May 19 〜 May 25 2008




” エイジングとの飽くなき戦い ”


今週のアメリカは、メモリアル・デイのホリデイを月曜に控えているので、週末から3連休。
3連休とは言っても、実際には木曜や金曜から休みを取る人が多くて、企業によっては金曜が半日業務だったりするので、 今週に限らず連休前の週というのは、週末が近づくにつれて仕事のペースがのんびりして来るのがアメリカである。
私個人としては、連休後の週が4日働けば週末になるというのも 嬉しい部分であるけれど、 現在、アメリカの一部の地域の企業が導入を検討しつつあるのが、週4日業務=週休3日制である。 これは引き続きガソリン代が高騰を続けているため、 「通勤のガソリン代が掛かり過ぎる」と嘆く従業員の声を反映させたもので、 通勤に車を使わなければならないエリアの企業は 夏の間だけ試験的に週休3日制を導入することを前向きに検討しているという。 これは要するにガソリン代が下がらないのだったら、「車を使う回数=通勤回数 を減らすしかない」 というセオリーである。
原油価格は今週初めて 1バーレル当たり135ドル代を記録し、アメリカ国民が恐れる1バーレル=140ドル時代が迫っていることを 感じさせているけれど、このガソリン代の更なる高騰のせいで 今年のメモリアル・デイは車で遠出をする人が 減ると言われているほど。 また先週には ビールの値上がりも発表されているけれど、これはガソリン代(輸送費)の値上がりと 昨今の麦の価格の上昇というダブルパンチを受けてのもの。
したがってアメリカでは庶民のレジャーが どんどん割高になっているのが実情なのである。

さて、話は変わって今週月曜に私が出掛けたのがマーケティング会社が主催するフォーカス・グループ。
これは、ニューヨークの高級デパート、バーグドルフ・グッドマンの依頼でマーケティング会社が執り行ったもので、 同社のサービスや、同社ショッピング・リワード(買い物総額に応じて、商品券やギフトを顧客にプレゼントするシステム)について、 意見を交換する座談会形式のミーティング。 部屋の鏡の裏側では、バーグドルフ・グッドマンのエグゼクティブが見守っているだけでなく、 ミーティングの様子がビデオ撮影されている というものである。
この1時間半近くのフォーカス・グループに参加することによって、バーグドルフ・グッドマンの商品券300ドル分がもらえるというので、 私もヒョコヒョコ出て行ったけれど、その場に来ていたのは私を含む6人の女性。 そのうち私を含む3人がシングルで、残り3人が既婚者、うち2人が子供が居る女性であった。
年齢は40〜50代で、全員に共通して言えるのは さすがにバーグドルフ・グッドマンの上顧客だけあって お金が掛かった身なりをしていること。 特にミーティングの最中には 腕時計や指輪、ネックレスなどを チェックしていたけれど、カルティエやパテック、グリソゴーノのダイヤ入りの時計やら、カナリー・ダイヤモンドをあしらったリングなどが キラキラしていたのだった。
ミーティングの初めには 自己紹介として 住んでいるエリアと趣味、どの程度の頻度でバーグドルフ・グッドマンで買い物をしているか を述べることになっていたけれど、意外にも これらの女性達は 月に2回程度しかバーグドルフ・グッドマンに訪れておらず、 全員共通して趣味として挙げていたのは旅行。それに加えて多くのニューヨーカー同様、Dining & Wining / ダイニング&ワイニング、 すなわちグルメ・フードとワインを楽しむことを趣味として挙げていたのだった。

