June 28〜 Aug. 3,  2014

” The Most Ridiculous News Story Everybody Was Talking This Week”
あまりに下らない今週最大の話題!


アメリカ社会における 7月、8月のバケーション・シーズンは、1年を1週間に例えた場合、週末のような存在。
学校も、TVやメディア業界も 年度替わりの9月を前に、長い休みに入るのがこの時期。 株式市場にしても、政財界のメジャー・プレーヤーが休暇が取っている7月、8月は、まるで紳士協定で定められているかのように 大きな変動がないのは周知の事実。 したがって一部の例外を除いては、政治・経済絡みの大きなニュースが起こらないのが夏のバケーション・シーズン。
それだけに、この時期は些細なことや下らないことが ニュース・メディアで大きく取り上げられる時期でもあるけれど、 その典型と言えたのが 今週大きく報じられていた 俳優、オーランド・ブルームと、 ティーン・アイドル、ジャスティン・ビーバーが スペインの高級リゾート地、イビサ島のレストランで繰り広げた トラブル。

スペインのイビサと言えば、過去10年ほどの間に 最もセレブリティが訪れるヨーロッパのリゾート地になっていて、 ニューヨーク郊外のハンプトン同様、夏のバケーション・シーズンになると、セレブリティが多数出席するパーティーや イベントが頻繁に行われる ホットなデスティネーション。
そのイビサのレストラン、チプリアーニ (NYのソーホーにある チプリアーニと同じオーナーが所有するレストラン)で 行われたパーティーに居合わせたのが、オーランド・ブルームとジャスティン・ビーバー。
事の発端は、ジャスティン・ビーバーがオーランド・ブルームにからんだという説と、オーランド・ブルームが 握手を求めたジャスティンを拒んだという説があるけれど、 いずれにしても、ジャスティンがオーランドを挑発するために語ったといわれるのが、 「Say Hi to Miranda for me, I had a sex with her. She was not bad (ミランダによろしく。彼女とセックスをしたけれど、悪くなかった)」という台詞。
このミランダとは、当然のことながら オーランド・ブルームの離婚した妻であり、モデルのミランダ・カー。 離婚はしても 息子の親権をシェアする2人は、少なくとも表面的には 今も仲睦まじくしているカップル。

元妻であり、息子の母であるミランダを侮辱することによって自分を挑発してきたジャスティンに対して、 オーランドが取った行動が 彼に殴りかかるというもので、その様子は現場に居あわせたパーティー・ゴーワーが 携帯ビデオに収めており(写真下左)、それが同ニュースの報道と同時に、大々的にインターネット上や 芸能メディアで取り上げられていたのだった。
それと同時にその場に居合わせたスペイン人モデルの証言、その他のパーティー・ゴーワーの証言で明らかになったのが、 オーランド・ブルームがその時、レオナルド・ディカプリオと同席にしていたこと。 さらにオーランドが、ジャスティンに殴りかかった途端に、レオナルド・ディカプリオを始め、その場に居た人々が大歓声と拍手で、 オーランドを讃えたこと。でもオーランドのパンチは、止めに入った数人によって 遮られて、ジャスティン本人には当たっていないことも報じられていたのだった。




今週はメディアがこの事件をきっかけに報じていたのが、オーランドとジャスティンが互いに嫌い合う理由。
信憑性は定かではないものの、オーランドとミランダの離婚のきっかけになったと言われるのが、 2012年11月に行われたヴィクトリアズ・シークレットのファッション・ショーで 出会ったミランダとジャスティンの”噂”。 当時ヴィクトリアズ・シークレットのスター・モデルとしてランウェイを歩いたミランダと、 そのショーでパフォーマンスを行ったジャスティンが、アフター・パーティーの後も一緒に過ごしたというのは、 メディアも報じていたゴシップ。 以来、オーランドのミランダを見る目が変わってしまったというのが 彼の友人が 匿名でニューヨーク・ポスト紙にコメントした内情。
実際に、オーランド・ブルーム自身もヴィクトリアズ・シークレットのファッション・ショーのバックステージで、ミランダと出会い、 それから交際、結婚という道を辿ってきているだけに、ジャスティンとの噂が、彼にとっての離婚原因の一端になったことは、 イギリスのメディアも報じていたこと。

その一方で、今年に入ってからは そのジャスティンと数年間交際し、今もジャスティンにとって 忘れられない存在と言われる アイドル・シンガー、セリーナ・ゴメスとオーランドが ナイト・クラブの外で2人きりで居る様子がスナップされており、 ジャスティンとオーランドは 互いに面識は無かったものの、好感を抱くような仲では ありえなかったことが報じられているのだった。

