Aug. 1 〜 Aug. 7 2016

”For the First Time in Olympic History… ”
リオ大会でオリンピック史上初めて 10万個無料支給されるものとは?



今週のアメリカは、当然のことながら金曜に開幕したリオ・オリンピック関連の報道にかなりの時間が割かれていたけれど、 アメリカの選手団の数はオリンピック史上最多の554人。 そのうち女子選手が292人で、これもオリンピック史上最多。男子選手は262人。 ファーストタイマー(初参加)のアスリートは363人となっているのだった。
ちなみに前回のロンドン大会では、アメリカは529人の選手団を送り込んでおり、そのうち女性オリンピアンは268人、 男性が261人で、同大会で初めて女性アスリートが男性の数を上回ったけれど、 今大会ではその差がさらに開いているのだった。
メダル候補の数も 女性アスリートの方が多く、既にゴールド・メダル確実と言われているのが、 女子バスケットボールと女子体操。その他女子水泳、女子陸上、女子サッカー、 女子ビーチ・バレーボールもメダルの色が何色になるかが問題で、メダル獲得は確実視されているのだった。




そのオリンピックの報道とは切っても切れないのがジカ・ウィルスのニュース。
現地のリオは季節が冬を迎えているので、ジカ・ウィルスの感染は一段落してきているけれど、 アメリカでも既にジカ・ウィルスに感染している妊婦の数が479人に上っており、 7月にはニューヨークでも旅行中にジカ・ウィルスに感染した女性がウィルスに感染した赤ん坊を出産したばかり。 でもアメリカ国内でジカ・ウィルス感染のグラウンド・ゼロになっているのがフロリダ州マイアミ(写真上左)。 その中でも観光名所であり、アートの中心地であるウィンウッド(写真上右)でジカ・ウィルスに感染した蚊の存在が認められているのだった。

これを受けてアメリカ政府は、妊婦に対してブラジルを含むジカ・ウィルスの感染国に加えて、マイアミも旅行を避けるべきエリアに指定。 そのマイアミでは 州政府が子供を作ろうとしているカップルに、その時期をしばらく見合わせることを働きかけているのだった。
ニューヨークでも今週、蚊の発生が多いブルックリン、クイーンズ、ブロンクスで殺虫剤の散布が行われたばかりであるけれど、 蚊が生涯に飛べる距離が総距離が1マイル以下で、その行動半径が50メートル程度であることを思えば、 マイアミの蚊がニューヨークまで飛んでくる心配ほぼゼロ。 しかしながら ジカ・ウィルスに感染した旅行者がNYにやってくると、その人を刺した蚊が ウィルスに感染してキャリアーとなるため、 油断が出来ないのが実情。しかも蚊は卵を産んで死ぬまでに4〜6人を刺すというけれど、 1匹の蚊が産む卵の数は約100個。したがってジカ・ウィルスの感染が今後さらに広がっても決して不思議ではないのだった。
とは言ってもジカ・ウィルスは 殆どの場合感染の自覚症状が無いため、知らず知らずの間に感染しているケースが殆ど。 性交渉によっても 男性から女性だけでなく、女性から男性にも感染することが認められているのだった。




オリンピックに話を戻せば、今大会は選手村の宿舎(写真上左)の問題が早くから伝えられており、 日本の福原愛選手が 宿舎の壊れたトイレを自力で直したニュースは欧米のメディアでも報じられていたような有様。 それだけに、アスリートをホテルに滞在させる国も多く、 NBAのスーパースターを擁するバスケットボール・チームは、 プールやジムはもちろん、カジノや一流レストランの施設を備えた豪華客船(写真上右)を宿舎にしているのだった。
でも オリンピック・ヴィレッジに滞在しないアスリートでも利用するのがカフェテリア。 これは自国、他国のアスリート達とソーシャライズするためで、 それが参加アスリートにとっては オリンピック最大の醍醐味。
中でも人気が高いのがマクドナルドで、マクドナルドは1976年のモントリオール大会からのオリンピック・スポンサー。 ここでは朝の5時からブレックファスト・メニューをサーブし、いくら食べても無料。 オリンピック選手は女子が平均4000カロリー、男子が6000〜8000カロリーを1日に摂取すると言われるので、 マクドナルドは選手村の出店にかなりの費用を投じていると思われるけれど、 そんなアスリート達がカロリーを燃やす目的かはさておき、その有り余る体力で興じているのが選手村でのセックス。
そもそもオリンピック・アスリートは鍛えられたボディの持ち主であるだけでなく、 運動神経が良いということは 顔の筋肉も左右均等に発達するので、顔立ちがシンメトリーで 平均的にグッド・ルッキング。 副業でモデルをしているアスリートも居るほど。 そんな若くグッドルッキングなアスリートが集まる選手村では、約70%のアスリートが恋愛関係、 肉体関係に陥ると言われており、それは同じ国の選手同士の場合もあれば、他国の選手同士のケースもあるとのこと。
このため、オリンピックの選手村では 毎回無料でコンドームが支給されるのは有名な話で、 2000年のシドニー大会では7万のコンドームが選手村で用意されたというけれど、それがあっという間に無くなったため、 2万ユニットが追加オーダーされたとのこと。 以来、 アテネ、北京大会ともに 選手村に10万個のコンドームを支給されるのがスタンダードになってきたけれど、 前回のロンドン大会ではその数が50%アップして15万。 そして今回のリオ大会では、さらにその数が300%アップして 45万のコンドームが総勢1万500人のアスリートのために用意されており、 これは単純計算すると1人当たり42.9個の割合になるのだった。




