Nov. 24 〜 Nov. 30  2014

” How to Control Appetite ”
食欲をコントロールして痩せる2つの方法


今週のアメリカで最大の話題になっていたのは、ミズーリ州ファーガソンで、武器を所持していない18歳の黒人青年、 マイケル・ブラウンを射殺した警官が 不起訴処分になったことを受けて、地元ファーガソン、及び全米で起こった抗議活動のニュース。
同事件については、これが起こった今年8月のこのコラムでも書いているけれど、 射殺された黒人青年は、武器を所持していなかったとは言え、同事件の日の午後には ストアからタバコを略奪する様子が 防犯カメラに捕らえられており、 その様子は193cm、136キロという 極めて大柄な彼が タバコを鷲掴みにして、反対の手で彼を止めようとした小柄な店主を突き飛ばす凶暴ぶり。 射殺現場には目撃者は居たものの、同事件の一部始終を捉えたビデオは存在しておらず、 その目撃者証言の内容は証人によって食い違っている状況。

抗議活動をする人々が信じる目撃者証言は、マイケル・ブラウンの友人によるもので、それによれば、マイケル・ブラウンは 両手を揚げて 打たないでくれと叫んだとのこと。その「Hands up, Don't shoot!」は抗議活動のスローガンにもなっているのだった。
警官の不起訴処分が発表されてからというもの、全米各地で抗議活動が起こっていたけれど、その背景には、警官による黒人男性に対する悪質な レイシャル・プロファイリング(このケースでは、人種が原因で犯罪者と見なされがちになること)の歴史があるため。 しかしながらミズーリ州の法律や過去の判例を検証した法律の専門家が、こぞって警官の不起訴処分を 判決前から断言してたのもまた事実で、国民感情や世論では法の裁きは変えられないし、変わるべきでも無いのだった。

現地ファーガソンでは 事件当時と同様、抗議活動と称して暴動、放火、略奪、銃の発砲といった違法行為が公に行われていたけれど、 ニューヨークでも抗議団体が 帰宅ラッシュとサンクスギヴィングの帰省ラッシュで 混み合うリンカーン・トンネル、ウィリアムスバーグ・ブリッジを 一時的に閉鎖したため、さらに悪化したのがその大渋滞。
加えて、抗議団体はサンクスギヴィング・デイに行われる 毎年恒例のメーシーズのパレードも阻止しようとしていたとのこと。 メーシーズのパレードといえば、巨大なキャラクター・バルーンがアッパー・ウエストサイドから、ヘラルド・スクエアのメーシーズまで 行進するイベントであるけれど、その数あるキャラクター・バルーンのうち、抗議団体のターゲットとして報じられたのが スヌーピー。 スヌーピーのバルーンは、サンクスギヴィング・パレードに最も長く登場している名物キャラクターで、 幸い事前情報を入手したNYPD(ニューヨーク市警察)が、スヌーピーに危害を加えようとしていた抗議活動者を取り押さえ、 パレードは無事に行われたのだった。

でも抗議活動者は、その日の夕方からスタートしたホリデイ商戦でも 全米各地の大手小売店に現れ、 ストアと買い物客の双方を妨害。 「正当な裁きが下るまでは、誰も利益を上げるべきでは無い」と主張していたのだった。




さて、そのアメリカのホリデイ商戦であるけれど、 歴史的にアメリカの小売店の売り上げが最も高いのは、サンクスギヴィングの翌日の金曜。 この日は、”ブラック・フライデー”と呼ばれてきたけれど、ここ数年はウォルマート、ターゲット、メーシーズ等、 多くの小売店が、サンクスギヴィングの夕方や夜からストアをオープンして 早めにバーゲンをスタートすることから、 サンクスギヴィングを ”グレー・サースデー” と呼ぶようになっているのだった。
その結果、アメリカ国民のサンクスギヴィング・デイは、ターキー・ディナーを早めに終わらせて、 その日のうちにショッピングに繰り出すというスケジュールに変わりつつあるのが実情。 というのもグレー・サースデーの方が商品が豊富な上に、割引率も高いとのこと。
このため2014年のブラック・フライデーの全米の小売り売り上げは、昨年比で7%ダウン。 逆にグレー・サースデーの売り上げが20%もアップしているのだった。

