Nov. 14 〜 Nov. 20 2016

”It's not your 30 item diet!"
日本とは別バージョンの30品目ダイエットがアンチエイジングの秘訣!


今週のアメリカでは、ドナルド・トランプ政権のカギを握るポジションの人選が最大のニュースになっていたけれど、 そんな中、金曜にブロードウェイ・ミュージカル「ハミルトン」を観に行き、観客からブーイングで迎えられたのが次期副大統領のマイク・ペンス。
それだけでなく、カーテンコールの際にはキャスト・メンバーの1人がステージ上からマイク・ペンスに向かって、トランプ政権に対する不安を 訴える一幕があり、本人のマイク・ペンスがそれを冷静に受け止めたのに対して、 怒りのツイート3連発をしたのがドナルド・トランプ。 ハミルトンのキャストに対して「無礼」、「謝罪をしろ」というのがその内容で、 これを受けてトランプ支持者の間には「ハミルトンをボイコットするべき」との声が広がったものの、 ハミルトンは来年のパフォーマンスまで完売する大人気ミュージカル。 ソーシャル・メディア上では「ハミルトン」のチケットが全く入手不可能であることを受けて、 「ボイコットをしてくれると助かる」、「来年3月の日曜のマチネをボイコットして欲しい」といったメッセージがポストされているのだった。

その一方で、先週の選挙直後からアメリカで問題になってきたのが ソーシャル・メディア上でウソの報道がまことしやかに行われ、 それに影響されて投票した人々が多かったという指摘。 今週には、選挙直後にそれを否定していたフェイスブックのCEO、マーク・ザッカーバーグもそれを認める発言をし、 グーグル、フェイスブックがそれぞれにフェイク・ニュースの取り締まりに動き出したことが伝えられたけれど、 フェイスブック上では写真上右のように「ローマ法皇フランシスがトランプ支持を表明した」という事実無根のポストが10万回もシェアされたり、 大統領選挙のポピュラー・ヴォートでもドナルド・トランプが勝利したというデマ(実際にはヒラリー・クリントンの獲得投票数が今週末の時点で150万票上回っていたとのこと)が 事実として報じられるなど、 普通のニュースを見ている人にとっては考えられない内容のフェイク・ニュースに溢れているのが実情。 それらがニュースメディアをチェックせず、フェイスブックでしか世の中の出来事に触れない人々に大きな影響を与えていたのは否定できない状況。
調査によればソーシャル・メディア上で共和党支持者が発信するフェイク・ニュースは民主党の2倍で、 共和党側の全ソーシャル・メディアのポストの40%が事実無根のデマであることが明らかになっているのだった。




話は変わって先日、アメリカ人の友達との間で話題になったのが、「グルテンフリーの食生活を始めて、最初は体重が減ったのに、徐々にそれが戻ってきただけでなく、 近頃は以前の体重より増え始めた」という話。
アメリカでは グルテンフリーが注目されてからというもの、グルテンを消化できないセリアック病ではない人までもがグルテンフリーダイエットをするようになり、 食品業界も数年前から力を入れて開発してきたのがグルテン・フリーの食品。 それもそのはずで、グルテン・フリーの食品はお値段が割高でも消費者が購入に及ぶという史上調査結果が得られているのだった。
でも少なくともアメリカの場合、「グルテン・フリーのパンに代えた途端にお腹の膨らみが収まった」と言っている人々の多くは、 もっぱら工場生産のパンを食べていた人。アメリカの工場生産のパンの殆どは生産工程を短時間に簡略化するため、 きちんとしたベーカリーならば2回発酵させるイースト菌を一度の発酵で済ませてしまうのが常。そのため体内で分解、消化、吸収するプロセスが難しくなるだけで、 パンで消化不良を感じるのはグルテンとは無関係であることが指摘がされているのだった。
またグルテンフリーの食品を食べると、まずは痩せ始めるのは その味に疑心暗鬼でトライするため無意識のうちに日頃よりも食べる量が減っていることや、プラシーボー効果もあるとのこと。 そんな人々の体重がやがて増えるのは、グルテンフリーの食品に慣れたり、グルテン・フリーが身体に良いと思い込んで食べる量が増えるのに加えて、 グルテンフリーの食品の方が、グルテンを使わないことによる触感や味を補うために、脂肪分や砂糖、ケミカルが加わっているため、 高カロリー、高脂肪であるケースが多いこと。またグルテンフリーの食品は 基本的に加工食品なので、加工食品がもたらす肥満と病気のシナリオに沿った結果が現れることが指摘されているのだった。 その加工食品の肥満と病気のシナリオとは以下のようなもの。





