Nov. 27 〜 Dec. 3
”Party Dos & Don'ts ”
毎年12月と言えばホリデイ・シーズンであると同時に、言うまでも無く パーティー・シーズン。
アメリカではパーティーと言えば、新しい人々に出会うチャンスであり、社交の場。
この時期はホーム・パーティー、オフィス・パーティー、レストランでのパーティー、また小売店が主催するショッピング・パーティーなど
カジュアルなものからフォーマルなものまで、様々なパーティーが行われるけれど、
この季節になると アメリカのメディアが必ずと言って良いほど特集するのが
パーティーに参加するに当たっての " Dos & Don'ts / ドゥーズ & ドンツ "、すなわち「するべき事と&してはいけない事」。
こうしたパーティー・マナーは、パーティー慣れしている人にとっては、教わらなくても自然に行っている事だったり、
当たり前過ぎる事であったりするけれど、パーティー慣れしていない人、特にアメリカに来たばかりの日本人などには
馴染みの無い事であったりするので、パーティーに出掛ける前には、失礼の無いように学んでおくべきことである。
さて、まずパーティーのタブーと言えるのは、パーティーに一緒に来た人としか喋らないこと。
パーティーというのはミングルするべき場であるから、きっかけを作っては 沢山の人と話すようにするのが、正しい振る舞い。
もちろん夫の会社のパーティーや、妻の友人宅のパーティーに出掛けたカップルがパーティーの間中一緒に居るのはOK。
自分の伴侶を上司や友人に紹介するためにも カップルが一緒に居ることは全くマナー違反ではないけれど、
大切なのはちゃんとカップル単位でミングルすること。
会場の片隅で2人の世界に入ってしまったりすると、周囲が話し掛け難い閉鎖的な雰囲気が漂ってしまいます。
次にいけないのは、パーティーの場で知り合った人であっても、同じ人とばかり長々と喋り続けていること。
例えシングル同士で、お互いに気が合っても、とっとと連絡先を交換してお互いにミングルするのが正しいマナー。
お互いにミングルするうちに、顔ぶれを変えながら話す時間が長くなるのは構わないけれど、
2ショットで 喋り続けているのは 「社交性や協調性が無い」と周囲からは見なされるし、
相手にしても内心は 「ミングルしたいのに、しつこいのに捕まった」 などと思っているかもしれなかったりする。
1人の相手との話が長くなってしまった際に、相手の気分を損ねる事無く その場から抜け出す手段としては、
食べ物や飲み物を取りに行くというものがあるけれど、
女性の場合、喋っていた相手が男性なら、普通は代わりにドリンクを取りに行ってくれるもの。
なので、その間に別の人と喋る、もしくは場所を移動することによって逃げ出すことが可能である。
でも、もし男性が ドリンクを取りに一緒について来たら要注意。うかつに電話番号など渡すと しつこく電話が掛かってくることになったりする。
女性と喋っていた男性が ドリンクを取りに行くのを口実に逃げる場合は、必ず女性の分のドリンクも取って来るかどうかをオファーをするのが
正式なマナー。「そんな事をしていたら逃げられない」と思うかもしれないけれど、もし女性にドリンクを頼まれた場合は
彼女のドリンクだけを手にして戻って 女性に渡せば その後は 何処へ行って、誰と話そうと責められることはありません。
もし何か言い訳をしたかったら、ドリンクを渡す際に 「これから自分の分のドリンクを取りに行くから・・・」とか、
「向こうで挨拶しなきゃいけない友達にあったから・・・」と言うのが普通だけれど、これは以前から知っている友人などの場合。
パーティーで初めて会った人には そこまで義理立てする必要は無いのが通常である。
ドリンクを取りに行くふりをして逃げようと思っても、グラスにワインやシャンペンがたっぷり入っている時は、
水を取りに行く、バス・ルーム(トイレ)に行く というのも 避難の口実。
また「せっかくのパーティーなんだから、私とばっかり喋っていたらもったいないわよ」と言って、相手をミングルに送り出すのも手段だし、
通りかかった友人を相手に紹介して、自分は自然に会話からフェイドアウトするというのも常套手段。
一方、ホーム・パーティーに出掛ける場合のタブーは まず 手ぶらで登場すること。
例え義理で参加するようなパーティーで、30分程度しか居ないつもりでも、何も食べないし 飲まないと思っても、
何かしら持参するのは最低のマナー。
アメリカの礼儀作法のエキスパートによれば、「お金が無かったら、カードにメッセージを書いて渡すだけでも十分」だという。
パーティーに持参するのに最も一般的なものと言えば、ワインやシャンパンなどのお酒類。
余れば保存が利くのはもちろんのこと、ドリンクを切らしてしまったらパーティーは台無しであるから、
ホストにとっては、例え十分に飲み物を用意していても、ゲストがドリンクを持って来てくれるのは決して迷惑ではないもの。
花を持っていく場合には、既に花瓶に入ってアレンジされたものでないと、ただでさえ忙しいパーティーのホストに花を生ける手間を
掛けさせる事になってかえって失礼。
クリスマス・シーズンは季節柄、ポインセチアの鉢植えやアマリリスを持って来るゲストも居るけれど、
私のように占いや風水に凝っている人にとっては、何処の方位から来たか分からない土が家の中に入ってくるのはあまり好ましくないので、
鉢植えよりはカットフラワーの方が当たり障りのないギフトであるのが実際のところ。
食べ物を持っていく場合は、ホストが用意するものとダブるといけないので、ホスト側に訊ねるのが一般的なルール。
また、フード・アレルギーがある人や、ヴェガンなど特殊なダイエットをしている人は、ホストに予め伝えておかないと、
思わぬものにアレルギーの食べ物が含まれていたり、ディナー・パーティーなのに食べられるものが無くて、料理に手がつけられないといった
事情を知らない人が見ると失礼にも取れる事態が起こってしまうことになる。
さて、ホーム・パーティーはもちろん、アメリカの立食パーティーに必ずといって登場するのがディップ。
