` CUBE New York Catch of the Week




Jun 9 〜 Jun 15 2003




日常生活のシックス・センス

私は小さい頃から「霊感がある」と言われたことが何度かあるけれど、 確かにこれまでの自分の人生を振り返ってみると第一印象や直感が当たっていたことは非常に多いと思っている。
でもこうしたシックス・センス(第6感)というのは、人間ならば誰でも多かれ少なかれ持ち合わせているもので、 霊界と交信するようなパワーこそは限られた人しか持ち合わせていないけれど、 多くの人々はこのシックス・センスを使って身を守りったり、 幸運を掴んだりして生きているのである。
犯罪学のエクスパート、ガヴィン・デべェッカー氏は「ザ・ギフト・オブ・フィアー」という本の中で、 多くの犯罪の犠牲者にインタビューするうちに、彼らが 犯罪に巻き込まれる時に、「何かがおかしい」、「何か不吉な予感がする」という思いを 何度も感じながら、そんな思いを振り切ったり、無視したり、 時に犯罪者に巧みにそれを忘れるように説得されたりするうちに 犯罪の犠牲者となってしまうことが分かったと説明しているけれど、 その一方で、九死に一生を得た犠牲者は、 やはりその「何かがおかしい」という気持ちに忠実に反応したことがきっかけで、 最悪の状況を避けることが出来たことも語っている。
英語では「Don't listen to your head, listen to your heart」直訳すれば 「頭の言うことを聞かずに、心の言うことを聞きなさい」という言葉があるけれど、 これは「自分の気持ちに忠実に行動するべき」という意味であると同時に、 「シックス・センスに従って行動するように」と言っているようなものでもある。
「自分の気持ちに忠実に生きるなんて簡単」と思う人は多いかもしれないけれど、 人間にこれをさせないようにしているのが、知識や経験、物事の状況やその判断等で、 そうやって頭でいろいろな情報を取り出しては、自分に有利に物事を 運ぼうとするのが人間であり、残念ながらこのプロセスで自分の本当の気持ちや シックス・センスで感じている思いが妥協を迫られたり、完全に無視されてしまう事態が生じることになる。 そうして、その判断が間違いであったことが判明した時、 「最初からやっぱり何か変だと思った」とか「どうしてあの時、ちょっとくらい条件が不利でも本当に気に入った方を選ばなかったんだろう」、 といった思いをすることになるのである。

服1枚を選ぶにしても、「この色の方が似合うけれど、既に同じ色の服を何枚も持っているから別の色にしなくては…」というように、 自分にしっくり来る、似合うと感じるものではなく、頭で考えて良いと判断したものを購入してしまうと、 結果的に袖を通す機会すらなかったり、家で着てみて、明らかに似合わないのを実感してしまったり、 1度着て、似合わないから心地が悪くて着なくなってしまったりするものである。
以前はCUBE New Yorkのオフィスに私の友人やスタッフの友人がパシュミーナのカラーを選びに来ていたことがあったけれど(現在はお断わりしています!)、 彼女らの共通したショッピング傾向は、既に頭の中で欲しい色がある程度決まっていたり、 そうでなければ一目見て気に入ったカラーというのがあるけれど、 沢山の色を目の当たりにすると、いろいろ合わせてみたくなって、 散々(時に2〜3時間)迷った挙げ句、結局は最初にピックアップした色を買っていくというものであった。 もうちょっと鈍い人(失礼!)になると、それほど似合わない色を買って帰った後に「やっぱりあっちの方が…」と、 最初にピックアップした色に取り替えに来る場合もあったけれど、 いずれにしても「最初に良いと思った色」というのが往々にしてその人に1番似合う色で、 迷っても最終的にはそれを買っていくというのは面白いことだった。
私は買おうとしている人には 必ず、実用性を考えずに「好きな色」、「着けていて気持ちが良い色」、 「顔映りが良い色」を基準に選ぶようにアドバイスしていたけれど、 買い物をし慣れていない人ほど、「汚れ難い色」とか「何にでも合わせ易い色」といった 実用で選びたがる傾向が強かったように思う。
でも人間が生きていこうとする場合、パシュミーナの色選びよりも難しい決断を迫られるケースは 沢山ある訳で、結婚相手を選ぶ際、取引先や投資先を選ぶ際、不動産物件の契約を交わす際など、 失敗しないように情報を集めることは大切であるけれど、全ての情報が「有利である」と言っているにも 関わらず、「今1つ乗り気になれない」という場合は、やはり決断を急ぐべきではないと思う。

