June 11 〜 June 17 2018

”Cracking DNA Code For Weight Loss?”
今 ヘルス・ジャンキーが夢中のDNAダイエットで
本当にスリムなボディと若返りが実現するか?



今週末からワールドカップが始まっているけれど、アメリカ・チームが予選落ちとあって、 「現時点で盛り上がっているのは移民だけ」と言われるのが今大会。 アメリカには「メジャーリーグ・サッカーはフォローしていないけれど、ワールドカップは観る」という ワールドカップ・ファンが多いけれど、今大会は放映局であるFOXが大々的なカバーをしていないこともあって、 そんなファンは ワールドカップが何時、どのチャンネルで放映されているかさえ知らない状況なのだった。
それよりも今週話題になったのは 2026年のワールドカップが アメリカ、メキシコ&カナダの共同開催になったというニュースで、 2026年は現在の32チームによる全64試合のトーナメントから 48チームによる全80試合に変わる初めての大会。 そのうちの60試合を10都市でホストするのがアメリカ、残りの10試合ずつを それぞれの3都市でホストするのがカナダとメキシコで、 決勝の会場はNYジャイアンツ、NYジェッツの本拠地である メットライフ・スタジアムが有力視されている状況。
ワールドカップはホスト国が自動的にトーナメントにエントリーされることになっており、メキシコは実力で出場できるとしても、 アメリカ、カナダにとっては約1兆5000億円と言われる ワールドカップ経済効果を得るために、 ホスト国のステータスは不可欠と言えるのだった。




さて昨今 ヘルスジャンキーや、新しいもの好きのニューヨーカーの間でトライする人々が増えているのが DNAダイエット。
昨年のホリデイ・シーズンには ”アンセストリー” や ”23 アンド・ミー” のようなDNAテストキットを ギフトにするのがちょっとしたトレンドになっていたけれど、これらのDNAテストは もっぱら自分の人種的なルーツを正確に把握するためのもの。 自分がアイリッシュ系だと思っていたら、実は殆どがドイツの血筋だった等、特にヨーロッパ系のアメリカ人の間では 意外な発見が多いことで知られるのがこれらのDNAテスト。
”23 アンド・ミー”に関しては、その遺伝子から将来的に危惧される病気の予測を行うのが そのサービスのウリになっていたけれど、これはFDAからの規制によって ごく簡単な説明程度に止まっているのだった。

これに対して現在 トレンディングになっているDNAダイエットは 写真上のようなキットで、 個人のDNAに合った食事やエクササイズを提案してくれるサービス。 人間はそのDNAによって 特定の食べ物の消化が出来ない、もしくは消化が難しいというのは セリアック病 や ラクトス・イントレランス(乳糖不耐症/Lactose intolerance)に見られる症状。 反対に フードの中には特定のDNAにメリットをもたらすものも存在する訳で、DNAに従った食事をすることによって、 健康や若さを保ち、病気を防ぎ、理想体重を実現するというのがそのコンセプト。
またエクササイズについても、そのDNAによって 短時間の激しいエクササイズが適している場合もあれば、 持久力を養うエクササイズをした方が良いケース、身体の柔軟性を養うのが大切なケース等があるようで、 DNAにマッチするエクササイズをした方が、筋力や肺活量を含めた体力の改善が早いだけでなく、 精神的ストレスを感じずに身体が動かせることが指摘されているのだった。




DNAダイエット・キットは安価なもので約100ドル、高額なものになると約500ドルで、 いずれもキットに含まれている容器を使って唾液をラボに送付してDNAの分析結果を受け取るというもの。 本格的なサービスになると、指定されたクリニックに出向いて血液、唾液、尿の摂取、顔写真の撮影、 身長体重、ウエストラインの採寸までもが行われるとのこと。
DNAダイエット・キットの中には 分析結果に沿ったコーチング・サービスが含まれているものや、 DNAダイエットの食事のデリバリー・サービスが受けられるもの、DNAに適したサプリメントの購入オプションを設けたもの等があり、 ほぼ全てが単なるDNA分析だけでなく その結果に合わせた何等かのサービスを提供する商業的なビジネスとして営まれているのが実情。

DNAダイエットをトライした人々は、往々にしてそれまでは普通に食べていた何等かのフードを 分析レポートの結果からギブアップすることになるけれど、最も多いのがチーズ等の乳製品。 それ以外にはバナナやパイナップル等の糖分の多いフルーツ、特定のナッツ、大豆製品を含む豆類等が 禁止フードに挙げられるケースが多く、その摂取を止めて 奨励される食材中心の食生活をすれば、 特に食べる量を減らさなくても 普通体重の人で3〜5キロは落とせると言われるもの。
これは DNAダイエットで禁止されているフードが 食欲のトリガーになったり、 体内で消化吸収の妨げになっているケースが多いためで、 それらの摂取を止めて DNAフレンドリーなフードに替えるだけで 代謝力がアップし、余分なエネルギーが消化吸収に奪われないことから 日常生活のエナジーレベルがアップするというのが同ダイエットのセオリーなのだった。




これを医学界ではどう受け止めているかと言えば、 食事療法の分析に定評があるニューヨーク大学ランゴーン・ヘルスのメディカル・ウェイトマネージメント・プログラムの ディレクターは、DNAダイエットについて「星占いのようなもの」とコメント。 その理由として「自分は魚座だけど、いて座の占いを読んでも、ふたご座を読んでも 大体当てはまることが書いてある」と説明しているのだった。
すなわち誰にとっても 野菜や上質なたんぱく質が奨励されて、砂糖や炭水化物は控えるべきもの。 それを食材の種類を変えながら、DNAの根拠と共に説明した場合、信じたい人にとっては説得力があるかもしれないけれど、 その内容は 医学的見地から健康的な食事法と言われるものと全く同じ。 したがって それを実践すれば、多少の個人差はあっても誰もが体重を落としたり、健康的になるというのがそのディレクターの意見なのだった。
実際にそれを裏づけるように、今年2月にアメリカの医学ジャーナルに発表されたスタンフォード大学のリサーチによれば、 DNAに合わせた低脂肪、低炭水化物ダイエットをした人々と、 普通に同じダイエットをした人々とでは、体重の減り方に殆ど違いが無かったことが明らかになっているのだった。

しかしながら多くの医療専門家でも認めるDNAダイエットの効果が2つあって、 1つ目はプラシーボ効果。すなわちDNAを用いて信ぴょう性がある説明をされると、 「その通りにして体調が良くなった」、「楽にエクササイズが出来るようになった」等と思い込んで、 ダイエットやエクササイズを続けられる結果、効果が現れるというもの。
2つ目は、DNAダイエットが食事やエクササイズの詳細の指示を与える結果、 「言われた通りのことを実行するのは得意」という性格の人に対しては 成果が望めるというもの。 逆に何を言われても半信半疑な人、自分で勝手に工夫をするのが好きな人は、最初は インストラクション通りにトライしても、すぐに元通りの習慣や食生活に戻ってしまうことが指摘されているのだった。
要するにDNAダイエットも他のダイエット同様に 「理性的に継続できる人が成果を上げられる」ということになるけれど、 これはダイエットに限らず 人生全般に言えることなのだった。



執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。

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