Sep. 1 〜 7 2003




ヴェガンの不思議

私は自他共に認めるミート・イーター(肉食)で、お腹が空いている時に ピーター・ルーガーのポーターハウス・ステーキの事を考えると倒れそうになる程に 肉というものが好きだったりする。
だから付き合う男性は、絶対にヴェジタリアンでは困ると思っているし、 ヴェジタリアンは一体どうやって老化を防ぐのに十分な蛋白質を補っているのかを 不思議に思っていたりもする。
多くのヴェジタリアンは大豆を始めとする豆類が蛋白源となっているけれど、植物性蛋白質はどうしても 吸収が悪いから、肉や魚を食べる方がはるかに効率良く、良質な蛋白質が得られるのは言うまでもないことである。 蛋白質が足りていないと、抵抗力が衰えて病気になりやすくなるし、皮膚や髪の毛の質が衰えたり、 再生機能が鈍ったりする訳で、若さと健康のためには、野菜同様、肉や魚といった動物性蛋白の 摂取は欠かせないのである。
でもヴェジタリアンの中には、肉以外なら何でも食べる人、卵なら食べる人等、 いろいろなタイプが存在しているし、ヴェジタリアンになろうとしてなったのではなくて、 単に肉が食べられないだけだったり、健康のために野菜中心の食生活をしているうちに ヴェジタリアンと呼ばれるようになった等、様々なケースも存在していたりする。
アメリカでは70〜80年代にヴェジタリアンというと、特殊な思想や宗教上の理由から そうしているように思われがちであったけれど、現在では、飛行機の機内食には必ずヴェジタリアンのオプションがあるし、 結婚式の招待状の返事で、食事のアントレ(メイン・ディッシュ)を指定する際には、 ミート、フィッシュ、ヴェジタリアンというチョイスが必ずと言って良い程 設けられているから、 ヴェジタリアンは決して特異な存在ではなくなったのは事実である。
ヴェジタリアンが一般的になるに連れて、増えてきたのはヴェガンで、 これはシャレや冗談が全く通じない、徹底した菜食主義を意味する。
ヴェジタリアンが健康上の理由から菜食主義になる場合が多いのに対して、 ヴェガンは動物愛護の立場から徹底した菜食主義になる場合が非常に多く、 その動物愛護の姿勢は食事だけに止まらないのが通常である。 ヴェガンの多くは毛皮はもちろんのこと、レザー・ジャケットの着用や、 レザー・ソファを部屋に置く事さえ拒み、シューズやバッグ、ベルト等も徹底的に 布製、ゴム製を選んでいたりする。
これだけ徹底した動物愛護の姿勢を貫くには、並み大抵の決意では出来ない訳で、 その結果ヴェガンという人々は、良く言えば意志が強く、悪く言えば頑固で、 時にヴェガンを貫こうとするあまり周囲に迷惑を掛ける場合さえある。
先日、ニューヨーク・タイムズのファッション欄に、この秋からスタートする新番組「ミス・マッチ」で 主演を演じるアリシア・シルバーストーン(写真右)がヴェガンで、レザーやファーはもちろんのこと、 ウールやシルクまでの着用を拒むため、番組のスタイリストが大変な思いをしていることが レポートされていた。この番組は「セックス・アンド・ザ・シティ」 のクリエーターでもあるダーレン・スターが プロデュースするもので、「セックス・アンド・ザ・シティ」 並みにファッションに 重きを置くことを謳っているだけに、アリシアのスタイリストが悪夢のような思いをしているのは 容易に想像がつくところである。
アリシアが番組の中で演じる弁護士はヴェガンではない訳だから、 仕事と割り切って、役を演じる時くらいヴェガンはお休みすれば良いのに…と思うけれど、 そんな主演女優の我がままが許され、周囲がそれに振り回されるのがハリウッドである。
2001年、「チャーリーズ・エンジェル」の1作目の封切りに合わせて、ヴォーグ誌がエンジェル役の 3人を表紙にしようと撮影を行なった際も、ヴェガンのドリュー・バリモアが スタイリストが揃えたファー、カシミア、レザー素材の服の着用を拒み、 結局3人はコットン100%のタンクトップにホワイト・ジーンズといった何の変哲もない出で立ちで撮影に臨み、 その写真はヴォーグ誌の記事には登場したけれど、表紙になることは無かった。

