Dec. 17 〜 Dec. 23 2007




”What's in your bag? ”



今週のアメリカはクリスマスが迫ってきた上に 大きな事件も無かっただけに、ブリットニー・スピアーズの妹で、 子供向け二ッケローディオン・チャンネルのドラマに出演しているジェイミー・リン・スピアーズ(16歳)が妊娠したという ニュースが大きく報じられていたのだった。
とは言っても、このネタはジェイミー・リンがブリットニーの妹である以外には特出したニュース性が感じられないもので、 メディアによっては2人の娘の育て方を間違った母親、リン・スピアーズに対する批判報道をするところもあったけれど、 「そんなに大騒ぎするようなニュースではない」というのがハリウッドや一般の人々のリアクションである。
それよりも危惧されるのは脚本家組合のストライキが長引く様相を見せてきたことで、 一部のトークショーは来年1月から脚本家無しで番組放映を再開することを発表している。 でもこれによって少なからず打撃を受けるのは授賞式イベントで、既に一般の人々による投票で決められる「ピープルズ・チョイス・アワード」は 今年の授賞式の中止を決定。受賞者には自主的にビデオ・コメントを寄せるよう働きかけるそうで、 これによって授賞式ではなく、受賞発表番組を放映する意向があることをほのめかしている。
年明け早々、1月13日に行われるゴールデン・グローブ賞にしても ライター(脚本家)不在のまま行われることになるけれど、 同賞はそもそもホストが居る訳でもなく、極めて簡単なイントロダクションがプレゼンターとして登場するセレブリティによって 行われるだけなので、大勢には影響が無いと言われるイベント。 でもそうは行かないのが、ハリウッド最大のイベントであるアカデミー賞授賞式。
アカデミー側はライターのストライキの如何に関わらず、授賞式を執り行うとしているけれど、 もしストライキが続いていた場合 オスカー史上最短のモノローグ(ショーの開始時のホストの語り)と最短のイントロダクションが見込まれており、 その結果 毎年うんざりするほど長いオスカーの授賞式が2時間程度に短縮される可能性さえあると噂されている。 私は個人的にはオスカーが2時間程度の授賞式に短縮されるのは大賛成であるし、他にも同様に思う人は沢山居ると思うけれど、 つくづく思うのは 雑誌や新聞の記者でも、脚本家でも、ライターというのは、あまりお金とは縁が無い職業で、 「ハリー・ポッター」シリーズの著者、J.K.ローリングスのように書いた小説がメガ・ベスト・セラーになって 映画化でもされない限りはミリオネアにはなれないということ。
私も一時、日本のクライアント相手にライター兼リサーチャーの仕事をしていたことがあるけれど、リサーチャーとして経済動向や業績分析などを 企業クライアントに対してレポートするのは良い収入になっても、ライターとしてショップやトレンドの記事を書くのは 労力の割りには報われない仕事だったのを良く覚えていたりする。
現在、脚本家組合に所属してストを行っているライター達は、 視聴率番組の脚本を手掛けていようと、 脚本を部分的に担当した映画が$300ミリオンの興行成績を上げたとしても、 一部の例外を除いては ミドル・クラス、もしくはローワー・ミドル・クラス程度の収入しか得ていないのが実情なのである。
現在のアメリカでは、 最も先行きを危惧していると言われているのがこうしたミドル・クラス、ローワー・ミドル・クラスの人々で、 それを象徴するかのように、今年のクリスマス・シーズンは低所得者家庭のためのオモチャの寄付が激減していることが伝えられている。 アメリカでは毎年、チャリティ団体が 我が子のためにクリスマス・プレゼントを購入することが出来ない低所得者のために オモチャの寄付を集めて 配っているけれど、今年はこうした寄付を行ってくれるミドル・クラスの人々が、 石油価格高騰による暖房費の値上げや経済の先行き懸念などを理由に寄付を減らしたり、見合わせたりしているという。
また安価な中国製オモチャのリコール問題の影響で、寄付を募る側が「メイド・イン・チャイナのオモチャはお断り」 などと 条件をつけた結果、寄付しようという人々が 割高なアメリカ産のオモチャを購入するのに 二の足を踏んでしまうことも 寄付が減っている原因であるという。

