Oct. 13 〜 Oct. 19  2014

” Positive Negative VS. Negative Positive ”
ポジティブ・ネガティブ VS. ネガティブ・ポジティブ


今週のアメリカでも、引き続き最大の報道になっていたのがエボラ・ウィルスのニュース。
10月18日土曜日の段階で、世界7か国で合計9,216人の感染者が記録されているエボラ・ウィルスであるけれど、 死者数も増え続けていて、土曜日の段階で4,555人。死者の約半数はリベリアで記録されているとのこと。
アメリカには、現在エボラ・ウィルスがアウトブレークしている西アフリカ諸国からの ダイレクト・フライトは飛んでいないことから、感染者が国外から入ってくる場合は、他国を経由してのことになるけれど、 エボラ・ウィルスは潜伏期間が21日あることから、どんなルートからやってきても、症状が出ていない限りは 判別が難しいことが指摘されているのだった。

そんな中、アメリカでは今週、国内2人目の2次感染者がテキサス州で確認されたけれど、その2人目の感染者も1人目同様に、 アメリカ国内唯一のエボラ・ウィルス死者となった男性が運び込まれた病院のナース。 このナースがエボラ感染が確認される直前に、自らの結婚式の準備のためにオハイオ州クリーブランドに 飛行機で出掛けていたことから、同じ飛行機の乗り合わせた生徒2人が通うクリーブランドの学校が閉鎖となり、 市役所も職員の伴侶が同じ飛行機に乗っていたことを理由に、クローズして感染予防のための消毒作業が行われたことが伝えられているのだった。

その一方で、西アフリカ諸国でのエボラ・ウィルスの取材から戻った3大ネットワークの1つ、NBCのニュース・スタッフが、 現地でそのカメラマンがエボラ・ウィルスに感染したことを受けて、21日間の自主隔離に入ったにも関わらず、 ニュージャージーのレストランで、テイクアウトをする様子が目撃され、「自主隔離になっていない」と批判を浴びていたのも今週。
このため、エボラ・ウィルスに対するオーバー・リアクションを懸念した 感染症の専門家が、メディアに登場して「たとえエボラ感染者が隣に座っていたとしても、 それだけで感染することはない」とコメントする様子も見られたけれど、 ナースが2人感染しているだけに、一般国民に対してはこれがさほど説得力を持たなかったのが実際のところ。

アメリカ国内では、エボラ・ウィルスがアウトブレークしている西アフリカ諸国への渡航禁止令を求める声が高まっているけれど、 現在のアメリカは11月4日に中間選挙を控えたデリケートな時期。 それだけに、オバマ大統領を始め、アンドリュー・クォモNY州知事などは、渡航禁止令には極めて慎重な姿勢であるけれど、 その煮え切らない姿勢を共和党候補者に攻撃される有様で、 エボラ・ウィルスは、中間選挙の結果に少なからず影響を与えるとも見られているのだった。




ところで、先週のこのセクションで、言い訳ばかりして 自分がやるべきことをやらずに、 生活が落ち込んで行った友人のことを書いたけれど、 彼女のように言い訳ばかりする人に対して、何故私の友人たちや私自身が 心配して 世話を焼こうとしたかと言えば、彼女が基本的にはポジティブな人間であるため。
彼女は、社交的で魅力もあって、頭も良いので、友達としては一緒に居て楽しいし、ボーイフレンドにも困らないタイプ。 自分の将来計画や、ビジネス・プランを語っては、 それに向けて自分が「これをやろうと思っている」、「あれをやろうと思っている」というような 前向きなことを語っていた一方で、「自分にはこんな経験がある」、「自分はこんな人とのコネクションがある」などと、友達に誇らしげに語るのも常。
なので、まさかその彼女が ドアの外に立ち退き請求が積み重なるような状況に陥るとは、誰も思っていなかったのだった。

