Oct. 3 〜 Oct.. 9 2005




ボトックス&アンチ・エイジング



久々に会った友人が、私の顔を凝視した後に、ほぼ90%の割合で訊ねてくるのが、 「最近何かやった?」という質問。
私がこのコラムで、マイクロ・ダーマブレーションや、ラディアンス、ボトックスの体験を書いているせいか、 友人の中には、私が注射という注射を全て試しているように思い込んでいる人も居るようだけれど、 実際には、先月9月に1年ぶりにボトックスを打っただけで、 それ以外は、暫く遠ざかっていたのが、注入タイプのトリートメントである。
だからと言って、私がこうしたトリートメントに対して興味を失ったかと言えば、決してそういうことはなく、 機会があればリサーチはしているし、ドクターと話す度にいろいろな意見を聞いているけれど、 昨今は特に新しいトリートメントや、試してみたいと思うものが出てきていないことに加え、 私の周囲がいろいろなトリートメントを受け始めたので、その効果をチェックするにつけて、 注入タイプのトリートメントの限界を感じ始めているのは紛れも無い事実なのである。

どうして私が、ボトックス、レスティレーンを始めとする注入タイプのトリートメントに限界を覚えているかといえば、 当然と言えば当然であるけれど、こうしたトリートメントには肌本来を若返らせる効果が無いためである。
エイジングというのは、シミ、シワが増えるだけでなく、肌が弾力や張り、ツヤ、透明感を失っていくことでもあるけれど、 ボトックスを打ったところで、シワが取れた肌に透明感が増すことはないし、レスティレーンを注入して笑いジワを浅くしたところで、 肌に弾力が加わって、血色が良くなるというようなことは無いのである。
でも、そんな私でも アドバイスを求められれば 薦めるものと言えば、やはりボトックスである。 もちろん注射をするドクターの腕によって、ナチュラルさの度合いは異なるけれど、これほど誰にでも万遍無く効果が現れる トリートメントは無いし、シワが悪化する前に打ち始めれば、注射の効果が切れた後も シワは確実に注射前よりも改善されているのである。 このことは、今回 私が1年間ボトックスを打たずに過ごして 自ら実感したことでもあるけれど、事実、私の額は ボトックスを打つ前の2〜3年前よりも、 ボトックス注入から半年以上が経過して、その効力が失われていたはずの数ヶ月前の方が、 ずっとシワが目立たない状態であったし、同様のことは眉間のシワについても言えることだったのである。
その私を、1年ぶりのボトックスに走らせたものは何かと言えば、最近、額の皮膚が下がってきたような気がしたこと、 そして、笑った時の目尻のシワが深くなったように思ったためで、このまま放置しておけば、シワが深くなる一方と判断したためである。 さらに私が気になったのは、額の皮膚が下がってくることにより、瞼(まぶた)にまで細かいシワが出てきたことで、 私はただでさえ視力が良い上に、毎日7倍の拡大鏡を使ってメイクやスキンケアをしているので、 顔のパーツに少しでもシワが出来ると、直ぐに気が付いてしまうけれど、 この瞼にシワが出てきたという事実には、頭の中でサイレンが鳴り響くような警戒感を覚えてしまったのである。

ここで出てくる質問が、「瞼にボトックスが効くのか?」、「打てるのか?」であるけれど、答えはどちらも「NO」。 しかしながら、ボトックスは瞼に注射しなくても確実に瞼のシワを改善してくれるものなのである。
ボトックス未経験者は、ボトックスの効果が、顔の筋肉を麻痺させる、衰えさせることによって顔にシワが寄らないようにするものだけと 思い込んでいる傾向があるけれど、一度でも、ある程度腕の良いドクターにボトックスを打ってらった経験のある人なら 誰もが実感しているのが、ボトックスが持つリフト効果である。 ボトックスを額に打つと、アイ・ブロウ・リフトの効果があるので、眉のポイントが注射の前よりも確実に高くなり、その眉のリフト効果に伴って、 瞼の皮膚も引っ張りあげられるため、結果として 瞼の小ジワは、額のボトックス注射によって大幅に改善されるのである。
昨今のアメリカでは、このリフト効果に着眼した医師達が、若々しい張りのあるボディを実現するために 太腿やヒップにもボトックス注射をし始めているけれど、既に顔への注入でそのリフト効果を実感している女性達にとっては、 ボディにボトックスを注入することは、それほど抵抗が無いと言われていたりする。
かく言う私は、ボディにまで注入するほどは ボトックス信者ではないけれど、「シワを取りたい、自分を若く見せたい」と 思っている人には、最も確実な方法としてボトックスを薦めているし、薦めた人に必ず感謝されるのもボトックスである。

また、いずれやるつもりならば、老化が進む前に打ち始めるべきなのがボトックスである。 このことはボトックスに限らず、全ての注入タイプのトリートメントに言えることであるけれど、 やはりシワが一度深くついてしまえば、ボトックスや、俗にフィラーと呼ばれる、レスティレーンやヒラフォーム等、 肌をふっくらさせるトリートメントで、それ以上 シワが悪化しないようにすることは出来ても、既に深く入ったシワのラインは 消すことが出来ないのである。
このことが広く浸透しているアメリカでは、昨年19〜34歳が受けたボトックス注射の件数が43万件にも上っているけれど、 さすがの私も、20代や30代前半の年齢層でボトックス注射を打ち始めるというのは、 早すぎると感じるのが正直なところである。 でも50歳まで老化を放置しておいて 打ち始めるボトックスと、40歳の時点からボトックスを打ち始め、50歳を迎えるのとでは、 大きな差が出てくる訳で、それは外観に止まらず、内面的な精神的な若さ、自信といったものにも関係してくるのは明らかな事実なのである。