こんな経済の先行きを危惧するようなニュースを聞くと、気持ちが重たくなる人々は多いけれど、 多くの女性達にとって 昨今 気持ちよりも 実際に重たく感じられているのが肩や腕。
現代の女性は、平均で約4〜5キロの重さのバッグを持ち歩いているのだそうで、これが原因で肩や腰、腕、背中の痛みを覚える人は多いという。
もちろん男性でノート・パソコンを重たい書類と一緒に持ち歩く人々も同様とのことであるけれど、 男性と女性の違いは、男性は必要なもの、実際に使うものだけを 極力軽いバッグに入れて持ち歩こうとするのに対して、 女性はデザインやルックスが気に入ったデザイナーもののバッグを持ち歩く傾向にあるため、 バッグ本体のウェイトがかなりあることに加え、荷物が多い女性の場合 持ち歩いているもののうち実際に使用するものは 40〜50%程度。すなわち不必要なものをかなり持ち歩いているために、必要以上のウェイトを 持ち歩いているという。
ことに冬の季節になるとコートの重さも手伝って、タダでさえ重たい荷物がさらに重たく感じられるとのことだけれど、 クリスマス・シーズンになると、仕事帰りにホリデイ・ショッピングをして 持ち運ぶ荷物が増えることもあり、 この時期に肩こりや背中、腰の痛みを覚える女性が増えるのだという。

かく言う私も12月に入ってから肩こりが酷くて、最初は ストレス? と思っていたけれど、 よく考えてみれば ストレスというものは四六時中感じているものなので、特に12月に入ってから肩に影響するとは 考えにくく、やはり原因はコートの重さと荷物の重さに加えて、昨今は忙しくてあまりエクササイズをする時間が無いために、 身体がなまっているのだろう という結論に達したのだった。
ところで、多くの現代女性が一体何を持ち歩いて平均4〜5キロもの荷物になってしまっているか?と言えば、 写真左のニューヨーク・ポストの記事によれば、ブラック・ベリーやアイ・フォンなど通常の携帯電話よりも遥かに重たい携帯端末機、 化粧品、サングラス、ジムやヨガのクラスに出掛けるためのエクササイズ・ウェア、財布、キーホールダー、アイポッド、 ボトルド・ウォーター(水のペットボトル)、といったところは標準装備と言えるほど多くの女性が持ち歩いているもの。 これに加えて人によっては、ペーパーバック(単行本)、時にハード・カバーの書籍を持ち歩いており、携帯端末機でスケジュール管理をしていない人は 今も重たいアジェンダ(スケジュール帳)を持ち歩いているという。 また オフィス用、もしくは夜の外出用に 履き替えのシューズを持ち歩く女性も少なくないという。
さらに先述の通り、女性はバッグ本体が重たい場合が多く、1000ドル以上するデザイナーバッグの平均的な重さは 約4パウンド(2キロ弱)。 今年秋に発売されたバーバリーのローワン・トート(写真右)などは、見た目には物凄くスタイリッシュなバッグではあるものの、 バッグ全体にスタッズがあしらわれているというデザインが災いして、バッグ本体だけで4.5キロという重量。 某女性誌の特集で、「健康のためには持ち歩くことは薦められない」とドクター・ストップが掛かっていたほどの重さである。

