June 25 〜 July 1 2007




” アルライ・ダイエット・レポート ”




真夏日であった今週水曜に、マンハッタンのアッパー・イーストサイドとロングアイランドで停電が起こったことは、 サイトのトップ・ページでお知らせしていたけれど、CUBE New York のオフィスがあるのもアッパー・イーストサイドであるため、 いきなりの停電でこの日は一時的に業務が停止してしまったのだった。
幸い1時間程度で電気が戻ったけれど、地下鉄のダイヤが乱れたのはもちろん、商品の発送を担当するUSPSも 電気が戻らないと予測してさっさとクローズしてしまう始末。 CUBE New Yorkでも インターネットとコンピューターが使えないと 全く仕事にならない状態で、 2003年8月の停電時以来の無力感を味わうことになってしまったのだった。 そこで、仕方なく電気が無くても出来る机の上の掃除を始めたら 電気が戻ったけれど、 昨年夏にクイーンズで起こった停電は1週間にも及ぶもの。 アッパー・イーストサイドは高額納税者が多いエリアだから、停電がそこまで長引くことは無いとは思っていたけれど、 停電中は最悪のケースを考えてヒヤヒヤしていたのだった。
さて、同じ水曜にケーブル局CNNで放映されたのが、先週のこのコラムでも触れたパリス・ヒルトンのインタビュー。 そのパリスは拘留期間中に 入所時 110パウンド(49.5キロ)だった体重が 6〜7パウンド(約3程度) 減ったと言われており、僅か3週間程度で 5%以上の体重を落とすという 多くのダイエッターが夢見るような減量結果を得ているのだった。

アメリカの肥満人口は 約1億人以上と言われるけれど、その中でダイエットをしている人の数は7800万人。 この男女の内訳は女性が62%で、男性が38%とのことで、 アメリカにおけるダイエット市場の規模は年間で500億ドル(約6兆円)にも上ると言われるもの。 それだけに、このメガ市場を狙った出版物やプロダクト、サービスが常に多数登場しているのがアメリカである。
そのアメリカで昨今話題になっていたダイエット本が2冊あるけれど、 まず1つ目がバーバラ・ロールズ博士著の「The Volumetrics Eating Plan / ザ・ヴォリューメトリックス・イーティング・プラン」。 そしてもう1つが ジュディス・S・べック博士著の「The Beck Diet Solution / ザ・べック・ダイエット・ソルーション」である。
そのコンセプトを掻い摘んで説明すると、前者の「ザ・ヴォリューメトリックス」は、 日ごろ食べているハイ・カロリー、ハイ・ファットのメニューを、 ヘルシー思考に変えるだけで、量が沢山食べられる上に体重が落とせるというもの。 例えば本の表紙にフィーチャーされているとおり、小さなクッキー1つ は ノン・ファットフローズン・ヨーグルトのフルーツ・パフェと カロリー的には同じもの。でもパフェの方が沢山食べられて満足感が得られる上に、フルーツでヴィタミンが得られて ヘルシー、しかも低脂肪という訳である。
この本では、日ごろ食べている「XXXXの代わりに、○○○○を食べれば・・・」という幾例にも及ぶ提案が行われており、 ダイエットする側が好きな食べ物を大きく妥協することなく、代替のヘルシー・フードを食べて痩せられるように 工夫されたもの。したがって本の大部分がダイエット・フードのレシピになっている。

一方、後者の「べック・ダイエット・ソルーション」は、サブタイトルに「Train Your Brain to Think Like A Thin Person (痩せている人のように考えられるように頭脳をトレーニングする)」 とあるように そのコンセプトは食事療法ではなく、 食欲をコントロールする頭脳に働きかけること。 すなわち、空腹時の精神的対処法や 大食をしてしまいがちな考え方を見つめ直すのがこの本である。
ここ1〜2年、ハリウッドでも食欲抑制の処方箋薬がセレブリティの間で大流行していたけれど、 この本は食欲抑制剤の効果を脳を鍛えることによって得ようとする新しいアプローチとして知られている。
私も「べック・ダイエット・ソルーション」には少々興味を持っていたけれど、 この本はどちらかというと猛然と食欲があって困るような人、ダイエットをしながら 「早く痩せて、思いっきり好きなものを食べたい」というように、食べることに執着している人に適したもの。 私自身は現在そういう精神状態には無いので、役に立ちそうには思えないものだった。
それでも 私は10年ほど前に1度食欲がコントロール出来ない状態になったことがあって、 その時は今よりも5キロほど痩せていたけれど、ディナーの直後に直径2センチはある大きなチョコレート・トリュフを10個 ぺロリと平らげて、まだお腹が空いているという驚異的な食欲で、箱の裏のラベルを見て トリュフ10個で 1400カロリーを摂取してしまったことに唖然としてしまったけれど、この頃は 1日3時間くらいワークアウトしていたのと、やはり今より10年若い分、メタボリズム(新陳代謝)も高かったようで、 それだけ食べても今より痩せていたのだった。 この時は 食べたものを全て書き出すという手法で、食欲のコントロールを取り戻したけれど、 私自身がこういう経験をしているだけに、「べック・ダイエット・ソルーション」が 人々から 絶大な支持を集めているのは よく理解出来るところではある。