でもグレー・サースデーが賑わう背景の1つには、以前はサンクスギヴィング明けの金曜は、 仕事が休みと相場が決まっていたけれど、今では金曜に平常営業するビジネスが非常に多いため。 したがって「サンクスギヴィング・デイにショッピングを済ませて、金曜はいつも通りに仕事」というのが 新しい風潮になりつつあるのだった。

今年のホリデイ商戦で大きな売り上げが見込まれるのは、ホームグッズや家電製品。逆に落ち込みが見込まれるのはアパレルやアクセサリー。 大手百貨店メーシーズも、ブラック・フライデイ、グレー・サースデーのホームグッズと家電製品の売上げが、 今年初めてアパレルとアクセサリーを上回ったことを発表していたけれど、 世界で最も高い売上げを記録するアパレル・チェーン、H&Mでさえ 2014年のホリデイは、ホームグッズの売上げに力を注いでいるのだった。




でも、ホリデイ商戦の消費動向が変わっても アメリカ人がお金を注ぎ続けるのがダイエット・ビジネス。
2013年には、ダイエット・ビジネスの市場規模は 6兆4000億円に達したといわれているのだった。 それもそのはずで、アメリカでは常に約1億800万人が何らかのダイエットを試みているとのこと。

興味深いのは、アメリカでは肥満人口が多い州は断然内陸部で、共和党支持者が多い州。 逆に肥満人口が少ない州は、海岸エリアで、民主党支持者が多い州。 もちろん肥満に最も関係するのは食生活で、海岸エリアの州が、日本食を好んで食べて、ジューシングや地中海ダイエットなどにいそしんでいる一方で、 内陸部は昔ながらのフライドチキン、ステーキ、フライド・ポテトといったメニューが今も一般的な食生活なのだった。

こうした内陸部の人々が陥り易いダイエットの誤りが、食生活を変えずに僅かなエクササイズで痩せようとすること。
内陸部の人々に限らず、統計によれば 減量を目的にエクササイズを始めた人は、逆に体重が増えるケースが多いとのこと。 この主な理由は、「運動でカロリーを燃やした」という安心感から、日ごろより多めに食べてしまうため。 「ヨガを1時間やったところで、ヨーグルトを1つ余分に食べただけでチャラ!」と考えられる人はあまり居ないようなのだった。

減量おいて、エクササイズが効果を発揮するのは以下の3つのオケージョン。
・ 食事制限をしていて、その減量のスピードを早めるために行う場合
・ 食事療法による減量が小康状態に入った時に、更に体重を落とすために行う場合
・ ダイエットの目標を達成した後、食事の量を増やしながら、体重を維持するために行う場合

「体重を減らそうと思ったらエクササイズよりも、まずは食べないこと」というのは、どのダイエットの専門家も口を揃えて指摘すること。 でも、誰もが簡単に食欲が抑えられるのならば、アメリカ社会が深刻な肥満で苦しむ必要は無いわけで、 やはり最も難しいのが 食事量を減らすこと、すなわち食欲の抑制なのだった。


その食欲を減退させる手段として、多くのセレブリティが行っているのが、コルセット・ダイエット。
もちろん同ダイエットには、ウエストを細くする効果もあるけれど、 セレブリティとして最初にコルセット・ダイエットの実践を告白したのは、ハリウッドで1、2を争う べスト・ボディの持ち主、ジェシカ・アルバ。 彼女が第二子を出産後、ウェイトを落とすために3ヶ月、昼も夜もつけていたのがコルセット。
そうするうちに、クロエ・カダーシアン、キム・カダーシアン(写真下、上段左)を始めとするセレブリティが インスタグラムでコルセットを付けている写真を公開するようになって、一躍火が付いたのがコルセット・ダイエットなのだった。

コルセットを着用すると、少量の食事でウエストがキツク感じられることから、それ以上食べようという気持ちになれず、 結果的に食欲がコントロールできるというのがそのコンセプト。
そもそも脳が身体にシグナルを送るだけでなく、身体も脳にシグナルを発しているのは周知の事実。 コルセットがきついと感じて、「もう、苦しくて食べられない」というシグナルを身体が脳に発することは、 「食べ過ぎて、苦しい」感じて、脳に送るシグナルと大差がないという。

