May 9 〜 May 15 2016

”Everything's a Lie? ”
メディアで騒がれるニュースは全て操作、ウソ&茶番?



今週の週明けに報じられたスキャンダルが、フェイスブックがそのニュース・フィードで、 世論を操作しようとしているというニュース。
それによれば、フェイスブックではどんなにトレンディングになっていても 共和党保守派に関連するニュース、 もしくはプラスになる報道はニュース・フィードで後回しになり、 リベラル派のニュースが優先されているとのことで、 フェイスブック側は いかにも人々が注目し、話題にしている順番にニュースを ユーザーにフィードしているように見せかけているものの、 その背景には企業の政治的意図が絡んでいるという様子が 元フェイスブック・スタッフによって告発されていたのだった。
これを受けて、フェイスブックのCEO、マーク・ザッカーバーグは、 「今後、共和党保守派の指導者と意見を交換する用意がある」とコメントしていたけれど、 若い世代の中には、TVを持たず、新聞も読まず、フェイスブックのニュースフィードだけで 世の中の出来事をチェックしている人は決して少なくないのが実際のところ。 それだけに、フェイスブックのニュースフィードによる世論操作は 以前にも何度か問題視されたことがあるけれど、 それが今、再び浮上したのは 言うまでも無く 大統領選挙に影響を与えると思われるため。

これを特に大きく問題視しているのは、民主党に比べてソーシャル・メディアに力を入れて来なかった 共和党寄りのメディアであるけれど、 フェイスブックと同様にインターネットを通じて世論をコントロールしていると指摘されるのがグーグル。
検索で上位に上がってくるサイトを操作することにより 世論を動かす絶大なパワーを持つと言われるのが同社であるけれど、 そもそも”オバマ政権の生みの親”と言われるのがグーグル。 その証拠に、オバマ氏の大統領選挙の度にキャンペーンの手助けをしてきたのがグーグルの エグゼクティブであり、オバマ政権ではアドバイザーを務めてきたエリック・シュミット。 オバマ政権下では グーグルのスタッフが 毎週最低1回はホワイト・ハウスでのミーティングに参加し、 同社ビジネスにとって有利な 規制を獲得してきたのは周知の事実。 もちろん連邦取引委員会による独占禁止法の捜査も上手く潜り抜けており、 これを”high-tech crony capitalism / ハイテク縁故資本主義”とまで指摘するメディアもあるほど。
そのグーグルは今週、昨今業績が下がっているアップル社を2年連続で抑えて、 世界で最も価値の高い企業になっているのだった。




ポップカルチャーの世界で、今週大きな話題になっていたのが、シンガーのミーガン・トレーナーの最新ミュージック・ビデオ、 ”Me Too”に登場する彼女のボディが「フォトショップでスリムに修正されている」というファンの指摘を受けて、 ミーガン自身が フォトショップ・バージョンのビデオをネット上から削除し、修正無しのオリジナル・イメージのビデオを公開させたというニュース。
写真上のようにフォトショップで修正されたヴァージョンでは 彼女のウエストが極度に細くなっているけれど、 これは本人の知らないうちに勝手に行われていたとのこと。 ビデオを観たミーガン・トレーナーは「私のウエストはこんなに細くない」と腹を立てたとトークショーで語っていたけれど、 キム・カダーシアンやミランダ・カーのように、インスタグラムの写真をフォトショップで修正して、 ウエストや脚を細く見せようとするセレブリティが居る一方で、 昨今では雑誌のグラビア撮影に応じる際に、”フォトショップ修正無し”を条件にするセレブリティが増えているのが実情。
これは、メディア側の意図で 実際とは異なる顔やボディに修正されることにより、 セレブリティがファンから ”ウソツキ” のレッテルを貼られるというイメージダウンを嫌ってのもの。 4月には女優のケリー・ワシントンが彼女の顔をフォトショップで修正した写真を表紙にフィーチャーした雑誌に対して、 「自分の顔とは思えない」と抗議をしていたけれど、かつては顔の色素沈着やアクネ跡等を消すだけの 目的で使われていたフォトショップが、実際の年齢より10〜15歳若く見せたり、 実際のボディより10〜15キロも体重をそぎ落とす目的で使われるようになって久しいのが現状。
これによって拒食症のティーンエイジャーと同様に増えたと言われるのが 有り得ないボディ・イメージをスタンダードにする フォトショップ担当者。 でも昨今では ミーガン・トレーナーのファンのように観る側が 疑ってかかったり、フォトショップの粗探しをする習慣がついているので、 よほど上手く細工をしない限りは見抜かれてしまう時代になっているのだった。




その一方で今週、”茶番めいたパブリシティ・スタント”と言われたのが往年のロッカー、 オジー・オズボーンと、彼と33年間 連れ添った妻で 彼のマネージャーでもあるシャロン・オズボーン(63歳)の離婚スキャンダル。
これはオジー・オズボーン(67歳)と 30代のセレブリティ・ヘア・スタイリストとの浮気が発覚し、 シャロンが家を出て 離婚を考えていることが発覚した というスキャンダルで、 シャロン・オズボーンは今週、レギュラー出演している昼間のトークショーを1日休み、 冷却期間を置いてから再登場しているのだった。
もちろん、このスキャンダルを受けて彼女が再登場した日のトークショーは 高視聴率を記録。それだけでなく、今週行われたオジー・オズボーンの最終コンサート・ツアーとなる ”オズ・フェスト”のプレス・カンファレンスには、別居した2人が仕事のために顔を合わせるオケージョンとあって、 大勢の取材陣が詰め掛けたのだった。
でもそこで浮上してきたのが、この離婚騒動が最後の”オズ・フェスト”を盛り上げるためのパブリシティ・スタントではないか?”という 疑惑説。 というのも、シャロン・オズボーンは カダーシアン・ファミリーが登場する10年以上も前に、 リアリティTV 「オズボーン」で、一躍オジー・オズボーンのキャリアを復活させただけでなく、 自分自身と子供達までセレブリティにしてしまった敏腕マネージャー。 メディアの反応を誰よりも心得て立ち回る彼女であるだけに、離婚騒動でパブリシティを煽っても全く不思議では無いのだった。

