May. 9 〜 May. 15 2005




How to Deal With Love Sick



私の個人的な観点から見ると、女性のキャリア、そして人生全般において、大きく明暗を分ける要素と言えるのが、 「ラブ・シック / Love Sick」、すなわち「恋の病」への対処である。
私の周囲を見回しても、このラブ・シックに悩まされて、時間やエネルギーを無駄にしている女性が非常に多いけれど、 その中には、人も羨む美人だったり、魅力があって周囲からチヤホヤされている女性も居れば、 小さな出来事を大きく思い込んでいる、恋愛慣れしていない地味な女性も居たりする。 こうした女性達は、自分をラブ・シックに陥れた男性に対して、「待つ」、「悩む」、「思い出す」、「予想、もしくは想定する」の4つの行動を 反復して時間を過ごしてしまう傾向があり、この間に人生の楽しむべきこと、学ぶべきこと、行動すべきことを し損ねてしまう傾向にあるので、 ラブ・シックに陥らない、もしくはラブ・シックを上手く乗り越えられる女性とは、 当然のことながら生産性、達成能力で差がつくのはもちろんのこと、それが引いては人生におけるサクセス、幸福度という点で 大きな差となって現れてくるのである。

ラブ・シック は、交際をスタートする以前に陥る場合もあるけれど、性質が悪いのは交際をスタートした直後、もしくはある一定期間続けて、 本来幸せであるべき状態にも関わらず、「相手の気持ちが分からない」、「相手の都合や状況に振り回される」、「相手の前で自分らしく振舞うことが出来ない」 ことから生まれてくる病状で、その結果、電話を待ち続けたり、相手が言った たった一言が心に引っかかって悩んだり、 「今度電話が掛かってきたら何て言おう?」などと思いを巡らせたりして、 先述の「待つ」、「悩む」、「思い出す」、「予想、もしくは想定する」の4つの行動を反復することになるのである。

こういう病状が現れたときに、ラブ・シックをさらに悪化させるのは以下の3つの行動である。

1. 女友達に相談する。
2.自己流の占いをデベロップする。
3.メモラビリアを構築する。

1の女友達に相談することが、何故ラブ・シックを悪化させるかと言えば、男性との恋愛の悩みに関して、女性ほど答えが分かっていない存在は居ない訳で、 空虚な慰めや思い込みを聞かされているうちに、ありもしない希望を描いてしまうこともあれば、余計なアドバイスを真に受けて 状況を悪化させる行動に出てしまう事にも なりかねないのである。
他の悩みなら 「聞いて貰ってすっきりした」ということもあるかもしれないけれど、「ラブ・シック」に関しては 聞いてもらっても 気が晴れるどころか、 人に話せば話すほど 相手に対する思いが募ることになるのである。

2については、私個人としてはかなり危険なものだと思っていたりするけれど、これは例えばトランプや、特定のゲームなどを使って、 相手の気持ちを占おうとする行為のこと。
かつて私の友人は、トランプを使って相手の気持ちや、相手が今何をして、自分をどう思っているかを 占う方法を自分でデベロップ(開発)して、毎晩のように 彼の電話を待ちながら 夜中の2時頃までこの自己流の占いをやっていたことがあったけれど、 これに興じていた時間というのが1日2時間、長い時は4時間くらいもあって、話を聞いてみれば、結果が悪いと、気に入った結果が出て、 自分の気持ちが収まるまで占いを続けていたというのである。
この自己流占いの危険な部分は、時間を無駄にしてしまうこともさることながら、占いの結果が事実であると思い込んでしまう部分で、 思い込みを助長するという危険をはらんでいるのである。

3のメモラビリアの構築というのは、2人で出掛けたコンサートのチケットを大切に取っておいたり、2人でスキーに行った時にデジカメで撮影した写真を プリントアウトして1冊のアルバムにしたり等、2人で過ごした楽しかった時間を思い出すグッズ、また物に限らず 記憶の断片を収拾すること。 そして、それを取り出しては、彼との思い出に浸るという行為を繰り返すことだけれど、このことには、ほんの僅かな楽しい時間、幸せな時間を10倍、20倍に膨らませて記憶に留めさせてしまうという危険があり、 相手にとっては 言われなければ思い出せない事、言われても思い出せないような些細な事が、女性側にはバーチャルな、実態のない幸福感をもたらし、 ラブ・シックはますます重症になっていくのである。


