Dec. 22 〜 Dec. 28 2003




It's Party Time!!


「パーティー」とひと言でいうけれど、これにはカクテル・パーティー、ディナー・パーティー、 ホーム・パーティー、ディスコ・パーティー、コーポレート・パーティー、 チャリティ・パーティー等、出される食べ物の形式やロケーション、 パーティーの目的等で、様々なカテゴリーがある。 そうしたありとあらゆる類のパーティーが、アメリカで一気に行われるのが、 サンクス・ギビング後からニュー・イヤーまでの約5週間。
社交的で、お金持ちであるほど、この時期のソーシャル・カレンダーは 「パーティーの予定でギッシリ」になるもので、 多い人になると この時期に出掛けるパーティーの数は50以上。 すなわち平均で1日1〜2回のパーティーに出掛けている計算になる。
女性の場合、それに合わせてヘア&メーク、マニキュア&ぺディキュア、ドレス&シューズ の準備をするだけでも大変な時間と費用が掛かるのは容易に想像が付くものだけれど、 これだけ殺人的なスケジュールでパーティーに出掛けるのは、 ニューヨークでも かなりの富豪クラス。 普通のニューヨーカーなら この期間に7〜10回程度パーティーに出席するのがアヴェレージと言われている。
景気が低迷していた過去2〜3年の間に、ブラック・タイの着席ディナーといったフォーマルなパーティーは 激減したと言われてきたけれど、今年は年末になって「景気が上向いた」という報道や風潮を受けて、 パーティーを立食から着席にアップグレードした金融企業は少なくないそうで、 ケータリングの内容もこれに伴って、豪華に変更する企業が増えているという。

パーティーの中でも最も豪華と見なされるのは、シャンペン・レセプションの後、着席のディナー&ダンスというもので、 言うまでも無く、これはブラック・タイのオケージョンである。 でも往々にして「ディナー&ダンス」の場合、「食事が不味い」、もしくは「食事に手が抜かれている」というのは、 紛れもない事実で、これは食事のコースの間にゲストがダンスをしに席を立ってしまうことを考えれば、 無理からぬことである。この場合、お酒にしても中級クラスしか出されないと相場が決まっていたりする。
これに対して食事に期待が出来るのは、当然のことながら「ディナー・パーティー」で、食事の前の シャンペン・レセプションで、キャビアのオードブルが出され、食事のコースの中でフォアグラと トリュフが出されれば、かなりお金が掛かっているパーティーと見なされることになる。 実際のところマンハッタンのケータラーの多くが、キャビアを使ったカナッペをレセプションで出し、 フォアグラのパテをファースト・コースかセカンド・コースで出し、 肉料理や魚料理のソースにトリュフを使うというのを、一般的な高額メニューのパターンとしており、 パーティーのホストがよほど突飛なリクエストをするか、よほど多額のお金を払わない限りは このパターンは崩れないものである。
一方、立食パーティーは 食事に期待が持てないかと言えば、決してそのようなことはなく、 このところのマンハッタンで行われるパーティーは、その殆どが立食であるため、 各ケータラーは立食メニューの開発の方に力を注いでおり、 下手な着席ディナーで3コースを味わうよりも、 ずっとクリエイティブで美味なフィンガー・フードを食することが出来たりする。
フィンガー・フードは、一口サイズで、極力ソースを使わないもの(服にこぼさないようにという配慮)という制約があり、 タイ風のエビの串刺しや、サーモンのラップ(スモーク・サーモンをハーブ入りマヨネーズと一緒に、薄いフラットブレッドで巻いたもの)、 トッピングを乗せたポテト・パンケーキ等は、こうした立食パーティーの常連メニューである。

