Dec. 20 〜 Dec. 26 2010




” New Year's Anti-Resolutions ”



今週のアメリカは金曜にクリスマスを控えて、オバマ大統領一家もハワイへ ホリデイ休暇に出掛けるなど、 年末ヴァケーション・シーズンに突入ムード。
でも今日、12月26日のイースト・コーストはスノー・ストームで、朝11時から降り始めた雪と 猛烈な風の影響で、ニューヨーク・エリアの空港では1400便の飛行機がキャンセルとなり、 クリスマス休暇でニューヨークを訪れていた旅行者は、火曜日、水曜日まで足止め状態。
またニューヨークに車や列車で戻ろうとしていたニューヨーカーも、積雪の影響で 車が走行不能になったり、列車がストップする状況になっていることが報じられているのだった。

今回のスノー・ストームは何十年もクリスマスに雪が降ったことがない ジョージア州アトランタにも積雪をもたらし、 今日、フィラデルフィアで行なわれるはずだったNFLの試合を異例の中止に追い込むという 状況を生み出していたけれど、 今週、自然がらみの珍しい出来事として、ニューヨークで大きな話題となっていたのが、20日月曜夜から 21日火曜日にかけてのルーナー・エクリプス(月食)。
満月が地球の影でどんどん隠れて行き、その影が完全に月と重なったのはアメリカ東部時間の21日、午前2時41分。 21日は冬至でもあり、月食が冬至と重なったのは1638年以来のこと。 そしてNASAによれば、次に月食が冬至と重なるのは2094年であるという。
ニューヨークで これだけクリアな月食が見られるのは稀なチャンス と メディアが大きく報じたこともあり、 数多くのニューヨーカーが夜更かしをして見守ったのが 今回のルーナー・エクリプス。 かく言う私も、生涯一度も肉眼で月食を見たことが無かったので、この日は自宅の窓から 月がどんどん欠けていって、最後には月が茶色くなる様子に見入っていたのだった。
とは言ってもこの月食は、所要時間3時間半という根気を要するもの。なので、その間、同じく月食を眺めている友人と 携帯メールをしたり、仕事をしたり、シャワーを浴びたりという状態で、完全に集中して見ていた訳ではないのだった。

世の中では 満月にクレージーな出来事が起こるとか、人が怒りっぽくなるというような一般認識がまかり通っているけれど、 女性に関しては、その多くが ”満月に生理、新月に排卵”という月経サイクルとなっているそうで、これが健康的な状態。
農業の世界でも、「満月に巻いた種は育たない」と言われるのと同様、 新月に生理、満月に排卵のサイクルでは、 女性は妊娠しないし、人口授精も無駄に終わる傾向にあるのだった。
なので子供を欲しがっている友達には、月経サイクルについて良くアドバイスするけれど、 これは意外にも頻繁に感謝されることの1つなのだった。

見方を変えれば、以前、CUBE New York の「月の満ち欠け」についての記事 にも書いた通り、月の満ち欠けの知識を使って、自然の摂理に従って人生をデザインした方が 無駄なエネルギーを消費することなく、 自然に生きていけるということ。
このセオリーでは子供や貯金、農業など、増やしたいもの、大きく育てたいものは新月にスタートさせ、ダイエットや借金返済、禁煙など、 減らしたいもの、いずれ止めたいもの のプロジェクトは満月にスタートさせるのがベターとされているのだった。


さて年末になると、アメリカ人の会話に頻繁に登場するのが ”ニューイヤーズ・レゾルーション (新年の決心、もしくは目標)”。
アメリカ人のニューイヤーズ・レゾルーションのリストのNo.1に 毎年ランクされるのが、肥満社会を反映して  「体重を落とす」ということ。次いで「タバコを止める」、「エクササイズをする」、そしてリセッションに突入してからは「借金を減らす」 といったものが上位のランキング。
2011年は1月4日が新月なので、ダイエットや禁煙を それ以降から始めるのは、自然の摂理に逆らう行為。 でも次の満月を待っていたら1月20日になってしまうので、その時点では新年の緊張感がすっかり薄れてしまうのは言うまでもないこと。
なので、ダイエットや禁煙を始めたいと思う人は 新年を待たず、もう明日からでも始めるのが正しいタイミングであったりする。