かく言う私は長年、「揚げ物、挽肉、加工肉は食べない」、「缶詰、冷凍食品、シリアル、スナックを含む工場生産のフードは食べない」、「野菜&果物は極力オーガーニックを食べる」、 「砂糖を極力控える」という4つのポリシーを貫いていて、もう10年以上 自分で買ったことが無いのが砂糖。 油もオーガニックのエクストラ・ヴァージン・オリーブオイルと、オーガニックのココナッツ・オイルしか使わない主義。 それに加えて数年前から、野菜は極力1日のうちに根、葉、茎、花、実(果物)を食べるという、ホリスティック・ダイエットに謳われるポリシーを取り入れていて、 昨年からは発酵した食べ物を1日3品取ることも心かけてきたのだった。
そんな私が今年の春に友人宅のパーティーで出会ったアメリカ人男性から、”若さの秘訣ダイエット”を伝授してもらって以来、新たに加えたのが 1日に30品目以上を食べるというルール。
このことについて、何も説明しないまま2週間前のフェイバリットのコラムに、「今オブセッションを抱いているものの1つが”30品目ダイエット”」と書いたところ、 読者の方から、「30品目ダイエットは厚生労働省の推奨から外されて随分時間が経っているんですよ〜」というご指摘を頂いてしまったけれど、 実は私がやっている30品目ダイエットは、必要な栄養素を満遍なく取るために かつて日本の厚生労働省が奨励していたものとは全くの別物。
私が実践する30品目ダイエットは、エンザイム(酵素)とコエンザイム(補酵素)を多数の食材で補給し、体内の消化酵素の無駄を省くためのもの。 したがって30品目の殆どは野菜や果物、ナッツなどで構成されていて、当然のことながら冷凍食品や缶詰を含む加工食品はゼロとなっているのだった。

私がその30品目ダイエットについて教わったアメリカ人男性は、髪の毛、肌、目の輝き、白目の白さに至るまで、若々しく、 内臓、細胞レベルで若いというオーラを放っていたけれど、彼によればエイジングによって運動量が減って、身体の新陳代謝が衰えてくると、 摂取カロリーを減らさなければならないので、カロリーの割に栄養価が高いものを食べることがとても大切になってくるとのこと。 そのためには同じカロリー内で、食材にバラエティを持たせるのが最も有効な手段。加えてそのバラエティも、大半をエンザイムとコエンザイムを含んだ食品で構成することにより、 体内の消化酵素の無駄を減らすことが出来るので、代謝酵素の働きにゆとりが出て、その結果、細胞レベルの組成や再生の能力が高まる、 すなわち「身体の内側と外側の若さが維持できる」というのがこの男性の30品目ダイエットのセオリー。
逆にエイジングと共にたたでさえ鈍っている消化力や代謝力に、ポテトチップスやカップ麺など カロリーの割に栄養価が低い食べ物で 追い打ちをかけると、体内酵素が消化と代謝で消耗する一方で、組成や再生の能力も落ちるので、肌や髪の毛の劣化が早まるだけでなく、内臓の機能まで衰えてしまうのだった。
ちなみにその男性は決して30品目を食べるように言ったのではなく、実はもっとハードルが高い 「35〜40品目」という表現をしていたけれど、 彼のダイエットの場合、ヒマラヤン・ソルトやグリーン・ティー、ターメリックやカイエン・ペッパー、かつお節や煮干しの出汁、ミント、ローズマリーといった、 ヘルシーな嗜好品やスパイス、ハーブなども1品目に数えるのがルール。またチーズにしてもパルメジャンとゴート・チーズのように 原料のミルクの種類が違うものは同じチーズでも2品と数えるだけでなく、 チェダーとカマンベールのように発酵のプロセスが違う場合も別々にカウントするのがルール。 このため自宅で食事をする場合だったら、サラダ+1品という簡単なディナーでも 食材を増やすことによって軽く30品目の摂取が出来るのだった。
またその男性によれば、エンザイム、コエンザイムを十分取るには1日の摂取カロリーの50%は 火を通さない生の状態で食べるべきで、 火が通ったものばかりを食べていると、酵素が損なわれるだけでなく、たとえ食物に栄養素が含まれていても、腸の中でそれがトキシック(毒)扱いされてしまうとのこと。 特に焦げた肉や魚、ごはんでもパンでもキツネ色に焼けたり、焦げたりした部分は、軽い毒性があると言われるのだった。
基本的に身体のイミューン・システム(免疫システム)を掌っているのは腸で、腸の働きを正常に保たない限りは病気をしがちになるとのことで、腸の健康=身体の健康というのは本当なのだった。