私を除いては全員がアメリカ人女性であったけれど、少々意外だったのはもっとボトックスやレーザー・トリートメントで、 ピンピンに張った肌の女性達が揃うかと思いきや、私の目から見て ビューティー面、すなわち肌やネール、ヘア等にも お金が掛かっていると感じられたのは、不動産インベスター とインベストメント・バンカーをしている女性の2人だけ。 残る3人は、エルメスやらオスカー・デ・ラ・レンタ、ボッテガ・べネタなど、身なりにはめっぽうお金が掛かっているのに、 それが高そうに見えないほどに、スキン・コンディションを含むメークやヘアが 手抜きで、 年齢以上に年を取って見えたのだった。
私がこのミーティングに招待されたのは、自分の分だけでなく CUBE New York のお取り寄せのお客様の分のバッグやシューズも 購入しているからだけれど、私以外の女性達は 自分だけのために年間に1千万円以上をバーグドルフ・グッドマンのショッピングに 費やしている女性達。にも関わらず、殆どノーメークだったり、ヘアがバサバサだったりして、 ”女性であることを辞めた” ような状態になっている様子は私にとっては少々カルチャーショックだったし、 どんな高額な装いをしても、どんな高そうなリングやネックレスをしても、中身に手が掛かっていないと 高い物がちっとも高そうに見えないことを思い知らされてしまったのだった。

私は、翌日食事に出かけた女友達に 早速このミーティングで出会った女性達の話をしてしまったけれど、 彼女によれば、女性は30歳〜35歳くらいまでの間に、エイジングと戦う派と戦わない派に分かれるのだという。 この年齢は、既婚の女性の出産時と重なるけれど、ニューヨークの女性がエイジングと戦わない派になるターニング・ポイントの典型は、 出産、そして子供の教育のことを考えて郊外に引っ越してしまうことだそうで、子供に時間と労力を取られて、 しかも周囲がランズ・エンドやギャップしか着ていないような郊外に引っ越すと、エイジングと戦うどころか メークやネールも しなくなる女性が非常に多いという。
その一方で、マンハッタンに暮らしてシングルのキャリア・ウーマンを続けていたり、30代前半で離婚を経験している女性というのは、 イヤでもエイジングと戦う派になってしまうのだそうで、 シングルでエイジングと戦っている私としては 納得しながらその分析を聞いていたのだった。

でも一般的に アメリカは他の先進国に比べて、若さや 完璧な美しさがもてはやされるカルチャーで、 それが証拠に アメリカン・ソサエティ・オブ・プラスティック・サージョンズの発表によれば、 昨年、2007年にアメリカで行われた 美容整形手術から ボトックス等の注入トリートメントを含む、 コスメティック&プラスティック 施術の総数は、1200万件。2006年から7%アップしているという。 このうち豊胸手術、ライポサクション (脂肪吸引)などの 美容整形手術 の件数は 180万件で、 これらの手術の総額は120億ドル(約1兆2360億円)にも上るという。
手術を受けたうち、女性の割合は 91%で、最も件数が多かった手術は ブレスト・インプラント (豊胸手術)。 次いでライポサクション、ノーズ・リシェーピング(鼻の整形)、第4位が 別名アイ・リフトとも呼ばれる アイリッド・サージェリー(瞼の手術) 第5位が タミー・タックと呼ばれる下腹部の脂肪を取り除く手術となっている。
男性の間で人気 No.1となっているのは 女性の第3位であるノーズ・リシェーピング、No.2はアイリッド・サージェリー、 3位がライポサクション、4位はブレスト・リダクション (胸の脂肪を除去する手術)、第5位がヘア・トランスプランテーション (植毛) という結果になっている。
その一方で、メスの入らないコスメティック施術は1000万件以上行われているけれど、 このうち最も多いのはもちろんボトックスで、その数は460万件。2006年から13%もアップしているという。 来週公開される 「セックス・アンド・ザ・シティ : ザ・ムービー」 の中でも、 サマンサが 「Botox works every time / ボトックスはいつも効き目を発揮してくれる」と言う台詞が出てくるけれど、 実際、誰が受けても同じようにように効果が現れるのが このボトックスである。