その私は、現在 久々にダイエットに取り組んでいて、どんなダイエットかと言えば CUBE New Yorkでも記事でご紹介して、 取り扱いを始めた 「Alli / アルライ」によるダイエットである。
私は流行っているダイエットがあると試してみたくなる方であるけれど、考えてみるとここ1年半ほどダイエットをしておらず、 結構好きなものを食べていたせいか、ふと気づくと体重が増えていたのだった。 加えて、秋になるとアンクル・ブーツやブーティーに ショート丈のスカート というような 痩せていないと似合わないバランスの コーディネートが流行りだすし、あと3キロくらい痩せていた方が活動的になれるかなぁ・・・と 常日頃から 自分でも感じていたので、アルライを発売と同時に試してみることにしたのである。
でも私が アルライによるダイエットを試みようと思った最大の理由と言えるのは、 アルライが 「脂肪から摂取するカロリーが 1日の総カロリーの30%の食生活をしている人に最も効果的」と 謳われていたためで、これは私のほぼ普通の食生活なのである。 私はそもそも 肌が汚くなるのが嫌なので、脂で揚げたものは滅多に食べないし、 以前ローファット・ダイエットをしていた習慣から、脂を沢山使った物を食べるのには罪悪感があるので、 比較的脂肪分が少ない食生活をしているのである。 なので、アルライの効き目の恩恵を十分に受けられるのでは?と考えたのだった。

ここで一応 アルライについて簡単に説明しておくと、アルライはアメリカのFDA(食品医薬品局)が初めて認可した ダイエット・ピルで、その主成分と言われるのがオルリスタット。これは消化器官のエンザイムに働きかけ 脂肪分が身体に吸収されるのを抑えるもので、アルライは脂肪分を含む食事と一緒に1日3錠まで摂取出来るようになっている。
食べ物から摂取した脂肪分が吸収されずに排出されてしまうと、身体は既に体内に蓄積された脂肪を燃やして エネルギーに使うため、その結果 減量が出来るというのがアルライのコンセプト。 アルライは消化器官に働きかけるのでその成分は、尿や便と共に排出され 身体に残らないこと、食欲抑制剤のように 脳やホルモンバランスに影響を与えないというのが、FDAが安全なダイエット・ピルとしてGoサインを出した要因である。
でも唯一、副作用と言えるのは脂肪分が多い食事を取ると、アルライがその脂肪を分解しようと 激しく活動する結果、下痢の症状が起こるというもの。 したがって、外食でどうしても脂肪分のある食事を取らなければならない際は、あえてアルライを飲まないようにした方が ベターであったりする。(アルライの詳細はここをクリックしてお読みください。)

私は今のところ、アルライを飲み始めて12日くらいになるけれど、 あえて食事の量を変えないようにして、今のところ減ったのが1キロ。
アルライを飲む前から、ワークアウトは週に4〜5回、1回30〜40分というのが 私のルーティーンで、 それも変えずに続けているけれど、アルライ摂取前と 唯一 変えるようにしているのは、 脂肪分の摂取を抑えるということ。 1回の食事から摂取する脂肪分を15グラム以下に抑えないと、アルライを飲む度に下痢の副作用が 起こってしまうので、それを避けるため 明らかに脂肪が多い食べ物を避けるようになったのである。
その結果、以前はべーグル半分の上に2種類のチーズを乗せて焼いていた朝食が、 べーグル半分&スカリオン入りのローファット・クリーム・チーズに変わり、 ランチについては そもそもフルーツしか食べない主義なのでそのまま。 夜は外食の場合、最も避けなければならないのがフレンチ&イタリアン。 なるべく日本食を食べに行くか、サラダとグリルした魚などを食べるようにして、 デザートも人とシェアして2口程度しか食べないように心がけている。
家に居る場合のディナーの方がずっと簡単で、かつてのローファット・ダイエット時代に習得した オリーブ・オイルをスプーン一杯だけしか使わないパスタをエビ、ホタテ、玉ねぎ、アスパラなどを具にして料理しているし、 うどん、冷やし中華などの麺類はもちろん、ご飯&お味噌汁にお刺身、煮野菜のような典型的日本食 メニューでも良い訳で、自宅で食事をする時は全く困らないのがアルライのダイエットである。
でも一度、ポーチド・サーモンを食べた際、やはりサーモンは脂が多かったようで、 その時は下痢というような急激なものではなかったけれど、 ディナーの1時間後くらいに便通があり、トイレの水面に脂が浮いていたのにはビックリしてしまった。 この時に限らず、時々見られるのがトイレット・ボール(便器)の水面に脂が浮いている様子で、 アルライの商標に偽りが無いのを実感するばかりである。