さらにコルセット・ダイエットのもう1つのメリットは、コルセットを身に着けただけで、何もしなくてもボディがスリムに見えること。
写真下のビフォア&アフターは、ニューヨーク・ポスト紙が行ったトライアルの写真。 3人ともウエストが7.5cmほど細くなり、その分の脂肪分が上下に動いた分、 ヒップとバストのサイズがアップして、よりカーブが強調されたボディになっているのだった。



ただ気をつけなければならないのは、締め付け過ぎることで、肌がかぶれたり、 内臓が極端に圧迫されるというのは非常に不健康。特に日頃からルースなシルエットの服しか着用してこなかった人が、 いきなりタイトにウエストを締め付けると、30分ほどで集中力が無くなったり、気分が悪くなることが多いとのこと。 このため、最初は1日2時間程度、緩い状態からの着用が奨励されているのだった。
でも、体脂肪というのは、基本的に皮膚の下で流動するものなので、ずっとコルセットを着用した場合、 食欲が減退するだけでなく、引き締まったウエストラインが手に入るのも事実。 更に姿勢が良くなるというメリットもあって、夏は難しいけれど、これからの寒い季節であれば、 トライ出来そうなダイエットなのだった。


それより簡単に食欲を抑制しようとした場合、サプリに頼ることになるけれど、 脳に直接働きかける食欲抑制剤というのは、うつ病治療薬の成分が用いられているなど、あまり安全とは言えないもの。
でも今年ダイエット業界で注目を集めたフォルスコリンは、食欲抑制と減量のサポートをする安全で、副作用の無いサプリとして知られるものなのだった。
フォルスコリンはミント系の植物の根から採取されるナチュラル成分で、減量への効果は2005年に臨床実験が行われ、 実質的な効果をあげたのに加えて、前述のように副作用が無いことから、アメリカでは肥満患者に医師が薦めているサプリメント。
本来フォルスコリンは、アレルギー、喘息、湿疹などの肌のアレルギー、高血圧に効果を発揮するサプリメントとして市場に出回ったものの、 その後、着眼されてきたのが、快眠をもたらす効果、不快感を伴わない自然な食欲抑制を促す効果なのだった。

アメリカではこの効用が 2014年初頭に、「ドクター・オズ」などのTV番組を始めとするメディアで大きく取り上げられたため、 サプリの売り上げが大きく伸び、その結果 起こったのが、混ぜ物を加えたピュアとは言えないサプリ、成分の含有量の少ないフォルスコリンの氾濫。 やがて、2014年の夏に差し掛かるころには、フォルスコリンのサプリに対して、消費者からの低いレビューが寄せられるケースが増えてきたのだった。

しかしながら ここへ来て、新年に組まれるダイエット特集のリサーチを行ったブロガーや、メディア関係者が、 そのピュアで高品質なフォルスコリンの効果に再び着眼したことから、 再び巻き返しつつあるのがそのブーム。
摂取方法は、3度の食事の30分前に、コップ一杯の水と共に摂取するというもので、朝食を取らない人も 朝に1錠を摂取した方が、 効果的とのこと。 また再来ブームでは、同じく食前30分に水一杯と摂取する ガルシニア・カンボジアと併用することで、 更に効果がアップすることが指摘されているのだった。

これ以外に減量に効果があると言われるのは、昔懐かしいキャベツ・スープ・ダイエット。 これはキャベツのスープを作って、そのスープはいくらでも食べて良いというもので、90年代にアメリカで大流行したダイエット。 これが昨今、またまたカムバックしてきているのだった。
そのキャベツ・ダイエットのサラダ版と言えるのが、ケール、キュウリ、セロリのサラダで、 アップルサイダー・ヴィネガーとレモン、少量の塩、ブラック・ペッパーをミックスしたドレッシングを掛けて、 やはりこれも いくらでも食べて良いというもの。

それ以外はレモン水を1日最低1.5リットル飲んで、ココナッツ・オイルを適量摂取することなどが、 注目されるダイエット・テクニック。 果たしてこれらに本当に効果があるかは定かでは無いけれど、パーティーや外食の機会が多いホリデイ・シーズンに体重を増やさないようにするためには、 「ダイエットは新年から!」などとは考えず、ホリデイ・シーズンの最中からダイエットに取り組むこと。
ダイエットというのは、何か核になるコンセプトや、「これだけは毎日続ける」という ルーティーンがあった方が成功し易いので、 私も上記のどれかを12月1日から始めようと思っているのだった。


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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。




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