Dec. 23 〜 Dec. 29, 2013

”The Year In Style ”




今週のニューヨークで話題になっていたのが、LEDライトアップになって初のクリスマスを迎えたエンパイア・ステート・ビルディングの レッド&グリーンの鮮やかなクリスマス・ライトアップ。
そんな エンパイア・ステート・ビル、ロックフェラー・センターのクリスマス・ツリーと並んで、 クリスマス・シーズンのニューヨークで 名所になりつつあるのが、ブルックリンのダイカー・ハイツ(写真上、エンパイアを除く4枚)。 同エリアは 普通の住宅街であるものの、クリスマス・シーズンになると、 何ブロックにも渡って 個人住宅が派手な屋外デコレーションを展開することで知られており、 メディアの中には、ダイカー・ハイツを 全米の ベスト・クリスマス・デコレーション・スポットに選ぶところもあるほど。
住人達は ライトアップの電気代に加えて、毎年数十万円をかけたデコレーションを自己負担し、 鮮やかなイルミネーションを競って見せており、クリスマス・シーズンの同エリアは 夕方以降、見物客で大混雑することで知られているのだった。


そうかと思えば、同じブルックリンのキングス・プラザ・モールで クリスマスの翌日 木曜日に起こったのが、ソーシャル・メディアの呼びかけで集まった ティーンエイジャーによるフラッシュ・モブ。
ショッピング・モール内を約600人のティーンエイジャーが走り回るうちに起こったのが、バルコニーから物を投げたり、 買い物客を押し倒す騒ぎに加えて、万引き行為。引いてはモールの複数個所で殴り合いの喧嘩が始まる始末で、 多くのストアが閉店を余儀なくされる大騒ぎとなったのだった。 この壮絶な様子はソーシャル・メディア上でビデオが公開されて、ナショナル・ヘッドラインになっていたけれど、 同事態を受けて、キングス・プラザ・モールでは18歳未満のティーンエイジャーは親の付き添い無しでは、 モール内の立ち入りを禁じる措置を取っているのだった。



今年のアメリカのクリスマス商戦は、今ひとつ振るわなかったことが伝えられているけれど、 セールのシーズンに人々が競って購入するものと言えば、テック・ガジェットに加えてファッション。
そんな2013年のアメリカのファッション・トレンドと言えば、 カジュアル化がさらに顕著になったと同時に ”コンフォート”、すなわち着心地や 付け心地が重視される傾向が高まったことが指摘されているのだった。

その傾向は特にシューズに現れていてたけれど、それに拍車を掛けたのが、 マノーロ・マニアで知られるサラー・ジェシカ・パーカーが、 「オフ・デューティー(レッド・カーペットや映画の撮影以外のオケージョン)ではハイヒールを履かない」と宣言したこと。
これはサラー・ジェシカが安価なハイヒールで1日12時間前後撮影をしていたのが原因で 足を痛めてしまい、ドクター・ストップが掛ったため。 このニュースが大きく報じられてからというもの、メディアがヴィクトリア・ベッカムを始めとする ハイヒールを履くことで知られるセレブリティの外反母趾の特集をするようになり、 無理をして1日中ハイヒールを履き続けることが、もてはやされなくなったのが2013年。
実際に、そのヴィクトリア・ベッカムでさえ 2013年の トレンド・シューズの1つであるメンズ・スタイルの オックスフォード・ローファーで何度もスナップされており、セレブリティの間でもハイヒールへのこだわりが一段落していたのだった。

逆に2013年に人気を更に高めたのがデザイナーズ・スニーカー。 過去2〜3年 人気だったウェッジ・スニーカーのブームに便乗しなかったデザイナー・ブランドも 2013年に入ってからのスニーカー・ブームにはこぞって参入していたのだった。 その結果、どんどん高額なスニーカーが登場し、 例えば写真上、上段左のジュゼッペ・ザノッティのスニーカーは 1,750ドルという高額ぶり。
これは クリスチャン・ルブタンのメンズ・スニーカーの価格に等しいけれど、 そのルブタンのメンズ・スニーカーは、2012年秋にニューヨークのミート・パッキング・ディストリクトに ルブタンのメンズ・ブティックがオープンした際に、真先に完売したアイテム。 こうした華美なデザイナー・スニーカーは、以前ならラッパーやセレブリティが愛用するブリン・シューズであったけれど、 2013年に入ってからは一般のリッチな男性の間にも普及して、 メンズ・シューズの中で 最も顕著に売上げを伸ばすアイテムになっているのだった。