中には、「節目からでないと 物事を始められない」という人も居るけれど、そういう人というのは 往々にして、節目が来ても理由をつけて ダイエットや禁煙を先送りにしたり、 一応は始めてみるものの、「やっぱり成人の日からにしよう」とか、「節分からにしよう」などと 新しい節目を勝手に設けてしまうもの。
このタイプは、意志が弱く、自分に甘いので、節目が無いと始められないだけでなく、締め切りが無いと終わらせられない性格。 すなわち、ダイエットや禁煙が続かない典型的なタイプ。
その分、人にも甘く、人の弱さも容認するので、このタイプとショッピングや食べ放題に行くと、 楽しい反面、大出費や体重の増加が待っていたりするのだった。
なので、このタイプは自分のダイエットや禁煙が上手く行かないだけでなく、人の分まで ダメにしてしまう可能性をはらんだ ”危険分子” であったりする。

新年から2〜3週間ほどは、多くのアメリカ人が 健康的な食生活と、エクササイズ、禁煙を持続するのは毎年のこと。
でも、新年の新鮮味や緊張感が緩む2月までには、殆どの人々が誘惑に負けたり、挫折して行くのが 例年のパターン。そして、たとえ毎年のことでも、 ニューイヤーズ・レゾルーションが達成できないことをストレスに感じる アメリカ人は 決して少なくないという。
これを受けて、数年ほど前から徐々に登場し始めたのが、”ニューイヤーズ・アンチ・レゾルーション”。 これは、新年にポジティブな目的を掲げる ”ニューイヤーズ・レゾルーション”の対極のコンセプトで、 ”新年にはあれはしない、これはしない” というような 後ろ向きな目標や、ネガティブな目標のリスト。
例えば、「もう下らない家族のイベントには参加しない」、「禁煙をしない」、「ダイエットをしても、デザートは食べ続ける」、 「買いたいものがあったら、我慢しないで買う」というような、 従来のニューイヤーズ・レゾルーションに比べて、遥かに簡単に達成できるリスト。
ことにリセッションに入ってからのアメリカでは、アンチ・レゾルーションがどんどんポピュラーになってきているとのことで、 これは失業問題や、経済問題などでストレスフルな生活を強いられていたアメリカ人が、 ニューイヤーズ・レゾルーションでさらに自分の生活を難しくしたくない、挫折感を味わいたくないと感じる部分が背景にあるという。
それと同時に、アンチ・レゾルーションであれば、簡単に達成感が味わえて、プレッシャーが無い のも利点となっているようなのだった。

ところで、私の友達の1人が語っていたニューイヤーズ・レゾルーションの中に、「事あるごとにカレンダーを見て、”もう1年の3分の1が過ぎてしまった”、とか ”あと4ヶ月で今年も終わり” などと言って、 時間の経過の早さをボヤかない」というものがあったけれど、 これは私も試してみようかと思っているものの1つ。
人間は年齢を重ねるごとに、一年が短く感じられるようになるものだけれど、 この理由には2説あって、1つは年齢を重ねるごとに、生活が予測可能なものになっていく一方で、 新しい経験をしなくなるので、脳の時間に対する認識が鈍化して 時間が早く感じられるという説。
もう1つは、年齢に応じて メタボリズムが下がってくるのため という説。メタボリズムが高いと、 カロリーを効率良く燃やすと同時に脳の活動が活発になっているので、1分1秒にも関心が注がれて、 その結果、1日1日が長く感じられるというのがその説。

理由は何であれ、誰にとっても1年は同じ365日。たとえ、どんどん短く感じられるようになったとしても それをボヤくより、その間に達成したことや 1年の残りにやろうとしている事にフォーカスを当てた方が、 建設的な生活が送れるように思えるのだった。
中には、「1年が短く感じられるのは幸せな証拠。辛い1年は長い」という人も居るけれど、 人間が人生について有益に学ぶのは、もっぱらそうした辛い時期。 なので、後から振り返って長かった1年には、沢山のレッスンが詰まっていたと考えるべきなのである。

Have a Happy 2011!!


Catch of the Week No. 3 Dec. : 12月 第 3 週


Catch of the Week No. 2 Dec. : 12月 第 2 週


Catch of the Week No. 1 Dec. : 12月 第 1 週


Catch of the Week No. 4 Nov. : 11月 第 4 週





執筆者プロフィール

秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。
丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、1989年渡米。以来、マンハッタン在住。
FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。
その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。





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