Oct. 11 〜 Oct. 17 2004




He's Just Not That Into You


今アメリカで話題になっているのが「He's Just Not That Into You:No- Excuse Truth To Understanding Guys」 (彼はあなたに興味が無いだけ:男性を理解するための言い訳無用の真実)という ライフスタイル・アドバイス書である。
この本のタイトル、「He's Just Not That Into You」は、「セックス・アンド・ザ・シティ」 の シーズンNo.6で、サラー・ジェシカ・パーカー扮するキャリーが、 新しいボーイフレンド、バーガーを3人の女友達に紹介した際、 「デートの後、部屋に誘ったのに、男性がそのまま帰ってしまった」とボヤいていた ミランダに対してバーガーが語った台詞である。
このボヤキを聞いたクリスティン・デイビス扮するシャーロットは、 世の中の多くの女友達がするように「気にすること無いわよ。きっと彼は疲れていたのよ。 そうでなかったら、2人の仲をもっとゆっくり進めたいと思っているのよ。」 などと慰めていたけれど、これに対して意見を求められたバーガーが答えたのが、 「彼は君にそれほど興味が無いだけだよ」という実に信憑性のある一言だったのである。

これを聞いたミランダは、ショックを受けるどころか、 「それまで 自分に興味が無い男性に希望を繋いで、 どれだけ時間を無駄にしてきたか」を悟る というのがこのエピソードであったけれど、 この「He's Just Not That Into You」の一言に 「目からウロコ」の思いをしたのは ミランダだけではなかったようで、放映の翌日から この台詞に対しては 大反響が寄せられたと同時に、アメリカ中のシングル・ウーマン達が 空虚な慰めや詮索を止めて、この「He's Just Not That Into You」という台詞を使い始めたとさえ言われているのである。
そしてこの大反響を受けて、「セックス・アンド・ザ・シティ」 の脚本ライター、 グレッグ・ビーレンドとリズ・トゥチーロの2人が、 纏め上げたのがここに紹介する「He's Just Not That Into You」というアドバイス本である。

この本が指摘するまでもなく、女性達は長きに渡って、男性が電話を掛けてこなかったり、デートをキャンセルする度に、 「(私に断られて) 傷付くのが怖いのかも・・・」、「私との友情を壊すのを恐れているのでは?」、 「今は彼の仕事の大切な時期だから・・・」、「今は未だ前の彼女と別れたばかりだから・・・」などと、 自分にとって都合の良い ありとあらゆる理由を推測しては、希望を繋いできた訳であるけれど、 「彼はあなたに興味を示してはいないだけ」なのだから、「そうした詮索は単なる時間の無駄」 と明言するのがこの本である。
そもそも男性は、よほどの事が無い限りは 女性に対して「君のことは好きになれない」などと 直接言うことは避けるもので、その結果、相手に電話をしなかったり、理由をつけてデートを断ったり するものだけれど、その非積極的な姿勢が示しているのは彼らの正直な気持ちで、 彼らの言葉や行動の裏には 女性が思いを巡らせるほどの深い意味は存在していないというのが その解説である。

この本では、

チャプター1:He's Just Not That Into You If He's Not Asking To Go Out
(彼が誘ってこなかったら、あなたに興味はない)


チャプター2:He's Just Not That Into You If He's Not Calling You
(彼から電話が掛かってこなかったら、あなたに興味はない)


チャプター5:He's Just Not That Into You If He's Having Sex With Someone Else
(彼が他の誰かとセックスをしていたら、あなたに興味はない)


チャプター6:He's Just Not That Into You If He Wants to See You When He's Drunk
(彼が酔った時しか会いたがらなかったら、あなたに興味はない)


チャプター8:He's Just Not That Into You If He's Breaking Up With You
(彼があなたと別れようとしていたら、あなたに興味はない)


チャプター9:He's Just Not That Into You If He's Desappeared On You
(彼が突然消えてしまったら、あなたに興味はない)