その一方で、ラブ・シックへの対処として奨励される事と言えば、以下の3つが挙げられる。

1.本当の事を言ってくれる男友達、自分と関わりの薄い男性に相談する。
2.相手を以前のボーイフレンドと比較分析する。
3.自分が本当に幸せなのかを確認する。

1の本当の事を言ってくれる男友達、もしくは関わりの薄い男性に相談するというのは、投資のことを投資コンサルタントに尋ねるのと同様、 男性が何を考えているのか、または男性がとった態度からその考えを読み取ろうとした場合、男性ほど的確に答えを出してくれる存在は居ないのである。 既婚者との不倫でラブ・シックになっている人であれば、既婚者の男性に意見を聞くべきであるし、相手が離婚経験のある男性ならば、同じく離婚経験のある男性に 相談する方が、より的確な回答が得られるというものである。
とは言っても、男性は男性の思考回路は理解していても、女性の思考回路は理解していないので、女性を傷つけないようにと、余計な気を回して答えようとする男性に 相談するのは、時に女性に相談するのと大差が無いほど 当てが外れる場合も出てくるのである。 したがって、本当の事を言ってくれる男性、お互いに良く知らないだけに悩みが話し易く、相手も答え易いような男性の方が、 相談相手には適しているのである。

2の以前のボーイフレンドと比較分析する、というのは、以前のボーイフレンドと現在の相手をチェック項目を作って比較することで、これは実際に 紙に書いて、一目で比較できるようにするのが正しい資料の作り方である。
「電話を掛けると言って、本当に掛けてくるか?」、「自分の話をちゃんと聞いて、関心を払ってくれるか?」、「デートの約束は守ってくれるか?」といった 相手のキャラクターと共に、「自分が相手に対してオープンで居られるか?」、「相手に対して気を遣いすぎていないか?」といった自分自身のことも 同時にチェックする必要があるけれど、これを行うと 往々にして女性は 「いつも同じような男性を好きになっている」ことに気が付くか、もしくは 「魔が差したようにいつもとは異なる男性を好きになっている」ことに気付くかのどちらかである。 前者の場合は、自分が好きになるタイプの男性を変えない限りは、今後、相手が変わってもラブ・シックに陥ることがこの分析によって明らかになる訳である。

でも一番大切なことは、3の自分が本当に幸せなのかを確認するということで、そもそもラブ・シックに陥るのは、好きな相手が居るにも関わらず、幸せというよりは 空しかったり、寂しかったりするからである。その空しさや、寂しさが何処から来るのか?、どうして自分が幸せではないのか?、 見方を変えれば、その人と一緒に居る自分が本当に幸せなのか?、相手に合わせて無理をしていないか?、相手を本当に信頼できるか?といったことを 自問自答する事の方が、相手が自分をどう思っているかに考えを巡らせるよりもずっと大切なことなのである。


では、そもそもどうしてラブ・シックになるのか?と言えば、答えは2つ。 相手が思っているよりも、自分の方がずっと相手のことが好きだから。 そして、もう1つは、自分が愛だと思い込んでいるものの中に、自分の身体を蝕む病原菌が存在しているからである。
それならば、ラブ・シックの病原菌に対するカンフル剤はあるのか?ということになるけれど、 ラブ・シックの女性に効果覿面のカンフル剤と言えば、意中の男性から掛かってくる1本の電話だったりするけれど、 これは麻薬患者に麻薬を投与するようなもので、その場凌ぎで 禁断症状は治まっても、長期的な解決策ではなかったりする。
デザイナーのココ・シャネルは、「ラブ・シックにかかったら、きちんとメイクをして、自分に手を掛けなさい」と言っているけれど、 私もこのコメントには全くの同感である。 ラブ・シックを克服しようと思ったら、相手の考えている事に思いを巡らせるよりも、自分の事を考えるべきだと思うし、 思い悩む時間を、自分を磨くことに掛けるべきだと思うのである。 ただ、こうしたことが言えるのも、出来るのも、ココ・シャネルのような強い女性であるからで、 ラブ・シックにかかった多くの女性は、先ずこれが実践出来るくらい自分を強くするところから始めなければならないのが実際のところだと思う。


Catch of the Week No.2 May : 5月 第2週


Catch of the Week No.1 May : 5月 第1週


Catch of the Week No.4 Apr. : 4月 第4週


Catch of the Week No.3 Apr. : 4月 第3週





執筆者プロフィール

秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。
丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、1989年渡米。以来、マンハッタン在住。
FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。
その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.設立。以来、同社代表を務める。