私の場合、フルーツしか食べない昼はアルライを摂取しておらず、朝と夜の2回の摂取になっているけれど、 時々腸が動いているような気分を味わう意外、特に摂取による不快感などは感じられないもの。
私のフランス語のクラスの友人も、私と同時期にアルライのダイエットを始めたけれど、 彼女と私の共通した意見は、まずアルライを摂取しだしてから、食べる量は変わらなくても低脂肪ダイエットを心がける ようになったということ、そして通常ダイエットをすると、胸などから脂肪が落ちていくけれど アルライによるダイエットは、まずお腹からへこんで来るということ。 このことは私は友人に言われて気がついたけれど、確かにそうなのである。

私の場合、食べる量をあえて変えていないだけに、ダイエットをしている実感というのはそれほど無いけれど、 先週私のお気に入りのグルメ・ストア、ゼイバースに出かけた際には 毎回100ドル近く使ってしまうショッピングが、コーヒー豆とパンだけになってしまったのには自分でも驚いてしまった。
私がゼイバーで頻繁に購入していたものと言えば、スモーク・サーモン、オリーブ、チーズ、サラミ&ハム、 マヨネーズで和えたクラブ・サラダなどだったけれど、 これらを購入すれば、食べる度に下痢を心配しなければならない訳で、手にとっては止める、ケースの前を素通りするのの 連続で、わざわざウエスト・サイドまで出かけたのに、何も買って来られなかったのである。
でも見方を変えれば、比較的低脂肪だと信じていた自分の食生活が、そうでも無かったことの現われでもあり、 ダイエットというのは自分の食生活を見直す良いチャンスになることを改めて感じたのだった。

私の場合、そもそも低脂肪ダイエットとは相性が良くて、12年ほど前に6ヶ月に9キロ落としたダイエットも ローファット・ダイエットだったのである。この時のダイエットは顔一面にアダルト・アクネが出来てしまったために、 始めたもので、低脂肪ダイエットを始めてからというもの肌が絶好調になったのは今でもはっきり覚えていること。 今回のアルライのダイエットも、始めてからは肌の調子が良く、これは低脂肪ダイエットの副産物といえるものである。
肌のコンディションはさておき、私がアルライによるダイエットがそれなりの効果を上げると思うのは、 下痢を恐れて食事を低脂肪にすれば、例え同じ量の食事を食べていても、 摂取カロリーが大幅にダウンするので、それによって減量につながるというのがまず1つの理由。 そして、低脂肪ダイエットから摂取された脂肪分も アルライが分解して排泄してしまうので、 その分 身体は蓄積された脂肪をエネルギー源にしなければならないので、減量に繋がるはずというのが2つめ理由である。
また、私の友人は「2度ほど下痢をしてから、どの程度の脂肪分に落とさなければならないかを身体で学んだ」と 言っていたけれど アルライを飲んでしまったら、気を許して脂肪分を摂取出来ない状態になる訳で、 それも引いては減量に繋がる要因である。
私が12年前に9キロ体重を落とした際に学んだのは、減量というのは「食事を食べないようにすると失敗する」ということ。 減量というのは食べながら、ゆっくり痩せていく方が長続きするし、確実に効果も得られる訳で、 その意味でアルライは食べることを前提にしたプログラムで、3ヶ月〜5ヶ月を目途にデザインされたダイエットである点でも、 私が考えるダイエットのフィロソフィーに合っていると言えるのだった。
果たして秋までにブーティー&ショート・スカートのコーディネートが似合う体形になっているかは分からないけれど、 肌の調子は良いし、苦しいダイエットではないので、止める理由が無いのは事実なのである。





Catch of the Week No.4 June : 6 月 第 4 週


Catch of the Week No.3 June : 6 月 第 3 週


Catch of the Week No.2 June : 6 月 第 2 週


Catch of the Week No.1 June : 6 月 第 1 週






執筆者プロフィール

秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。
丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、1989年渡米。以来、マンハッタン在住。
FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。
その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.設立。以来、同社代表を務める。