May 28 〜 June 3, 2012

” Throwing a Party Isn't Easy ”

今週のアメリカで大きく報じられたニュースの1つが、大統領選挙資金を愛人隠しに使った疑いで罪に問われていた ジョン・エドワーズの裁判が不成立に終わったというもの。(写真上左)
この裁判では、検察側が立件のために多額の税金を投じたにも関わらず、裁判中、 予備の陪審員3人が全員黄色の服で現れた翌日に、 揃って真っ赤な服装で現れるといった奇行が伝えられ、そのうちの1人の若い女性は、エドワーズに頻繁に微笑みかけるなど、 まるで裁判の深刻性を理解していないように振舞っていたことが報じられていたのだった。
それだけに、裁判不成立は不思議ではないけれど、ガンと闘病中の妻の存在を選挙戦に利用しておきながら、 裏では不倫をして、支持者からの献金で愛人の面倒を見ていたエドワーズの行為は、倫理的には明らかに恥ずべきことでも、 法では裁き難い罪であったことも 事実なのだった。

その一方で 目下、大統領選挙を戦っている共和党のミット・ロムニーのキャンペーン・スタッフが見せた 大失態が、写真上右のアイフォン・アプリ。
これは、フォト・シェアリングのアプリであるけれど、驚くべきは「AMERICA」のスペルが間違っているのに 誰も気付かなかったということ。
「ア・ベター・アメルシア」と読めるアプリは、今週のアメリカでジョークのネタになっており、 「ミット・ロムニーが立候補しているのは、アメリカではなくアメルシアの選挙だ」などと言われていたけれど、 かつてロムニーは、Unemployment / アンエンプロイメント (失業)のスペルを間違えてツイートし、 後から慌ててそれを消していたことも指摘されているのだった。

そのアメリカのアンエンプロイメント・レート、すなわち失業率が発表されたのが今週金曜だったけれど、 アメリカで、先月5月に生み出された新しい仕事の数は 僅か6万9000。 これを受けて、下降線を辿っていた失業率が0.1%アップして 8.2%となり、景気回復が見込まれたほど進んでいない実態が明らかになっているのだった。
もちろん この数字は金曜の株価にも影響して、ダウは275ポイント値を下げているけれど、 5月の1ヶ月間のダウの下げ幅は何と1160ポイント。一般投資家が株離れをして、その分、ボンドに投資していることが 伝えられているのだった。
ことに一般投資家を 株式投資に呼び戻すことが期待されていたフェイスブックのIPOが大失敗に終わり、今週も同社の 株価が大きく値を下げていることから、今後予定されていた他社のIPOが見送られることも伝えられていたのだった。



ところで、私は先週のメモリアル・デイ・ウィークエンドに 友人に連れられて、バーベキュー・パーティーに出かけたけれど、 そのパーティーでは、約30人のゲストのために ホストが40パウンド(20キロ以上)のスペア・リブやチキン、ステーキなどを 引っ切り無しにグリルし続けていて、近隣のレストランからサラダや、サイド・ディッシュがケータリングされて、 デザートは ケーキやパイが5種類も並ぶというメガ・カロリーのイベント。
聞けば、ケータリングと肉代だけでホストは1000ドル以上支払っているとのこと。 でもホストは、不動産と投資で毎日働く必要が無いほどお金があるので、 経済面では全く問題が無いのだそうで、むしろ彼は知らない人と話をするのが苦手なので、 肉を焼き続けている方が ずっと楽だとも言っていたのだった。

そこに来ていたゲストが話していたのが、彼女がその前の日に出かけたバーベキュー・パティーの話。
そこでは、オスカー・マイヤーのようなスーパーで売っているようなソーセージのホット・ドッグと、 コーン、ヴェジタリアン・バーガー、チップス&サルサ、野菜とディップ程度しか出されていなくて、 ゲストはあまりにフードが少なくてヒソヒソ文句を言っていたとのこと。
それを聞いて私が思い出したのが、2年前の夏に出かけたバーベキュー・パーティー。 これはニュージャージーでのパーティーで、かなり遠くまで出向いたのを覚えているけれど、 やはり行って見ると、びっくりするほど食べ物が少なくて、私はホストの友人が好む巨大なパンのローフを 2本と、モッツァレラ・チーズ、プロシュートを1パウンド(約450g)ずつ買っていったけれど、 それがものの20分程度で全て無くなってしまうほど、ゲストが食べ物に飢えていたのだった。

