July 13 〜 July 19 2015

” Feng Shui To Attract Good Luck ”
私の不運を救った風水


今週のアメリカで最大の報道になっていたのが、7月15日の水曜に行われた スポーツ・ケーブル・ネットワーク、ESPNの授賞式イベント、 ESPYアウォードで 今年のアーサー・アッシュ・カレッジ・アウォードに選ばれた ケイトリン・ジェナの受賞スピーチ。
1970年代のオリンピック陸上ゴールド・メダリストから、TVパーソナリティとなり、昨今ではカダーシアン・ファミリーの 家長として知られたブルース・ジェナが、性転換をしてケイトリン・ジェナに生まれ変わって以来、初のライブ・イベント出演&スピーチとあって、 今年のESPYアウォードには800万人がチャンネルを合わせていたのだった。

それ以外で大きく報じられていたのは、木曜にテネシー州の海軍センターで4人が殺害されたドメスティック・テロのニュースで、 犯人はクウェート生まれのモハメド・ユウスフ・アブドゥラジーズ (24歳)。 同犯行は、イスラム教のホリデー、ラマダン終了前のテロを呼びかけていたISISのウェブサイトに触発されたものと見込まれているのだった。

その一方で、今週はオバマ大統領が歴代大統領として初めて、アメリカの刑務所を視察して大きな話題になっていたけれど、 これは増え続けるアメリカの服役者数が社会問題だけでなく、経済問題にもなりつつあるため。
アメリカでは、1980年に約50万人だった服役者数が、現在ではその4倍以上の220万人に膨れ上がっており、国民の99人に 1人が留置所生活をしている計算。この数はヨーロッパの35カ国の服役者の合計よりも多いとされており、 アメリカは世界人口の5%を占める一方で、世界の服役者の25%を抱えているとのこと。
これほどまでに服役者が増えた背景は、黒人、ヒスパニック層の軽犯罪に対して、 過度な服役刑が科せられているためで、アメリカでは黒人層の子供のうちの9人に1人は、 父親が刑務所に服役しているという状況。
この服役者数増加は、年間800億ドル(約9兆6000億円)の刑務所維持費として、国民の税金を食い潰していることが 大きく問題視されているのだった。




話は変わって、6月に風水のミニ・セミナーをした時のこと。 参加した方に、「今住んでいるところから、もっと良いところに引っ越すための風水ってあるのでしょうか?」との ご質問を受けたけれど、実は私が独学で風水を学ぶきっかけになったのが、まさにそれ。
今から遡って20年近く前の1996年のこと。 当時、引越しをしてから 徐々に運が悪くなり、 気分的にも落ち込んだ上に、お金がどんどん出て行く状況が続いたために、 「人生の何かが狂い始めている」と感じた 私が「ひょっとしてその原因がアパートにあるのかも…」と思って 勉強し始めたのが風水なのだった。
その頃は、まだインターネットで検索できる情報など限られていたので、 何かを学ぼうと思ったら、まず始めるのがそれに関する本を探すこと。 私は風水に関する1冊目の本を選ぶために、2日に渡ってブック・ストアでそれぞれ3〜4時間を費やして、 様々な本を閲覧するうちに、少なからず風水について学べたとも記憶しているけれど、 この時 私が選んだのは、香港で有名な女性風水師の著書。
この本を特に選んだ理由は、ケース・スタディ(風水で改善を試みた実例)が沢山載せてあって 初心者でも、フォローし易い内容に編集されていたのに加えて、 風水というのは決してインテリアだけに限ったセオリーではなく、 書籍のレイアウトや、名刺といった印刷物にも当てはまるもの。したがって 「本のレイアウトや表層からインスピレーションが得られない本から、風水が学べるはずが無い」と考えたので、 私の学習意欲を掻き立ててくれる色彩やビジュアルの本ということで、 選んだ結果がその一冊なのだった。

時折「風水を学ぶのに良い本を教えてください」という質問も受けるけれど、 私の考えでは、何かを学ぼうという時のファーストステップを人任せにるのは あまり感心できないアイデア。 自分の信念や好みで 学びたいスタイルや、セオリーの展開を探し当ててからスタートする方が、 遥かに学んだことが身につくと思うのだった。
したがって、私にとってベストであった本が、他の人にとってもベストとは限らないけれど、 確実に1つだけ言えるのは、商業性に走っていて、特定のグッズを買わなければならないような本は信頼できないということ。 また軽薄な言い回しや、インスタントな解決法だけを説明しているような本は、 下手をすると書いている本人が風水の本質を理解していない場合さえあると思うのだった。