私の知人に言わせれば、女性のヴェジタリアンと、ヴェジタリアンでない男性は 付き合っていられるけれど、その逆のカップルは必ず破局を迎えるそうで、 ヴェガンになると「男性でも女性でも、ヴェガンとしか付き合えない」のだそうである。
確かに、私を含め、多くのヴェジタリアンでない女性は、ヴェジタリアンの男性を 嫌ったり、避けたりする傾向にあり、「男っぽくない」とか、「セックス・ドライブが低そう」だとか、 「自分が肉を食べている時に、ゲテモノ食いをしているかのような目で見られるのがたまらない」等と 様々な理由を述べていたりする。 でも、女性がヴェジタリアンの場合、ヴェジタリアンでない男性はそれに対して寛容な場合は 多く、実際に私も女性がヴェジタリアンで、男性がそうでないカップルは何組か知っていたりする。
ところが、これがヴェガンとなると話は別なようで、「ヴェジタリアンは許せるけれど、 ヴェガンとは絶対に付き合えない」という男性は非常に多いと言わなければならない。 ヴェガンを毛嫌いする男性の中には、ヴェガンの女性とデートして、 そのヴェガン・ライフスタイルについて長々と語られ、肉を食べることで如何に身体が汚れるか、 フェイク・ファーや合皮があるのに、どうして毛皮やレザーを着る必要があるのか?などについて 熱っぽく語られて、ウンザリしていたり、怖気づいてしまったというケースも多いようである。
確かにヴェガンというのは、それなりの思想や哲学がないと出来ないライフスタイルであるから、 誰かが興味本位でそれについて訊ねると、物凄い勢いでレクチャーが始まってしまうことは珍しくないのである。
私は、数年前に牛肉料理の話をしていた際、ヴェガンの女性に「食肉牛がどうやって殺されるか」 について説明され、「それでも、牛肉なんて食べたいと思うの?」と問いただされたことがあったけれど、 間髪入れずに「Yes!」と答えて、その場に居た人に非常にウケてしまった思い出がある。
私が知る限り、ヴェガンが嫌われる理由は、このように他人に対してその哲学やライフスタイルを 押し付けるように語る人が居るからで、これでひどい目に合っている人にとっては、 ヴェガンとカルト宗教には大差が無いようにさえ思えるようである。
私が個人的に、ヴェガンや強硬派の動物愛護主義者を見ていて不思議に思うのは、 彼らが肉料理や、毛皮、レザーのコートを、まるで汚い物のように扱うことで、 動物をそんなに愛しているならば、死んで姿が変わってしまった後も、愛情を注いであげれば良いのに…というのが 私の考えである。
私は毛皮も着れば、肉の塊も食べるし、バッグやシューズはことごとくレザー製だけれど、 見方を変えれば、食べてしまったり、身につけたり、 持ち歩いたりするほど動物を愛している訳であるから、こうしたことを理由にヴェガンに動物虐待者 呼ばわりされることがあれば、それはお門違いというものである。






クリスタル VS. ドンペリ

私がこの週末最も楽しみにしていたイベントが、友人宅でのパーティーであったけれど、 楽しみにしていたのはパーティーそのものというよりも、そこで シャンペンのクリスタルを飲ませてもらえることになっていたためであった。
私は数年前に知人の結婚式で、1回だけクリスタルを飲んだ事があるけれど、 この時クリスタルが出されたのは、最初の乾杯の時だけで、 1人1人のゲストに恩着せがましくラベルを拝ませてから、仰々しくグラスに注いでいたので、 どんなにボッとしていても、乾杯のシャンペンがクリスタルであることは 認識せずには居られない状態であった。 でも、私はこの時点ではクリスタルがドン・ぺリニオンの3倍もする値段のシャンペンだとは 知らなかったので、「これがあのパフ・ダディが夢中になっているシャンペンか…」程度にしか思わなかったので、 到底味なども覚えてはいなかった。
5年ほど前までは、ニューヨークのホットなクラブでドンぺリをボトルで頼めば、 男性は「駆け出しのモデル程度なら 簡単に引っ掛けることが出来る」と言われていたけれど、 クリスタルの存在が一般にクローズアップされてからというもの、 ドンペリの有り難味というのはすっかり薄れてしまったというのが実情である。
私の親友、モニカはニューヨークよりも小さなコミュニティにリッチ・ピープルが凝縮している マイアミに暮らしているけれど、彼女が先日出かけたパーティーでは、 ドンペリが飲み放題状態であったにも関わらず、招待客が 「クリスタルを出さないなんて、チープなパーティー!」と批判していたという。 モニカからこの話を聞いて、「私、ドンペリで十分」と言うと、 彼女も全く同感であったけれど、やはりモニカもクリスタルは2回しか飲んだことが無いそうで、 私同様、「どうだ、クリスタルだ!」と言わんばかりにラベルを見せ付けられてから 注がれて飲んだものの、 味は全く覚えていないとのことだった。
そこで今週末の私のミッションは、「クリスタルを飲むだけでなく、その味を認識する」ということだった。 だから、私は知人宅に着いてからずっと「クリスタル、クリスタル」と大騒ぎしていたけれど、 誤算だったのは私があまり騒いだために、他にもクリスタルを飲みたいという人間が続出してしまい、 「シャンペンは好きじゃない」と言っていた人までが「話のネタに飲んでみたい」等と言い出してしまったことだった。
結局、15人で分けることになったクリスタルは、お猪口の2杯程度の量で、 「これだけしかないから、真剣に味わおう」と緊張したせいで、3口で飲み干したクリスタルの味は 全く理解出来ないままになってしまった。
「あんなに楽しみにしていたのに、全然味が分からなかった」と嘆く私のために、 友人のだんな様がドンペリを出してきてくれたけれど、 驚いた事に、店で買えば100ドル以上もするドンペリを飲みたがる人は誰も居らず、 出されたドンペリは結局マイ・エクスクルーシブ・ボトルになってしまった。
クリスタルを3口飲んで、ドンペリを独り占めした後の私の感想は、 やはり以前と同じ「私、ドンペリで十分」というものだった。



CUBE New York主催、第3回NY在住女性ネットワーク・パーティーのお知らせ

来る9月19日金曜日、午後7時より、第3回NY在住女性ネットワーク・パーティーを取り行なうことに致しました。 会場は前回同様、モンドリアンです。 是非ご都合をつけてご参加いただければと思います。
なお、今回も会場準備の都合で 参加ご希望の方にはR.S.V.Pをお願いしています。 詳細はココをクリックしてご覧下さい。



Catch of the Week No.5 Aug. : 8月 第5週


Catch of the Week No.4 Aug. : 8月 第4週


Catch of the Week No.3 Aug. : 8月 第3週


Catch of the Week No.2 Aug. : 8月 第2週