June 10 〜 June 16, 2013

” Mentality of Man with Much Younger Woman ”


今週も 米国家安全保障局(National Security Agency、以後NSA)が、 テロ防止対策と称して 国民のプライバシーを侵害していたというスキャンダル、 及び それをイギリスのガーディアン紙を通じて暴露した エドワード・スノーデンに関する報道が 大きく行なわれていたアメリカ。
エドワード・スノーデンについては 国家機密をメディアに公表した罪で訴追するべきという声と、彼を擁護する声に分かれているけれど、 彼自身は高校さえ卒業しておらず、コンピューター・テクノロジーはほぼ独学で身につけたもの。 アメリカ軍に短期間入隊した彼が、 CIAの情報技術部門で働き始めたのは 22歳の時点。
議会では 現在29歳の彼が その若さと未熟な経験で 国家の最高機密にアクセス出来ることに対して 疑問を投げかける声が聞かれていたのだった。
週末には エドワード・スノーデンの告白によって、2009年にロンドンで行われたG20のサミットの際、イギリス政府も 参加国の政治家の Eメールや携帯メールのスパイ行為を働いていたことが 明らかになっているけれど、このスキャンダルが報じられた後の世論調査によれば、 「NSAが国民の電話をハッキングするのは、テロ対策のために仕方ない」と答えた人々は全体の56%。 でもこれがEメールになると、NSAのスパイ行為を肯定する意見は45%に減って、 52%の人々が これに反対意見を示しているのだった。

メディアの専門家は、NSAが国民のプライバシーを侵害する 遥か以前から、グーグル、フェイスブックといった企業が、 Gメールの内容やフェイスブックの書き込みを モニターすることによって、それをビジネス・データとして 使っていたとして、「Gメールや、フェイスブックが 何故 無料で使えるサービスなのかを考えてみるべきだ」 と指摘。また今日、6月16日付けのニューヨーク・タイムズ紙では、 それらに加えて クラウドもモニターされていることが報じられ、 こうしたサービスが、「今更使用を止めるのが不可能なほど普及している」実情を 述べているのだった。
その一方で、NSAによるEメールのモニターに反発した人々の間で広がっているのが、一度に何万人もが同時に ”Bomb(爆弾)” 等、テロリストと疑われる キーワードを入力したらNSAのシステムがどうなるかを 試してみようというムーブメント。 この主催者側は、「その結果どうなるかは、政府さえも予測しえないはず」としており、多くの人々が同ムーブメントに サインアップしていることが伝えられているのだった。



さて、スタートから2週間以上が経過したニューヨークの自転車シェア・プログラム、”CitiBike / シティバイク” であるけれど、 その間、市内に設置された6000台の自転車が利用された回数は17万回。年間メンバーに登録したニューヨーカーの数も3万6000人を 上回り、特に大きな事故も無いことから、 数字の上ではサクセスと言えるのが同プログラム。
しかしながら 利用者からの苦情やトラブルが非常に多いこともニューヨーク・タイムズ、ニューヨーク・ポスト紙が報じているのも事実で、 市政府は スタートしたばかりのプログラムにケチが付くのを恐れてか、あえてその苦情やトラブルの数の公表を避けているのだった。
最も多い苦情で、利用者の頭痛の種になっているのは、バイク・ステーションが壊れていて、バイクを借りることも 戻すことも出来ないケースが 頻繁にあるということ。ニューヨーク・タイムズ紙で紹介されていた利用者は、自転車をピックアップしようと思っていたバイク・ステーションが 壊れていたために、1キロ近く歩いて別のステーションに行かなければならず、自転車を戻す時も やはりステーションが壊れていて、”自転車を借りて、戻す” という作業に非常に時間を取られてしまったとのこと。 別の記事で紹介されていたブルックリンの住人は、自宅アパートの傍にバイク・ステーションが2つ出来たことを受けて 年間のメンバーに登録したというけれど、いざ自転車を使おうと思ったところ、どちらのステーションも壊れていて利用が出来なかったという。
こうした 「自転車が借りられない、戻せない」というトラブルのせいで、通勤など 時間通りに動かなければならないケースでは 頼りにならない交通手段と見なされつつあるのがシティバイクであるけれど、 戻す際に、きちんとロックされていない自転車を見つけて、タダ乗りをする人も出現しているとのこと。 これは乗っている本人はタダであるけれど、支払いがチャージされているのは自転車をロックし損ねた前の利用者のクレジット・カード。 もちろんその利用者は自転車をロックし損ねたことに気付いているはずは無いので、クレジット・カードの請求書が届いてから ビックリする金額がチャージされている可能性を危惧する声も聞かれているのだった。