今回特に話題を集めていたのが、そのうちの10万個がフィメール・コンドーム、 すなわち女性用であることで、オリンピックの選手村で女性用コンドームが支給されたのは史上初めてのこと。 価格は1つ当たり男性用コンドームの2倍で、避妊率は男性用が82%なのに対して、女性用は79%。 でも正しく装着した場合はその確率が最高で95%までアップするとのこと。
装着法はインターネット上にいくつもビデオが登場しているけれど、 初めてトライした女性の多くが装着に10分前後を要したと語っており、インストラクションのビデオでも、 実際に使用をする前に、一度は装着の練習をすることが奨励されているのだった。 使い慣れた女性は「付けていることを忘れてしまう」とコメントするものの、 多くの女性も男性も その使い心地を高く評価していないのが実情で、 中でも最も多いコンプレインはノイズ。 ゴムがきしむ音の不快感を訴えるユーザーが非常に多いのだった。

アメリカでは使い心地の悪さや装着の面倒さから 売り上げが伸びていない女性用コンドームであるけれど、 今回オリンピックで支給されることになった背景には、 女性アスリートにも 言葉やカルチャーが異なるパートナーと安全なセックスをするための手段とコントロールを与える配慮があるのだった。
ちなみに女性用コンドームの装着には ルブリカントが必要であるけれど、 そのルブリカントも選手村では17万5000個無料支給されることになっており、 選手村の施設の酷さが指摘されるリオ・オリンピックであるものの、 セックス対策については至れり尽くせり。 主催者側では、この大量コンドームの支給とジカ・ウィルスの感染予防は無関係であるとコメントしているのだった。

ところでオリンピックが開催され、アメリカ国民の関心が一時的に大統領選挙から遠ざかることを最も歓迎していると言われるのがドナルド・トランプ。 それというのも、トランプは先週のこのコーナーでも説明した 戦死したイスラム教アメリカ兵の両親に対する侮辱発言を今週も続けて、 その支持率を大きく落としただけでなく、軍事アドバイザーとの1時間のミーティング中に 「何故原爆を使わないのか?」と3回も尋ねたことなどが報じられ、 CIAの長官にも「大統領になるには危険過ぎる」と指摘される有り様。 このため国民の関心がオリンピックに向いている最中に軌道修正を迫られているのがトランプ・キャンペーン。
そのトランプは、金曜のアイオワ州のスピーチで 「アメリカが攻撃されても、日本はソニーのテレビでその様子を見ているだけ」、 「でも日本が攻撃された場合には、アメリカがプロテクトしなければならない」と語り、 NATO諸国同様、日本にも軍事費負担を押し付けるスピーチを展開しているのだった。
ちなみに日本嫌いで有名なトランプは、今年春先のアイオワ州のスピーチでも、 日本にアメリカ軍の基地があることを知らずに、 「日本が攻撃されたら、アメリカはわざわざ日本まで出向いて、日本のために戦わなければならない」とコメントしていたけれど、 自分の言い分が間違っていても 決してその主張を譲らないのがトランプ。 それだけに、彼が大統領になった暁には 日本に幾つ米軍基地があろうと、日本が既に米軍にいくら支払っていようと、 さらなる防衛費負担を押し付けて来ても決して不思議ではないのだった。 



執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。

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