるというケース。
私の友達が そのレクチャー以来、絶縁を誓った女友達は 交友関係が広く、とにかく いろいろな人を彼女に紹介してくれたという。 なので、彼女は自分の交友関係を広げてくれる女友達として、本人の様々な問題点に目を瞑って付き合いを続けてきたというけれど、 ふと振り返ってみると、その女友達に紹介された人間は 2〜3回会ってそれっきりになるか、 付き合っているうちに 何らかのトラブルをもたらす人ばかりであることに気付いたという。
その女友達は 交友関係を広げることに熱心ではあるものの、友達を選んで付き合うタイプではないそうで、 その付き合い方も非常に淡白。時に「冷たい」とさえ 感じることもあったという。 私の友達にとって、その女友達と付き合うストレスは、そんな冷たさや 無責任に人を紹介するところから来ていたようだけれど、 それに気付いた彼女が悟ったのは、根元が腐っていたら、そこから出た茎や葉っぱも いずれは腐るということ。
したがって、”人間関係のデトックス” についてのレクチャーは、私の友達にとって かなり心に染みる部分があったようなのだった。



友達が、トキシックな人間関係を悟っていたのと時を同じくして、私が味わっていたのは 真の友情の大切さ。
これを味わうきっかけになったのは、先週、8年ぶりに親友と再会したため。 彼女は私にとってニューヨークで初めて出来た日本人以外の友達で、当時英語が全く堪能で なかった私が、問題無く コミュニケートできた唯一の友達なのだった。
彼女と私が出会ったのは、FIT(ファッション工科大学)の会計のクラス。ブロンドでキュートな彼女は、クラスの中で一番目立っていたけれど、 そんな彼女と私が初めて会話をしたのが、初回の授業の際に行われたテスト結果を受取った時こと。 会計のクラスとは言いながらも、テスト内容は 小学生の低学年レベルの算数。 17×3=?、18+59=? というような問題が 100問並んでいたのだった。 ところが 30人近いクラスの中で、 このテストで100点満点を取ったのは 僅か3人。その3人のうちの2人が 私と彼女で、それがきっかけで私達は お互いの能力を信頼し合う関係が 不思議な形で築かれることになったと同時に、友達としても 急速に親しくなっていったのだった。

当時、ニューヨークに暮らし始めたとは言え、語学学校で知り合った日本人の友達ばかりだった私は、 社交的な彼女を通じて フランス、イタリア、ブラジルなど世界各国からの沢山の友達と知り合ったけれど、 2000年に 彼女がニューヨークを離れてしまってからは、 電話やEメールのコミュニケーションばかりで、年に1回会えれば良い程度。
そうするうちに、彼女は育児と夫のビジネスのサポートで、私は仕事で忙しくなってしまい、 何と過去8年もの間、フェイス・トゥ・フェイスで会う機会はゼロ。 もちろん、ホリデイやお互いのバースデーには、Eメールや携帯メールでメッセージを送り合ったり、ワールド・カップの際には お互いの母国チームを応援し合うなどして、 コミュニケーションは続けてきたけれど、全く 会う機会が無いまま 時間が経過してしまったのだった。

でも彼女は事あるごとに 2人の息子達に 私のことを ”BFF(Best Friend Forever)” と 話してくれていたそうで、今やティーンエイジャーになった 息子達が 数週間前に 彼女に提案してきたのが 「人生は一度しかないんだから、親友のYokoともっと一緒に時間を過ごすべき」ということ。
その言葉には彼女も、私も全くの同感で、それがきっかけで実現したのが 先週のリユニオンなのだった。
久々に再会した彼女は、 ビックリするほど外観の若さとスタイルを保っていて、聞けば 週2回のスピニング、週2回のピラテス、そして週1回はズンバのダンス・クラスを取っていて、 ワークアウトを休むのは週末のみ。 今では肉を殆ど食べず、野菜&果物と魚中心の食生活で、炭水化物はグルテン・フリーのみを摂取するように心掛けているとのことなのだった。

なので 私が最後に出会った時とは、全く違う食生活になっていたけれど、一度 話を始めると、8年のブランクがあったとは思えないほど タイム・ラグの無い会話。加えてシェアする思い出が沢山あるだけに、ニューヨークに来たばかりの頃に戻って、 若返ったような気分を味わってしまったのだった。
私にとっては、先週 彼女がNYに滞在していた3日間は、精神のデトックスをしたような時間。 彼女も私も 過去の8年間に、 友達を装ったフレネミーで酷い目にあったり、嫌な思いやストレスが溜まる経験を沢山してきているけれど、 離れていても 支えになっていたのが お互いの存在。
なので、実際に彼女と会って過ごした時間は、友情の大切さを実感しながら、身体の中のトキシックが浄化されるような感触を味わって、 人間関係が人生にもたらすポジティブ効果を満喫することになったのだった。

私は、先週再会した友人以外にも親友と呼ぶ友達が居るけれど、親友達の共通点と言えるのは 私と性格が合って、一緒に居て楽しいだけでなく、 人間として尊敬できること、そして学ぶ部分が沢山あって、会話や行動を通じて様々なインスピレーションを与えてくれるということ。
なので、一緒に過ごす時間がとても短く感じられるけれど、そんな短く感じられる時間が 沢山の思い出として 脳の中に刻み込まれて、 それがビジネスのアイデアになることもあれば、辛い状況に直面した際の支えになってくれることもあるのだった。

結局のところ、人間関係というのは毒にも薬にもなるもの。 でもそれを毒として自分に投与するか、薬として投与するかは、成り行きや必然性ではなく、自らの選択。
良好な人間関係を築いて、ポジティブ効果をもたらす人々と積極的にコンタクトをして、 ストレスの少ない生活を心掛けることは、良質な食材を選んで 健康的な食生活をするのと同様に、 心身の健康に大きな威力を発揮すると思うのだった。





執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。


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