私の周囲にもシティバイクをトライしたという友達が何人も居るけれど、それぞれが様々な問題による 悪戦苦闘のエピソードを語っているのだった。
例えばミッドタウンに住む女友達は、アッパー・ウエストサイド、81丁目のアポイントメントに出かけるために、シティバイクを利用してみようと思ったという。 そこで、彼女のアパートの前に出来たステーションで 1日の利用パスを購入したというけれど、 まず直面したのが、ステーションが壊れている訳でもないのに自転車が取り出せないこと。 何度もトライするうちに、ロックを解除するコードが時間切れになってしまい、途方にくれた彼女はホットラインに電話を掛けたという。
このホットラインは 週末ともなれば 繋がるまで45分待ちで、これも数多い苦情の1つになっているけれど、彼女は平日の通勤時間外とあって、 5分ほどで繋がり、 オペレーターの指示に従って何とか自転車を取り出すことが出来たという。
そして快適に走り始めたのも束の間、次に彼女が味わったのが、自転車の重さによる上り坂のキツさ。 2週間前のこのコラムにも書いた通り、シティバイクは非常に丈夫な作りであるため かなりの重量で、 上り坂で それを実感して息切れしてしまったとのこと。
でもアポイントメントの時間より12分早く 目的地に到着した彼女は、余裕を持って自転車をステーションに返せると思って、 携帯電話のアプリで最寄のステーションを検索したところ、そこから最も近いステーションは何と6番街59丁目で、 目的地よりも自宅に近い場所。
シティバイクは 個人の自転車のように、ストリートに停めて置くことが出来ないため、選択の余地が無い 彼女は、 汗まみれになって自転車をこいで、59丁目のステーションにシティバイクを戻してから、タクシーで現地に向い、結局 アポイントメントに10分 遅刻したという話なのだった。
それでも 利用した友達は、それぞれに様々な酷い目にあっていても シティバイクには かなり寛容で、「スタートしたばかりのプログラムだから、 問題が起こるのは仕方が無い」というスタンス。 ニューヨーク・タイムズ紙では シティバイクで問題が起こるのは、プログラムの規模が大きすぎて、 導入しているソフトウェアでは 対応しきれないためだと指摘しているのだった。
ちなみに、シティバイクが利用出来るのは16歳以上。ヘルメットの着用は 義務ではなく、奨励。 2人乗りは規約違反と見なされるのだった。



今週もう1つ大きく報じられたのが、ニューズ・コーポレーションの会長兼、CEOで、ビリオネアのメディア王として知られる ルパート・マードック(82歳)が、6月13日 木曜に 3人目の妻、ウェンディ・デン(44歳)との離婚を申請したというニュース。
ニューズ・コーポレーションと言えば、20世紀フォックス、フォックスTV、ニューヨーク・ポスト、衛星放送のDirecTV, イギリスのタイムズ等を傘下に収め、 日本を含む、世界中で展開するメディア企業。 タブロイド色の強いメディアが多いことでも知られる存在。
この離婚が発表された際、幾つかのメディアは「果たしてニューヨーク・ポスト紙がどんな報道をするか?」と 興味津々であったけれど、さすがにゴシップ・ニュースの報道力で群を抜くニューヨーク・ポスト紙も、 親会社のボスをネタにする訳には行かないようで、同紙はマードックの離婚については 全く報じていないのだった。