ゲストとして これらのパーティーに出掛ける場合、気が楽なのは何と言っても立食であるけれど、 パーティーに知っている人が殆ど居ない場合は、着席の方が 最終的には楽しめる場合が多かったりもする。
着席ディナーの場合、同じテーブルをシェアする人々とは必ず食事の前に自己紹介をするもので、 これは先にテーブルに座っていた人に対して、後から来た人が自己紹介をして回るのが一般的である。 後から来た人が挨拶に来てくれた場合、先に座っていた人は立ち上がって挨拶をするのがマナーであるけれど、 女性がフル・レングスのドレスを着用していて、座ったり立ったりがし難い場合、立ち上がる振りさえ見せれば 相手が「どうぞ、そのままで」と言ってくれるものである。
着席ディナーの場合、円形のテーブルを8〜10人でシェアするもので、大体自分の両側に座っているカップルと 会話をすることになるけれど、会話の谷間になって ポツンと取り残される人が居ないように配慮しながら食事をするものであるから、 よほど退屈なカップルに挟まれない限りは、会話が弾んで、ある程度親しくなる場合さえある。
私が個人的に、最も溶け込むのが難しい感じるのは、ゲストが20〜30人程度のホーム・パーティーに招待されて、 私がホスト以外誰も知らなくて、招待されているゲスト同士が皆友達というようなオケージョン。 大体、気を使って話し掛けてくれる人は、「何処から来たの?」、「(仕事は)何をしているの?」 という最も一般的な初対面用の質問をしてくるけれど、そこから会話を進めていくには、 英語か社交術のどちらかが長けていなければならないと思う。
私はニューヨークに来たばかりの時に、「知らないニューヨーカーとパーティーで会話をしようと思ったら、 まず映画を沢山観ること、そして話題のレストランに沢山出掛けること。」と言われたことがあるけれど、 確かにこの2つの話題は、初対面のニューヨーカーとの話を弾ませるものであったりする。 でも自己紹介をしてから、いきなり映画の話をする訳にはいかないもので、自然な会話の成り行きで、 自分の「得意分野」に話題を持って行くには、ある程度 場数を踏んだり、 社交の上手い人がどうやっているかを見て学ぶ必要があるというのが私の意見である。
今年のクリスマスの場合、「ロスト・イン・トランスレーション」や「ラスト・サムライ」の ような日本関連の話題映画があるだけに、アメリカ人から「ラスト・サムライ観た?」等と 訊かれたりするけれど、もしその答えとして、ここぞとばかりにサムライのスピリッツについて説き始めたり、 映画についての感想を長々と話し始めるのは、まずはご法度と言わなければならない。 これをしてしまえば、相手に「やっかいなのに掴まった」という印象を与えるのがオチである。
パーティーというのは、数多くの人と会って、楽しい一時を過ごすのが目的の場であるから、 難しい持論を解いたり、長々と相手を引きとめて話を続けるのはタブーであり、好マナーとは言えないものである。 パーティーの会話というのは、相手がコミュニケーションのきっかけを求めているだけであって、 真剣な意見を求めている訳ではないから、その質問をきっかけに、 楽しい会話をするのが正しいアプローチであり、深く、真剣に掘り下げて行くのは 相手や周囲を退屈させるだけである。
逆に、そうした演説タイプや、あまり好ましくない人に掴まってしまった場合、 化粧室に出掛けるとか、「どうしても挨拶しなければならない人を見かけたから…」といって その場を去らないと、せっかく色々な人に知り合えるかも知れないチャンスを棒に振ってしまうことになる。