彼女は私が ”ポジティブ・ネガティブ” と呼ぶ類の人間に属するけれど、 それがどんなタイプかと言えば、人柄はポジティブで、人付き合いも良く、楽しい時のノリも良いけれど、 何かことを起こそうとしたり、自分が何かをしなければならない状況になると、 途端にネガティブになって言い訳をして、物事をやりたがらない人。 計画には加わるけれど、実行には携わらないのがこのタイプで、 有言不実行型が多いのだった。
またこのタイプは、自分の経験や実績を誇張して語る人が多く、経験談やキャリア観は素晴らしいけれど、実際に仕事をさせてみると さほど出来ないというのが、 往々にしてこの ”ポジティブ・ネガティブ”。 そうなってしまうのは、自分は何もしていないのに 計画には加わったプロジェクト、自分が勤めるオフィスの別部門のサクセスなどを、 自分の経験や実績として華々しく人々に語るうちに、それが自分の実力だと思い込んでいるケースが多いため。 社交の場や、コミュニケーションにおいては、きわめてポジティブで、やる気があって、 アイデアがたくさんあって、様々な経験をしているように振る舞うけれど、いざプロジェクトに取り掛かってみると  言っていたような能力や人脈もなく、任せたところで仕事やプランが先に進まない、言われたことさえやろうとしないのがポジティブ・ネガティブ。

でも少なくとも最初は、何処へ行っても 実力があるかのように扱ってもらえるので、そのせいで実力を伴わないプライドがあるのが厄介な部分。 したがって、物を教わったり、人のアドバイスを取り入れる謙虚さが欠落している上に、 言い訳をしては学ぶ機会やアドバイスを受け入れないようにするので、ますます実力がつかないという悪循環を繰り返すのだった。




それとは反対に私が ”ネガティブ・ポジティブ” と呼ぶ類の人は、計画の際には 慎重になりすぎて、 プランに水をかけるようなことばかりを言う反面、いざ実行という段階になると、 誰よりも粘り強く、熱心に取り組むタイプ。
したがって 周囲が楽しそうにプランを練っている時に、辛辣な疑問を投げかけたり、 イマジネーションをかき消して、現実に引き戻すような指摘をして、 ブレーンストーミングの段階で 様々なプランを潰してきているのがこのタイプ。
でも頭を冷やしてみれば  ”ネガティブ・ポジティブ” が言うことは地に足がついた、正しい見解。 なので、このタイプが賛同しないことは取り組まない方が懸命である場合が殆どと言えるのだった。

ポジティブ・ネガティブとは異なり、実際の体験や経験で苦労をしてきているので、 時間やコストなどについて、シビアな計算をしたり、不測の事態に備えたりするのもネガティブ・ポジティブの特徴。 でも その用心深さが故に、実際以上にネガティブな人間だと思われたり、度胸が無い、野心的でない とジャッジされる傾向にもあるのだった。



ポジティブ・ネガティブとネガティブ・ポジティブを比較すると、人間的に魅力があるのは、圧倒的にポジティブ・ネガティブ。 ムードを盛り立てたり、モチベーションを煽るようなビジョンが語れるのがポジティブ・ネガティブ。 ジョブ・インタビュー(就職面接)でも有利なのだった。
逆に、楽観的ビジョンや期待感を 辛辣で夢の無い言動や、冷めた態度でかき消してしまうネガティブ・ポジティブは、 第一印象では損をするタイプが多いのが実情。 したがって良き理解者となる友人やメンターが傍に居てくれないと、周囲からは偏屈な人間、難しい人柄と思われるケースも少なくないのだった。

それでも仕事の企画書や、予算の見積もりを出す際や、出された企画書や見積もりを検討する際に 強い味方になるのが、ネガティブ・ポジティブの手堅い思考回路。 逆にポジティブ・ネガティブは、経営者の立場になると、決して雇いたくないタイプ。もちろんビジネス・パートナーとして最悪なのだった。

私は、ポジティブ・ネガティブの人と仕事をして、既に何度も失敗しているので、 社交にそこそこ長けていて、自分の実績かどうか定かではないことを自負したり、話として大きすぎるビジョンを語る人には 要注意というのが、人生の教訓なのだった。
大体、ポジティブ・ネガティブと組むと、ミーティングばかりに時間が掛かってプロジェクトが先に進まず、 ポジティブ・ネガティブを雇うと、使えない資料を作るのだけが仕事になって、実績が上がらないのが常。
したがって友達関係ならば、ある程度まで我慢できるポジティブ・ネガティブであるけれど、 仕事に関しては、本当に関わりたくないのがこのタイプの人種なのだった。



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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。




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