アメリカでは、これらの美容整形手術やトリートメントを受ける年齢はどんどん低年齢化しているのだそうで、ティーンエイジャーの 豊胸手術やライポサクション、20代前半のボトックス注射は年々増え続けているという。 この理由は 雑誌や広告に登場するセレブリティやモデルの完璧なルックスをそのまま真似ようとする 若い女性が多いためと分析されているけれど、通常ならばこうしたトリートメントが必要とされない年齢の女性が、 エイジングを恐れるあまり、その予防にケミカル・ピーリングやボトックスなど 不必要なトリートメントを受ける傾向が強いという。
つい最近、フェイシャリストをしている女性と話していた時も、「若い女性がどうやってお金を捻出するのか知らないけれど、 高いトリートメントを受けに来ることが多い」 と話していて、でも若い肌の方が 様々なトリートメントの効果が得易いとも語っていたのだった。 なので、若いうちからトリートメントを始めるのは決してお金のムダとは限らないようであったけれど、 そんな彼女でも20代前半のボトックスとケミカル・ピーリングには強く反対していたのだった。

ところで、私は過去にこのコラムで何度かボトックスや、マイクロダーマブレーションなどについて書いているので、 しょっちゅう こうしたトリートメントを受けているように思われる傾向にあって、暫くぶりにあった友人から「最近、何かやった?」などと 訊かれることも少なくないけれど、実際には私はフェイシャルにさえ定期的に行かない派で、 毎日の自分で行うトリートメントと 食事内容、エクササイズの方が、スパのトリートメントより効果が高いと考える主義。
実際に、ビューティーの専門家によれば、スパなどにこもって ボディ・クレンジングを季節ごとに行う人よりも、 日頃からきちんとした食生活をしている人の方が、遥かにエイジングが遅く、肌のコンディションも良いという。
先日TVを見ていたら、こうした毎日のルーティーンが 肌や健康、エイジングに与える効果が特集されていたけれど、 例えば、トマトに含まれているライコピンが肌のシミに効くことは 既にビューティー業界では周知の事実。 でも これをビューティー・プロダクトとして肌に付けるよりも、1日のスプーン3杯のトマト・ピューレを3ヶ月食べ続けた方が 日焼けによる肌のダメージが激減するという。
また、アメリカでは水をグラス10杯飲むのが肌や健康に良いと言われて久しいけれど、 水を毎日1ヶ月間 10杯飲み続けた後と、その前では意外にも 血圧や肌の水分など、体調や肌のコンディションには 全く変化が見られなかったそうで、”健康と美肌のために水を沢山飲むべき” という 医学的な根拠は無いようである。

さて、ビューティーに関しては Do It Yorself を好む 私が 4月に入ってから使い始めたのが、 CUBE New York のビューティー・ツールの記事 でもご紹介しているクラリソニック。(写真左) 私は こうした洗顔ブラシ系のプロダクトは これまで一切信用しない主義であったけれど、 「1秒に300回も振動するブラシ」という ふれこみに興味をそそられて、 「効かなかったら返品すれば良いだけ」と思って使い始めたのだった。
すると たった1回の使用で すっかりハマってしまうことになったけれど、 実際、クラリソニックで初めて洗顔した後の肌のコンディションは非常に良く、その後使用した モイスチャーライザーの浸透もとても良く感じられたのだった。 しかも 翌朝の肌のコンディションも良好で、 1回で効果が現れるプロダクトを信用する私としては、もうそれだけで手放せなくなってしまったのである。
でもクラリソニックは 肌が非常に強い私でさえ、その後数日使用を続けるうちに 敏感肌用のブラシがキツいと感じられた時期があり、 鼻の皮も日焼けしたように剥がれたりしたので、デリケートな肌の人は時間と回数を減らすなどして、かなり加減して使わなければならない プロダクトであるのは事実。 むしろ男性の肌には 満遍無く適しているようで、私の友人のご主人はクラリソニックで洗顔を始めてから 「顔の肌が20代に戻ったみたいだ」などと言って大喜びしているという。
クラリソニックは頻繁に充電しなければならないのが玉にキズだけれど、 朝晩しなければならない洗顔が 肌に良い効果をもたらしてくれるというのは大きな魅力。 無理なく 1日のルーティーンに加えられるので、特に努力しなくても 自然に使い続けられるプロダクトなのである。