スニーカーだけでなく、前述のメンズのオックスフォード・シューズも2013年にトレンドになったローファーであるけれど、 2013年秋から火が付いて、2014年に更にビッグなトレンドになるといわれるのが、 バーケンストック(ビルケンシュトック)やTeva/テヴァのような スポーティー・サンダルのデザイナー版。(写真上)
この秋行なわれた2014年春シーズンのランウェイでは、カジュアルなアウトフィットだけでなく、 スーツやフェミニンなドレスに合わせて、バーケンストックやテヴァのデコラティブなバージョンが登場しており、 デザイナー・ブランドが手掛けているだけに、そのお値段は600ドル、700ドルといった高額ぶり。
それでもデイタイムやカジュアルなオケージョンでハイヒールを履かなくなったリッチな女性たちが、 こうしたシューズを好んで購入していることから、「2014年春夏はスニーカーよりバーケンストック」 という予測がファッション業界では聞かれているのだった。


アクセサリーでは、引き続き ステートメント・ネックレスと呼ばれる 大振りのネックレスが大人気。 特にタンクトップやスウェットといったカジュアルなアイテムに合わせるのが目だっていたのが2013年の傾向。

また2013年にブレークした意外なアイテムとしては、ジャンプ・スーツがあるけれど、 これは70年代以来のカムバック・トレンド。 でも2年前からショート丈のロンパーが流行っていただけに、ジャンプ・スーツのトレンドは その延長と見られているのだった。

一方、ファッション・アイコンとして2013年に最ももてはやされたのは、 ケリー・ワシントン(写真上右)。彼女のことはヴァニティ・フェア誌がインターナショナル・ベスト・ドレッサーに選んでいた他、 ファッション業界でも 「デザイナーが最も衣装を提供したがるセレブリティ」と言われていたのだった。

モデルとして、2013年にブレークしたのはカーラ・デルヴィーニュ。 ファッション業界では既に注目を集めて久しかった彼女の名前が、 一般の人々にも知られるようになったのが2013年で、 ヘンリー王子とのロマンスの噂まで流れたほど。 またグランジ・シックを絵に描いたような 彼女自身の独得のファッション・センスもメディアから注目を集めていたのだった。



アウトフィットで2013年の最大のトレンドと言えたのは、ヨガ・ウェアを通勤からウィークエンドまで、 生活のあらゆる側面で着用するというもの。
特にヨガ・パンツは、スパンクスを着用しているようなヒップアップ効果がある上に、 ジーンズよりも着心地が良いとして、女性に大人気。 ヨガパンツに Tシャツ&ジャケット、首にスカーフを巻く というスタイルで、 オフィスに出かける女性が急増したのが2013年で、仕事の後にヨガ・クラスに出かける訳ではなくても、 通勤にヨガ・ウェアを着用することが非常に一般的になっているのだった。

さて、2013年はニューヨークの自転車シェア・プログラム、シティ・バイクがスタートした年。 これを受けて 2013年は「ファッション性の高いバイク・ヘルメットがニューヨークで 流行する」という予測がメディアで取り沙汰され、実際に様々なデザイン・バリエーションのヘルメットが登場。 でも残念ながらこのトレンドは予測の域を出なかったのが実情。 その一方で シティ・バイクを通勤に利用している女性の間では、スカートの下にバイク・ショーツを身につけるのが 隠れたドレス・コードになっていたのだった。


また、2013年はケイト・ミドルトン、キム・カダーシアンといった芸能メディアが注目するセレブリティが 妊娠していた年とあって、何時に無く マタニティ・ファッションに大きな注目が集まった年。
特にケイト・ミドルトンについては、着用したドレスが瞬く間に完売するという現象を 巻き起こしていたけれど、その一方でキム・カダーシアンは 無理にウェストを絞ったドレスを着用したり、浮腫んだ足で無理やりハイヒールを履くなど、 ワースト・ドレッサーぶりもさることながら、妊婦としてヘルシーとは言えないファッションが問題視されていたのだった。


最後に 多くのアメリカのファッション関係者が、2013年で最もメモラブル、すなわち記憶に残るファッション・モーメントとして 挙げたのは 写真上、アカデミー賞で主演女優賞を受賞したジェニファー・ローレンスが、ステージのステップを上がる途中で、 ドレスの裾を踏んで 躓いたシーン。
自力て立ち上がったジェニファー・ローレンスは 直ぐにリカバーして、スピーチをこなしたけれど、 彼女が躓いた姿を捉えたスナップは、レッド・カーペット上のスナップよりも 着用していた クリスチャン・ディオール・オートクチュールのドレスのディテールを美しく捉えているとして 大好評。ソーシャル・メディア・サイト、タンブラーでは写真上右側のようなディオールの広告を 装ったパロディまで登場していたのだった。

さて2014年は、ファッションにアートの影響が顕著に現れると予測する声が聞かれ, 実際にその傾向がデザイナー・ブランドのランウェイに現れているけれど、 昨今、トレンドへの影響力が衰えているのがランウェイ・ファッションとファッション・メディア。 逆にトレンドへの影響力を高めているのはソーシャル・メディアで、2014年は益々その傾向に拍車が掛ることが見込まれているのだった。





執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。


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