このトラブルの翌日、ソーシャル・メディアを使って、いかにも子供じみたリアクションに出たのがジャスティン・ビーバー。
まずは ビキニ姿のミランダ・カーの写真に、いかにも自分の戦利品であることを意味するかのように、 王冠のマーク をコメントとしてつけて インスタグラムにポスト(写真下、左)。でもこれが大顰蹙を買ったために、彼はそのポストを直ぐに取り下げているのだった。
その後ジャスティンが再びポストしたのが、写真下中央のオーランドが涙する様子の写真。 この写真は、今回のトラブルとは全く関係無く、オーランド・ブルームが昨年ブロードウェイの「ロミオ&ジュリエット」のパフォーマンスを終えて、 感無量になった際の姿を捉えたものであったけれど、 このインスタグラムも 「子供じみている」、「どうしてお前のような人間にファンが居るのか?」といった批判のコメントを集める結果になったのだった。

さらにジャスティンは、その後も 彼とオーランドが共に招待されていたイビサのクラブのパーティーで、遅れてやってきたオーランドを、 自分のボディ・ガードを入り口に配して、会場入りさせないようにブロックするなど、 程度の悪い徹底交戦を展開。 ネタが手薄で困っているメディアに、報道価値は低いものの、 見出しとして人々の興味をそそるニュースを提供していたのだった。




今週は 大きなニュースが無かっただけに、 このオーランド・ブルームとジャスティン・ビーバーの一件が、夜のトークショーのジョークのネタになると同時に、 朝のバラエティ番組でも話題を提供していたけれど、 このことが話題になる度に、メディアで浮上していたのが ”チーム・ブルームか、チーム・ビーバーか?”という質問。
今週は 俳優のジェームス・フランコなど、メジャー・ネットワークのトークショーに出演したセレブリティにも 同じ質問が向けられていたけれど、やはり圧倒的に多かったのは チーム・ブルームという声。 インターネット上でもオーランド・ブルームを支持する ”チーム・ブルーム” と答えた人々が 80%を超えるマジョリティになっていたのだった。
また オーランド・ブルーム自身も、イギリスのメディアに、「イビサの一件以来、 多くの人が 自分をヒーローだと扱ってくれる」とコメント。

しかしながら、オーランド・ブルームもニュース・メディアに対するネタの提供ぶりは ジャスティン・ビーバーに決して負けていなくて、 イビサ島で彼がデートしていた謎のブルネットの女性が、 実は 現在 ミランダが交際しているといわれる、オーストラリアのビリオネア、ジェームス・パッカー(写真下右の男性)の 元妻、モデルのエリカ・パッカーであったことが発覚(写真下左が2人のイビサでのスナップ)。
メディアは これがオーランドのミランダに対するリベンジ・デートという見方をしていたのだった。



この複雑になってきた関係を受けて、メディアの中には上のような図で解説をするところも 出てくる始末。
私が 週末にブランチをした女友達との間でも、ブルームVS.ビーバーが話題になっていたのだった。 そのうちの友達の1人は、ジャスティン・ビーバーが未だ18歳くらいだと思っていたので、ミランダ・カーが本当に2年前に彼と関係していた場合、 Statutory rape/スタチュトリー・レイプ (淫行)では?と 不思議がっていたけれど、 グーグルしてみたところ、1994年3月1日生まれのジャスティンは 2012年11月の時点で18歳。 たとえミランダが関係していも、レイプの犯罪には問われないのだった。
でも、もし彼が18歳未満であった場合、アメリカの法律では 例え合意の上のセックスでも 成人側によるレイプという犯罪扱い。 相手がフェイクのIDで 年齢をごまかしていても、18歳未満と関係をすれば、レイプ扱いになるので、 ナイト・クラブで若い女性を引っ掛けようとするリッチな男性は、そんなことで自分の名声や 社会的地位が台無しにならないように、相手の年齢チェックだけは怠らないものなのだった。

でも、たとえジャスティンが18歳だったとしても、「子供を産んで母親になった女性(ミランダ)が あの童顔を見て 性欲をそそられる方が気味が悪い」と言った友達も居たけれど、この報道はあまりに下らない内容なだけに、 問題提起も無ければ、論点も無く、 このことが話題になると、誰もが無責任に好き勝手なことを言い合う状況が繰り広げられていたのは、 今週のトークショーも、私と友人達とのブランチも同様。
でも、夏のバケーション・シーズンという季節を考えると、自分の頭にも休暇を与えて、 大切な人生の問題やシビアな社会情勢や経済問題からの ブレイクを与えるべき時期。
したがって、世の中がこんな下らない話題に興じていたとしても、それはそれで悪くはないのかもしれない と考えを改めたのだった。



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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。




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