Mar. 15 〜 Mar. 21 2004




How To Make You Look Rich

今週末、半年ぶりくらいで現在ベルギーに暮らしている友達に再会することになった。
彼女は以前はニューヨークに暮らしていたものの、ご主人の仕事の関係で、 半年前にベルギーに移ったけれど、新しい生活が退屈で仕方が無いようで、 私には「絶対ニューヨークを離れちゃ駄目よ」などと忠告する。
彼女はニューヨークについた途端に、スーザン・チネーリのサロンでフェイシャルとマニキュア&ペディキュアを済ませ、 ジョン・バートレットのサロンでヘアカットとカラーをしてもらい、 「やっとニューヨークで人に会えるコンディションになった」と言っていたけれど、 確かに私が会った時の彼女は、肌も髪もツヤツヤ、ネールも完璧で、いかにもお金が掛かっているという 雰囲気がプンプンしていたのだった。

彼女がニューヨークにやって来た目的はショッピングで、 パリやミラノやロンドンには何度も出かけているけれど、やっぱり買い物をするのは ニューヨークが1番楽しいのだそうで、多くのジェットセッター同様 「There Is No Place Like New York」、つまり「ニューヨークみたいな街は世界中何処にも無い」 と言っていたりする。
結局、彼女は J.マンデルで1万5000ドル(約165万円)もするセーブルのケープを購入し、 私のお薦めに従ってブライアン・アトウッドのサンダルとジェームスのジーンズを購入し ナルシソ・ロドリゲスのドレス(写真左)は、取り置いてもらって検討するということで、 私と一緒に過ごした日のショッピングを終えたけれど、 翌日も1日ショッピングをしてから帰途に着くとのことで、 私はそのあまりのバイタリティに驚いてしまったが、 これはニューヨークを訪れる旅行者にはありがちのパワーであったりもする。

この日の彼女はショッピングをするにも関わらず、歩き易い靴どころか、マノーロの4インチ・ヒールを履いていたけれど、 終日チャーターのリムジンで、例え2ブロック先のブティックに行くにも歩かないようにしていたので、 「靴も傷まず、足も疲れず、買った荷物はトランクに入れられる」という 利点を強調していた。 ブティックに行っても、この日、一目見てロベルト・カヴァーリと分かる、 派手なレザー・パッチワークとファーのコートを着ていた彼女は一際目立って、 いかにも「お金を使いに来ました」という感じだったので、 店員のサービスも良かったけれど、彼女と買い物をしていてつくづく感じたのは、 マンハッタンというところはお金が使えれば、使えるほど 楽しい思いができる街だということだった。

でも、ニューヨークに暮らしていて時々耳にするのは、実は全然リッチでない人が、 リッチに振る舞って、実際にあるのは見せ金だけというケース。 以前、私がこのコーナーに書いた 詐欺師の男性もそんな感じの人であったけれど、 こうした人々は決してお金が無い訳で無く、自分をリッチに見せるお金だけは持ち合わせていたりする。 要所、要所にお金を上手く使って、自分を銀行の残高の数百倍リッチに見せることによって、 世の中を上手く渡っていたりする訳だけれど、 実際のところ大金持ちでなくても、金持ちに見えるだけで、良い扱いを受けることになるのが世の中というものである。
そこで女性の場合、何がジェットセット並みのウルトラ・リッチに見えるポイントか?を 私なりに考えてみたところ、 以下の通りになった。

  • 日に焼けた肌&薄化粧

  • 完璧なマニキュア&ペディキュア

  • 高そうな時計、ジュエリー、サングラス

  • お金が掛かっているシューズ&バッグ

  • 着回しが効かないワードローブ


考えてみると、これらを実現するにはかなりのお金が必要のように思えるけれど、 実際には自分の努力とセールを上手く使うことによって、それほどお金を掛けずに実現できるものであったりする。

マンハッタンのソーシャリート達は、毎週70ドル程度を支払って、スプレー・タンのセッションを受けて、 冬でも美しい日焼を保っているけれど、これとてセルフタンニングをきちんとマメに塗って、ちゃんとスクラブをしていれば、 同じような日焼を保つことは難しくないのである。 加えて昨今ではタンニング・ピルなるものまで出てきたから、ジェットセット並みの日焼を 一年中保つことはそれほど難しくなくなってきているのが現状である。
またニューヨークのソーシャリート達は、肌にはお金を掛けてもメークは薄く、シンプルにしているけれど、 これとて、そもそも肌がきれいな日本人ならば、自分でマメに肌を手入れしていれば、週のうち1日をスパで過ごすようなことをしなくても、 「コケイジャン(白人)並みにきれいな肌は保てる」というのが私の持論である。

次にマニキュア&ペディキュアであるけれど、例えばバーグドルフ・グッドマンの地下のバフ・スパで、 マニキュア&ペディキュアのコースをしてもらうと、そのお値段は85ドル+チップ。つまり100ドル以上が 掛かってしまうけれど、確かに超完璧に仕上げてくれるのは事実である。 特にペディキュアは持ちが良いので、トップ・コートを塗り続けてさえいれば、1ヵ月見劣りせずに持つほどである。
だからペディキュアをプロにしてもらうのは、未だ理にかなっているけれど、 マニキュアまで毎週、毎週プロのお世話になっていたら、時間もお金も無駄にしてしまう訳で、 この解決策は、自分で上手く出来るようになることである。 私は大学1年の時から、毎週欠かさずマニキュアを塗りつづけてきたし、ペディキュアも怠らず塗ってきたので、 マニキュア&ペディキュアの腕にはすこぶる自信があるけれど、これは決して特殊能力ではなく、 定期的にやっていれば、特に器用でなくても誰でも上手くなれるものである。
マニキュア&ペディキュアというのは、不器用が多いアメリカ人から見ると、 人にしてもらって美しさを保つものだと思われているだけに、 これをきちんとしていることは非常にリッチに見えるし、実際マニキュア&ペディキュアが きちんとしている人はリッチでもある。逆に言えば、ネールの手入れがされていないと、 例えリッチに装っていても貧乏に見えてしまう場合もあるのである。
でも、どんなにネールにお金を掛けているといっても、ネール・アートは少なくともニューヨークでは逆効果。 ニューヨークでネール・アートをしているのはドラッグ・ストアのレジに居る黒人やヒスパニックの女の子達と 相場が決まっているのである。


