July 21 〜 27 2003




ハッピリー・インディペンデント

日曜日のニューヨーク・ポスト紙に掲載されていたのが「Sisters Are Doin' It By Themselves」 というタイトルの記事。この記事はニューヨーク市に住む女性を対象に行なった調査結果を纏めたもので、 「Gotham Gals Want Good Career More Than A Man」、すなわち「ニューヨークの女性は 男性よりもより良いキャリアを求めている(ちなみにGorham/ゴサムはニューヨークのニックネーム)」 というサブ・タイトルが付いていた。
これからも想像できる通り、この記事のデータが語っているのは、女性がどんどんシングル&インディペンデントになる傾向にあり、 伴侶を見つけようとするよりも、学校に通うなどしてキャリアを高めるために時間を費やしている実態であった。
ここでこのデータの一部を紹介しておくと、現在ニューヨーク市は女性の人口が男性を僅かに上回る約420万人で、 ファイブ・ボローと呼ばれるマンハッタン、ブロンクス、ブルックリン、クイーンズ、スタッテン・アイランドの 5地区では、いずれも女性の人口が男性を上回っているという。最も女性の人口が多いのはブロンクスで、 女性が占める割合は53.5%、最も女性の割合が低いスタッテン・アイランドで51.7%、 マンハッタンは女性の割合が52.5%となっている。 すなわち数の上では、男性がそれほど不足しているとは思えない結果が出ている訳である。
収入の面では、今も男性の優位は続いていて、女性の平均年収が3万2949ドル(約395万円)であるのに対して、 男性の平均年収は3万7435ドル(約450万円)となっている。しかし女性の平均年収は毎年上昇を続けており、 一方の男性の平均年収は1990年以来下がり続けているという。
年収10万ドル以上を稼ぎ出している女性の数は、同じ年収を稼ぎ出す男性の3分の1に過ぎず、 1人暮らしで不動産を購入している女性の数は、同様の男性の10分の1である。
NY市に暮らす15歳以上の女性は約390万人とされているけれど、このうち結婚している女性は 約150万人。残りの240万人は未婚、離婚経験者、未亡人、もしくは配偶者と別れて暮らしている 女性であるという。 パワー・エイジと呼ばれる35歳から44歳の年齢層で見てみると、結婚している女性は31万人、 未婚、離婚経験者等、自立している女性は38万人となっており、 この年齢層の女性の離婚経験者の数は、同じ年齢層の男性離婚経験者を62%上回っているという。
また未婚の女性の割合は1990年の調査時に比べて30%も増加しており、 女性達が独身生活を楽しみ、キャリアに情熱を注ぐ傾向を反映している。
これを裏付けるように、2000年から2002年の間に、仕事の合間を縫って NYU(ニューヨーク大学)で学ぶ35歳〜45歳の女性の数は65%増を見せており、 NYU以外を見ても、同じ年齢層で何らかの学校に通う女性の数は、 男性の数の2倍であるという。
ニューヨーク・ポスト紙は、これらの数字から「今やセックス・アンド・ザ・シティは TV番組の中のフィクションではなく、実際のニューヨーク女性のライフスタイルになりつつある」として、 現代の女性達は、結婚して子育てをするよりも、キャリアでのステップアップを目指して勉強したり、 自らビジネスをスタートしていると分析する。
奇しくも、この日のニューヨーク・ポストには、「セックス・アンド・ザ・シティ」の原作者、 キャンディス・ブシュネルの対談記事も これとは別に掲載されていたけれど、 昨年結婚したばかりの彼女も「今後はもっと多くの女性が、ずっと独身のまま 過ごすことになると思うけれど、だからと言ってそれが不幸だと思ったら大間違い」とコメントしていたりする。

世の中には結婚して幸せになる人も居れば、結婚後に不幸になる人も居るし、 結婚できないから不幸だと感じる人も居れば、独身生活を幸せだと感じる人も居る訳で、 結婚が人の幸福感の基準にはなり得ないのは言うまでも無い事である。
ある機関が男女、未婚、既婚別で幸福度を調査した結果によれば、最も幸せなのは既婚男性、 次いで独身女性、次いで既婚女性、最も幸福度が低いのが独身男性という結果が得られたというけれど、 私はこの結果は当たらずとも遠からずであると思う。
でも、多くのニューヨーク女性が30歳を過ぎても結婚せず、仕事に打ち込んでいるのは、 「結婚をしたくないから」という理由よりは、 結婚したいと思う相手に巡り会わないまま、仕事がどんどん忙しくなっていった結果である場合が多く、 結婚するにしても、しないにしても、仕事はずっと続けていたいと考える女性が 非常に多いのもニューヨークの傾向である。
総体的には、現代のニューヨーク女性は過去の価値観に縛られずに、キャリアを追求したり、 自由な恋愛観、結婚観をもって生きられるだけの自立心や経済力を身に付けた分、 幸せになっていると思うし、それだけに妥協を許さない上昇志向も強くなっているように見える。 だからその結果、キャンディス・ブシュネルが語るように、 多くの女性が未婚のまま人生を送るようになっても、それは不思議ではないし、 不幸でもないだろうと私も思う。