さてパーティーで 女性にとって最も大切な事の1つが 「何を着ていくか?」で、これがかなりの問題になる場合も多いけれど、 私がアメリカに来たばかりの頃に、パーティーに行き慣れた女性から教わったのが、「1週間前にドレス・リハーサルをすること」、 「雨、雪の場合を想定しておく」ということである。
どうしてドレス・リハーサルを1週間前にするかと言えば、 暫らく着ていないドレスを着用しようと思っていた場合は、体型が変わっていて、 テイラーで直させなければならない場合もある訳で、その直しには大体1週間の猶予が必要であるし、 手持ちのドレスでは間に合わなくて、買いに行く場合にしても、 裾や袖丈を直してもらう時間が必要というのがその理由である。
実際、私は今年のイブに着ようとしていたドルチェ&ガッバーナのドレスの背中が4cmほど 割けていたことを、この1週間前のドレスリハーサルで発見することになった。 未だ、1度しか着ていなかったドレスで、何時どうやって背中が割けたのか知る由も無いけれど、 私は髪が長いので、髪の毛で隠れる位置であったのは不幸中の幸いだった。
もちろんこのドレスはその後チャイニーズのテイラーが完璧に直してくれたので、 大事には至らなかったけれど、もう1つの教訓である「雨の場合も想定しておく」も 今年のクリスマス・イブには役に立つものであった。 今年のニューヨークのイブは、朝から強風の大雨で、私は結局シルクのサンダルをギブアップして、 エナメルのサンダルで出掛けることになった。

人によっては、「立食パーティーで目立つのはシューズ、着席パーティーで目立つのは 首周り」と考えるようだけれど、着席パーティーでも席に付く前はレセプションがあるので、 靴は大切である。ことにここニューヨークでは、女性でも男性でも 出で立ちで、必ずチェックされるのがシューズで、時に脚を組んで座っていたりすると、 その裏側までチェックされているから、スノッブなパーティーでは、 どんなにゴージャスなシューズでも底に傷があるシューズを履くのは、お薦めしないものである。

今年のパーティー・フォーマルのトレンドとしては、 相変わらず、ベルベットはアウト!、シルク・サテン、シフォンといった軽い素材が メイン・ストリームで、来春のトレンドを反映して、 オレンジやアクア・ブルーなど鮮やかなカラーを、 完璧なスプレー・タンで小麦色になった肌に着用するのがカッティングエッジとされるところである。
それでもニューヨークのパーティーで最も無難かつ、絶対に間違いの無いカラーは、常にブラックで、 「迷ったらブラック」、「どういうパーティーだか良く分からなかったらブラック」という フィロソフィーは健在である。
昨年のフォーマル・トレンドには、ファーのボレロというのがあったけれど、 これは今年も健在。でもそれよりも今年らしいのはCUBE New Yorkでもコピーをした サンローランのリボン・ショールで、サンローランのオリジナルや、様々な コピー・バリエーションを着用する女性が目立っているという。

オーバー・ドレスアップと、オーバー・ドレスダウンではどちらがベターであるかと言えば、 もちろん前者。パーティーのはしごが不思議でないシーズンなだけに、 別のもっとフォーマルなパーティーから来たか、これから行くところかと思ってもらえるし、 ドレスアップしていれば目立つので、人からの扱いも良くなるのが普通である。
ドレスダウン、例えばシルクのトップにジーンズといったファッションは、 カジュアルなパーティーには適しているけれど、周囲がそこそこにドレスアップしている時は 惨めに見えてしまう。
女性の場合、パンツよりスカート、フラット・シューズよりハイヒール、 ラウンド・トウよりポイント・トウ、パールよりダイヤモンド、 ストッキングより焼けた素足がサクセス・フォーミュラで、 どこかで肌を露出するのがカギ。 とは言ってもマライア・キャリーやクリスティーナ・アギュレラのように 胸も、腕も、背中も、脚も見せるような服装では売春婦のように見えて、男性は面白がって眺めても、 女性からは反感を買うことになってしまう。

度胸がある人ならば、マナーの範囲内で突飛で大胆なファッションで出掛けるのは 自分を売り込むチャンスであると同時に、パーティーのエンターテイメントになるので、 ホストにも歓迎されたりする。 例えそれが悪趣味に近いものでも、愛嬌がある悪趣味はユーモアとして捉えられるし、 それだけ話題を提供するものである。
ワースト・ドレッサーはベスト・ドレッサーより 記憶に残ることはオスカーでのビヨークが立証する通りなのである。



Catch of the Week No.3 Dec. : 12月 第3週


Catch of the Week No.2 Dec. : 12月 第2週


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Catch of the Week No.5 Nov. : 11月 第5週