私がその男性の食生活に興味をもったのは、彼がヴェジタリアンではないこと、私同様、加工食品を食べない主義で、お酒は飲んでもタバコを吸わないこと、 しかも毎日のようにワークアウトをするとのことで、「薬に頼らない、そのためには病気をしない」と考える彼のライフスタイルや健康に関する考え方に 共鳴する部分がとても多かったため。 そこで私の従来の食生活のポリシーに、30〜40品目を食べるルールを加えたのが今年5月のこと。 外食の時には野菜や果物を何種類も使ったスムージーを昼間に飲むようにしているけれど、グルメ・レストランほど味を複雑にするために ソースや味付けに様々な食材、ハーブが用いられているので食品の数を心配する必要が無いのが実情。 逆に食材の数が少ないのはステーキ・レストランで、スムージーを飲まない限りは30品目を摂取するのは不可能なタスクなのだった。

この食事をスタートして 既に半年が経過したけれど、すぐに実感したのはエクササイズの際の身体キレの良さやエナジー・レベル。 また食べる量は以前と同じであるものの、ここへきて体重が1キロ減っており、1キロなんて大した数字ではないものの、私にとって意義があるのは、筋肉を失わずに体脂肪だけ1キロ落とせたこと。
女性は30歳を過ぎてから10年間ごとに5〜7%の筋肉を失うと言われるけれど、脂肪よりも 20%重たい筋肉が失われて、 同じ重さでも25%余分に体積がある脂肪に替われば、たとえ同じ体重を保っていたとしても体型は太って見えるもの。 加えて筋肉は重力に逆らって発達するものの、脂肪はニュートンの法則に従うので、同じ体重でも筋肉が減って脂肪が増えれば身体がたるんで見えるもの。

その一方で、女性は20代後半から新陳代謝が毎年1〜2%低下すると言われるので、同じ量を食べ続けていれば 運動量を増やさない限りは体重が増えるもの。新陳代謝の低下は筋肉が失われるのと密接なかかわりがあって、 筋肉質な人の方がじっと座っているだけで 脂肪体質のより多くのカロリーを燃やすことが出来ることからも分かる通り、筋肉の衰えは代謝能力の衰えを意味するのだった。 なので過激なダイエットをして筋肉を落としてしまうと、かえって太り易い体質になってしまう訳で、 太りにくい体質を作りながら痩せようとした場合、脂肪だけを落とすということがとても大切なのだった。

アメリカの婦人科医は「女性の身体は年齢を重ねれば重ねるほど上質なキャベツやレタスのようでなければならない」と言うけれど、 これは上質なキャベツやレタスは葉っぱの巻きが硬い分、見た目より重たいため。女性の身体が見た目より重たいということは、 筋肉質なだけでなく、骨もしっかりしているということ。でもエクササイズで筋肉は鍛えられるものの、骨を強くすることが出来ないのは、 近年になってようやく医学界で判明したこと。もちろん骨は筋肉に囲まれているので、筋肉を鍛えれば、 それだけ骨がプロテクトされるけれど、骨自体を強くするには食事やライフスタイルを改善しなければならないようなのだった。

このように医学界でも未だ人間の身体について分かっていないことが沢山ある上に、人の身体はそれぞれ異なるDNAを持っているので、 白人用のがんの化学療法が、ヒスパニック系には思ったような効果が上がらないなど、万人に適した健康療法、アンチエイジング・アドバイスというのは、 よほど当たり前のことでない限りは 存在しないというのが実際のところ。
なので「自分の身体のことは自分が一番良く知っている」と言えるほどに日頃から自分の身体と健康に留意して、 自分の身体にとって最善の選択をしていかないと、特にインターネット上には 大統領選関連のフェイク・ニュース同様、雑多な情報が溢れすぎているので、 それに翻弄されるとお金と時間を無駄にするだけでなく、 中には健康を損ねるという逆効果のものさえあると思うのだった。



執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。

Shopping

PAGE TOP