さて、美容の専門家がエイジングをスローダウンさせるために奨励している3大原則と言えば、 「タバコを吸わないこと」、「天気や季節に関わらず、外出時にはサンブロックを使用すること」、「よく睡眠を取ること」の3つ が挙げられるけれど、私はタバコは全くと言って良いほど吸った事がないし、サンブロックは学生時代から使っていたので、 前者の2つは、ほぼ生涯を通じてクリアしていることであるけれど、これまでの人生で軽視し続けてきたのが、最後の「よく睡眠を取ること」である。
でも、以前このコラムに書いたように9月2週目から1日約8時間睡眠をスタートして、既に1ヶ月が経過したけれど、 自分の身体の変化として、最も実感しているのが、肌の調子が良くなったことである。 具体的には、指で触れた時の感触がしっとりしてきたこと、そして毛穴が小さくなってきたことで、 ファンデーションの量が少なくても顔色が良く見えるのも、ポジティブな変化である。
そう考えると、日頃の節制というのは、本当にエイジングに大きな影響を及ぼすものであるけれど、睡眠と共に大切なのは、 栄養を考慮した食事とサプリメントの摂取、そしてエクササイズであるというのが、私が実感するところであるのと同時に、 専門家も指摘するものである。 特に肌の老化を防ごうと思ったら、蛋白質、それも吸収の良い動物性蛋白質の摂取はマスト!というのが私の考えで、 やはり大豆蛋白に頼ったヴェジタリアン・ダイエットをしている人は、エイジングが進むに連れて皮膚がどんどん薄くなる傾向にあると言わなければならない。
また、エイジングによって顔や身体のラインが下がってくると言う現象は、年齢と共に骨や筋肉、肌の細胞が失われることによって余分な皮膚が下がってくることが 原因であると指摘されているだけに、サプリメント、ことにカルシウムやヴィタミンC,E、コ・エンザイムQ10、アルファ・リポイック・アシッドの摂取、 そしてエクササイズはこれを防ぐための有効な対策と見なされているものである。

これらに加えて 外側からのトリートメント、すなわち肌を清潔に保つためのクレンジング、乾燥から守るためのモイスチャーライジング、 そして時に角質化された皮膚を除去するためのピーリングやスクラブを行わなければならない訳であるけれど、 日常生活の中で、これら全てをやっていくのは、習慣化していても大変だし、時間と手間と労力、もしくはお金が掛かるのが実際のところである。
そもそも、エイジングを防ぐというのは、自然に逆らう行為をしようとしている訳であるから、 それがそんなに簡単なはずは無い訳であるけれど、ここで、あえて私にとっての1日8時間睡眠のもう1つの効果を挙げるとすれば、 脳と身体の活動効率が向上してきたことである。
その結果、毎日30分のエクササイズが苦にならなくなったこと、そして、早めに寝るようになったため、寝る段階での身体や精神の疲れ方がこれまでより遥かに 軽いので、寝る前のスキンケアが以前より念入りに行えるようになったこと、そしてサプリメントを飲み忘れる回数が減ったことが 私の肌の調子を良くする要因になってくれているのは大いに実感するところなのである。
でも、それだけでなく、1日4時間睡眠の時代は、やはりストレスがたまり易く、溜まった仕事の山を頭で考えているだけで、何処から手を付けて良いか 分からなくなって、時間を無駄にすることなど しょっちゅうであったし、 朝、既に歯を磨いたのを忘れて2回磨いてしまったり、シャンプーを2度してしまったり、 既に取りに行った新聞を、もう一度取りに行ったりと、ルーティーンの行事を心ここにあらずの夢遊病者のような状態でこなしていることが 少なくなかったのである。サプリメントにしても、飲み忘れることもさることながら、自分がその日の分を飲んだか、飲んでいないかさえ 思い出せないこともあったけれど、8時間睡眠を1ヶ月続けた今、こうした心ここにあらず状態は まずなくなったし、 小さな事でも、物事の決断が付きやすくなったのも 自分で自覚していることである。
だから、今の私がボトックスと同様に、アンチ・エイジングに有効だと人に薦めているのが「8時間睡眠」であるけれど、 英語で「ビューティー・スリープ」という言葉があるとおり、ことも35歳過ぎの肌や 美しさを語る時、睡眠と眠りが脳や身体に与える影響を 決して切り離しては考えられないというのが私の見解なのである。


さて、以前からこのコーナーに書いてきた、ラ・メールの「ジ・エッセンス」についてですが、 かなりお問い合わせをいただきながら、生理前を避けたり、天中殺の旬間を避けたりしているうちに すっかり使用開始が遅くなってしまいました。でも、やっと今週から使い始めることにしましたので、 21日分使い切ったところで、ご報告しますので、もう少々お待ち下さい。



Catch of the Week No.1 Oct. : 10月 第1週


Catch of the Week No.4 Sep. : 9月 第4週


Catch of the Week No.3 Sep. : 9月 第3週


Catch of the Week No.2 Sep. : 9月 第2週





執筆者プロフィール

秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。
丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、1989年渡米。以来、マンハッタン在住。
FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。
その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.設立。以来、同社代表を務める。