June 26 〜 July 2 2017

” New Adult Dating Rules in NYC! ”
トランプ政権下のニューヨーク大人のデート事情


先日、ロサンジェルスに移住したアメリカ人の女友達が、久々にニューヨーク入りした際に語っていたのが、 「ニューヨークが 恋愛の不毛地帯だなんて全くウソ。LAはシングル・シーンがゼロだから、出会いさえ無い!」ということ。 そうボヤくのはこの友達だけでなく、同じくLAに移住した他の友人も 「LAの社交シーンはカップル単位なので、シングルだとパーティーにも行けない」と語っていたのだった。 その久々にNYにやってきた友人は、長身ブロンド、元モデルをしていたルックスとあって、 街を歩くだけでかなり引き合いがあるようで、「移住は間違いだった」と心から後悔していたけれど、 彼女とてLAに移住する前はNYのシングル・シーンに文句を言っていた1人。
男性が数的に圧倒的に有利な上に、彼らが恋愛や結婚よりもまずはキャリアを優先させるので 女性がそれに振り回される というのはここニューヨークでは永遠のシナリオ。 でもシングルシーンが無いLAに住んだ後の彼女にとっては、ニューヨークの方が男性の質も遥かに良いそうで、 「LAだとニューヨーク時代には相手にしなかったような男性とでもデートしないと友達も出来ない」と嘆いていたのだった。




そのニューヨークのシングル男性は とにかくファースト・デートの回数が多いことで知られるけれど、 そのうちセカンド・デートに行きつく可能性は15〜20%。さらにサード・デートに行きつく可能性はその半分。 これだけデートをすれば、まともな男性ならば疲れてくるだけでなく、仕事に専念するためにも 安定した関係を求めるようになるけれど、気持ちはそうでも 自分に自信がある男性ほど相手選びに妥協をしないので、 結局はデートを繰り返すことになるのだった。
その一方で、婚期が遅れる傾向にあるミレニアル世代は ティンダーのようなインスタントな出会いを提供するデート・アプリを複数使いこなして とにかくデートの数をこなしているので、この世代の方がファースト・デートの支払いはどうするか、何処に出かけるかなどの 確立されたデート・パターンを持っていて、楽にデートを繰り返していることが伝えられているのだった。

そのミレニアル世代は相手のテキスト・メッセージの絵文字の使い方が気に入らないくらいで、連絡するのをやめてしまったり、 見ているドラマが一緒である程度のことで意気投合するような 短絡的なデートをしていられる年代。逆にそんなことをしていられないのは、 30代半ば以降の人生設計を真剣に考えなければならない世代や、離婚してシングルに戻った人々など、大人の世代のシングル。
この世代のデートシーンに脈々と生きているのが 90年代のベストセラー「The Rule/ザ・ルール」の意識で、 この本は女性向けに「3回目のデートまでセックスはしない」などのデート・ルールが謳われたもの。 なので、自分本位にデートのパターンを確立するミレニアル世代とは異なり、 この世代は一般に言われるデート・ルールをかなり忠実にフォローする傾向が強いのだった。




昨今のニューヨークにおけるデート・ルールは以下のようなもの。


このうち、かなり大切と言われるのが最後から2番目のどれだけ政治に熱心であるかという部分。 というのは、昨年の大統領選挙で10人中1人しかトランプに投票しなかったニューヨーク市で、 トランプ支持者とデートする可能性はかなり低いものの、 デートの度にトランプの悪口を熱っぽく語られたらアンチ・トランプ派でもたまらないというもの。 それを防ぐには、同じ政治観で 同じ程度の政治や正義に対する熱意を持つ相手を見つけなければならないということ。
したがってトランプ政権誕生によって、シングルライフは また1つ超えなえればならないハードルが増えているのだった。




さて日本からニューヨークにやって来る女性の質問で最も多いのが、イケメンと一緒に飲めるバーやクラブが知りたいというもの。 でもバーやクラブで旅行者の女性が男性を探してキョロキョロするのは、ニューヨークでもどこでも、1晩だけの後腐れの無いセックスの相手を探していると見なされるので、 残念ながらろくな男性が寄って来ないのが実情。 それよりも遥かにまともな出会いがあるのはエクササイズのクラス。クロス・トレーニングやスピニング、ボクシングのクラスは終わった後、クラスのメンバーと非常に話し易い雰囲気。
また眺めるだけで良い場合は、最も美男に出会える可能性があるのが 平日の午前中のセントラル・パーク。 少し前に セントラル・パークの池の氷が割れて、そこでセルフィーを撮影していた高校生が湖に転落したのをイケメンモデルの2人が 救出したというエピソードがあったけれど、私自身がこれまでにモデル並みにカッコ良い男性を最も見かけたのがセントラル・パーク。 私は週4回程度パークを走っているけれど、丁度昨年の今頃、上半身裸で自転車のアクロバティックなトリックをやっていた男性が 私の目の前ですごい転び方をしたので、 「Are you OK?」と声を掛けたところ、ブロンドのヘアをかき上げて私の顔を見上げたのは物凄い美男子。 手から血が出ていたので、持っていたバンドエイドを渡してあげた時に 思わず 「その美しい顔が無事でよかった!」と言ってしまったけれど、そんな眺めるだけでも価値がある美男が時々現れるのがセントラル・パークなのだった。

それ以外には、スニーカーの売り出しでも、トレンディなフードでも何かに行列している最中に人と出会うというケースが多いと言われるけれど、 ニューヨークのようにシングル・シーンが活発な街の問題は、新しい出会いのチャンスがある分、 よほど相手を気に入らない限りは、努力したり、追いかけたりするよりも、あっさり別の相手を探す傾向にあること。
これは真剣な交際を求めずに、相手を変えて楽しみたいシングル男性には格好の環境であるのは言うまでもないけれど、 そんな男性たちが最も恐れるのが、女性が妊娠して 結婚を逃れたとしても、子供の養育費を払わされること。 そのため、離婚して既に子供がいる状態でシングルに戻ったリッチなニューヨーク男性の間で、2年ほど前からトレンドになっているのが英語で Vasectomy/ヴァセクトミーと呼ばれるパイプカット(男性避妊手術)。 特に夏の季節は、ハンプトンにビーチハウスを持つようなリッチな男性に対して、若い女性がかなり積極的にアピールしてくるので、 春の時点でドクターがこの手術で大忙しであることが ローカル紙で報じられていたほどなのだった。


執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。

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