人や色や服だけでなく、オフィスや居住空間に対しても第6感は適用されるのは言うまでもないことで、 私が2年前にアパートを引っ越した際、未だペンキを塗り替えたばかりで何も置いていない状態の 空っぽのアパートを見て、「何を何処に置こう」というのをざっと決めたけれど、 これを後から風水の本で照らし合わせてみたら、木(ウッド)、水(ウォーター)、金属(メタル)、土(アース)、火(ファイヤー)という5つエレメントが、 全て風水で吉とされる方角に置かれ、カラー・コーディネーションも南に赤、東南に紫というように 風水で吉とされる通りになっていたのに驚いてしまった。
私の友人で風水を勉強した人によれば、何も無いアパートで、直感的に置くべきものの置くべきところを 決めるというのは非常に良いことだそうで、逆に「これはこっちにあった方が便利」とか、 「これはここにしか入らない」という実用的な判断で家具や物の配置を決めてしまうと、 時に部屋の中のエネルギーが殺がれるだけでなく、居心地の悪い、くつろげない空間になって、 最後には住んでいる人間のエネルギーや運までが奪い取られて行くとのことだった。

家具を置く以前の、物件を選ぶ際も、直感は非常に大切だと思ったのは、 私がNYに来て最初に暮らしたアパートは、知り合いの不動産業者の紹介だった上に、 家具付きという条件をつけており、さらに学生という収入が無い身分を、不動産業者に保証してもらうことになっていたので、 あまりピンと来ないまま、見つけてもらった物件に住み始めてしまったのである。 ところが次に引っ越したアパートは、足を踏み入れた途端に「ココだ!」と思うものがあり、 そこに暮らし始めて3週間後には仕事が見つかり、ビザのサポートもしてもらえることになったし、 それに止まらず、生活も全て良い方向に変わったのを覚えている。
その3年後に引っ越したアパートは、「ピン!」と来た物件を取られてしまったため、 妥協して住み始めたけれど、何となく不安や、心に引っ掛かるものがあり、 引っ越した2日後の夜中には、壁にしっかり吊ったはずの大きな額縁が落ちて、 部屋中にガラスが飛び散るという災難に見舞われてしまった。
そしてその3週間後には、昨年このコーナーにも書いたけれど税金の申告漏れが発覚して、 追徴金を含めた2200ドル(約26万円)を支払うように国税局から請求が来てしまった。 その1ヶ月後くらいからは、やはり以前このコーナーに書いた原因不明の肌荒れに悩まされ、 皮膚科通いが始まったし、5ヶ月後には当時務めていた雑誌が廃刊になって、レイオフされてしまい、 それと前後して最悪のボーイフレンドにも巡り合うことになった。 この当時の日記を読むと「この部屋に引っ越してきてからろくな事が無い」ことは、 何度も書いてあったりする。
その後フリーランスとなった私は、収入や仕事が不定期、不規則になり、 これはフリーランスという職業柄、仕方が無いものと諦めていたけれど、 「この部屋に住んでいる限り、お金は入って来ても、出て行くから絶対儲からない」ということを 風水と方位学の両面から悟らされたのは、その4年後だった。
もちろん風水や方位などについて、何も知らなかった時でさえ、 私の第6感はこのアパートへの引越しについて黄色信号を灯していた訳で、 今だったらそんな物件は絶対に選ばずに前のアパートの賃貸契約を延長してでも、 気に入った物件を見つけようとしたと思う。
1ヶ月前、オフィスと共に私のアパートも引越しをした際は、 既に移るビルは決まっていて、その中の2つの物件の間でのチョイスだったけれど、 扉が開いた途端に 中を見た第一印象であっさり決めてしまった。 いくら借りるだけで、買う訳ではないとは言え、居住空間というのがとても大切なのは身にしみて理解していたので、 後から床面積や窓の位置、水周りの位置等をフロア・プランをもらってチェックすることになったけれど、 今回引っ越した物件の方が、もう1つの物件よりも全ての条件でベターであることが判明したので、 やはりその第一印象が正しかったことを実感してしまった。