フォックス、NYポストといったゴシップ・メディアの大御所が報じないと、スキャンダルは かなり迫力を失うけれど、 ウェンディ夫人にとっては、マードックの離婚申請は 寝耳に水の 突然のニュースであったとのこと。 でも周囲は、2人が別々の寝室で眠り、それぞれ別々の生活をしていたとして、 離婚が驚くべきことではないと証言。 また一部では、 ウェンディ・デンが 元英国首相、トニー・ブレアと不倫関係にあったという噂も聞かれていたけれど、 トニー・ブレア側はこれを否定しているのだった。

中国生まれのウェンディ・デンは、イエール大学卒業後、ニューズ・コーポレーション傘下の香港スターTVのジュニア・エグゼクティブとなり、 1997年に 会社のカクテル・パーティーで ルパート・マードックに紹介されたという。
そして その2年後、1999年7月に、30歳にして 当時68歳のマードックと結婚。(写真上左側、 右側はその14年後の今年のゴールデン・グローブ賞でのスナップ)
ウェンディと結婚するために、マードックは2人目の妻で、彼の3人の子供の母親であるアンナ・トルフとの 32年間の結婚生活に終止符を打っており、 2人の間にはプリナプチャル・アグリーメント(離婚に際に自分の財産を守るために、婚前に交わす協約書)が結ばれていなかったことから、 彼は何と17億ドル(1700億円)という桁外れの慰謝料を支払っているのだった。
ちなみに、芸能・スポーツ界で最も高額な離婚慰謝料といえば、スティーブン・スピルバーグ、マイケル・ジョーダンの 150〜170億円であるから、 この金額はその10倍に当たるもの。

そのウェンディ・デンとマードックは、14年間の結婚生活で2人の女児を設けているけれど、 最初から 彼女を決して好んでいなかったのがマードックの母親。 母親は ウェンディを「デザイニング・ウーマン」、すなわち ”計算高い女性” として、 ウェンディが自らのキャリアやマードックの財産という目的を持って、彼と結婚したという見解を公に語っていたのだった。
しかしながらウェンディと結婚してからのマードックは、パーティーやプレミアなど、それまであまり姿を見せることが無かった 派手なイベントに夫婦揃って出席するようになり、その服装から ライフスタイルまでもが若返ったことが指摘されていたのだった。

そんなウェンディ・デンの存在がメディアで大きく取り上げられるきっかけとなったのは、2011年7月、 ニューズ・コーポレーション傘下のタブロイド誌、「The Sun / ザ・サン」がセレブリティや政治家の電話を盗聴していた事件に関する イギリス議会の公聴会の席で、抗議者がマードックに投げつけようとした シェービング・クリームのパイを 学生時代にバレーボールをしていたというウェンディが叩き落とし、マードックのジャケットに僅かにクリームがついただけに 防いだという エピソード。
これがきっかけで 当時、多くのメディアがウェンディ・デンに関する記事を掲載し、彼女は一躍セレブリティになってしまったけれど、 その報道によれば、 ウェンディが中国の政府高官と社交的に親しくしているお蔭で、ニューズ・コーポレーションは 中国進出をかなり有利に進めることが出来たとのことなのだった。

マードックとウェンディ・デンの間には、プリナプチャル・アグリーメントが結ばれているため、 今回の彼は 2度目の離婚の時のように 大金を失うことなく 離婚出来るとのことだけれど、 今週メディアで聞かれていたのが、 「そもそも何故、30歳の女性が 68歳の男性と結婚したのか?」という指摘。
もちろんその答えは、「社会的権力、財産」ということになるけれど、 逆に68歳の男性が30歳の妻から何を得るかといえば、若さ、エキサイトメント以外に、 自分のエゴが満たされること。 若い女性を惹き付けられる、妻に出来るというのは、財力、権力以外に 自分の体力や性欲が 年齢を重ねても 旺盛であることの証と考える男性は 非常に多いという。
更に若い女性の持つトロフィー性、すなわち 戦利品として人に見せびらかす価値も、 男性のエゴ やプライドを満たす大きな要素。 こうした関係は 男性が全てにおいて女性より優位にあって、 男性側が 女性を簡単に扱える状況。 そんな女性から批判されたり、プレッシャーを与えられることの無い関係、 女性が自分との力関係を理解して 対等に振舞うことがない関係を 好む傾向は、特に保守的な男性に根強いことが指摘されているのだった。
果たしてルパート・マードックも これに当てはなるかは定かではないけれど、彼の2人目の妻、3人目の妻は共に ニューズ・コーポレーション、及びその傘下の社員、2人とも移民というステータスなのだった。