そのシャロン・オズボーンは離婚騒動から復帰した日のトークショーで、 レモネードを飲みながら 今後の身の振り方についてファンに説明していたけれど、 彼女がレモネードを飲んでいた理由は、ビヨンセの最新アルバムで、夫ジェイZの不倫を描いた「レモネード」にあやかってのこと。
その「レモネード」は、ジェイZとビヨンセがビジネス・パートナーになっているミュージック・ストリーミング・サービス、 ”Tidal/タイダル”で 独占先行公開されているけれど、鳴り物入りで登場した割りには一向にユーザーが増えない ”タイダル”に 発売から1週間で全世界で120万人のサブスクライバーをもたらしたと言われるのが「レモネード」。 ビヨンセ&ジェイZ側は、「レモネード」で描かれていた不倫スキャンダルには一切コメントしていないけれど、 結婚したことさえ暫く認めなかったほどプライベートなカップルが、不倫をオープンにすることについては 当初から疑問の声が聞かれており、現時点で2016年最大のヒット・アルバムとなっている「レモネード」が、 ジェイZが浮気をした、しないは別として、 ビジネスと割り切って パブリシティを煽る目的でクリエイト&マーケティングがなされたことは、メディア業界の誰もが確実視していることなのだった。




昨今記憶に新しい中で、最大の茶番と言われているのは、2015年12月に行われたミス・ユニヴァース・コンテストでの 勝者の読み間違いのアクシデント。
ミス・ユニヴァースのアナウンスを受けて、ミス・コロンビアがティアラを乗せられた数分後には ホストのスティーブ・ハーヴィーが 彼の間違いを訂正。ミス・シンガポールがミス・ユニヴァースになった様子は、 同アクシデントのお蔭で世界中で 大きく報じられることになったけれど、 この直後に浮上したのが、”ヤラセ”説。
ホストのスティーブ・ハーヴィーは、これが原因で暗殺予告を受けたと語っていたものの、 彼には同情が集っただけでなく、今年のスーパーボウルでは彼が間違ったアナウンスをした様子を自ら演じたパロディCMが放映され、 その出演料だけでも 彼にとっては億円単位の収入。 加えて、スティーブ・ハーヴィーがホストを務めるデイタイム・トークショーでは、その後ミス・コロンビア、ミス・シンガポールが それぞれゲスト出演し、過去最高の視聴率を記録しているのだった。
このパブリシティ・スタントは、ドナルド・トランプが大統領選挙に出馬するために ミス・ユニヴァース・コンテストの所有権を売却し、ただでさえ視聴率が下がっていた同イベントが 存続の危機に瀕していたために行われたものと指摘されていたけれど、それが見事に効を奏したのは周知の事実。 スティーブ・ハーヴィーだけでなく、ミス・コロンビア、ミス・シンガポールにとっても これが絶好のパブリシティになっていたのだった。

そのドナルド・トランプが今週披露した茶番は、彼が90年代にピープル誌の記者に対して 自分のパブリシストであるジョン・ミラーという架空の人物を装って電話を掛け、 彼の女性関係について あらぬことを喋り捲ったというもの。
これはトランプが1人目の夫人、イヴァナと離婚した直後のことで、 この会話を録音したテープは今週ワシントン・ポスト紙によって公開されているけれど、 誰が聞いてもトランプ本人としか思えない話しぶりについて、本人は 「自分を真似する人間は沢山居るけれど、この物まねは酷い」とコメント。 しかしながら、ピープル誌の記者はトランプ本人が この電話の翌週に彼女に対して、ジョン・ミラーが彼自身であったと謝罪し、 ピープル誌も それについての謝罪広告を出したことを明らかにしているのだった。
そのジョン・ミラーこと、トランプ本人のコメントによれば、彼は数人のガールフレンドとデートしており、 「マドンナも彼とデートしたがっている」とのことだったけれど、 この様子は早速今週の「サタデーナイト・ライブ」のコメディ・スケッチのネタ(写真上右)になっていたのだった。

同じく今週末には、ニューヨーク・タイムズ紙が、ドナルド・トランプのセクシスト(性差別主義者)ぶりを 彼と過去50年間に関わった女性達のコメントで記事にしており、 トランプがフロリダの自宅パーティーにやってきた初対面のモデルを別室に連れ込んで いきなりビキニを着用させたエピソード、 ミス・ユニヴァースのコンテスタントとしてトランプに紹介された女性が、 彼に挨拶代わりに唇にキスをされて気分を害したエピソードなど、呆れるようなセクハラ・ストーリーが列挙されていたけれど、 もう10ヶ月も続くと、そろそろこの大統領選挙の茶番にも飽きてきたというのが正直なところなのだった。



執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。

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