そこで自分のケースを考えると、ジムは自宅ビルにあるのでエクササイズ・ウェアを持ち歩く必要はナシ。 それだけでなく私は、日頃から持ち歩くものは極めて少なくて、かなり前に 日本の雑誌のライターをしている友人に、ニューヨークで働く日本人女性のバッグの中身の 特集に協力して欲しいと言われたものの、私が持ち歩いているものがあまりに少なくて「パーソナリティが感じられない」と 却下されてしまったことがあるほどなのである。
その私の荷物が増えてしまったのは週に2回のフランス語のクラスのせいで、テキストブック2冊と辞書とノートの重さだけで約2キロ。 他のクラスメートは、テキストブックの重さは全く苦にならないと話していたけれど、それまで重たいバッグを運びつけていなかった私にとっては、 かなりの負担になるのである。 しかもテキストブックがかなり大きいサイズなので、これを入れるために大きなバッグを使い始めた途端に、 バッグのキャパシティがあるせいで、日頃使わないものをどんどん持ち歩くようになってしまい、 かつてはフェンディのバゲットやディオールのサドル・バッグ、モーターサイクル・バッグのスモール・サイズで全てをまかなっていた私が、 YSLのミューズバッグなどを日常で使うようになってしまったのである。
ニューヨーク・ポスト誌の記事に登場していたドクターのコメントによれば、重たい荷物は分散して、 ひとつの荷物の場合は、頻繁に持つ手を替えるようにとアドバイスしていたけれど、これは分かっていてもなかなか出来ないことだし、 実践しているつもりでも、ふと気付くと自分の利き腕で荷物を持っているというのはありがちなこと。 そこで考えたのは やはり大きなバッグを持ち歩くと、自然に荷物がどんどん増えてしまうということで、 最近ではフランス語のクラスの日以外は小さいバッグを持ち歩くように務めるようになったのだった。
実はCUBE New Yorkで今週から扱い始めたBKのトリビュート・バッグも、最初は少し小さいかと思っていたけれど、 先日バーグドルフ・グッドマンのクライアント・サービスに居合わせた 見るからにリッチな女性が YSLのオリジナルを持っていて、 サイドのファスナーを開けっ放しにして、ボトルド・ウォーターがはみ出した状態で いろいろなものを詰め込んで 使っている様子を見て、妙に新鮮かつ カッコ良く感じられてしまったのだった。 ここ数年、オーバーサイズのバッグを中身に余裕を持たせて使う傾向が一般的だったので、 その反動かもしれないけれど、個人的にはこれからは肩や背骨のためにも荷物を減らして小さいバッグに戻ろうと 考えていたりする。
実際、荷物を増やしたところで使うものは限られているし、持っていれば使うものの多くは、無ければ無いまま 済ませられるものが多いのである。

ところで、私は出先ではメーク直しをしない主義で、持ち歩く化粧品はリップスティックかリップグロス1本と小さなミラー1枚だけ。 なので幸い、 人前でメーク直しをして 顰蹙を買ったことは無いけれど、 男性の中にはこのメーク直しを 目の前でされたことが ディール・ブレーカーになってしまう人も居るようである。
アンケート調査によれば女性がメーク直しをして最も顰蹙を買う場所は レストラン。次いで地下鉄やバス等の交通機関の中。 もちろん、タクシーや自家用車内は人目に触れないので例外。 それ以外では、オフィスのデスクや ウェイティング・ルーム(待合室)、バーなどが挙げられていたけれど、 交通機関の中のメーク直しは安全のためにも控えた方が良いもの。
事実、ニューヨークの眼科のエマージェンシー・ルームにやってくる女性の80%は、 交通機関の中でメークをしていて マスカラやアイライナーで眼球を突き刺したのが原因であるという。





Catch of the Week No. 3 Dec. : 12 月 第 3 週


Catch of the Week No. 2 Dec. : 12 月 第 2 週


Catch of the Week No. 1 Dec. : 12 月 第 1 週


Catch of the Week No. 4 Nov. : 11 月 第 4 週






執筆者プロフィール

秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。
丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、1989年渡米。以来、マンハッタン在住。
FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。
その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.設立。以来、同社代表を務める。