では風水の本質とは何たるかと言えば、風水というのは生活に幸福、安定、豊かさをもたらす学問であり、 長年受け継がれた知恵であるけれど、その原点は 家の中や職場環境から不安材料、 人間心理に圧迫感や不快感を与える要因を除去して、心からリラックス出来たり、生産性が向上する空間の中で生活すること。
その初歩段階として、風水では常に 部屋に置く 机やベッドの位置についてが語られるけれど、 ベッドや机の正しい位置は、入り口から適度に距離があり、入り口の真正面ではないものの、身体の向きを変えることなく、 入り口を見渡すことが出来るポジション。 これによって外部からの侵入者に対する潜在的な不安を取り除くことが出来るのだった。
また机の場合は 窓に向って座る位置、ベッドの場合は 頭の後ろに窓が来る位置に置くのも 風水では悪いとされているけれど、これは机の場合は窓の景色や、外の様子に集中力を奪われるため。 ベッドの場合は、風や雨で音を立てるなど、不安定な要素が多い窓が頭の上にあると 安眠が妨げられるため。

さらにベッドの頭の上に重い額や棚を吊るすのも 風水では悪いとされているけれど、 これは睡眠中という最も無防備な状態の時に、「釘が外れたり、地震が起こったりすれば、 頭上に物が降って来る」という潜在的な不安を取り除いて安眠を確保するためのもの。 角が尖った家具が奨励されないのも、ぶつかった時に危ないという理由。
したがって風水というのは、安全でゆったりとくつろげる環境を作るための、実用的知識であり、 事故や怪我など、不運を招く要素を取り除くことが第一歩。
それ以外にも低すぎるベッド、マットレスの周囲に段差があるベッド(写真上右側)、 マットレスの下が収納棚になっているベッドも風水では良くないとされているけれど、 私の知り合いには膝の高さ程度のデザイナーズ・ベッドに替えてから腰を痛めた人が居るし、 夜中にマットレス周囲の段差に躓いて、足を骨折した人も居るとのことなので、 これらが風水で悪いと言われるのにはそれなりの理由があるのだった。

ちなみにベッドの位置について言うならば、独身者で狭いアパートに暮している場合、ベッドをぴったり壁にくっつける人が多いけれど、 これは恋愛運に恵まれないといわれるポジション。また夫婦でダブルベッドに寝ているケースでも 片側がピッタリ壁にくっついているのは、夫婦仲が悪くなるポジション。
独身の場合は隣に眠ってくれる人が入ってくる通路を閉ざしているのがこのポジション。 夫婦の場合、壁側に眠っている伴侶が寝たり、起きたりするする度に不便やストレスを感じたり、 相手の睡眠を妨げることになるので、それが徐々に夫婦仲に影響を与えることになるのだった。
したがって1つのベッドで眠って、夫婦円満に過ごすためには、両側に同じサイドテーブルとランプを置くなどして、 左右対象のインテリアにするのが好ましいとされているのだった。





風水で運気を向上させるのは、不安材料やストレス、精神的圧迫感の原因を取り除いてからのステップになるけれど、その前にやらなければならないのが掃除。 というのも、幸運を招く環境というのは、エネルギー循環の良い空間でもあるので、 使っていない物で溢れている部屋や、物が収納されずに外に出ている状況、見るからに散らかっている状況では 招福などは不可能。そのためには、まず不必要な物を捨てるところからスタートしなければならないのだった。

そうやって物を減らしてから、やっと始められるのが本格的な風水への取り組み。
私が風水を学び始めた96年に暮らしていたアパートというのは、財運を示す東南エリアがバスルーム。 そこでトイレを流す度に私の財運も流れていることを学んだ時には、本当に愕然としたのを今でもはっきり覚えているのだった。
具体的にそのアパートに引越してから何が起こったかと言えば、まず引っ越した当日の夜中に、小さいながらもゴキブリ2匹に遭遇して 心臓がバクバクして眠れなくなったと思ったら、その数日後には壁に吊ってあった大きな額が夜中に突然落ちてきて、 床がガラスの破片だらけになり、それが長く続いた悪運の前兆。やがて3ヶ月後には、それまで務めていた雑誌が休刊になり、事実上レイオフ。 フリーランスでライター&リサーチャーをすることになったけれど、収入をあげても、 お金がどんどん出て行ってしまい、初めて手術をしたのもこの頃。
そんな私の不運の連続が 風水によって 「なるべくしてそうなった」と立証されたことは、衝撃的でさえあったのだった。

逆にその前に住んでいたアパートは、引っ越した途端に仕事が見つかり、現在の親友に出会うことが出来たけれど、 そこは足を踏み入れた途端に気に入ったアパート。しかしながら家賃が高すぎたのが そこからの引越しを決めた理由なのだった。 ふと考えると96年当時に暮していたアパートは、第一希望だったアパートに入れず、妥協して入ったアパートで、 初日から気分が暗くなることが続いたただけに、不運はなるべくして陥ったという印象なのだった。

風水に否定的な考えを持つ人の中には、「既に住んでいる家の運気が悪い場合、そんなことは知りたくない」という人が居るけれど、 家の悪い運気を改善するためにこそ使うべきなのが風水の知識。 もちろん、最初から風水で良い家に住む方がベターなのは言うまでもないけれど、それを知らずに 風水が悪い家やアパートに引っ越してしまった場合は、その問題を解決するのもやはり風水なのだった。