ところで 私のテニスのパートナーのクライアントには、50代の非常に裕福な独身男性が2人居るけれど、 それぞれが20代の若い女性としか交際しないポリシーを掲げているという。
1人は不動産メガリッチで、愛人を5人抱えて、全員が彼が所有するビルのアパートにそれぞれレントを支払うことなく暮らしているという。 加えて5人を自らの社員として登録し、健康保険も支払っており、そのうちの1人については ヴィザもサポートしているとのこと。
そこまでする代わりに、 愛人には決して「No」と言わせないのが彼のルールだそうで、 5人のゴージャスな20代の女性が 揃って自分の言いなりになることが 彼のエゴを満たすと同時に、 満足感を与えているというのだった。
どういうバックグラウンドの男性が そんな風になるのかと思ったら、彼は背が低く、ルックスも悪く、 学生時代はモテないどころか、美女が目を合わせてくれることさえなかったような存在。 でも親の不動産ビジネスを継いで、それが大成功を収め、今ではマンハッタン内にビルを7軒も所有する マルチミリオネアになった彼は、愛人の美女達をストレッチ・リムジンに乗せて、 ホットなクラブに出かけて、彼女らを見せびらかすことで、過去のコンプレックスを払拭しているとのことなのだった。
そんな彼は 自分が女性にモテないのが分かっているだけに、女性へのアプローチは ビジネス取引と全く同じ。 自分との関係で得られる物を女性に提示して、それに女性が乗ってくるか来ないかで、 愛人関係が決まるという。彼自身が 恋愛関係を望んでいる訳ではないので、 ”電話に出ないで相手を焦らす” というような 精神的な駆け引きで 恋愛感情を煽ろうとする女性には 全く興味が無いとのことなのだった。

もう1人の50代男性は 離婚経験者で、 リタイアしたヘッジファンドのマネージャー。
彼には現在、20代のブロンドのウクライナ人モデルのガールフレンドが居て、別れても直ぐにまた20代の美女と 付き合い始めるという。 彼の強みは、ハンプトンにサマー・ハウスを所有していることで、これまでサマー・ハウスに 美女を招待して断られたことは一度も無いとのこと。
彼によれば、パーティーに若い女性を同伴して出掛けると、彼と同年代の男友達は皆羨ましがるものの、 時にネガティブな目を向けてくるのが彼らの妻たち。 そんな彼は、以前知り合いの紹介で 40代の女性とデートしたことがあったというけれど、 その女性はキャリアと教養がある分、自己主張も強く、 自分が気に入らないないことには非常に批判的で、彼は直ぐに離婚した妻のことを思い出してしまったという。
それに比べると、20代の女性との関係は 目の保養になるだけでなく、 愚痴や批判も無く、仲間の男性には羨ましがられる等、良いことだらけ。 彼は「年齢相応の女性との付き合いなど 全く考えられない」と語っているとのことなのだった。

私のテニスのパートナーが この2人の男性の話をすると、女性と男性でそのリアクションが大きく分かれるそうで、 理解を示すのが男性、女性は 愛情が欠落した関係に批判的になるのが常とのこと。
私の考えでは この2人の男性の場合、女性達がお金目当てで 彼らに愛情を注いでいない分、 彼らとて お金は払うものの、自分達のエゴを満たし、人生を楽しむのに彼女らを利用しているだけで、 フェアなギブ&テイクが成立していると思えるのだった。

果たして彼らがもっと年齢を重ねて、健康が脅かされるようになった段階で、 顔がシワクチャでも 自分に愛情を注いでくれる女性が傍にいて欲しいと思うか、 大金を支払って 若いプライベート・ナースに面倒を見て欲しいと思うかは 神のみぞ知るという状況。
でも この2人の男性の言い分を聞いていると、それが正しいかは別として、 若い女性との関係を好む男性の心理、その背景にあるエゴやコンプレックスが良く分かることは確かなのだった。





執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。


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