3番目の「高そうな時計、ジュエリー、サングラス」であるけれど、 サングラスはアウトレットにでも行けばグッチでも、シャネルでも安く買うことが出来たりする。 昨今のジェットセットが好むのは、大きめのカラー・レンズで、レンズやつるの部分に ラインストーン等が入ったデコラティブなタイプ。
時計とジュエリーに関しては、ある程度高額を出さなければならないカテゴリーではあるけれど、 どちらもファッションほど流行がある訳ではないから、長い目で見て良いものをできる限り安く買って、 それを普段のオケージョンでどんどん身に付けるのが得策である。

特別のオケージョンだけに、高い時計やジュエリーを身につけると、それしか持っていないうように見えるけれど、 日頃から身につけていれば、もっと良いものを持っているから、日頃はそれをつけているように 見えるのである。
もちろんジュエリーに関しては、CJのようなフェイクを上手く使う手もあるけれど、 フェイクをつけた時こそ、「自分に自信があるからフェイクがつけられる」というアティテュードが大切。

「お金が掛かったバッグ&シューズ」のカテゴリーは、バッグに関しては正規の値段を支払わなければならない場合が 多かったりする。
シューズは流行がある上に、シーズン毎にセールになるので、セールを利用して、 高いシューズを安く手に入れる事が出来るけれど、ブランド物のバッグについては、 低価格帯ラインのものしかセールになる可能性が無かったりする。 誰もが欲しがるような人気バッグになれば、直ぐに売り切れる場合も多いので、 長く使えそうなタイプを 早めに手を打って手に入れるのが鉄則。
投資をする価値が無い素材はやはりスウェードで、バッグは直ぐに角が擦り切れて来るし、 雨に降られたら、素材のテクスチャーが変わってしまうので、避けるべき。 スウェードのシューズは、つま先とヒールが別素材になっていれば、まだ良いけれど、 そうでなければこの部分が真っ先に傷んで、直ぐにみっともなくなってしまうので、命が短い分、 わざわざ購入する価値は低いというもの。
ちなみにシューズとバッグのうちで遊び心が許されるのはバッグで、シューズさえ良いものを履いていれば、 ジェリー・ケリーを持ったり、ノン・ブランドのラメのバッグを持ったりするのはOKである。
バッグの色については、「合わせ易い」ということでブラック、ブラウンを選ぶ女性は多いけれど、 ブルー、ピンク、グリーンといった色のバッグを持っている方が、例え、その時着ている服とバッグの色がマッチしていなくても、 「服の色に合わせてバッグを持ち替えているリッチな女性」に見えることになる。

そして最後の「着回しの効かないワードローブ」であるけれど、 服を着回さなければならないのは、お金が無くて服が沢山買えないから。 つまり、いつも着回しの効くアイテムで装っていれば、 決してリッチに見えないということになる。
リッチな人々というのは、個性的に装うのが好きだし、それを着こなす自信を持ち合わせているから、 普通の女性が「素敵だけど、私には着られない」と言うような格好をしている場合が多いのである。 もちろんリッチな女性達とて、ジーンズや、黒のタートルネック、シンプルな白いシャツを着用するけれど、 それに合わせて、必ず人目を引くアイテムを身につけているものであり、 そのアイテムこそが、女性をリッチに見せるのである。
幸いなことには、ブランド物のセールに行くと、こうしたアイテムは結構セール品のラックに残っていて、 手に入り易かったりするので、似合うものさえ選べば、ディスカウント価格で かなりリッチに見える買い物が出来ることになる。
また、非常にお買い得で、しかも似合うアイテムであったら、サイズが合わない場合でも、テーラーにお直し料を支払ってでも 購入する価値はあったりするから、すぐに諦めずに「直せるかどうか?」を検討することは 大切なオプションである。


でも、こうした努力をして、外観をリッチ武装したところで、やはり 人間を本当にリッチに見せるのは、どんなところに行っても、心地好く、リラックスした振る舞いをしているという、 言わば精神的な余裕やセキュリティであり、それが身に付いていなけば、 何をしても、何を着ても「金持ちに見せようとしている」ようにしか 見受けられないのは事実である。
とは言っても、希望を捨ててはいけないのは、この精神的余裕やセキュリティというのは、 生まれつき持ち合わせていなければいけないものではなく、お金で手に入れることが出来るのものなのである。 でも、見方を変えれば、これらが身に着くほどお金が稼げれば、正真正銘の「リッチ」になれる訳で、 苦労をしてリッチに見せる必要なども 無くなる訳でである。
要するに「リッチに見られたければ、リッチになれ」ということなのだろう。



Catch of the Week No.2 Mar. : 3月 第2週


Catch of the Week No.1 Mar. : 3月 第1週


Catch of the Week No.5 Feb. : 2月 第5週


Catch of the Week No.4 Feb. : 2月 第4週








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