Sep. 1 〜 Sep. 7,  2014

” Time to Lose Weight ! ”
本格的ダイエットの季節の到来!


今週のニューヨークは、9月に入ってファッション・ウィークがスタートし、テニスのUSオープンが終盤を迎えたけれど、 そのUSオープンで、番狂わせの連続による 素晴らしい試合内容で勝ち上がってきたのが錦織 圭選手。
日本でも大きく報じられているように、土曜日のセミ・ファイナルでは ワールドNo.1プレーヤーのノヴァク・ジョコヴィッチを、 セットカウント3-1で破り、 アジア人としては初のグランドスラム大会決勝進出を決めているのだった。

日曜のニューヨーク・タイムズ紙では、表紙の第一面に小さいながらも写真入り、そしてスポーツ・セクションの第一面では 大きな写真入りで報道されていたのが、このUSオープンでの大番狂わせ。 とは言っても、世界No.1のノヴァック・ジョコヴィッチが、この夏の結婚以来、成績が振るわないこと、 ラファエル・ナダルの怪我による欠場、それによって第2シードに繰り上がったロジャー・フェデラーが30歳を過ぎて、年々 グランド・スラム大会で勝利を収めるだけのスタミナが無くなって来ていることから、今年のUSオープンで 新しいチャンピオンが誕生する可能性は、スポーツ・クリティックが大会前から予測していたこと。
錦織選手は、決勝相手のマリン・チリッチ(クロアチア、第14シード)との過去の対戦成績が7戦5勝。そのうちの2勝は 今年に入ってからのもの。なので よほど緊張するか、もしくは試合中にまさかの怪我などをしない限りは、 錦織選手の勝算は見込まれるところ。 昨年の同大会では、シードされていない選手に一回戦負けをした錦織選手であるけれど、 今大会では ボールを打つ瞬間のラケット・スピードが驚くほど速く、恐らくそのスピードは現在のATPツアーのプレーヤーの中で トップ・クラスではないかと思うのだった。

その一方で 今週木曜に開幕したのが、アメリカではダントツで人気No.1のプロ・スポーツである NFL、ナショナル・フットボール・リーグのシーズン。 アメリカでは、その商業規模やTV観戦の視聴率など、どれをとっても他のスポーツを遥かに上回る大人気なのがフットボールで、 今やカレッジ・フットボールの商業規模も メジャー・リーグの球団を上回りつつある状態。
さらに 試合をTVで観ていて感じたのは、この夏のワールドカップの解説に登場していたコメンテーター(=元サッカー・プレーヤー)が いかにも既製品という感じの、見るからに安いスーツを着用していたのに対して、 NFLのコメンテーター(=元プレーヤー、もしくはコーチ)は、見るからにメイド・トゥ・オーダーの 仕立ても素材も良いスーツに 派手なネクタイ&ポケット・チーフという出で立ち。 したがって、解説者のファッションからも アメリカにおける両スポーツの商業規模の違いを まざまざと実感してしまったのだった。




さて、9月に入ってからの方が夏のような陽気が続いているニューヨークであるけれど、 秋というのは、私にとってダイエットに真剣に取り組む季節。
というのも 夏は薄着で肌の露出が多い分、体型の粗が目立たないけれど、 秋冬になって衣類をレイヤーにするようになると、どうしても気になってくるのが体脂肪。
加えて、秋は新しい話題のレストランが続々とオープンする季節で、特に今年は当たり年と言えるほど 話題のオープニングが多い年。 そして11月のサンクス・ギヴィング以降は、ホリデイ・シーズンに突入して、 アルコールと食事の量が増えるので、それと共に増えることになるのが体重。
この時期にアメリカ国民の多くが 最低1〜2キロの体重を増やすのは毎年のことで、 アメリカ人が肥満になるのは、ホリデイ・シーズンに増えたウェイトを落とせないまま、毎年増やし続けて行く結果とも 指摘されているのだった。 すなわち、 秋から冬にかけては体重が増える要因がゴロゴロしている訳で、 そこでアメリカの肥満モードに巻き込まれないようにするためには、 秋口からダイエット・モードに入って、それをホリデイ・シーズン中も維持する努力をするのが最善策。 このため、そろそろ真剣にダイエットに取り組もうと考えているのが現在の私なのだった。

そんな私がダイエットを開始する前に必ず行うのが、デトックス。 これは 体内のトキシックを除去しながら、消化器官に休息を与えた方が、いざダイエットを始めた際に 効果が出易いため。
そして 私がデトックスの最中に行うようにしているのが、ダイエット関連の文献を読み漁ること。 この文献は、新しいダイエット本であったり、ニューヨーク・タイムズ紙に掲載されるダイエット関連の記事であったり、 様々であるけれど、こうして様々な情報を読むことは モチベーションが高まると同時に、ダイエットのアイデアが得られるというメリットがあるのだった。