様々なディップが入ったボールにカット・ヴェジタブルやチップスをつけて食べる光景は、ありとあらゆる類のパーティーで見られるけれど、そこでご法度のマナーになっているのは「ダブル・ディッピング」。
この「ダブル・ディッピング」とは、90年代に大人気を博したシットコム、「サインフェル」のエピソードに登場して有名になったもので、
ディップにつけたチップスなどを半分かじって、残りの半分を再びディップにつけること。
そうすると、かじった部分がディップに入ってしまうので、それを見た他の人はそのディップに手をつけたくなくなってしまうというもの。
「サインフェル」で「ダブル・ディッピング」が有名になってからというもの、他人が野菜やチップスをディップする様子をチェックしている
アメリカ人は結構 多かったりする。なので、1度目のディッピングの時に 必要以上にたっぷりディップをつけて、
「ダブル・ディッピングをしたくないから・・・」などと言えば、通常アメリカ人は理解を示してくれるだけでなく、「サインフェル」にあやかった
ユーモアだと捉えてくれることになる。
その他のタブーとしては、「子供OK」とインヴィテーションに書かれていないのに 子供、
それもジッとしていられない年齢の子供を連れてくるのは、かなり失礼。
でも赤ちゃんの場合は、泣きさえしなければ意外に人気者になってしまう場合もある。
とは言ってもホストに手間や迷惑を掛けずにオムツの取替えが出来るようにして出掛けるのはマナー以前の常識だし、
早めに立ち去るのは鉄則。
それ以外にホーム・パーティーのタブーと言えば、汚れた靴で出掛けること。これは部屋が汚れてしまうという理由が大きいけれど、
ホーム・パーティーに限らず、どんなパーティーでも靴は男性も女性も真っ先にチェックするポイントであるから、
きちんとしていないとみっともないのが実情である。
逆にパーティーで奨励されることは、まずホストをねぎらうこと。どんな規模のパーティーでも人を集めて 楽しませるというのは、
時間も掛かるし、労力も掛かるし、様々な気配りを必要とする大変な作業。なのでパーティーの席で、招待してくれたことに対するお礼と、
パーティーを楽しんでいる事をホストに伝えて感謝の気持ちを表したり、ホストのために皆で乾杯するといった配慮は
不可欠です。
特にホーム・パーティーの場合は 翌日お礼の電話をしたり、Eメールを出すのは当然のマナー。上司の家のパーティーなど、
目上がホストの場合はThank You カードを出すのが正式で礼儀正しいお礼の仕方。
ドレス・コードについては、奨励されるのは 当然のことながら ドレスアップして出掛けること。
パーティーを華やかにするのはゲストであるから、例えホーム・パーティーでドレスコードなど無くても、
ホリデイ・シーズンはそれなりにドレスアップして出掛ける方が適切。
特に、男性が女性に同行してホーム・パーティーやオフィス・パーティー等に出掛ける場合、
きちんとした服装で現れた方が、彼女の女友達からのウケが良くなるのは言うまでもないこと。
スタイリストやマナーの専門家によれば、パーティーで奨励されるのは オーバー・ドレスダウンよりオーバー・ドレスアップ。
変わった格好や、派手なドレスを着た人が居る方が、パーティー・ムードは断然盛り上がります。
さて、ホストにとって有り難いのは、参加者が早めにRSVP(パーティーの招待状への返事)をしてくれること、
そして早めにパーティーに現れてくれること。
人によっては、招待状をもらって直ぐにRSVPを出すと、「他に予定が無いと思われるのでは?」と
わざと返事を出すのを遅らせるようだけれど、パーティーをホストしている人であれば、
忙しい人ほど直ぐにRSVPをしてくれる(さもないと他の事で忙しすぎて 出し忘れてしまうため)
ことは熟知しているもの。
ホスト側にしてみればRSVPは早ければ 早いほど 人数が読めて有り難いものであるから、
ホストを思いやる気持ちがあれば、RSVPは早めにするのがベターである。
またホストにとって困ってしまうのは、パーティーになかなか人が現れず、その場がウォームアップしないこと。
たとえ沢山の人から参加のRSVPをもらっていても、パーティー開始時間を過ぎても人が集まらなかったら
ホストは「ゲストが来てくれないのでは?」などと不安になってしまうものだから、早めにパーティーに現れて、
その場のウォーマーになる方が、ホストを喜ばせることになる。
ことに日本人は人が集まった頃を見計らってパーティーに行こうとする傾向があるけれど、
余計な体裁など気にしないで、RSVPとパーティーへの登場は早めにする方が ホストに対して良いインパクトを与えることが出来ます。
いろいろ書いて来たけれど、パーティーに参加するに当たって最も基本的な「Dos & Don'ts 」 と言えば、
先ず ”Don't” の方は悪酔いして人に迷惑を掛けること。
アメリカ社会は日本ほど 酔っ払いには寛容ではないので、会社のクリスマス・パーティーで悪酔いして醜態をさらしたエグゼクティブが
転職を試みるといったことは 決して珍しくはないこと。
”Do” については、パーティーを楽しむこと。
たとえ居心地が悪いパーティーでも、楽しそうに振舞っていれば 時間の経過とアルコールのパワーによって、
どんどんパーティーに打ち解けて 楽しむことが出来るようになってきます。

執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。
丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、1989年渡米。以来、マンハッタン在住。
FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に
ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。
その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.設立。以来、同社代表を務める。
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