96年当時のアパートで私が実践したのは、まずバスルームのリデコレートで、フロア・マット、トイレット・カバーを 高額かつ、紫色のものに変えて、ウェッジウッドの花瓶や時計を置いて、とにかくバス・ルームに 高級感を持たせること、そしてトイレは必ず蓋を閉めてから流すということなのだった。
この他にも仕事運に恵まれるように、キャリアを意味する方角の壁には、当時持っていた中で一番高額な 額縁を吊るすことになったし、それ以外にも 出費を最小限に抑えながらも、インテリア雑誌と首っ引きになりながら、 ありとあらゆる工夫を凝らすことになったのだった。 そして、できる限り見場の良いルーム・デコを実現するために、要らない物を沢山捨てて 収納を良くする一方で、 夜を徹してまで、とにかく掃除をしていたのがその頃。

そうするうちに徐々に運気が上昇してきたけれど、金銭面の上昇を数字として実感するまでには、やはり2年程度が掛かっているのだった。 それでも、部屋の居心地は風水を取り入れてから凄く良くなって、自分自身が前向きになってきたのは直ぐに実感できた効果。
よく風水をかじった人は、家のインテリアに手を入れるよりも 風水グッズやシンボルを置くという方法で、 問題を解決しようとするけれど、風水で 最も大切なのはバランスとハーモニー。 まず部屋の環境全体を ”自分を幸せにするもの=自分が好きな空間”に 変えなければ、風水グッズなど力を発揮するはずはないし、特にその風水グッズが自分にとって 思い入れの無い品物であったり、特に好きなものでも無い場合、効果が無いだけでなく、逆効果というケースも少なくないのだった。

風水おけるバランスとハーモニーというのは、陰と陽のバランスであり、 風水の 火、水、木、金、土という5つのエレメントのバランスやハーモニーでもあるけれど、 これは色であり、マテリアルであり、形であり、様々な要素のコンビネーションやコントラスト。 それがリヴィング、ベッドルーム、ダイニング&キッチンといった家の中の機能や用途に合わせて 投入されるべきで、それによって居心地の良いリヴィング、 食や会話が弾むダイニング、仕事がはかどるオフィス、安眠が得られるベッドルームが 具現化されることになるのだった。
したがって、風水師と呼ばれる人は風水の知識だけでなく、インテリアの知識もしっかり備えていないと 適切なアドバイスが出来ないというのが私の考え。今やインテリア・グッズはどんどん多様化しているので、 ルックスで妥協することなく、風水を取り入れることは十分可能なのだった。


ところで5月にCube New Yorkで不動産コラムを書いてくださっている村松京子さんの オープンハウス・ツアーに出掛けた際、南北に狭く、東西に長い間取りの物件があって、 参加者の方々がそこをとても気に入っていたけれど、私はそのレイアウトだと、仕事運と人気運が下がることを理由に 興味を示さなかったのだった。すると参加者のお1人が「私は今は仕事はしていないし、特に人気なんて無くても…」と おっしゃっていたけれど、特定の運気に恵まれない場所に暮らすと、 不運というのは、その住人のライフスタイルに見合った形で訪れるのがシナリオ。
人気商売をしていない人でも、人気運が落ちるところに住めば、友達からお声が掛からなくなったり、 パーティーをしても、招待した友達の都合が悪くて、人が集らなくなるもの。 お金に困っていない人でも仕事運が悪い家に住めば、嫌な仕事をしなければならない状況になったり、 突然、アイデアが沸いてビジネスを始めたけれど、上手く行かない、労力の割りに儲からないという状況になってしまうのだった。

前述の1996年当時の不運から抜け出す風水については、あっさり説明してしまったけれど、 私はそれ以来ずっと独学で勉強を続けてきて、アパート内についても改善できるところは 常に改善を続けてきたので、1週間や2週間程度のプロジェクトではなかったのが実情。
要するに、風水というのは人生に前向きに取り組む人のための学問であるので、 「一度インテリアに手を入れたらお終い」というのではなく、常により良い環境を求めて、 家具をアップグレードするなどして、思い入れを注いでいくべきものなのだった。

ところでよく「何処に何を置けばこうなりますか?」という質問をする人が居るけれど、 風水は魔法でも呪術でもないので、残念ながらそんなことは不可能。 運気やエネルギーが変わることがあっても、状況を変えて、実績を上げるのは本人の努力次第。
風水を取り入れてからの自分を振り返っても、当時ヴァーチャル・ショッピング・ネットワークと名乗っていた 会社がようやく儲かり始めた1999年頃は、 とにかく朝起きてから、寝るまで仕事をしていて、自宅の冷蔵庫が壊れているのにも気付かないほど 夢中で働いていた時期。
したがって、風水で金運は呼び寄せられたけれど、それが収益に結び付いたのは 働き詰めに働いた、当時のハードワークのお蔭なのだった。

Will New York 宿泊施設滞在



執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。

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