私がその中で興味深いと思った記事の1つが、「どうして食べた食事のカロリーが 身体のエネルギーとして使われるよりも、 体脂肪として蓄積されてしまい、必要以上のカロリーを食べているのに いつも空腹で、活力不足になるのか?」というNYタイムズ紙の記事。
この記事によれば カロリー制限をするのは、苦しみながら 短期間のみ成功したように思えるダイエットのフォーミュラ。 カロリーをカットすると、メタボリズムが低下して 身体がカロリーを消費しないように(=活力の低下)する一方で、 脳が 身体のパフォーマンスを保つためのカロリー摂取を欲するため、食欲が増して、食べ物のことばかりを考えるようになるのが カロリー制限ダイエット。
したがって 非常に強い意志を要するのが このダイエットで、結婚式の前など 必死にダイエットに取り組む目標があるケースや、 熱烈な恋愛中である等、食べ物から気が散らせる精神状態である場合以外は、成功が難しいのがこのダイエット。 また一時的に体重を落とせても、精神力が緩んだ時点で直ぐに元に戻るのも同ダイエット。 要するに、長期展望では極めて挫折し易いダイエットということになるのだった。

この記事の中で指摘されていたのは、人間が食べた食事のカロリーをエネルギーとして消費するよりも、 体内の脂肪細胞に蓄積してしまうのは、 運動&睡眠不足でも、ストレスの影響でもなく、ホルモンの影響。そして そのホルモンこそが 他ならぬ インシュリン。
インシュリンによって体内に脂肪が蓄積されないようにするためには、 既に多くのダイエット本が指摘するように、食事を食べ過ぎないこと、減らし過ぎないことに加えて、 糖分や 体内で簡単に糖分に分解される炭水化物の摂取を極力避ける必要があるのだった。

この記事によれば、アメリカの肥満が始まったのは カロリー制限ダイエットがブームになってからで、 それによって世の中が どんなトレンドに走ったかと言えば、脂肪分のカット。 というのも脂肪分は炭水化物の2倍のカロリー。 カロリー制限ダイエットをしようとした場合、目の仇にされる存在なのだった。
加えて、少し前までは医学界でも 脂肪分の取り過ぎが心臓病の原因と考えられていたので、 80年代後半からのアメリカの食品業界は、ロー・ファット、ノー・ファットがメイン・ストリームになっていたのだった。

でもロー・ファット、ノー・ファットの食品が増えた結果、アメリカの肥満は史上最悪の状況。 そんなアメリカ社会を肥満に導いてきたロー・ファット、ノー・ファット食品に一体何が含まれているかと言えば、 脂肪分を減らすことによって失われた風味を補うために余分に加えられた糖分や炭水化物。
すなわち、 アメリカ社会がここまで肥満になった原因は、カロリー崇拝をした結果、脂肪分を減らして、炭水化物を取り過ぎ た結果。
実際に、JAMA(ジャーナル・オブ・アメリカン・メディカル・アソシエーション)が21人の肥満のヤング・アダルトを対象に行った調査によれば、 同じカロリーを摂取していても、炭水化物の摂取を控えている人の方が、脂肪分の摂取を控えている人よりも 1日に325カロリーも余分にエネルギーを消費していることが明らかになっているのだった。

要するに この記事が指摘していたのは、同じカロリーを摂取していても 食べるものによってメタボリズムが変わってくるということ。 ダイエットをより効率的に行おうとするのであれば、”ローファット=低脂肪”よりも ”ロー・カーボ=低炭水化物” のダイエットを するべきという結論に落ち着いているのだった。


それを立証するかのように、全く新しい実験結果の記事がニューヨーク・タイムズ紙に掲載されたのが 先週のこと。
この実験は、様々な人種、年齢をミックスした男女150人を対象に、1年に渡って行われたもので、 やはり被験者を ”ローファット=低脂肪”ダイエットと ”ロー・カーボ=低炭水化物”ダイエット の 2つのグループに分けているけれど、 カロリー制限は無しというルール。
2つのグループは、ともにフルーツと野菜の摂取を奨励されていて、 それ以外に食べていたのは ロー・カーボ組が、動物性たんぱく質に加えて、豆類や豆腐。脂肪分はオリーブ・オイルや カノラ・オイル、そしてバターの使用も許されていて、典型的な1日の食事は、朝食に卵、ランチはツナ・サラダ、ディナーはチキン、サーモン、もしくはステーキ等に 添え物の野菜というメニュー。飽和脂肪酸を含む脂肪分は1日の摂取カロリーの13%まで許されていたものの、 心臓病の直接の原因となるトランス脂肪酸(マーガリン、ショートニング等)の摂取は禁じられていたのだった。