ホストの友人は、私が持っていったパンのうちの1本を翌朝の朝食にしようと思っていただけに、 ゲストがそれを勝手にスライスして食べてしまったのに気を悪くしていたけれど、 パーティーが終わってから話を聞けば、そのパーティーで食べ物が不足したのは、 事前にフードの持ち寄りをオファーしていた人物が数人、約束したはずのフードを持ってこなかったのが原因であったという。

そのうちの1人は、ビーフ・ブリスケット(写真下左)を持ってくると言ったそうで、 彼女は ブリスケットの大きな肉の塊が来ると思い込んでいたので、あえて肉を用意しなかったという。 でもその時の会話で、 彼女が「 ゲストにヴェジタリアンと、肉を食べない人がいるので、ヴェジタリアン・バーガーと、エビのグリルを出す予定」と言ったため、 その人物は 「ブリスケットを持って来てもらっても、食べる人が居ない」という意味だと解釈してしまったそうで、 替わりにフルーツを持って現れたという。
ホストの友人は、別の友達に「ブリスケットを持って来てくれる人が居る」と話したところ、その友達は、「ブリスケットはベイクド・ビーン(写真下右)と一緒にサーブするのが 南部の典型的なバーベキューだから、ベイクド・ビーンを持っていく」と言ってくれたそうで、 彼女は、ちゃんとベイクド・ビーンを持って現れたのだった。 でもブリスケット無しにベイクド・ビーンだけがあっても 仕方が無いわけで、彼女がせっかく持ってきたベイクド・ビーンには、ゲストが殆ど人が手をつけない状況になっていたのだった。
その他にもピーチ&ブルーベリーのパイを焼いてくると言った友人が、オーブンが故障したと言って、 アイスクリームを持って現れたり、ミスコミュニケーションと、トラブル、不手際が重なった結果、 ゲストが持ち寄ったワインだけがごっそりテーブルに並んでいて、食べ物が極めて少ないというバーベキュー・パーティーになってしまったのだった。



もし、これがマンハッタンのアパートで行なわれたカクテル・パーティーであったら、お酒さえ出していて、音楽さえかかっていれば、食べ物が無くても誰も文句は言わないもの。 私が過去に出かけたパーティーでは、ホストと親しいゲストが、お腹が空いたといってピザのデリバリーをオーダーしていたこともあったのだった。 でも食料の買出しに 車で20分掛るようなニュージャージーの郊外でのバーベキュー・パーティーとなったら、 食べ物が出てこないのは致命的と言える大ミステイク。

持ち寄りでパーティーをホストしようとした場合、時に起こるのが、「他の人も何かを持ってくるはずから、自分1人くらいが 分担を持ち寄り損ねても大丈夫」と考える参加者、勝手に分担と異なるものを持ってくる参加者のせいで、メニューや予定が狂ってしまうこと。
その点、私がメモリアル・デイに出かけたバーべキュー・パーティーは、ホストが全てを手配して、自分で料理しない分は、 ケータリングで済ませていたので、そうしたトラブルは皆無。その替わり、パーティー代は全てホストの負担になってしまうので、 彼のように経済的に余裕が無ければ、あそこまでメニューが充実して、量もたっぷりのパーティーは出来ないという感じなのだった。

では会費制にすれば良いかと思えば、意外に難しいのが会費制のパーティー。 そもそもパーティーの最中に会費を集めるのが大変な作業であるし、会費に見合うだけのものを出さなければと思って、 しっかり準備をしたら、RSVPをしておきながら現れないゲストが居て、出費だけが嵩んでしまったというのは良くある話。

一般的なホーム・パーティーは、ホストがフードを担当して、ゲストは特にホストにリクエストされたものが無い限りは、ワインかリカーを持参するのが通常だけれど、 友達を2人連れて来て、ワイン1本しか持参しないのはホストに対して失礼。中には手ぶらでやって来る人もいるけれど、 本人はそれで構わないと思っていても、他のゲストやホストは手ぶらで現れた人物のことをしっかり覚えていて、 何かにつけて その人物の人柄を語る際に 持ち出してくる傾向にあるもの。
でも、確かにパーティーに手ぶらでやって来て、しっかり飲み食いしている人というのは、身勝手で図々しい人が多いように思えるのだった。