ヤンキーズ・ノスタルジー

今週のニューヨークでのスポーツの話題と言えば、金曜日に4度目のトライで やっと300勝を達成したと同時に、4000奪三振の記録も打ち立てたロジャー・クレメンズのことで もちきりだった。
今ではすっかりヤンキーズの一員以外の何物でもないクレメンズであるけれど、 トロント・ブルージェイズから移籍してきた当初は、 彼が「何となくヤンキーズっぽくない」というのはヤンキー・ファンなら誰もが思っていたことで、 これは彼がヤンキーズの宿敵、ボストン・レッドソックスに長く在籍していたイメージも手伝ってのことだった。
彼が本当にヤンキーズの1員になったと言われたのは、1999年のワールド・シリーズの 最終戦のマウンドで、彼が夢にまでみたチャンピオン・リングを手に入れるために 熱いピッチングをし、優勝の瞬間から子供のように喜ぶ姿を見せてからだった。
このことからも言えるように長いヤンキーズのファンにとっては、 ピン・ストライプのユニフォームを着たからといって誰もがインスタントにヤンキーズの一員として 認められる訳ではなく、逆にトレードによってヤンキーズのユニフォームを脱いでからも 「永遠のヤンキー」としてファンから敬愛されるプレーヤーも存在する訳である。
今週末のヤンキーズとの3連戦でそれを証明したのが、セントルイス・カーディナルスに昨年移籍した ヤンキーズの元1塁手、ティノ・マルティネスである。 日曜日のニューヨーク・タイムズ、ニューヨーク・ポストのスポーツ欄では共に、 ティノ・マルティネスがヤンキー・スタジアムで、ビジター・チームの選手であるにも関わらず、 ファンが総立ちの拍手で彼をバッター・ボックスに迎え、「ティノ! ティノ!」と彼の名前を連呼していたことが 記事になっていた。
ティノ・マルティネスは、ヤンキーズの近年の黄金時代に在籍したプレーヤーであるだけでなく、 その紳士的でチームメイト思いの人柄が、メディア、ファン、ヤンキーズのチーム全体からも評価されていた存在で、 2001年シーズンを最後にヤンキーズからトレードされて、最も惜しまれたプレーヤーである。 昨年、彼の代わりにオークランドA's から移籍したジェイソン・ジオンビが、シーズン初めに不調だった際に、 ヤンキー・スタジアムで猛烈なブーイングを受けた理由の1つは、 「お前なんかよりティノの方が自分達はずっと好きなんだ」というファン心理の現れでもあった。

私はつい最近、家具のショッピングをしていた際にそのセールスの男性と ヤンキーズについて30分以上も話し込んでしまったけれど、 話の発端となったのは、私が日本人なので「松井のファンなの?」と聞かれたことだった。
私が「松井は私がアメリカに来てから日本でデビューしたプレーヤーだから、彼のことは良くしらないけれど、 今のヤンキーズよりも 96年から2001年までの 'Die Hard Yankee Fan'(しぶといまでのヤンキーズの大ファンという意味)だった」と答えると、 「やっぱりそうだよね! You know baseball!!(野球を理解してるじゃないか!)」と意気投合されてしまった。
実際、この96年から2001年までの6年間は、ヤンキー・ファンに「Who is your favorite Yankee? (ヤンキーズの誰が好き?)」と 訊くのは愚問で、ファンならば「Everybody!(全員!)」と答えるに決まっているというほど、 ヤンキーズのチーム全体をファンは敬愛して、誇りに思っていた。
この時は、ポール・オニールがライト、ティノ・マルティネスが一塁手、チャック・ノーブロックが2塁手、 スコット・ブロシャスが3塁手、センターとショートは現在同様、バー二ー・ウィリアムスとデレク・ジーターで、 キャッチャーはホヘ・ポソダと99年まではジョー・ジラルディが交代で務めており、 エゴのない、チーム・プレーヤーの集積と言える理想的なベースボール・チームであると同時に、 チャンピオンに相応しいオーラとクラス(品格)を持った素晴らしいチームだった。
現在もヤンキーズは良いベースボール・チームではあるけれど、 ファンがここ2年のチームに物足りなさを感じるのは、このチャンピオンとしてのオーラや、 負けたくないというしぶとさ、プレーヤー間で生み出されていた相乗パワーのようなものが感じられなくなってしまったことであり、 それを寂しく思っているヤンキー・ファンは私を含め、非常に多いのが事実である。
だから今回ティノ・マルティネスがヤンキー・スタジアムで大喝采で迎えられたのは、 90年代のNBAのシカゴ・ブルスや、NFLのダラス・カウボーイズのように、 各スポーツで王者として君臨し、黄金時代を築く歴史的チームとしてのヤンキーズの 時代が2001年を最後に終わったことを感じて、懐かしんだり、 その思い出に感謝してのリアクションだと私は捕えている。
日本やNY在住の日本人の間では、松井が入団したことで、ヤンキーズのファンになったとか、 ヤンキーズの試合を見始めたという人は多いと思うけれど、 僅か数年前とは言え、あの時代のヤンキーズを知らないファンというのは、 とても気の毒だと思うし、逆にあの時代を知っていると今のヤンキーズを それほど熱心に応援する気になれないのも事実である。




CUBE New York主催 第2回NY在住女性ネットワーク・パーティーのお知らせ

昨年末の第1回目からかなり時間が経ってしまいましたが、 第2回目のネットワーク・パーティーを来る6月20日に取り行なうことになりました。
既にR.S.V.Pは15日で締め切っていますが、参加ご希望の方は、 カストマー・サービスまでご連絡いただければと思います。
詳細はこちらをクリックしてご覧下さい。





Catch of the Week No.2 June : 6月 第2週


Catch of the Week No.1 June : 6月 第1週


Catch of the Week No.4 May : 5月 第4週


Catch of the Week No.3 May : 5月 第3週