このクラリソニックでビューティー・ガジェット・ブームに火が付いてしまった私が 次に購入したのは、 CUBE New York でも今週から取り扱いをスタートしたマーベル・ミニ
私がこのプロダクトに惹かれた理由は、顔のエイジングの一番の原因である サギング (皮膚がたるんで下がること)を 何とかしたいと思ったためである。
男性でも 女性でも、エイジングと共に目の下のシワ、口の横の ほうれい線 と呼ばれる笑い皺が深くなってくるものだけれど、 この原因はサギングで、アイ・クリームやモイスチャーライザーでは改善されないもの。 その証拠に、耳と頬骨の間の皮膚を 指で顔の外側に引っ張ってみると、ほうれい線も目の下のシワも同時に 改善されるのが見て取れるけれど、ではどうしたらその サギングを改善できるかと言えば、 整形手術による解決法はフェイス・リフト。 でも未だそこまでの必要が無い場合、肌にハリと弾力をもたらす以外に方法はないのである。 その肌にハリと弾力をもたらす手段としては コラーゲンの生成を促すこと。 でもスキン・ケア・プロダクトでこれを行うにはやはり限度があるため、 LEDトリートメントであるマーベル・ミニのレッドを使ってみようと思ったのだった。
このプロダクトは最初の数週間、24分のトリートメントを週2回行わなければならないので、 クラリソニックとは異なり、わざわざトリートメントの時間を作らなければならないけれど、 TVを見ている間などに行えるので、今のところは頑張って続けているプロダクト。 私の場合マーベル・ミニの効果は思わぬところから感じられることになって、 それは、3ヶ月も前に脚に出来た引っかき傷がなかなか薄くならないので 試しにマーベル・ミニを当ててみたところ、 目に見えて薄くなってきたのである。加えて手で触れた感触の顎から頬のラインも変わって来ているので、 時に半分眠りながらでも トリートメントをしていたりする。
でもマーベル・ミニの場合、ボッとしていると途中で行わなければならないボタンの切り替えを忘れてしまったりするので、 あまりボンヤリしながらするべきトリートメントでは無いのも事実なのである。

この2つを使い始めてから肌の調子が良いので、愛用するベアミネラルのパウダーの使用量も おのずと少なくなるけれど、 実は私は、昨年7月から使い始めたスターターキットを未だに使い切っていない状態。 これを話すと 人にはビックリされるけれど 肌のコンディションを良好に保って、メークを薄くする方が 肌のエイジングを 遥かに遅らせることが出来るのである。

こうして 私にとってのエイジングとの戦いは 脂で揚げたものを食べないことから始まって、サプリメントを欠かさず摂取したり、 エクササイズをしたり、日焼け止めを1年中欠かさず使うなど、生活の様々な部分で行われている訳だけれど、 私に言わせれば、こうしたことを行おうという気持ちを 持続することが アンチ・エイジングには最も大切なこと。
逆の見方をすれば、「 エイジングは人間の摂理だから仕方が無い」 などと諦めてしまったら、 その時点から 精神と肉体の老化は ローラー・コースターのように 凄まじいスピードで進んでいくだけなのである。





Catch of the Week No. 3 May : 5 月 第 3 週


Catch of the Week No. 2 May : 5 月 第 2 週


Catch of the Week No. 1 May : 5 月 第 1 週


Catch of the Week No. 4 Apr. : 4 月 第 4 週






執筆者プロフィール

秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。
丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、1989年渡米。以来、マンハッタン在住。
FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。
その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.設立。以来、同社代表を務める。