コビー・ブライアント事件に見るコンセント・セックス

今アメリカで、大きな話題となっているのがコビー・ブライアントのレイプ容疑であるけれど、 レイプという犯罪は、殆どの場合、当事者しか何が起こったかを知らないだけでなく、 時に当事者さえ何が起こっているかを知らないという点で、非常に裁判が難しい犯罪である。
もちろん、レイプ事件の中には、女性が見知らぬ男にエレベーターや非常階段でレイプされ、 事件直後に男が逮捕されるという明らかに犯罪が立証できるものも少なくないけれど、 アメリカで起こっているレイプの約半分はデート・レイプ、すなわち 食事をしたり、ドリンクと会話をするなど、ある一定の時間を過ごした男性に レイプされるというケースであり、今回のコビー・ブライアントのケースも ある意味ではデート・レイプというカテゴリーに属するものとも見なされている。
彼の場合、滞在していたホテルのコンシアージュの女性(19歳)とセックスをしたというもので、 女性側はレイプだと言い、コビー側はデート・レイプの被告が判で押したように 語る「コンセント(合意の上での)・セックスだった」という説明をしている。
もしレイプで訴えられたのが、コビー・ブライアントではなく、ごく普通の宿泊客の男性ならば、 ホテルの施設を案内したくらいで、コンシアージュの女性がセックスに応じる訳はないと 考えるのが普通であり、女性とてレイプの被害者として名乗り出ても、 男性を罰する以外、何のメリットも無い訳であるから、 引き裂かれた服や、身体に見られるレイプらしき損傷、DNA鑑定だけで、 女性側は簡単にレイプが立証できたはずである。
しかし、相手がコビー・ブライアントというNBAのクリーン・イメージのスーパースターであったがために、 女性は「賠償金目当ての狂言レイプだ」とか、「メディアの注目を集めたかっただけ」という目で見られ、 その過去の自殺未遂までネタにされて疑われることになってしまっている。
セックスがレイプだったと語る女性側と、コンセントだったと語るコビー側は 裁判で真っ向から対立することになるけれど、レイプ裁判で常に微妙かつデリケートな問題となるのが 「コンセント・セックス」の定義である。 多くのデート・レイプ犯として逮捕された男性は「車の中、ホテルやアパート等で、 女性と2人きりになり、良いムードになった」、「女性は進んで自分と2人きりになろうとした」 「キスをしても嫌がらなかった」というのが「コンセント・セックス」だと判断した基準であったと 語ると言うけれど、女性側が「セックスをする意志など無かった」、「抵抗の意を示した」と 語れば、それはレイプと判断されることになる。
しかし、これに対して男性側は「女性はセックスしたくないとは言わなかった」、「女性は男性を誘う意味で、 Noと言って気をもたせるもの」と反論するのが常で、「女性がはっきりと意思表示をしなかったために セックスに及んだ」という理論や、 「合意のセックスの後に、女性が態度を変えてレイプだと言い出した」という説を打ち出して、 男性の方が不正に訴えられた被害者であると主張するのがデート・レイプ裁判のシナリオである。
中には、男性の暴力が恐ろしくて、レイプの間、泣きながらされるがままになっていた女性に対して、 「全く抵抗しなかったし、嫌だとも言わなかったから、合意の上でのセックスだ」と 言い張るだけでなく、本人も真剣にそう信じているレイプ犯も居るし、 そうかと思えば合意のはずのセックスがあまりに乱暴で、抵抗しても相手が止めなかったということで、 レイプとして女性が訴える場合もあり、「合意のセックス」と「レイプ」とは ある意味で紙一重の部分が多いと言える。
コビー・ブライアント同様のスポーツ界のスーパースターで、レイプで有罪になった例としては マイク・タイソンが居るけれど、彼の場合、黒人ミス・コンテストの優勝者デザレー・ワシントン嬢を、 「ホテルの部屋から電話をしなければならないから」と言って 部屋に誘い、 彼女が「マイク・タイソンほどのスターなら、そういう重要な電話をしなければならないのだろう」と 思って付いて行ったところをレイプしたというのがその事件で、 タイソン側の主張は 当然のことながら「セックスはコンセント(合意の上)だった」というものだった。
コビー・ブライアントが、一体何を根拠に「合意の上」と思ったのかは、 恐らく裁判になるまで分からないと思うけれど、私に言わせれば、法的に絶対揺ぎ無い「コンセント・セックス」をしようと思ったら、 「セックスに合意します。レイプだと言って訴えを起こしたりはしません。 この誓約書には自分の意志でサインしていて、強制的にサインさせられた訳ではありません。」という 内容の誓約書を持ち歩き、女性と良いムードになったところで、自分以外の第三者の立会いのもとに、女性にその誓約書にサインをしてもらい、 それを安全な場所に保管してから セックスに及ぶべきである。
「そんな事までして、遊ぶ男が居るか?」と思うかもしれないけれど、 素性のわからない女性を相手にする場合、男性に地位や財産があればあるほど、それなりのリスクは覚悟すべきである。
今コビー・ブライアントが、一晩の過ちから失おうとしている物の大きさを考えれば、 相手の女性と書面を取り交わすことは、それほど馬鹿げたことだとは思わないし、 それを取り交わす間に性欲が萎える事があれば、それも決して悪いことではないと思う。
でも既婚男性の場合、女性からのレイプの訴えをかわすための書面は、 配偶者に見つかれば、浮気をした証拠以外の何物でもないことは覚えておく必要があるだろう。





Catch of the Week No.3 July : 7月 第3週


Catch of the Week No.2 July : 7月 第2週


Catch of the Week No.2 July : 7月 第1週


Catch of the Week No.5 June : 6月 第5週