もう何年も前のことになるけれど、友人が小規模なディナー・パーティーに招待してくれたので、何か持っていくものは無いかと訪ねたところ、 ワインとフルーツを頼まれたので、彼女の家に行く前に 待ち合わせをした別の女友達と ショップに立ち寄ったけれど、 この時 私が驚いたのは、その女友達が「私がワインやフルーツを頼まれた訳じゃないから・・・」と言って、私1人に買い物をさせたこと。 それは別に構わないけれど、唖然としたのが この時の彼女の言い分。「私はディナーに来て欲しいって言われて、行ってあげる側なんだから、 別に何も持って行く必要は無い」というのが、彼女が手ぶらで出かけるのを良しとする理由。
でも、いざ友人宅に2人で到着すると、彼女は ワインとフルーツを いかにも 私と代金を折半して、一緒に買ってきたように振舞ったので、 私は彼女の人格を疑ってしまったのだった。 これが 変わった価値観のアメリカ人なら まだ理解できるけれど、この人物は私より年上の日本人で、大学院まで出ている高学歴の持ち主。
一事が万事で、彼女はどんなに人が親切にしても、当たり前だと思って、特に感謝する気持が無い人なので、私も友達付き合いを止めてしまったけれど、 彼女のことを思えば、手ぶらでパーティーに現れるということで、人格が疑われても仕方が無いと言えるのだった。

でもパーティーに手ぶらで現れなかったとしても、唖然とするようなことをするゲストというのが時に存在するもの。
私が数ヶ月前のニューヨーク・タイムズ紙のソーシャルQ&Aで読んだのが、パーティーの終わりに余ったワインを、 ゲストが勝手に持って帰ろうとバッグに詰めていたとのことで、そのゲストの言い分というのが「ワインは、ゲストが飲むために持ち寄られたものだから、ゲストが持ち帰って当然」 というもの。Q&Aの相談者は そのパーティーのホストで、「この言い分が果たして正しいのか?」と尋ねていたのだった。
実は、私は似た状況を目撃したことがあって、それはパーティーで出されたフードを パーティーが終わって 余っていたなら まだしも、 パーティーの最中に ゲストが プラスティック・コンテナに詰めて、持って帰ろうとしていたというケース。 この時の女性の言い分というのが、彼女はその時、お腹が一杯で、せっかくのパーティー・フードが食べられないので、持って帰る というもの。 加えて、彼女はパーティー・フードというのは、多かれ、少なかれ最後には余るものなので、彼女がいくらか持ち帰っても、「大勢に影響は無い」 と言っていたのだった。

私の考えではタイムズのQ&Aで寄せられた質問の答えは、ゲストが持ち寄ったワインは ホストへのギフトであり、それをゲストに出すか出さないかは、ホストの自由。 なので、ホストがオファーした場合以外は、ゲストがそれを勝手に持ち帰る権利は無いと思うのだった。
私が目撃したフードの持ち帰りにしても、パーティー・フードは ゲストが その場で味わうためにサーブされているもので、 その場に居て食べる権利があるものを 持ち帰ることが出来ると判断するのは間違い。 もし、それが着席のコース・ディナーで、「食べきれないデザートを持って帰りたい」とリクエストするのならば問題が無いけれど、他のゲストと フードをシェアしているオケージョンでは、それを勝手に持ち帰ろうとするのは、かなり常識はずれだと思うのだった。

ところで、パーティーをホストする際に、最も苦労するのは参加人数をしっかり把握して、 それに見合った量のフードとドリンクを用意することだけれど、その問題を解決するべく登場したのが zokos.com というウェブサイト。
このサイトは、会費制のパーティーをホストするためもので、パーティーの最低遂行人数と最高キャパシティ、会費を設定し、 参加者が最低遂行人数に達すれば、RSVPをした人のクレジット・カードに会費がチャージされるというシステム。 参加者が最高のキャパシティに達した時点で、自動的に受付が締め切られるようになっていて、 ホストはパーティーの前に会費を集めて準備をすることが可能。参加者が現れなくても会費を受取れるので、 準備をして損をする心配がない一方で、参加者も会費が先にチャージされているので、 きちんとパーティーに現れるというのがそのコンセプトなのだった。

このサイトはパーティーを主催する側には非常に有り難い存在であるけれど、言い換えればこうしたビジネスが登場するほど、 パーティーをオーガナイズするというのは、大変なことだと言えるのだった。





執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。


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