チャプター10:He's Just Not That Into You If He's Married (And Other Insane Variations Of Being Unavailable)
(彼が結婚している、もしくはその他の馬鹿げた理由で会うことが出来ないなら、あなたに興味はない)


というように、チャプターごとに 女性達が、頭の中で考えたり、女友達に慰められたりしながら、 自分に関心を示さない男性に対して希望を抱く理由を否定し、 女性達が目を向けたがらないリアリティを説明するものになっている。

同書がターゲットとしているのは、男性からの電話を何時間も待ち続ける女性、 「目線が会った時に微笑んでくれた」とか、「指が触れた時にお互いに感じるものがあった」などと、 女友達に語っては、細かいディテールに深い意味を持たせようとする女性、 相手の煮え切らない態度が「自分を愛しているけれど、それを素直に表現できないだけ」と 解釈しようとする女性達とのことで、 実際にこうした経験をもつ女性ほど、この本をきっかけに それまでの自分の考えを改める傾向は強いのだという。
でも、この本は決して、女性の恋愛に対する希望を掻き消そうとするものではなく、 「男性が自分に興味を示さなかったところで、それは自分が悪い訳でも、自分に魅力が無い訳でもないのだから、 余計な詮索に時間を無駄にするよりも、新しい可能性=男性に目を向けるべき」 というのが、 その根本にあるメッセージである。

8月に発売された同書は、9月にはアマゾン・ドット・コムでNo.1となり、 女性誌を中心に、多くのメディアからのパブリシティを獲得する 話題の書となったけれど、 私がこれを書いている10月17日付けのニューヨーク・タイムズ紙のスタイル・セクションでも、 この本のことが取り上げられており、そこでは 女性とて、男性が好きになれない場合、電話をしなかったり、デートをすっぽかしたりする訳で、 「何故、女性に対してだけHe's Just Not That Into You とアドバイスする書物が 出版されるのか?」といった疑問が投げかけられていた。
でも、男性側は 相手が電話をしてこなければ、自分に興味が無いのだとあっさり判断して、 それ以上の意味合いは詮索しない訳で、 「She's Just Not That Into You」(彼女は君に興味を示していない)などと、改めて アドバイスをする必要は無いのが実際のところであったりする。
また、女性というものは、男性に好感を持った場合、6感全てを使って相手を感じ取り、 それを経験や頭脳や思い込みで分析をする生き物な訳で、恋愛感情は出会った瞬間よりも 後で相手のことを考えているうちに、盛り上がってくるものである。 それだけに女性は、自分のことを殆ど記憶に留めていないような男性に対して、 特別な思い入れを抱いてしまうケースも出てくることになるけれど、 これに対して、男性の恋愛感情には もっと動物的な嗅覚や直感、外観のアトラクションなど、 インスタントでシンプルな要素が働いており、よほど真剣に気に入った女性以外は、 花火のように パッと盛り上がっては、後腐れなく夜空に消えて行ってしまうものなのである。

私はこうした書物が出る度に、個人的にいつも思うのは、女性というのは、 どんなに高等教育を受けてIQが高くても、恋愛とダイエットに関しては、 時に、正当な判断力を失う場合があるということである。
人間はそもそも信じたい事を信じる生き物であるけれど、 ちょっと頭を冷せば、相手がウソをついていたり、言い訳をしているだけとか、 相手が社交辞令で意に反したことを言ってる、事実に反したことをでっち上げているだけ、 というのは分かるものである。 でもそれが異性とダイエットに関することになると、 女性達は「彼がコールバックをしてこないのは、自分を愛していて、自分をじらしたいから」とか、 「食べるだけでみるみる痩せる」といったありもしないことを真剣に信じて、 時間やお金を無駄にするし、それに決して懲りる事は無いのである。
こうした女性達にありがちなのが、「楽をして痩せたい」と思っている反面、 「恋愛は苦しいもの」と考える傾向であるけれど、 実際のところは「ダイエットは楽なものではない」し、 「無理の無い恋愛が実る」ものなのである。






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