一方、ロー・ファット組の食生活は シリアル、パン、小麦などの穀物を使った食品、ライス全般、パスタを含むあらゆる麺類に加えて、 ジャガイモ、コーン、スウィート・ポテト等を、極力 脂肪分を使わずに食べるというもの。 その典型的な1日の食事は 朝食にシリアルとローファット・ミルク、ランチでベーグルとサラダ、ディナーでトマトソースとエビのパスタ というような低脂肪、 高炭水化物のメニュー。

このダイエットを1年続けた結果、どちらのグループも体重を減らしたというけれど、平均で4キロ多く体重を落としたのはロー・カーボ、すなわち 炭水化物をカットしたグループ。 しかも善玉コレステロールと呼ばれるHDLが より多く増えたのも 炭水化物をカットしたグループ。 LDLと呼ばれる悪玉のコレステロールについては、 2つのグループとも、ダイエット前とほぼ同じ数値で止まっていることが伝えられていたのだった。

でも2つのグループで明らかに異なるのは、低脂肪グループが体重を落とした結果、脂肪よりも筋肉が失われたのに対して、 炭水化物をカットしたグループは 確実に体脂肪を落として、より筋肉質になっていること。 筋肉質であるというのは、じっと座っているだけでも消費カロリーが多い体質のことであり、 要するに太り難い体質。なので、この実験は、「同じカロリーを摂取してもロー・カーボ(低炭水化物)・ダイエットをしている人の方が、 ロー・ファット・ダイエットをしている人よりも、1日に325カロリー余分にエネルギーを消費している」という前述の 別の実験結果を裏付ける内容になっているのだった。

それとは別に行われた調査では、「どんなダイエットでも続けることが成功の鍵」という結果も得られているけれど、 続けられるダイエットというのは、身体や精神に無理を強いる必要が無いダイエット。 したがって3日間のグリーン・スムージーのデトックスを終えた私が、これから取り組もうと思っているのが、 ロー・カーボ・ダイエット。
そもそも肉食で、動物性たんぱく質の信者である私にとっては、自らが信じるダイエット・セオリーにマッチしているのが このダイエット。 特に 昨年大腸内視鏡検査を行うために、合計21日間の断食&流動食のヴィーガン・ダイエットを続けた結果、 頭髪の抜け毛が激増して、低体温で悩まされた私としては、どんなダイエットをする場合でも 動物性たんぱく質だけは、 絶対に欠かさないというポリシーを掲げているのだった。

ちなみに、動物性たんぱく質が欠如すると頭髪が抜けるのは、体内に入った たんぱく質が内臓や、筋肉の組成といった 人体を維持するのに最も大切な部分に優先的に使われて、頭髪や爪、肌に回される たんぱく質が後回しになるため。 私自身、ブラッシングするのが恐ろしいほどの抜け毛を体験したけれど、それだけでなく、 爪が弱くなったり、肌にもハリが無くなるのがたんぱく質の欠乏状態。
これは長年ヴェジタリアンの人が、年を取ると 髪の毛がバサバサの白髪になって、 肌にもツヤやハリが無くなる様子にも表れているのだった。 何度かこのコラムにも書いてきた通り、植物性たんぱく質の吸収度は動物性の約3分の1。 特に年齢を重ねて食事の量が減ってきた場合、たんぱく質は動物性を摂取する方が遥かに効率が良いのに加えて、 野菜や果物といった消化し易い物だけを食べているよりも、消化器官にとっての適度なトレーニングにもなるようなのだった。

私にとってロー・カーボ・ダイエットの辛いところは、私が美味しいパンをこよなく愛するためであるけれど、 ロー・カーボ・ダイエットをしながらでも、時々であれば ギルティ・プレジャー(罪悪感を覚えながら味わう楽しみ)として クロワッサンやバゲットを食べることも出来る訳で、その際に マスト!となるのが エクササイズ。
実は私は90年代にロー・ファット・ダイエットで、9キロを落としたことがあるけれど、この時は朝食にベーグルを2つも食べていたのに 痩せたのだった。その代わり、ベーグルにはバターもクリーム・チーズも塗っていなかったし、当時は毎日ジムに行ってウェイト・トレーニングの他に 有酸素運動を1〜2時間していたのだった。 このため炭水化物を食べても、直ぐにそれを燃やすだけの運動をすれば、太らないことは身をもって学んでいること。 事実、運動選手が炭水化物を必要とするのも、直ぐにエネルギーとして燃やせるカロリーが必要であるため。

それでも この時に、ベーグルをシリアルに替えた途端に太りだしたので、同じ炭水化物でも肥満を招く炭水化物と、よりエネルギーとして 燃やし易い炭水化物がある というのが私が当時の体験から学んだことなのだった。



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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。




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